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リミットレス Limitless

●「リミットレス Limitless」
2014 アメリカ  Relativity Media,Virgin Produced.105min.
監督:ニール・バーガー  原作:アラン・グリン 『ブレイン・ドラッグ』(文春文庫刊)
出演:ブラッドリー・クーパー、ロバート・デ・ニーロ、アビー・コーニッシュ、アンドリュー・ハワード他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
このところ毎年オスカーにノミネートされ、すっかりハリウッドを代表する俳優と
なったブラッドリー・クーパー。アメリカでのベストセラー小説をベースにした脚本を得て
なかなか面白い作品を仕上げた。監督の映像に対するこだわりも、凝っていて、
編集点の分からない超ロングズームとか、頭のなかの思考が映像で現れたり、それらも
面白く観た。

普段は20%しか使われていない人間の脳を100%活性化させるクスリが
開発され、それを飲んだ売れない作家志望の主人公の、破天荒な人生の転換が描かれる。
誰もこうしたある種スーパーマン的な存在に憧れるので、そういう単純化した構成も
また一種の英雄譚として興味を引くところ、カタルシスとなっている。

冒頭のシーンの謎がラストに明らかにされるのだが、ナレーションを主人公が担当するという
仕掛けだ。ブラッドリーと時に協力し結局対峙する実業界の大物に扮するデ・ニーロもさすがの
重さとなっている。
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一粒飲むと30秒以内に空は飛べないけど頭脳が高速回転を始めて、スーパーマン状態と
なる。当然副作用もあるのだが、最初のうちは分からない。別れた妻の弟と街で偶然出くわし
クスリを貰う。まあいいから飲んでみろよ、一粒800ドルだぜ、といって去っていく義弟は
かつてはヤクの売人をしていたのだが、今はやばいクスリを扱っているらしい。一粒飲んで
一晩で傑作をもので来た主人公エディ=クーパーは、出版社に持ち込むと絶賛される。
そこで更にクスリをもらおうと義弟のマンションに行くと、義弟の部屋は荒らされ、さらに
額に一発撃ち込まれ絶命してた。慌てて911に電話するが、エディはクスリを求めて部屋を
探し、結果オーブンの下に大量のNZTと呼ばれるクスリとそこそこの現金を発見。
警察でいろいろと聞かれ、担当の警部に釈然としない、と言われるものの放免される。

さて、そこからのエディは本を書くだけでなく、義弟の現金を元手に投資をはじめたちまち
何倍にも増やし、市場の注目を浴びる。語学もあっという間に覚え、難しい本もたちまち
読み切り理解し、その知恵を使って市場で財産をどんどんと増やしていったのだ。

売れない小説家志望の時に去って行った彼女も、彼のもとに戻ってきて、さらにヴァン・ルーン
=デ・ニーロという大物の合併劇のアドバイザリースタッフとして活躍し始めた。
しかし、クスリがだんだん底をついてきて、また副作用として記憶が飛ぶという現象も
出始めてた。ある夜記憶をなくしたまま街をさまよったエディは、クラブで知り合った女と
ホテルにしけ込むが、その後のニュースで、どうやらその女を自分が殺したらしいと知り、
愕然とする。またヴァンルーンとの交渉にも副作用が出て、吐き気や頭痛になやまされる。

さらにそのクスリを投資のタネ銭のため金を借りた男に脅されて1錠やったところ彼も覚醒して
しまい、その後クスリを強請られることになる。更に知らない男に突き回されることにもなる。
警備を厳重にしたマンションに転居したもののそこもクスリを狙う賊に襲われる。しかし、エディには
一粒のクスリも残っていないのだ。命が危ない状況の中、彼は隠し持っていた包丁で賊のボスを
刺殺し、彼が注射器で体にクスリを入れたので、ナイフ傷から流れでた血をすすって、覚醒し、
残りの二人の賊を殺したのだった。これは売人同士の殺し合いに見せようと決めた。

そこでエディは知り合いの製薬メーカーのラボの研究員を200万ドルで買収し、よく分からない
NZTを、量産してもらうことにする。

途中で記憶が飛ぶなどトラブルもあったがヴァンルーンの右腕としてクスリを使った膨大な
知識を元に史上最大の合併といわれるものを成功させ、4000万ドルを手にする。
しかし、クスリは確実にエディの体を蝕んでいた。前妻も、今の彼女もクスリを止めるように
アドバイスする。しかし薬なしではエディはタダのボンクラだ。彼はこのまま廃人になって
しまうのか?

