ドン・ジョン Don Jon

●「ドン・ジョン Don Jon」
2013 アメリカ Voltage Pictures.
監督・脚本:ジョセフ・ゴードン=レヴィット
出演:ジョセフ・ゴードン・レヴィット、スカーレット・ヨハンソン、ジュリアン・ムーア、トニー・ダンザ他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
売り出し中のジョセフ・ゴードン=レヴィットが、初の長編のメガフォンを自らの主演、脚本作品で
取った作品。お話は単純だし、映像の組み立てもなかなか凝ってはいるが、ジャンルとして
私の好みではない。言わんとする所は分かるし、出ている役者もオスカー級が並んでいて
それなりだが、心から「面白かった!」とはならなかった。本国ではだいぶ稼いだ作品のようだ
が、まあ、アメリカ人には受けるタイプの映画かもしれない。オチもだいたい分かっちゃうし。

つまりは理想の女というものは、どういうものなのか、ということをプレイボーイではあるが
真面目で清潔好きの主人公の女性に対する考え方の変化を描くことにより示したもの。
その方法論の描き方がジョセフ・ゴードン=レヴィット流ということ。ではあるが、目新しいか、
というとそうでもない。

ナイスバディのすこぶるつきの美人だが、ジコチューなスカーレット、それに対比されるのが
お年は行っているが、14か月前に交通事故で夫と息子を亡くしていて影のある夜学の
同級生ジュリアン。
主人公ジョンは、モテモテなのだが、人間の女よりネットのポルノ動画のほうが好き、という
ちょっと変わった青年。ある夜いつものクラブでいつものようにナンパしてると、今まで
観たことのないような美人バーバラ(スカーレット)と出会い、一目惚れしてしまう。しかし
彼女はなかなか体を許さない。やっと初めて自分の家に連れてきてベッドインに成功した
ものの、ポルノを観るほうがやっぱりいいと、夜中に起きだしてPCを見ていることろを
見られてしまい、本物の恋人がいるのにどういうこと?と責められるが、友達からジョークの
映像が送られてきたんだよ、とか嘘を言ってその場は事なきを得た。

そんな折、夜学でエスター(ジュリアン)という年増の女性から声を掛けられる。うざったいと
敬遠していたジョン。一方バーバラの希望でジョンの家族にも紹介し、両親も気に入り
うまくいくかのように見えた。しかし、自分の部屋を自分で掃除するジョンを、家政婦に
やらせるバーバラ、私と一緒に暮らし始めたら自分で掃除するなんて言わないでね、と
約束させられてしまう。そのあたりから、ジョンの心に多少の違和感が生まれる。
そして、ポルノ鑑賞が止められないジョンはついに2度めの目撃をされてしまう。PCの
履歴をチェックされ、ポルノサイトが並んでいたのを見つけられたのだ。これが決定的と
なり、引き止めるジョンを尻目にバーバラは彼の元を去っていく。

そんな折に、ジョンはエスターと接近する。最初は失恋の憂さ晴らしのようにしてエスターと
セックスをするのだが、包み込むようなエスターといると心地良いことが感じられるのに
気がつき始めた。そして、家族にもバーバラと別れた、と言うと、妹が、「別れて正解。
あの女は自分のことしか考えていない。好きな男は自分のために何でもして当たり前と
思っているジコチュー女よと」言い放つ。納得してしまうジョンだった。
そして、エスターと付き合いを深めれば深めるほど、目を見て話をしてくれるし、自分の
こともちゃんと考えてくれる女性像の素晴らしさに気がつくのだった。結婚はしないだろう
けど、ジョンの女性の見方が変わっていったのだった。そしていつの間にかポルノも
見なくなっていたのだ・・・・。

ポルノ好きの男、超美人だがジコチューの女、年増だけど、男女の愛情とはどういうものか
ということをわかっている女性。ちょっと設定がステレオタイプだったかなあ。教会の懺悔の
シーンとか、同じシチュエーションを繰り返すとか、映像の構成の仕方は凝っていて
飽きさせないのではあるが、個人的には、今ひとつ、という映画であった。
スカーレット・ヨハンソンがジコチューの嫌らしさが出し切れてないんじゃないか、と思えた。
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<ストーリー>
「『LOOPER ルーパー』の若手演技派、ジョセフ・ゴードン=レヴィットが自ら主演も務めた
初長編監督作となるコメディ。平凡ではあるものの、何不自由ない毎日を過ごすモテ男が
タイプの異なる2人の女性との出会いを通し、新たな価値観を見出していく姿を描く。
スカーレット・ヨハンソンとジュリアン・ムーアがヒロインを務める。

鍛えられた身体に甘いルックス、車も部屋も洒落込み、趣味はジムでのトレーニング。
家族を大切にして、週末は教会へ。完璧男のジョン・マテーロ(ジョゼフ・ゴードン=
レヴィット)は、毎晩異なる美女を“お持ち帰り”するプレイボーイ。
そんな彼を、遊び仲間のボビー(ロブ・ブラウン)とダニー(ジェレミー・ルーク)は“ドン・ジョン”と
呼んでいた。だが、相手にも完璧を求めるジョンは、自分好みの女性、理想のセックスを
求めて女性との関係を繰り返すものの、どうしても満足できない。彼の理想は、パソコンで
見ているポルノのようなセックスだったのだ。

ポルノ鑑賞は止まらず、毎週末、教会で“婚前交渉”と“自慰”を懺悔する日々。教会の後には
実家で家族と食事。父のジョンSr.(トニー・ダンザ)とはいつも張り合う似た者同士。
父子のケンカを仲裁する理想家の母アンジェラ(グレン・ヘドリー)は、息子に素敵な恋人が
できることを望んでいた。家族に無関心な妹モニカ(ブリー・ラーソン)は、スマホが手放せない。

そんなある日、ジョンはクラブで出会った美女バーバラ(スカーレット・ヨハンソン)に一目惚れ。
しかし、家庭的で堅実、恋に恋するタイプの彼女は、ジョンとは正反対。“この世で一番美しい
女性”とのセックスのために、尽くし、我慢し、奮闘するジョン。そして訪れた待望のひと時。
しかし、それもポルノには敵わなかった。寝ている間、こっそりポルノサイトにアクセスしていた
ところ、運悪く起きてきた彼女に見つかってしまう。何とか関係は修復できたかに見えたが、
その後もポルノの鑑賞頻度が上がる一方。