しかし数カ月後、エディは合衆国上院議員に当選していた。ヴァンルーンは彼がクスリを使っている
こと、殺人の嫌疑がかけらたことも知っていて半ばおどして自分のスタッフにしておこうと
する。しかもエディが依頼してた製薬会社のラボは閉鎖させたという。が、エディは逆に
ヴァンルーンがこれまでしてきた数々の汚いビジネスを公表するぞ、とに脅した。
彼は薬はやめていたのだ。つまりエディはNZTの服用で活性化した脳がそのままの状態で
とどまる進化を遂げていたのだった。彼は全能の力と予言力、金、恋人すべてを手に入れた
のだった。
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最後にスーパーマンになることに成功したエディの姿に、見る人はカタルシスを感じるか、嫌悪を
感じるか。またそんなクスリを飲みたいものだと思うだろうか。万能となったエディは将来幸せに
なれるのか。彼は大統領になろうとする野心をもっているようだが、こんな奴が大統領になった
暁に、国は大丈夫なのだろうか。そもそもNZTと義弟の関係、このクスリは何を目的に誰が
作り始めたのか、軍か?そんなところは観客の想像に預けられるのである。

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by jazzyoba0083 | 2015-10-29 22:40 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「ファム・ファタール Femme Fatale」
2002 フランス・アメリカ Quinta Communications,Epsilon Motion Pictures.115min.
監督・脚本:ブライアン・デ・パルマ 音楽:坂本龍一
出演:レベッカ・ローミン=ステイモス、アントニオ・バンデラス、ピーター・コヨーテ、エリック・エブアニー他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
なぜか惹かれるデ・パルマ作品。もうB級臭プンプンなところが、敢えてカッコつけて
ハイブロウに仕立てられた映画なんかより全然下世話でいいのだ。
なので、この監督の作品について語らせたら止まらないファンも多いだろう。
このブログでも、エヴァーグリーン的にアクセスが多い「ボディ・ダブル」とか「殺しの
ドレス」なんかは、「面白いB級映画」として私のみならずファンも多いと思う。

どの作品にも「やっちまったなあ」という感じが付きまとうので、ラジー賞候補の常連と
なっているが、個人的には愛すべき作品が多いと感じている次第。
一般的には「虚栄のかがり火」あたりでよれ始めた、と言われているが、私にとっては
デ・パルマはずっとデ・パルマであるのだけれど。

閑話休題。★6つのうち1つはラストのどんでん返しに献呈させてもらった。
本作も、冒頭からミステリーとしては欠点だらけの、突っ込みどころ満載で
スタート。デ・パルマらしい安っぽさとエロっぽさが充満。ヘビ女のビスチェ、
乳首見えちゃってますからあ!!登場人物のつながりも、話の展開上必要な人物を
むりくりくっつけて組み立てた感がありありで、ストーリー全体としてのご都合主義的
チープさも半端ない。
しかし、スローズームやパーン、アップの多様などデ・パルマらしい映像はここでも
健在である。 ラヴェルの「ボレロ」そっくりな坂本龍一の音楽はいまいちだった。

カンヌ映画祭で女優の着用してくるショパールのダイヤが1000万ドル分もついた
ビスチェを奪おうとする一味。しかし、仲間だった女が裏切り、ダイヤを持って
とんずらしてしまう。彼女はパリで自分とうり二つの女性の家に忍び込み、夫と
子供を亡くし悲嘆にくれるその女性が拳銃自殺を遂げるのを見届け、彼女になりすまし
アメリカに飛ぶ。その飛行機の中でのちに駐仏アメリカ大使となる男性と知り合い、
結婚、再びパリに戻ってくる。しかし、宝石泥棒した仲間は血眼になって彼女を探して
いる。だから自分は写真を撮られたくない。しかしパパラッチのバンデラスはその
写真を撮り、事件に巻き込まれる・・・。
そんなストーリーなのだが、冒頭にも書いたようにミステリとしては穴だらけで、
一味を裏切った女性が人の部屋の風呂に入って居眠りをしてしまい、その短い10分か
そこら、夢を見るのだが、この映画はその夢がほとんどを占めている。夢だからいろいろと
つじつまが合わなかったり、唐突に出てきた人物が「誰?」ということが出てくる。

ええ??まさに「邯鄲の夢」的な「夢落ちなのお!!!」という展開に鼻白むのだが、
最期の15分くらいで、それまでの部分を全て回収する作業が行われる。このあたりは
無理矢理感漂う中にも痛快で面白かった。
途中で2度、街角のポスターに「デジャヴ」と書かれているところがさりげなく映されるが、
ラストあたりで「なるほど」と納得するのだ。

二役のレベッカは「Xメン」のミスティークで、いつも全身塗りたくられての出演なので
素顔の彼女の演技は初めてだったが、デ・パルマのご期待通りのエロくてスタイルが良くて
下品で、という要素は満点だったよ。若きバンデラス、夢の中では殺されちゃうけど
女に振り回されっぱなしのパパラッチ、感じ出ていたと思う。
タイトルのファム・ファタールとは「運命の女」とでも訳せるフランス語。
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<ストーリー>
カンヌ国際映画祭の会場で、1000万ドルの宝石が盗まれる。実行犯のロール
(レベッカ・ローミン・ステイモス)は仲間を裏切って逃走。その途中で気を失ったロールは、
見知らぬ家のベッドで目覚める。彼女は別の女性、リリー(レベッカ・ローミン・ステイモス、二役)
に間違えられていたのだ。
まもなく帰宅したリリーが、ロールの存在を知らないまま拳銃自殺。ロールはリリーに成り済まして
単身アメリカへ飛んだ。7年後、ロールはアメリカ大使夫人としてパリに舞い戻る。決して人前に
出ず過去を隠していたが、カメラマンのニコラス(アントニオ・バンデラス)にスクープ写真を
撮られてしまってから態度を変える。
ロールは素性を探ろうと接近してきたニコラスを誘惑。ニコラスは彼女の罠に落ち、ロールは
完全勝利を収めたかに見えた。だがすべては、見知らぬ家のバスタブにつかったままロールが
見ていた夢だった。目覚めたロールは、リリーの自殺を止める。そして本当の7年後、ロールの
行動によって未来が変わり、彼女はニコラスと出会って恋におちるのだった。」(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2015-10-28 23:10 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)

●「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札 Grace of Monaco」
2014 フランス・アメリカ・ベルギー・イタリア Stone Angels,YRF Entertainment.106min.
監督:オリヴィエ・ダーン
出演:ニコール・キッドマン、ティム・ロス、フランク・ランジェラ、パーカー・ポージー、パス・ベガ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
ニコール・キッドマンがグレース・ケリーに似ているかどうか、という点、私も最初は
似てねえんじゃないのお、と思っていたのだが、芝居が進行するに従い、ニコールは
ニコールで、しっかりグレースを演じてたので、それに引きこまれ、ストーリーの
スリリングな仕立てもあって、あまり気にならなかった。女優が女優を演じるというのは
簡単なようで難しいのだろう。レーニエを演じたティム・ロスはよく似ていた。

モナコ公国の歴史について知らないことが多すぎで、鑑賞後少しネットで調べてみたり
していた。本作では実写フィルムも使い、史実も入れながら、基本フィクションの作りと
なっている。人気絶頂のハルウッドスターが王宮に入る葛藤。女優への未練、
レーニエ公との心のスレ違い、そしてド・ゴール政権下のフランスによる政治的圧力に
苦吟するレーニエと、宮廷のスパイであったことがバレた実姉の追放、ラストシークエンス
での、国際赤十字を舞台とした、世界の首脳夫妻を招いての大舞踏会、そこでの
演説などなど、人間グレース・ケリーの苦悩と覚悟と実績が史実にインスパイアされつつ
綴られていく。

モナコ公国の最近の歴史にこんな事情があったことは不覚にも知らず、それ故、逆に
映画としてはサスペンスの要素もあり面白く鑑賞できた。
グレースの心の支えとなるタッカー神父を演じたフランク・ランジェラがキーになる存在。
また、グレースにハリウッドへの復帰を、新作「マーニー」の台本を携えモナコにやって
来るヒッチコックもグレースの味方として存在している。銀幕への復帰を一時は夢見て
いたグレースだが、家族とこの国の為に生きる決心をし女優業からは完全引退するのだが
その辺りの心の動きもまた新鮮であった。「マーニー」の女優は結局ティッピー・ヘドレンに
変わって完成したことは知られた話である。

ラスト、赤十字の舞踏会で主催者として挨拶するグレースの堂々としたこと。彼女は
これでモナコをフランスから救ったのだ。階段の一番上でのニコールの姿は遠目には本物の
グレース・ケリーに良く似ていた。

グレースは自動車運転中に脳卒中を起こして崖から転落し、帰らぬ人となったのだが
本作ではそれについては一切触れない。しかし、結婚生活が上手く行かず人間関係も
ギクシャクしていたころ、青いポルシェのカブリオレでモナコの山道をぶっ飛ばすシーンは
後のこの事故を暗示している。

本作は昨年のカンヌ映画祭でオープニング上映されたが、レーニエとグレースの長男で今の
大公であるアルベール2世は、父親が不当に描かれているといて、出席を見送ったという
いわくが付いた。本作は冒頭の字幕にも示される通り、「事実に基づいたフィクション」と
見るべきである。それにしてもドラマチックに仕上がったと思う。

<ストーリー>
気品に満ちた風貌はもちろん、『喝采』でアカデミー賞主演女優賞に輝くなど、ハリウッドの
トップスターだった名女優グレース・ケリー。モナコ公妃となり、表舞台から姿を消した彼女が、
国の運命を左右する重大な任務に携わっていたという知られざるエピソードを映画化した、
二コール・キッドマン主演によるヒューマンドラマ。

1956年、オスカー女優のグレース・ケリー(ニコール・キッドマン)は、モナコ大公
レーニエ3世(ティム・ロス)と結婚。1961年12月、二人の子供に恵まれるも王室の中で
孤立していたグレースの前に、脚本を手にしたヒッチコック(ロジャー・アシュトン=グリフィス)が
現れる。「マーニー」という新作映画の出演依頼に訪れたのだ。

そんな中、モナコ公国に危機が降りかかる。アルジェリアの独立戦争で戦費が必要になった
フランスが、無税の国モナコに移転したフランス企業から税金を徴収して支払うよう要求、
「従わなければモナコをフランス領とする」と声明を出したのだ。
もし戦争になれば、軍隊もない小国モナコは、一瞬で占領されてしまう。政治で頭がいっぱいの
レーニエに無視され、ますます居場所を見失ったグレースはハリウッド復帰を望むが、国家の
危機的状況に発表は控えられる。

だが宮殿から情報が漏れ大々的に報道、グレースの相談役で後見人のタッカー神父
(フランク・ランジェラ)は、フランスのスパイがいると警戒する。1962年7月。国民の公妃への
不満が高まる中、励ましてくれるのは義姉のアントワネット(ジェラルディン・ソマーヴィル)と、
オナシス(ロバート・リンゼイ)の愛人マリア・カラス(パス・ベガ)だけだった。