ある日、夜学の授業の合間にポルノを見ていた彼に、年上の女性エスター(ジュリアン・ムーア)が
話しかけてくる。気取らない性格の彼女は、ポルノ鑑賞についても遠慮がない。
嫌な部分に踏み込んでくるエスターを煙たがるジョンだったが、この出会いが彼に大きな影響を
及ぼすことに……。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2015-04-29 22:10 | 洋画=た行 | Comments(0)

●「さよなら、アドルフ Lore」
2012 オーストラリア・ドイツ・イギリス Edgecity Films.109min.
監督:ケイト・ショートランド  原作:レイチェル・シーファー「暗闇の中で」
出演:ザスキア・ローゼンダール、カイ・マリーナ、レーネ・トゥレプス、ウィルシーナ・ラルディ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
ナチス・ドイツによる迫害の映画は沢山あるのだが、敗戦国ドイツの、しかもナチス軍人を
父に持つ子どもたちの終戦直後を描いた作品というものを初めて観た。それだけでも
価値が有った思う。全編、粛々と物語は進むが、静かな中にも厳しさが上手く埋め込まれて
いる。子供心にも、両親の教育あり、ナチスの思想を叩きこまれ、ユーゲントの歌を勇ましく
歌う兄弟たちに、総統の死のニュースがもたらされるところから映画が始まる。

ナチスの幹部だった父親はもちろん、母親も拘束され、母に言われて、生まれて間もない
赤子と幼い兄弟3人を伴って、ハンブルグの祖母の家までの子供らだけの長い旅路が
スタートする。これまで特権階級の中で何不自由なく暮らしていた子供らは、農民らの
白い目の中を必死に歩く。そんな中で知り合ったというか、むこうから近づいてきたのが
ユダヤ人の青年トーマスだった。

母親から託された貴金属を食料と換えて、祖母の家を目指すのだが、すでにドイツは
共産国と自由主義陣営に分断されていて、森のなかで小さい弟、ギュンターが敵と
間違えられて射殺されてしまう。

ローレは長女として、兄弟らを叱咤激励し、食料を集め、苦難をなめ尽くして祖母の家を
目指すが、途中からついてきたトーマスが何くれと力を貸す。彼の出自は明らかにされない。
兄弟たちがユダヤだからといって戸惑いはするが、毛嫌いをするわけでもなかった。
ナチスドイツにひどい目にあって来たはずのトーマスも何故かドイツ人の子供らにやさしい。
その理由は明らかにされない。このあたりが隔靴掻痒な感じだった。兄弟が多いのだから
中にはもっとナチスに凝り固まった子供を配するとか、トーマスの出自に何かしらドイツ人を
助けなければ、という理由が明示されるとかしたほうが分りやすかったのではないか。

トーマスは実名ではなく、亡くなったトーマスという人物の身分証明書を持っていたのだが、
その経緯も、「死んだユダヤ人から奪った」としか説明されない。

原作未読だが、原作本ではもっと丁寧な説明がなされていたのではないか。作品全体を
流れる思想というか主張は理解できるのだが、また子供らに取って苛烈な旅路であり、
戦争という憎しみの装置に振り回される彼らの悲劇も伝わるのだが、今ひとつひねりというか
突っ込みが欲しかった所。全体に思索的な映像表現となっていて、内なる心を表現しようと
した観念的な作品に仕上げたかったのかもしれない。全てを説明せずに。小津映画みたいだ。

結局、子供らはトーマスとは別れて、祖母の家に無事に到着するが、祖母は相変わらず総統を
信じている。そんな大人たちを見ていて、ラストシーンでは母が大事にしていた鹿の置物を
足で踏みつけ壊すローレだった。彼女は、嘘で塗り固められた大人の世界に幻滅したのだろうと
個人的には感じたし、その行為によりローレは大人になった、ともいえると感じたのだった。
旅路の途中で、連合軍が張り出したのであろう、ユダヤ人虐殺の写真が掲示されていて、
「あなたがたにもこの責任がある」とか書かれていた。ローレはそれを見て、ヒットラーの
景気のいい言葉の裏にあるもの、信じていた父母の裏にあったものを見てしまったのだ。
これと同じような状況は、戦後の日本にも状況の違いはあれど、多数あったに違いない。
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<ストーリー>
「レイチェル・シーファーの小説『暗闇のなかで』を映画化。終戦後のドイツを舞台に、ナチ
親衛隊高官の子供たちが直面する過酷な運命を描く人間ドラマ。
監督・脚本は、「15歳のダイアリー」のケイト・ショートランド。
出演は、新星ザスキア・ローゼンダール。2013年アカデミー賞外国語映画賞オーストラリア
代表作品。

1945年春、敗戦後のドイツ。ナチ親衛隊の高官だった父と母が、連合軍に拘束される。
置き去りにされた14歳の少女ローレ(ザスキア・ローゼンダール)は、幼い妹、弟たちを連れ、
900キロ離れた祖母の家を目指す。
終戦を境に何もかも変わってしまったドイツでは、ナチの身内に対する世間の風当たりは
冷たく、たとえ子供であっても救いの手を差し伸べる者はいなかった。
そんな中ローレは、ナチがユダヤ人にしてきた残虐行為を初めて知る。さらに、ローレたちを
助けてくれるユダヤ人青年トーマス(カイ・マリーナ)が旅に加わり、ローレがこれまで信じて
きた価値観やアイデンティティが揺らぎ始める……。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2015-04-27 23:15 | 洋画=さ行 | Comments(0)