やがてレーニエはフランス企業への課税を了承。しかしド・ゴールは、モナコ企業にも課税して
フランスに収めろと脅し同然の要求を突き付ける。レーニエは行き場の無い怒りをグレースに
ぶつけ、映画界からの引退を迫る。結婚式の記録映像を見ながら離婚を考え、涙にくれる
グレースの傍らで優しく見守る神父は「人生最高の役を演じるためにモナコに来たはずだ」と諭す。

数日後、神父はグレースを外交儀礼の専門家であるデリエール伯爵(デレク・ジャコビ)の元へ
連れて行く。モナコの歴史、王室の仕組み、完璧なフランス語、公妃の作法、正しいスピーチ――
グレースの夏は厳しい特訓で過ぎていった。

9月22日、レーニエはヨーロッパ諸国の代表に軍事支援を募るサミットを開くが、ド・ゴール
暗殺未遂の報せが入り失敗。さらに王室内の裏切り者が判明し、レーニエとグレースは
深い衝撃を受け、二人は絶望の中で長らく眠っていた互いの愛を確認し合う。

翌朝、グレースはヒッチコックに電話をかけて出演を断り、国際赤十字の舞踏会開催を発表、
世界中の要人に招待状を発送する。1962年10月9日、侵攻を目前にモナコで開かれた
パーティは大変な盛況を博し、そこにはド・ゴールの姿もあった。マリア・カラスの魂を震わす
歌の後、主催者のグレースが舞台に上がり、この日のために練り上げた一世一代のスピーチが
始まった……。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2015-10-27 23:15 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)

●「ビッグ・リボウスキ The Big Lebowski」
1998 アメリカ Polygram Filmed Entertainment,Working Title Films.117min.
監督:ジョエル・コーエン 製作:イーサン・コーエン 脚本:ジョエル&イーサン・コーエン
出演:ジェフ・ブリッジス、ジョン・グッドマン、ジュリアン・ムーア、スティーヴ・ブシェミ、サム・エリオット
    ジョン・タートゥーロ、フィリップ・シーモア・ホフマン、デヴィッド・ッハドルストン他
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<評価:★★★★★★★★★☆>
<感想>
これ、観たかった。敬愛するコーエン兄弟の快作、怪作。居並ぶ俳優陣も濃い、アクが
強い!これだけの俳優を出して作品をコントロールし完成させる制作力、天才としか
思えない。登場人物は多いけど、キャラが立っているので全然干渉の妨げにならない。
むしろ個々が作品全体の質を上げているといえる。

コーエン兄弟作品の一つのテーマである「不条理」をベースに、人生喜劇を織りなしてみせた。
もう、ブリッジス、グッドマンのお馬鹿ぶりは、アパトーの笑いとは全く別角度のシュールさを
漂わせながら、「いや、こういうヤツいるよなあ」と「馬鹿やる先が読める」面白さが充溢いして
いる。例えば、100万ドルをかすめたという少年が買ったと思しき赤のスポーツカーを
グッドマンがバッドでボコボコにするが、そのクルマは少年のものではなく、近所の人が
買って停めておいたものだった、というシーン(しかも100万ドルはその少年がかすめたのでも
ないという・・・)なども、そうなるだろう、と分かっていての馬鹿だから、呆れるやら腹が立つやらだ。

主役の3人がそれぞれのスタンスを持っていて、それぞれのスタンスで馬鹿の痛さを表現
していく。すなわち、だらしがなくて、気配りが出来ない、人のいいアホのブリッジス、彼の
口癖は言葉尻に「~メーン!」と付けるところ。ノータリンさが堪らない。
瞬間湯沸かし器の様なアホな教条主義で何かというとベトナム戦争を持ち出すグッドマン、
彼は口を開けばフ○ッキン、のオンパレードだ。
傍観者的なアホだけど一番まともに見えるブシェミ。(彼が最後に死んでしまうのも意味が
あるのだろう) 出演者全員が痛いまでに頭のネジが緩んで抜け落ちている。
「もうおまいら、全員豆腐の角に頭ぶつけて死ねば!ww」な感じで、いいなあ。

2時間近くのすべてのプロットが「不条理なアホ・ノータリンな痛さ」で固められている。それが
全体を見渡すといいコメディに仕上がっているというのがコーエン兄弟の面目躍如たるところだろう。
ナレーターを務めつつボーリング場のバーにカウボーイハット姿で現れるサム・エリオットの
胡散臭さも物凄い。ボーリングトーナメントの敵として登場するジョン・タートゥーロ、若いころ
あんな風だったんだなあ。音楽、衣装、カメラワーク、編集もいい。