●「はじまりは5つ星ホテルから Viaggio sola」
2013 イタリア Bianca Film.82min.
監督・原案・(共同)脚本:マリア・ソーレ・トニャッツィ
出演:マルゲリータ・ブイ、ステファノ・アコルシ、レスリー・マンヴィル、ファブリッツァ・サッキ他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
邦題はオシャレだけど、いわば「ホテル覆面調査員の孤独」という副題がつきそうな
作品である。世界各地の5つ星ホテルを名前を伏して宿泊し、白い手袋をはめて、部屋の
隅から隅まで「あら探し」。もちろん受付やボーイ、ルームサービス、レストランのサービスや
食器まで、目を光らせて、チェックを入れていく。忙しくて家にろくに帰れないし、結婚も
出来やしない。しかし、もう40歳も超えてしまった。主人公のイレーネに、何か割り切れない
ものが生まれてくる。自分は人に自慢出来る、尊敬される仕事をしているんだ、という自負が
崩されてくる。
それは、夫がオーケストラの楽団員で小さい子供が二人いる妹の、金持ちでも派手でもないけど
地に足がついた生活、さらに元カレが新しい恋人に赤ちゃんが出来た、と相談してきたことから
だった。そんなことを突き抜けてしまったベテランの境地にも至らず、なんだか生活の疲れが
見えてしまう調査員になってしまい、最近はどうもシンドさや周りの安定した暮らしの人々にばかり
目が行ってしまう。そんな折、ベルリンのホテルのサウナで知り合った同い年くらいの独身の
性科学者、彼女の芯のある話しっぷりに刮目したイレーネだったが、翌朝、彼女が急死し、別れた
旦那しか知らせる人がいないとホテルが困惑しているところに遭遇してしまう。明日は我が身だ。

この事件がセレステを変えるきっかけとなった。
最近ケンカしてしまった妹と仲直りし、赤ちゃんが出来た元カレやその彼女との間も修正し、
そして、自分探しの旅に上海へと出かけるのだった・・・。

そんな映画なんだけど、雰囲気があることは認めるが、底が浅いなあ、と思わざるをえない。
言いたいことは終始分かっちゃっているんだよね。アラフォーのばりばりのキャリアウーマンの
孤独。そして自分探し。まあ、セレステが独身でもいいや、と吹っ切れたのか、どうなのかは
分からないし、なんで上海に行ったのかも分からないけど。セレステのアンチテーゼとして
提示される妹家族や元カレと彼女(と出産)という、わかり易すぎる構造も、今ひとつ心に
こだわりを残しづらい。主人公の職業の設定の面白さだけで引っ張る作品だ。主題に基づく
エピソードの積み重ね方には工夫も感じられるし、それなりに見られるのではあるが、
全体に食い足らなさが残った作品であった。
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<ストーリー>
「実在する数々の5つ星ホテルを舞台に、ホテルの覆面調査員が直面する人生の岐路を描く
ヒューマンドラマ。
出演は、「題名のない子守唄」のマルゲリータ・ブイ、「ぜんぶ、フィデルのせい」のステファノ・
アコルシ、「家族の庭」のレスリー・マンヴィル。
監督・脚本は、「ダブルボディ」のマリア・ソーレ・トニャッツィ。

フランス・パリのオテル・ドゥ・クリヨンをチェックアウトしたイタリア人のイレーネ(マルゲリータ・
ブイ)は、世界の5つ星ホテルのサービスをチェックする覆面調査員だった。誰もが憧れる
仕事をしているが、私生活では40歳独身。それでも自由な生活を謳歌していた。

イタリア・トスカーナのフォンテヴェルデ・タスカン・リゾート&スパで調査中のイレーネの前に、
元婚約者アンドレア(ステファノ・アコルシ)が現れる。今は親友のアンドレアは、現在の彼女
との間に子供ができたことを相談し、自分たちに子供ができていたら産んだかとイレーネに
尋ねる。イレーネは、必要ないから産まないと答える。
ある日イレーネは、ローマにある妹夫婦の家で過ごしていた。2人の娘を持つシルヴィア
(ファブリツィア・サッキ)はイレーネの将来を案じるが、イレーネは姪が世話してくれるとかわし、
姪たちと絆を深めるため南イタリア旅行へ出かける。しかし夜になるとママに会いたいと
泣かれてしまい、失敗に終わる。

イレーネは仕事で行ったモロッコ・マラケシュのパレ・ナマスカで素敵な男性と楽しいひとときを
過ごすが、愛妻家という言い訳でフラれてしまう。ローマに帰ったイレーネは、子供が産まれる
彼女の側にいるために新居を探すアンドレアに同行する。次第に父親の責任を持ちつつある
アンドレアに、なぜか冷たい態度をとってしまうイレーネ。さらにシルヴィアとも些細なことで
喧嘩してしまう。イレーネはドイツ・ベルリンのホテル・アドロン・ケンピンスキーで、人類学者
ケイト(レスリー・マンヴィル)と意気投合する。翌日、一緒にトルコ街に行く約束をするが、
突然の別れが訪れる。
将来への不安から孤独を感じたイレーネは、ローマに戻ってもシルヴィアと仲直りできず、
さらに孤独を深める。思わずアンドレアにすがるが、彼にはまもなく新しい家族ができる。
華やかで自由な人生と引き換えにある孤独に気づいたイレーネは、自分らしい人生の旅の
答えを出す。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2015-04-23 22:50 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「最高の人生の描き方 And So It Goes」
2013 アメリカ Castle Rock Entertainment,Foresight Unlimited,and more.94min.
監督:ロブ・ライナー
出演:マイケル・ダグラス、ダイアン・キートン、スターリング・ジェリング、ロブ・ライナー、スコット・シェパード他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
邦題として付けられた、ロブ・ライナー監督の「最高の人生の~」三部作?の最新版。
このシリーズ?では老優二人で持たすような作りであって、本作も、マイケルとダイアンと
いうお年を召したベテランの掛け合いで見せていく、ハートフルラブコメディ。日本劇場未公開。

まあ、「スタンド・バイ・ミー」や「ア・フュー・グッドメン」のロブ・ライナーなんで、手堅く
まとめては居るが、「見逃すな!」という作品ではない。ほのぼのとしたい時に、気楽に
見られる映画、というところだろう。ベテラン二人の味が出尽くしているとも思えない。

例によって悪い人は出てこないし、マイケル・ダグラスは自宅を860万ドル(9億円!!)で
売ろうとしている不動産業の成功者である、そのあたりに、映画が持つゆとりみたいなものを
醸しだしてしまう。(良くも悪くも)。だから見て面白く無いか、といわれればそうでもないが、
人にどうしても見ろ、とは薦めないタイプの映画だろうな。マイケル・ダグラスの頑固ぶりが
割りとあっけなく崩れていく(まあ、もともといい人だったということなのかも)のもいささか
拍子抜け。マイケルとダイアンがお互い連れ合いを亡くした独り身でやがてくっつくんだろうな
というのも予定調和だ。そうそう、予定調和の気持ちよさ、というのも映画にはあるわけだから
そういう手がお好きな人、安心して見られるものがいい、という人にはいいだろう。
私は映画館まで行って観るものかなあ、と感じた次第だ。

カナダあたりでロケをした明るい景色が、映画をスッキリさせる効果を生んでいる。
心がどんよりしている人が、ほのぼのしたいなあ、と思って観るといいかもしれない。

個人的に拾いものだったのはダイアン・キートンがクラブ歌手の役回りなのだが、結構
歌が上手くて味わい深いな、と思ったことだ。
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<ストーリー>
「ウォール街」でアカデミー主演男優賞に輝くダグラスと、ウディ・アレン監督の代表作
「アニー・ホール」でアカデミー主演女優賞に輝くキートンが豪華共演。いずれも年老いた
役どころだが、恋についてはまだまだ現役というエネルギッシュかつ個性的なキャラを
自然体で演じきった。シルバー世代の奮闘が期待されるこれから、もっと増えていきそうな
タイプのヒューマンコメディだ。本作にキャストとしても出演した名手ライナー監督が繊細と
アバウトの中間を目指したような演出も要注目。WOWOWの放送が日本初公開。」
(WOWOW)

不動産業を営んできて、それなりの成功を収めたオーレン(マイケル)は、自宅を860万ドルで
売却し、田舎に引っ込んで釣りザンマイの隠居生活を夢見ていた。オーレンは10年前に
妻に病気で先立たれていた。
現在は自らがオーナーのアパートに暮らしている。その隣にリア(ダイアン)という、夫を病気で
亡くした駆け出しのクラブ歌手の初老の寡婦が暮らしていた。アパートの住人はみな人がいい
のだが、大家のオーレンはやたらと口やかましく、皮肉屋である。
そんなオーレンの元に、これから刑務所に入るという長男から、10歳の娘サラを連れてきて、
誰も引き取り手がないので、オヤジが9ヶ月、早ければ半年で出てこられるから面倒を見ていて
欲しい、と頼まれる。オーレンは、アパートは狭い、と言って断るが、隣のリアが、面倒を見ると
言って引き取ってしまう。それからリアとオーレンは二人でサラの面倒を見ることになる。
サラが媒介となって、オーレンとサラの間は急速に接近していくのだが・・・

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2015-04-20 22:40 | 洋画=さ行 | Comments(0)

●「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う! The World's End」
2013 イギリス Universal Pictures,Working Title Films.109min.
監督:エドガー・ライト  脚本:サイモン・ペッグ、エドガー・ライト
出演:サイモン・ペッグ、ニック・フロスト、パディ・コンシダイン、マーティン・フリーマン、エディ・マーサン、  
    ロザムンド・パイク、ピアース・ブロスナン他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
この映画については私の★はあまり信用しないで。なぜなら本作は指向性の極めて
強い映画で、作っている人、出ている人をよく知っていて、このようなテイストを好む映画ファンに
取ってはとても面白いことでしょう。サイモン・ペッグとニック・フロストの「宇宙人ポール」は
私にもよく分かり、面白く笑えたのだが、今回は、「え!?何これ?」という「分からない感」が
先行してしまった。 まあ、大人がバカやっている映画を、分かっていて作っているのだから
画面から漂う「おバカ感」を味わえばいいのであるが、宇宙人が登場したあたりから、どうも
ついていけなくなってしまった。どうしても、12軒のパブを回ってビールを飲むという、そこから
して「おバカ」な目的のため、宇宙人に体を奪われてしまった街の人と戦うはめになるという、
なんともシュールで、形而上的な表現が展開されれる。一件「おバカ」に見えていて、実は
「深い」映画なのかもしれない。ただ私にはその感想には至らなかった。単なるおバカ映画、
としか・・・。どこかイギリスの「おバカ」な匂いはしましたけど。

でも、観ちゃったんだよね、最後まで。ラストカットの意味合いも考えてみたのだけれど、
よく分からなかった。深刻に意味を求めるのは馬鹿げていると思ったので、考えてみる
のは止めたけど。 5人の叔父さんになった男ども、それと紅一点のサムも、宇宙人と
戦うときはやたらと格闘が強いんだよなあ。「アヴェンジャーズ」みたいだよ。

映画「ゴーン・ガール」でオスカーのミニーになったロズムンド・パイクの存在が、この映画を
締めている感じがした。

監督と主演級二人の作品を好む人は、面白いのじゃないでしょうか?
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<ストーリー>
“1晩に5人で12軒のハシゴ酒”に挑戦するアラフォーの酔っぱらいたちが、街を操る何者かと
戦いを繰り広げるSFコメディ。監督・脚本は、「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」の
エドガー・ライト。
出演は、共同脚本も務める「スター・トレック」のサイモン・ペッグ、「宇宙人ポール」のニック・フロスト。

20年前の学生時代、一晩で12軒のパブをめぐる“ゴールデン・マイル”を成し遂げられなかった
ゲイリー(サイモン・ペッグ)は、リベンジするため当時の仲間アンディ(ニック・フロスト)ら4人を
集め、イギリス郊外の街ニュー・ヘイヴンに舞い戻ってくる。
やがて街の様子がおかしいことに気づくが、実は街の人々は何者かによって操られていたのだ。
自由を取り戻すため、そして世界を救うため、12軒目のパブ“ワールズ・エンド(世界の終わり)”を
目指して、酔っぱらいたちのどうしようもない戦いが幕を開ける……。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2015-04-19 23:20 | 洋画=ら~わ行 | Comments(0)

●「ダラス・バイヤーズ・クラブ Dallas Buyers Club」(再見)
2013 アメリカ Voltage Pictures,Truth Entertainment (II).117min.
監督:ジャン・マルク=ヴァレ
出演:マシュー・マコノヒー、ジャレッド・レトー、ジェニファー・ガーナー、デニス・オヘヤ、スティーヴ・ザーン他

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<2013年度アカデミー賞主演男優賞、助演男優賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞受賞作品>

<評価:★★★★★★★★★☆>
<感想>
去年の今頃ミニシアターで観たのだが、また観てみたいと思っていたのでWOWOWで放映
されたのを機会に鑑賞。

劇場鑑賞の折の感想はこちらでご確認いだだければと思うが、再見して★の数をひとつ
増やした。やはり凄い映画だ。実話がベースなので割引はあるとしても、死にかけたHIV患者の
男が国、組織と戦うパワーは、一体どこからくるのだろうか、とつくずく思う。ラストカットでロンが
再びロデオの挑戦するのだが、その力の源はテキサス魂とでもいうのだろうか。