嗚呼、「人間て、どうしょうもなくバカですよねえ」。
脱力系コメディの金字塔とも言えるのではないか。
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<ストーリー>
富豪の若妻の誘拐事件に巻き込まれたヒッピーくずれの中年男の珍騒動を描いた一編。
「ファーゴ」のジョエル&イーサン・コーエンの監督第7作で、監督・製作をジョエル、
脚本・編集(ロデリック・ジェインズ名義、本作ではイーサンの妻トリシア・クークとの共同)を
弟イーサンとジェエルの共同で担当するというお決まりのスタイルは本作でも同じ。
製作総指揮のティム・ビーヴァンとエリック・フェルナーのコンビ、撮影のロジャー・ディーキンズ、
音楽のカーター・バーウェルはコーエン兄弟作品の常連。美術のリック・ヘインリックス
(「バットマン リターンズ」)、衣裳のメアリー・ゾフレスは「ファーゴ」に続いての登板。
主演は「白い嵐」のジェフ・ブリッジス。共演は「バートン・フィンク」のジョン・グッドマンと
ジョン・タトゥーロ、「ファーゴ」のスティーヴ・ブシェーミとピーター・ストーメア、
「ブギーナイツ」のジュリアン・ムーアとフィリップ・シーモア・ホフマン、「サンタクロース」の
デイヴィッド・ハドルストン、「陰謀のセオリー」のベン・ギャザラ、「トゥームストーン」の
サム・エリオット、「D.N.A.」のデイヴィッド・シューリスほか多彩なキャストが顔をそろえる。

1991年、湾岸戦争下のL.A.。70年代のヒッピー生活を引きずる中年独身男デュードこと
ジェフ・リボウスキ(ジェフ・ブリッジス)はある晩、ふたりのチンピラに襲われる。女房の借金を
返せと言うが、全く身に覚えのないこと。チンピラは同姓同名の富豪ビッグ・リボウスキ
(デイヴィッド・ハドルストン)と彼を間違えたのだ。

怒りがおさまらないデュードは唯一打ち込んでいるボウリングの仲間のウォルター
(ジョン・グッドマン)とドニー(スティーヴ・ブシェーミ)にことの次第を話す。
するとヴェトナム帰りでいまだ血気盛んなウォルターは、富豪のリボウスキにねじこめと
けしかける。
デュードは早速富豪を訪問したがすげなく追い返された。ところが数日後今度は富豪から
呼び立てられ、妻バニーが本当に誘拐されたので協力してほしいと要請される。
ところが百万ドルの身代金の受け渡しの現場に強引についてきたウォルターが勝手に
狂言誘拐と決めつけ、金ではなく下着の入ったカバンを渡したばかりか機関銃まで乱射
して大混乱、あげくは大金の入ったカバンを車ごと盗まれた。

大弱りのデュードを呼び出した富豪の義理の娘でフェミニストにして前衛アーティストの
モード(ジュリアン・ムーア)は、彼に事件は彼女が管理する財団から金を引き出すために
仕組まれたものだと告げる。キナ臭い展開に困惑するデュードをまた呼び立てたのが、
ポルノ映画界の大立者ジャッキー・トリホーン(ベン・ギャザラ)。

ようやく真相が見えてきた。富豪は財団の金をわがものにするために妻の偽装誘拐を
仕組んだのだ。呆れはてたデュードだが、ニヒリスト(ピーター・ストーメア、フリー、
トルステン・ヴォルグ)と名乗る利用された犯人一味は黙っていない。ボウリング場の
駐車場で一戦交えたはいいが、巻き添えを食らったドニーが心臓麻痺を起こしてあの世行き。

ふたりは海辺でドニーの死を弔い、ウォルターは灰を撒き散らした。かくして珍騒動は終わりを
告げたが、デュードたちの日常は変わりなく続いていくのだ。(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2015-10-26 23:10 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)

●「ランダム 存在の確率 Coherence」
2013 アメリカ Bellanova Films,Ugly Duckling Films.88min.
監督:・脚本・(共同原案・製作):ジェームズ・ウォード・バーキッド
出演:エミリー・フォクスラー、モーリー・スターリング、ニコラス・ブレンドン、エリザベス・グレイセン他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
考えオチのSF(私の場合)。パラレルワールドというか、マルチパラレルワールドとでもいうのか
メビウスの輪みたいに、考えれば考える程よく分からないのだが、よく考えないで
そういうこともあるかもねえ、ということを映画として愉しめばいいのだろう。

量子物理学だかなんだかで、こういう多次元存在論というものはあるのかもしれないけど
よく分かりません。全ては彗星のせいにして、その影響で自分たちと同じ世界が複数存在
することになるということなんだな。原題は「干渉性」とでも訳せる単語で、邦題も何のことか
タイトルからはわからないだろう。これ、日本で公開されたんだよね。役者も地味だし、人が
入ったとは思えないのだけれど。

「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」以来の、この手の映画の流行り、手持ちカメラでドキュメンタリー
風な仕立てである。内容の難しさからいえば90分弱という長さは妥当であろう。男女4人づつの
4組の夫婦がパーティーを開いているところに突然の停電。近所に明かりが付く家が1軒だけ
あった。電話を借りようと行ってみると、そこにはなんと自分らと姿形が同じ男女8人が
パーティーを開いていたのだ。さあ、これでお互いの疑心暗鬼が始まる。作品はその人間の
本性が出るシークエンスを舞台劇のような一幕もののようにして見せる。