そして激ヤセで人相変わってしまったマコノヒーは本当に凄みがにじみ出ているなあ、とこれも
再認識した。そして、単に彼の孤独な戦いだけではなく、彼に力を貸す、トランスジェンダーのレイヨン、
主治医イヴ、メキシコ人医師らとの交流が物語に厚みを付ける。全編を通しての完成度の
高さを再認識させられて、★を一つ増やしたという次第だ。 それにしても主人公ロンは
本当は頭の良い奴なんだな。入会金を取って薬はタダという仕組みとか弁護士を雇って
法廷闘争をするとか、並の頭じゃ出来ないと思う。残念ながら、彼の生涯は長くはなかったが、
残したもの、与えた影響は大きかったのだ。事実こうして映画になるくらいなのだから。
再見して良さを再認識。いい映画というのはそういうものだろうな。

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by jazzyoba0083 | 2015-04-16 15:42 | 洋画=た行 | Comments(0)

とらわれて夏 Labor Day

●「とらわれて夏 Labor Day」
2013 アメリカ Indian Paintbrush,Mr. Mudd,Right of Way Films.111min.
監督・脚本:ジェイソン・ライトマン
出演:ケイト・ウィンスレット、ジョシュ・ブローリン、ガトリン・グリフィス、トビー・マクガイア他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
久々のケイト・ウィンスレット。だんだんいい味をだしてくるようになったなあ。オスカーも
獲ったことだし、ますます演技に磨きを掛けてほしいものだ。
さて、本作はシュアな作品づくりで定評があるジェイソン・ライトマンが脚本も書いて演出した
もの。なんだか、一冊のペイパーバックを読んだような気分でもあり、設定は全然違うが
どこか雰囲気に「マディソン郡の橋」を思い出していた。全体として、スリリングな面もありつつ
エンディングもそれなりにきっちりカタルシスを取ってくれるので、いいのだが、何か
引っかかるものが残った。それは何か。後半、ハッピーエンドに持っていくための時間の
折りたたみ方がいささか強引過ぎるか、と感じたこと、脱走犯と母子家庭が庭で遊んでいても
何にも起きないのはいささか不自然だったなあ(隣人とかが気が付きそうなものだけど) 
主人公のウィンスレット演じるアデルがちょっと情緒不安定とはいえ、短慮に過ぎるんじゃないか、
と思われる節があちらこちらに。大体、金曜に脱走犯が来て、如何にいい人だったとはいえ、
週明けにはカナダに逃避行って、ちょっとスピード有り過ぎるんじゃないかなあ、とか。 
これはアメリカの刑法だからしょうがないのだろうけど、脱走犯の犯罪は故殺じゃなくて、
傷害致死事件じゃないかなあ、あれで懲役18年は重いんじゃないか??とか。でも本作は
そういう点を乗り越えて観客の心に何か暖かいものを与えてくれている。

まあ上記のような違和感は感じつつも全体のストーリーとしては理解し易いので、パンクした
タイヤを交換できたり、野球が上手くなったり、長じてはよく客の入るパイの専門店を
開いたりで、長男にも大きな影響を与えた脱走犯、パイの店の下りはスピルバーグとか
ゼメキスが喜びそうな展開だな。

全編を通じて絶対的な悪人が出てこないのも、本作のほんわか感を生み出している。
ところどころにフラッシュバックで挿入される過去映像が、ウィンスレットのものか、脱走犯の
ものか、よく分からなくなるところがあった。
結局あの脱走犯は根っからの悪人ではなく、たまたま奥さんを押し倒したらスチームパイプに
頭を打ち付けて殺してしまったわけで、善人なんだよな。ただ何で料理が上手く、いろんな
技術に長けているのか、あたりの説明はない。また奥さんを殺してしまった原因もよく分からな
かった。

いろいろと欠点を上げたが、全体として観て損したとは思わない作品レベルには仕上がって
いると思う。ケイト・ウィンスレット、少年時代の長男、(成人してからはトビー・マクガイア)、
実はいい人の脱走犯ジョシュ・ブローリンも顔つきが悪そうなそうでなさそうな感じが出ていて
良かったと思う。個人的にはラストはもっと悲劇的なものを予想したのだが、時間はかかったが
ハッピーエンドで良かった。やはり家庭はお父さんがいて、お母さんがいて、子供がいて、と
いう構図が望ましいなあ。そうしたエアポケットに、脱走犯がたまたまいい人だったのでハマった
という感じ。そんなお話もあるでしょう。長男がいかに脱走犯に影響を受けて育っていくかが
ラストで短く淡々と語られるが、それはそれで、重要な意味を持つものだ。
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<ストーリー>
『マイレージ、マイライフ』の俊英ジェイソン・ライトマン監督が、シングルマザーと逃亡犯の
純愛を、13歳の息子の視線を通して描いたラブストーリー。
母親役をケイト・ウィンスレット、逃亡犯をジョシュ・ブローリンという実力派たちが演じ、彼らの
運命を変える5日間の物語がドラマチックにつづられる。

アメリカ東部の静かな町。9月初めのレイバー・デイの週末を控えたある日。夫が自分のもとを
去ったことが原因で心に傷を負ったシングルマザーのアデル(ケイト・ウィンスレット)と13歳の
息子ヘンリー(ガトリン・グリフィス)の前に突然、警察に追われる脱獄犯フランク(ジョシュ・
ブローリン)が現れる。

家へ連れて行くよう強要された2人は、そのまま自宅で彼を匿うことになる。危害を加えないと
約束したフランクは、アデル親子と緊張状態を保ったまま過ごすうち、次第に家や車を修理し、
料理をふるまい、ヘンリーに野球を教えるようになってゆく。
いつしかフランクはヘンリーと打ち解け、アデルとはお互いに惹かれ合うように……。
ともに過ごした時間の中で、ついに3人は人生を変える決断を下す。人生の晩夏にさしかかった
シングルマザーと思春期の少年が体験した、運命の5日間の行方は……?」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2015-04-15 22:40 | 洋画=た行 | Comments(0)

●「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)Birdman Or(The Unexpected Virtue of Ignorance)

2014 アメリカ  New Regency and more.120min.
監督・共同製作・共同脚本:アレハンドロ・D・イニャリトゥ
出演:マイケル・キートン、エマ・ストーン、ザック・ガリフィナーキス、エドワード・ノートン、ナオミ‥ワッツ
    アンドレア・ライズブロー、エイミー‥ライアン、リンゼイ‥ダンカン他
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<評価:★★★★★★★★★☆>
<2014年度アカデミー賞作品、監督、脚本、撮影賞受賞作品>

<感想>
アカデミー賞受賞作品鑑賞シリーズ、いよいよ本命の登場。本国から半年遅れの公開を
待ちわびて、さっそくシネコンに。意外や、不入り。観て納得。

これは難しい映画。素直にコメディと取る人はいないだろうし、複雑な人間ドラマだ。しかも
映像がほぼワンカット撮り。(に見せているのだけど、凄いと思う)これ、ステディカムで
引いたり寄ったり、トラックしたりで、気持ちが悪くなる人がいるんじゃないかな。好き嫌いは
ありそう。2時間の映画がワンカットで撮れるわけはないのだけれど、確かにワンシーンは長く
セリフの量が多く、カメラと役者の呼吸の併せ方は難しいだろうと思う。おしまいの方でNGを
出すとはじめから全部やり直しだから。そのあたりの緊張感は、監督とキャメラマンの
狙ったとおりの効果は出ているとは思う。面白いと感じる人はすごく面白いだろうし、
「どういうこと?」とエンドロールを観ながら思う人も多いのではないか。本作を観終えて、
エンドロールを観ながら、片頬を上げて笑える人がいるなら、その人はイニャリトゥ監督の
術を解したのではないか、そんな映画だ。下手に見るとヤケドをしそうな作品だ。
展開するストーリーは分かり易いが、なかなかどうして奥が深く、読み切るのは難しい。

2月のオスカー授賞式で、イニャリトゥ監督のドヤ顔が印象的だったが、自分が狙った
作品、監督、脚本、撮影で賞が獲れたら、そりゃ、満足だろう。ツボにハマってくれたのだから。
奮闘のマイケル・キートンは主演男優賞を逃したけど、「博士と彼女のセオリー」の
エディ・レッドメインとどうか、と言われると、差は無いと感じる。好みの問題かと。それと
映画が含む毒気が災いしたかもしれない。助演女優賞にノミネートのエマ・ストーン、
大きなお目目が印象的で、こういうシリアスな演技もちゃんと出来る、というところを魅せた。

本作は、見る人によって、色んな印象があると思う。それはそれでいいと思うが、個人的には
スノビッシュなシークエンスには都合が良いと思われるレイモンド・カーヴァーの芝居をベースに
して、演劇界、映画界、役者の世界、興行の世界、批評家の世界を皮肉った作品じゃないか、
と思った。 かつてアメコミのヒーロー、「バードマン」で一世を風靡した役者が、鳴かず飛ばずと
なり、ブロードウェイで、レイモンド・カーヴァーの「愛について語る時に我々の語ること」を
脚色、演出、主演しようとするが、常に頭のなかでは、バードマンが、映画に戻れと囁く。
そんな中、主役の男優がリハーサル中に怪我をし、主演をエドワード・ノートン演じるマイクに
任せると、マイクの暴走が始まる・・。2回のプレビュー公演と初日をワンカットで見せるわけだが、
そこに出演者たちのドラマが冷笑的に描かれていく。ハリウッドの実在の俳優たちの
名前も映像も出てくるので、シリアスなドラマということも出来るが、コミカルな部分もあり、
客席からは笑いも起きるが、それはコメディを描こうとしているのではなく、シニカルなドラマに
持って行こうとする監督の逆手であるわけだ。だいたい、出ている役者たちの主なところがほぼ
アメコミ映画に出ている、というのがニヒルである。

個人的に気にったのは、NYタイムズの芸術欄女性記者(彼女が酷評するとその劇はすぐに
打ち切りになると言われNYの演劇は彼女が支配しているとも言われている伝説の記者)が、
初日の批評をトップで取り上げるのだが、その冒頭のコメントが、すこぶる宜しい。(逆説的に)。
ちなみにタイトルのカッコの中のセンテンスは彼女が初日の感想を芸術欄に書いた時に出した
ヘッドラインの文章だ。

様々な意味で今まで観たことのない映画、というのは確かであろうし、この脚本と映像を
組み立てたイニャリトゥ監督の才能を感じ取ることが出来る。ドラムのビートに合わせた
ストーリーの展開も、ワンカットのように見える映像と共に新鮮だった。

2時間はあっという間だが、2時間以上は不要とも感じたわけで、そのあたりも監督は
ちゃんと計算しているに違いない。こういうタイプの映画が出てきて、それをチキンと
評価するアメリカ映画界の懐の深さを感じたりもする。
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<ストーリー>
「バベル」「BIUTIFUL ビューティフル」のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が、
かつてバットマン役で一世を風靡したマイケル・キートンを主演に迎え、公私ともにどん底状態の
中年俳優が繰り広げる切なくも滑稽な悪戦苦闘の日々を、全編1カットという驚異の
撮影スタイルで描き出すシニカル・コメディ。
共演はエドワード・ノートン、エマ・ストーン、ナオミ・ワッツ。アカデミー賞では、みごと作品賞を
はじめ最多4部門を受賞。
 
かつて主演した大人気スーパーヒーロー映画「バードマン」のイメージが払拭できずに、その後は
鳴かず飛ばずの俳優人生を送るリーガン。私生活でも離婚に娘サムの薬物中毒と、
すっかりどん底に。
そこで再起を期してレイモンド・カーヴァーの『愛について語るときに我々の語ること』を
原作とする舞台を自ら脚色・演出・主演で製作し、ブロードウェイに打って出ることに。
ところが、大ケガをした共演者の代役に起用した実力派俳優マイクの横暴に振り回され、
アシスタントに付けた娘サムとの溝も深まるばかり。本番を目前にいよいよ追い詰められていく
リーガンだったが…。」(allcinema)

この映画の詳細はこちらを参照ください。
by jazzyoba0083 | 2015-04-12 12:40 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「愛しのローズマリー Shallow Hal」
2001 アメリカ 20th Century Fox Films Co.114min.
監督:ボビー・ファレリー、ピーター・ファレリー
出演:グィネス・パルトロウ、ジャック・ブラック、ジェイソン・アレクサンダー、ジョー・ヴィテレッリ他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
若いグィネスが美しい。普通に面白いラブコメディだ。ストーリーも単純だが、結末は
そうは簡単にはいかないんじゃないか?という感じもした。