名前と顔が一致しなくて困ったけど、金髪の美人、メガネ、ハゲ、ひげ、など顔にも特徴を
持たせてキャラクター付けはしてあった。

8人が自分たちに何かを仕掛けると、それが今の自分達の身に起きるということなのだが
それが「干渉性」ということなのだ。不思議なループの面白さはある。低予算でも考え方、
アイデア次第で映画は出来るということ。お話の理論的バックボーンとなっているものとして
「シュレディンガーの猫」というのが出てくるが、これをwikiあたりで調べてみてください。
これが8人の身に起こるということです。
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<ストーリー>
彗星が接近した夜、自分と全く同じ姿をした人間に遭遇した男女の運命を描いたSFスリラー。
出演はテレビ『レジェンド・オブ・ザ・シーカー』などで活躍するエミリー・バルドーニ、
「特攻野郎Aチーム THE MOVIE」のモーリー・スターリング。
監督・脚本は「ランゴ」の原案を手掛けたジェームズ・ウォード・バーキット。

ミラー彗星が地球に最接近する夜。エム(エミリー・バルドーニ)は恋人のケヴィン
(モーリー・スターリング)とともに、友人主催のホームパーティーに訪れる。
だが、男女8人で楽しく過ごそうとしていた矢先に突然の停電。暗闇の中でパニック状態に
陥ったエムたちは、外の様子を確認に出るが、そこにいたのは、全く同じ家に住み、
全く同じ姿をした自分たち。
別世界の自分たちが、同じ空間に同時に存在するという驚愕の事実を目の当たりにした
一行の運命は……?」(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2015-10-24 23:10 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「プロミスト・ランド Promised Land」
2012 アメリカ Focus Features,Participant Media and more.106min.
監督:カス・ヴァン・サント (共同製作・共同脚本) マット・デイモン
出演:マット・デイモン、ジョン・クラシンスキー、フランシス・マクドーマンド、ローズマリー・デウィット他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
「グッド・ウィル・ハンティング」でコンビを組んだカス・ヴァン・サントとマット・デイモンが
2002年の「Jerry」以来のコンビを再結成して製作した社会派ドラマ。

シェールガス採掘の利権を買い漁るガス会社と、田舎の住民との対立懐柔などを
描いていく。シェールガスの一大産地として俄然注目されているアメリカだが、その背後には
このような事件が横たわっていたとは初めて知った。ガスの採掘くらい石油と比べれば
大したことはないと思っていたが、水圧破砕法とかいうのだっけ、これにより地下水に
ガスが浸透し、水や土壌が汚染され、家畜がやられたり、水道から燃える水が出たりと
いう公害が発生しているのだ。

基本的に良い人の主人公でガス会社土地管理部長に昇進したスティーブ(デイモン)は
他社よりも安い価格で土地を買収してきた功績を認められてきた。彼が与えられた
新しい土地は牧畜や農業の盛んな風光明媚な田舎町に、大量のシェールガスが埋蔵
されているという調査のもと、買収にやって来た。相棒は自分より年上の女性スー
(マクドーマンド)。 人の良さを売り物に、住民に取り込み、財政が破綻しそうな町の
情勢もあり、買収は順調に進むかに思えた。

ところが町に現れた「アテナ」という名の環境保護団体に属する男ダスティンが、
街中にビラをはり、住民集会で反対論をぶちあげ、ことごとくガス会社に対抗、
また町民である科学者フランクも高い科学理論でスティーブらに反論してくる。

しかし、驚愕の事実が明らかになる。環境保護団体のダスティンはガス会社が
送り込んだ仕込みであり、スティーブらの行動の評価をしていたのだった。
「すべては私の手の中で行われていたことだ。きみはコマに過ぎなかったのだ」と
言われるに及び、自分のやって来たことに気づく。

スティーブは会社に、自分はこれ以上利権買収の仕事は出来ないと発言、また
住民の前でも、先祖からの美しい土地が汚染されることになる、と宣言してしまう。
当然、会社からは解雇だ。

ステイィーブは本作では終始冷静ではあるが、おじいさんからのブーツを愛用していたり
どこか自分のやっていることとのちぐはぐ感を醸し出している。実績は上げてきたが
「破産する田舎町を救うため」という大義の前に、土地の汚染などに目をつぶって
仕事と割り切り仕事をやっってきたのではないか。でなければダスティンに言われた
一言で、糸が切れてしまうような事態にはならないはずだ。

アメリカで工場や地下資源がらみで会社が動く時、デメリットを隠し、メリットを過大に
宣伝することは必ずと言っていいほどあるわけで、その辺りの事実をリアリティを持って
訴える本作は、デイモンやカス・ヴァン・サントのメンタリティにフィットしたのだろう。
平均以上の作品に仕上がっているとは思うが、主人公の案外な心変わりをマイナス
しておきたいと思う。
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<ストーリー>
ガス・ヴァン・サント監督&マット・デイモン主演という、『グッド・ウィル・ハンティング/
旅立ち』のコンビによるヒューマンドラマ。次世代エネルギーとして注目を浴びる
シェールガスの採掘のため、田舎町を訪れた男が同地の人々との交流を通し、人生を
見つめ直すようになる姿を描きだす。マット・デイモンは脚本と製作も担当。

大手エネルギー会社の幹部候補であるスティーヴ(マット・デイモン)は、仕事の
パートナー、スー(フランシス・マクドーマンド)とともに、農場以外はなにもない田舎町
マッキンリーへやってきた。
実は、マッキンリーには良質のシェールガスが埋蔵されているのだ。スティーヴたちは、
近年の不況で大きな打撃を受けた農場主たちから相場より安くその採掘権を買い占め
ようとしていた。