9歳の時に神父である父(これがまたスケベな神父で)が亡くなり、その遺言は、女は
美人で巨乳でヒップに魅力たっぷりに限るぞ、と言われ、それがトラウマとなり、
自分はちびで小太りなのに、女性の好みだけはやたらに高く、ガールフレンドも出来ない
ハル(ジャック)。投資会社に勤務しているが、昇進も見送られ、がっかりな日々だ。

そんな折、止まってしまったエレベーターの中で偶然出会った高名な自己啓発セミナーの
先生に相談するうち、人は見た目じゃない、という催眠を掛けられる。
それ以来ハルは、周囲が驚くようなブスを相手に遊び始める。親友のマウリシオも心配で
しょうがない。彼自身も美人ではあるが足の人差し指が人より長い、というだけでガール
フレンドを振ってしまったりしているのだが。

ある日、クルマを運転していると、ハルは絶世の美女を発見、後を付けて、付き合いを
始める。ローズマリー(グィネス)と名乗る女性、実は300ポンドもある超おデブさん。
でも催眠状態のハルには絶世の美女と見えるのだった。ローズマリー自身もなんで
こんなデブと付き合ってくれるのか、自分の父がハルの会社の社長だからか、とも
思うのだが、ハルの真剣な愛情に嘘は感じられず、二人はデートを重ねる。
レストランに行けばローズマリーが座るいすが壊れたり、周りからクスクス笑われたり
するのだが、ハルは一向に相手にしない。

ハルは、ローズマリーの実家、すなわち社長の家に招待される。親自身も娘の容姿に
ついては悲観していて、なんでハルがまじめに付き合うのか、会社での地位を狙って
いるのか、と当然疑う。ハルは自分があたためてきた会社でのアイデアを披露し、
父親に気に入られ、重役会議でプレゼンするように薦められる。そして娘を頼むとも。

そのプレゼンは成功し、ハルは社長直属のスタッフに昇進する。ところが、心配した
親友のマウリシオが、セラピストを探し出し、催眠解除の言葉を教えてもらう。セラピストは
このままのほうがいいのではないか、と主張はするのだが、マウリシオは友達を
救いだしたくて仕方がない。正気に戻したい一心だった。

レストランで食事中にハルの元にマウリシオから電話が入り、催眠解除の言葉を
言われてしまう。途端に、ローズマリーが300ポンドのデブであることが分かり、
レストランから逃げ出してしまう。どうしていいのか分からなくなったハルは
ローズマリーとの連絡を断ってしまい、彼女は振られたと思ったのだった。
当然、社長は激怒し、私の前から消えろ、というのだ。

そんな折、向かいに住むジルという女性とレストランで食事をしていると、そこに
ローズマリー一家もやってきて、彼女はハルのそんなシーンを目撃し、絶望する。
そしてトイレにいく時にすれ違ってもハルはロージーに気がつかないのだった。
しかし、この時ハルはやはり大切なのは容姿はどうあれロージーを愛していると
悟り、彼女に電話を掛ける。レストランを出たロージーは電話には出るものの
すぐに切ってしまう。

ローズマリーは平和部隊に属し、一旦帰国していたが再入隊を希望していて、かつて
付き合っていた男もいることからキリバスに子どもたちを助けに行くことにした。
レストランでの一件で焦っていたハルは、親友のマウリシオも自分のしたことが
ミスであったことが分かり、ハルを応援することになり、クルマでロージーの家に
急ぐ。

パーティー会場で、当然社長からは何しに来たと責められるがそこを母親がとりなし、
ハルはローズマリーに愛を打ち明けるのだった。そして、もう一生はなれない、キリバスに
一緒にいくと言って二人ひしと抱き合うのだった。

ブスが美女に、美女はブスに、ブ男はハンサムに、ハンサムはブ男に映るようになる
ハル。そんなハルがスタイルも抜群なグィネス演じるロージーに惚れるわけだが、
オチはどうしてくれるのか、観ていた。催眠が解けるまでにロージーがダイエットに
成功するのかなあ、などと予想もしていたが、単純なオチだったな。ハルが心を
入れ替える訳だが、まあ、300ポンドあっては健康にも良くないので、ダイエットして
貰いたいものだろう。

催眠状態のハルがデートをするとき、ボートに乗ると前にロージーがいる状態で、
後ろが持ち上がってしまう。でもハルはなぜかわからない。デートしても、その容姿からは
想像も出来ないような食欲を発揮するのだが、それも理由が分からない。
痩せているはずのロージーがプールに飛び込むとその水しぶきで男の子が飛ばされて
樹の枝にひっかかるとか、笑わせてくれるところも多い。
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ロージーがこども病院のボランティアをしているのだが、催眠が解けてから病院に
行ったところ可愛らしい女の子が実は顔に大やけどをしている子だったのが分かり、
自分は見た目で人に接していたことを痛感したのだろう。

グィネスのデブのスペシャルメイク、クビから下はどうやってつくったんだろう。
人を見かけで判断するという愚かしさをコメディで皮肉ったもので、実は訴えているものは
深く重いのだろうが、ま、コメディなんで愉しめばいいと思う。アメリカのラブコメはだいたい
そんな趣旨を含んでいるものだ。グィネスとジャックは良かったんじゃないかな。
ロージーと一緒に病院でボランティアをやっている地面を這いつくばって移動する男性が
出てくるが、これは本物の身障者の方なんだろう。でもその明るさやそういう人には
ちゃんと接することが出来るハルであったり、世間であったりするのもホッとする。
これは男性から女性を見た目を綴っているが、逆の立場も当然あるわけですな。
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<ストーリー>
「JPS投資信託に勤めているハル(ジャック・ブラック)は、父親の遺言が原因で、外見でしか
女性の価値を判断しない男。親友のマウリシオ(ジェイソン・アレクサンダー)にバーで
飲みながらモテモテぶりを自慢するが、現実は隣人のセクシー美女ジル(スーザン・ウォード)
にフラレてばかり。