町の財政再建の救世主として迎えられたスティーヴだったが、予期せぬ障害が立ちは
だかる。科学教師フランク(ハル・ホルブルック)と環境活動家ダスティン(ジョン・
クラシンスキー)が採掘に反対し、町の人々を説得する。そ
して、賛否は住民投票にゆだねられることに。さらにスティーヴは、仕事への信念と
情熱を根本から揺るがすような衝撃の真実を知ってしまい……。
ふと訪れた町で、図らずも自分の生き方を見つめ直す必要に迫られたスティーヴは、
果たしてどんな決断を下すのか?」(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2015-10-23 21:50 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)

●「マイ・ボディガード My Bodyguard
1985 アメリカ 20th Century Fox Film Co, Market Street Pro., Melvin Simon Pro.97min.
監督:トニー・ビル
出演:クリス・メイクピース、アダム・ボールドウィン、マット・ディロン、ジェニファー・ビールス他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
ザ・青春ドラマ、というような良質な映画で、内外の評価も高い。Rotten Tomatoesでは
8,6もある。確かに悪い映画ではないけど、そこまで高い評価を与えるかな、という感じを
個人的にはした。

ホテルのマネージャーを父に持つクリフォードは私立中学から公立へと転校してきた。
そこにはボス、ムーディー(マット・ディロン)とその取り巻きの悪い奴らが、のさばっていて
クリフォードはイジメの対象に。クリフォードが行くことになったクラスにはリンダーマン
(アダム・ボールドウィン)という背がでかく、「弟を殺した」などという不穏な噂が付きまとう
男子もいた。
クリフォードら弱い男の子は、殺人鬼リンダーマンから守ってやるから、といってカツアゲに
合い、クリフォードもそう言われるが断り、リンダーマンと仲良くなりボディーガードに
なってもらう。しかし、一度は上手く行ったが、リンダーマンはもういやだぞ、といって離れて
いく。クリフォードは、リンダーマンにつきまとい、仲良くなろうと努力をするのだが・・・。

というようなストーリー。クリフォード少年とリンダーマンの心の交流を描くのだが、リンダーマンは
噂ほどの悪ではなく(タバコとかすっちゃうけど)、かつて事故により父親の銃で弟を殺してしまい
そのトラウマが消えていなかったのだ。リンダーマンはクリフォードのことを金持ちのボンボンと
しか見ていなかったが、クリフォードが無邪気に彼に接近してくるので、次第に重い口が開き
友情が芽生えてくる。

リンダーマンは結構非暴力だったりして本当は心優しい男だったのだ。クリフォードとリンダーマンの
友情は固いものになり、ムーディーが雇った用心棒もやっつけ、クリフォードはムーディーとの
タイマンでも、彼をうちのめし、クラスにも平和がやってきた、というわけだ。

ストーリー的にはどうってことないのだが、描かれ方が爽やかであり、ちょっと子供じみた内容で
また冒頭に出てくるクリフォードらの世話をするばあちゃんが、よく分からない性格でいらっと
来たりする。結局この映画をいつ観たか、という点が本作に対する評価に大きく影響する
のだろうな、と感じた。いい大人になってから観ると、単なる「いい青春ドラマ」にしか見えないが、
多感なころに観ると忘れられない一作になるのだろう。若きマット・ディロンが眩しかった。
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<ストーリー>
クリフォード(クリス・メイクピース)は15歳のナイーブな少年。母親を自動車事故で失っているが、
豪華ホテルの支配人を務める父親ピーチ(マーティン・マル)と変り者のおばあさん(ルース・
ゴードン)と何不自山なく暮らしている。
そしてホテルの従業員たちは皆彼の友だちだ。新学期がはじまりダウンタウンの公立ハイ
スクールに転校したクリフォードは、以前とは異なる学校の様子に驚いた。

転校生のクリフォードは、早速、ムーディー(マット・ディロン)をリーダーとする不良グループに
ニラまれることになり、放課後トイレに引っぱりこまれた。喧嘩は苦手なクリフォードは、何とか
その場からは逃げのびるが翌日から毎日、ムーディたちからイヤガラセを受けるハメになる。
クラスの仲間は誰も助けようとしなかったが、更衣室のロッカーに閉じこめられた時、リンダマン
(アダム・ボールドウィン)に助けられる。彼は2メートル近い無口な大男で、女教師をレイプした
とか、子供を殺害したとかいろいろな噂のある不気味な存在だった。

ある日、ムーディたちに襲われたクリフォードは、再びリンダマンに助けられるが、彼は「もう助
けるのはこれっきりだ」と言ってその場を去った。以後リンダマンの事が気になって仕方がない
クリフォードは、彼を尾行した。途中気づかれはしたが、人なつこいクリフォードの態度に
リンダマンも参り、すべてをうちあけた。
1年前、父親の留守中に銃で遊んでいた弟が誤って発砲し、その弟の死体を発見して以来、
自分の殻に閉じこもってしまったというのだ。クリフォードに心を開き出したリンダマンは、彼に
自分の宝であるオートバイを見せ2人の友情は深まっていった。