そんなある日、偶然出会った精神治療の大家アンソニー・ロビンス(本人)が、彼に催眠術を
かける。その時からハルの目には、心の美しい女性が美しく見え、そうでない女性はいくら
美人でも醜く見えるようになった。
そして病院のボランティア活動をしながら平和部隊への再入隊志願を待っている、体重が
136キロの女性ローズマリー(グウィネス・パルトロウ)と出会い、恋におちる。
最初ローズマリーはバカにされているように思い困惑するが、ハルの熱心さが彼女の心を
変えていく。おまけにローズマリーの父親スティーヴ(ジョー・ヴィテレッリ)は、JPS信託の
重役だった。恋愛も仕事も順調なハル。だが周りはそんなハルの行動を出世目当ての
策略だと決めつける。心配したマウリシオはアンソニーから催眠術を解く方法を聞き出し、
ハルの催眠術を解く。
するとハルは本当の姿のローズマリーとすれ違っても、それがローズマリーだと気づかない。
傷心のローズマリーは、キリバスへ行く平和部隊への参加を決意。ハルは激しく葛藤する
ものの、やがてローズマリーのもとへ駆けつけ、愛を告白。2人は共にキリバスへと旅立つ
のだった。」(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2015-04-09 23:10 | 洋画=あ行 | Comments(0)

●「ウォールフラワー The Perks of a Being a Wallflower」
2013 アメリカ Summit Entertainment.103min.
監督・原作・脚本:スティーブン・チョボスキー
出演:ローガン・ラーマン、エマ・ワトソン、エズラ・ミラー、メイ・ホイットマン、ジョニー・シモンズ、ポール・ラッド
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
WOWOWで録画してあったものを鑑賞。本作は奥さんが観るつもりで録ってあったのだが、
見たら面白かったので、薦められ、IMDbでも国内でも評価が高かったのもあり、鑑賞に
至った次第。もっとノーテンキなハイスクールライフな映画か、と思ったら全然違い、むしろ
重く、思索的な作品で、面白かった。

チョボスキーという人の好みなんだろうな、独特のタッチ、と画作り。高校1年になりたての
主人公が、4年生(4年制の高校)と付き合い、友情や愛情を、これまた独特のプロセスで
育んでいくストーリー。3年上の先輩と、付き合いベタの主人公が友情を育むというのはいわば
大人の世界の入り口を体験する、ということでもあるので、そのあたりも新鮮だった。
キャストはエマ・ワトソンやポール・ラッド以外はあまり知らない若手だったが、全体として
上手く演じていたと思う。しかし、主人公と3年も差があるというのはキャスティング上に
差が見えてこず、本作の別の意味での主人公群である4年生達との差を見ている間は意識して
いなくてはならない。

主人公は幼いころ、伯母さんがクリスマスプレゼントを買いに行ってくれた時に交通事故
で亡くなっていて、それがトラウマとなり、今でも幻覚を見たり、突然意識を失ったり、記憶が
無くなったりする病気で、病院に通う身。同じ高校4年の姉と大学に行った兄、それと父母。
みんな善人だ。そして、引っ込み思案で、引きこもりがちな主人公を外に引っ張りだして
友情の輪に入れる5人ほどの高校3年生のストレートな友情が清々しい。まあハッパを
やったり、酒を飲んだりとあまり感心はしないが、主人公を支える友情や愛情は、主人公を
大人にしていく。そのあたりが眩しくて、心地良い。(みんな善人すぎちゃうのだが、まあ
アダルトノベルが原作だからなあ)
ラスト近く幻影に悩んだ主人公が姉に電話しながらキッチンのナイフを目にするシーンでは
姉が「だれか私のうちに警察を行かせて」と叫ぶのだが、それを受けてスンデのところで
警官がドアを打ち破って彼を救出するところなどはちょっと出来すぎか。

また、彼の才能を認めてくれる国語の先生の存在もいい。基本的に主人公が素直でいいやつ
なんだけどね。また先輩の友人たち、進学校なのか頭がいいんだな。ハーバードとか、
州立大学に合格していくのだから。主人公も当然頭がよく、バカがあまり出てこないという
不自然さはあるけど、いろいろあるけど、青春はいいなあ、と思える純粋な作品であり、
もともと観る気はなかったけど、観てよかった。
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<ストーリー>
「『RENT レント』の脚本家として知られるスティーヴン・チョボスキーが、ベストセラーと
なった同名小説を自らメガホンを握り、映画化した青春ドラマ。
小説家を目指す内気な少年が、風変わりな兄妹との出会いを通して成長していく姿が
つづられる。『パーシー・ジャクソン』シリーズのローガン・ラーマンら注目の若手が顔を
揃えた。

高校に入学したチャーリー(ローガン・ラーマン)は、誰からも相手にされず孤独な日々を
送っていた。優しく接してくれるのは、国語のアンダーソン先生(ポール・ラッド)だけ。
そんなある日、彼に出会いが訪れる。学校のアメフトの試合を観戦に行った際、勇気を
振り絞って同じ授業を受けている上級生パトリック(エズラ・ミラー)に声を掛けたのだ。
意外なほど気さくなパトリックと話していると、同じく上級生のサム(エマ・ワトソン)が現れる。

試合後は、ごく自然に2人に誘われて店へ。パトリックとサムは、互いの親の再婚で
家族になった義理の兄妹だった。プロムの夜。壁際に立っていたチャーリーは、
派手に踊るサムとパトリックに刺激され、不器用ながらダンスに加わる。
ついに、“壁の花”からの卒業。初めてパーティーに参加し、パトリックとアメフト選手
ブラッド(ジョニー・シモンズ)のキスを目撃。仲間ができたことに、この上ない幸せを感じる
チャーリー。帰り道、トラックの荷台で腕を広げて、ラジオから流れる音楽を全身に浴びる
サムは、女神のようだった。

サムやパトリック、メアリー・エリザベス(メイ・ホイットマン)たちとともに過ごすバラ色の日々。
唯一面白くないのは、サムの恋人が軽薄な大学生という事。やがて、辛い思い出が残る
クリスマスが近づく。幼い頃、自分へのプレゼントを買いに出かけた叔母さんが、交通事故で
亡くなったのだ。毎年、気持ちが不安定になる時期だったが、今年は仲間がいた。
そのパーティーの晩、サムとファースト・キスを交わすチャーリー。その後、思いがけず
メアリー・エリザベスと交際を始めたものの、皆の前で彼女とトラブルを起こし、仲間たち
から距離を取ることに。

しばらくして絆を取り戻した頃には、パトリックたちの卒業が近づいていた。独りで学校に
残るチャーリーは、大学へ旅立つサムを見送った日、心の奥に封印していた“秘密”と
向き合うことになる……。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2015-04-08 23:10 | 洋画=あ行 | Comments(0)