そんなある日、ホテルの屋上に住むクリフォードを訪ねたリンダマンが、お金を貸して欲しいと
いって、去って行ったきり、そのまま消息を絶った。再びムーディーたちに狙われたクリフォードは、
いつの間にか戻ってきたリンダマンに助けられるが、今度は、ムーディーと1対1で決闘することに
なった。リンダマンの声援でムーディーの鼻を狙ったクリフォードは見事彼を倒し、晴々とした
表情でクラスの仲間たちの前に立つのだった。」(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2015-10-22 22:40 | 洋画=ま行 | Trackback | Comments(0)

●「アンダー・ザ・スキン 種の捕食 Under the Skin」
2013 アメリカ・イギリス・フランス Film 4,British Film Institute.108min.
監督・(共同)脚本:ジョナサン・グレイザー  原作: ミッシェル・フェイバー 『アンダー・ザ・スキン』
出演:スカーレット・ヨハンソン、ポール・ブラニガン他
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<評価:★★★★★☆☆☆☆☆
<感想>
見る人を選ぶ映画だ。観念的かつ心象風景的作品に、何を感じればいいのだろう。
とてもシュールな内容だし。ヨハンソンの立場は取る人によって、いろんな風に受け
捉えることが出来るだろう。それがこの映画の楽しみでもある、という仕掛けだと思う。

本作の冒頭からまず人が出てくるまでに3分位かかる。そしてセリフが出てくるまでに
15分位かかる。されに映画全時間に占めるセリフの割合は五分の一くらいなもので
あろう。それほどに説明的ではない映画だ。最近の映画は説明し過ぎで、観ている人の
想像力を刺激する面が少なくなっているとお嘆きの貴兄にはうってつけかもしれない。

私はこの手は苦手。やらんとしていることはわかるけど、また玄人筋はその筋が好きな
映画祭ではもてはやされるだろうけど、個人的にはついていけない。お話の骨子も
後からブログとか読ませていただいて初めて分かる、というくらいのものだ。

人間の女性の姿になった宇宙人の女ヨハンソンは、大型のバンを運転しながら街を流し
男をあさり、その男を黒いタールのようなもの(とてもシュールです)のなかに沈めて
捉えてしまう。その男たちがその後どうなったかは示されない。

ある日、エレファントマンのような男をひっかけてきたヨハンソン、(彼女に取って、
男の美醜というのはあまり関係ないのかもしれない)この男の心に触れることにより
人間としての心が生まれてくる。そして彼女は森の監視人にレイプされそうになる。
その時、人間の皮を脱ぎ捨てるのだ。その下には真っ黒い体が。監視人は彼女に
ガソリンをぶっかけて焼殺してしまう。森に一筋の線香のような煙が上がる。
それを見つめるバイクに乗った監視の男・・・。

ストーリーに難しさはないのだが、なにせシュールであり形而上的観念的な作品で
あるがゆえに、個人的には勘弁してもらいたいものだった。片や、この映画で論文が
書けるくらい好きな人もいよう。それはそれで否定はしない。

冒頭から不思議だな、と思っていたのだが、舞台はスコットランド。ヨハンソンのしゃべる
言葉は英語。しかし連れ込まれる男の殆どは英語を喋っていなかったのじゃないかな。
意志が通じているように描かれるのだが、どういうことだろう???
日本では劇場公開したのだそうだけど、人は入ったのかなあ。
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<ストーリー>
 スカーレット・ヨハンソンがセクシーな美女に姿を変えた謎の地球外生命体を演じる
異色のSFスリラー。道行く男たちを次々と飲み込んでいく孤独な捕食者のミステリアスな
心の軌跡を、心象映像ベースのスタイリッシュな筆致で描き出す。
原作はミッシェル・フェイバーの処女小説。監督は「セクシー・ビースト」「記憶の棘」の
映像派、ジョナサン・グレイザー。
 
 スコットランド。バンを運転する妖艶な美女が夜の街で次々と男に声を掛ける。彼女の
誘いに乗ってしまった男たちは、そのままどこかへと姿を消し、決して戻ってくることはなかった。
そんな彼女の正体は、宇宙からやって来た謎の生命体。人間の皮膚に身を包み、男たちを
誘惑しては捕らえていく。こうして人間と関わっていくうちに、いつしか彼女の中で思いも
寄らぬ感情の変化が起こり始めるが…。」(allchinema)

この映画の詳細はこちら>/a>まで。

by jazzyoba0083 | 2015-10-21 22:15 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)

●「プロジェクト・アルマナック Project Almanac」
2014 アメリカ Insurge Pictures,Platinum Dunes,MTV Films,Paramount Pictures.106min.
監督:ディーン・イズラライト  (共同)製作:マイケル・ベイ
出演:ジョニー・ウェストン、ソフィア・ブラック=デリア、サム・ラーナー、アラン・エヴァンジュリスタ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
★は6から7の間、といったところなんだろうけど、また突っ込みどころも満載なんだ
けど、どうも憎めない作品。「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」のような素人がビデオを
回した、という体裁の映像で構成されていくタイムパラドックス系のタイム・マシンもの。
出ている俳優が、ネクストジェネレーションといった感じで知っている人はいなかった。
またそれが実写フィルム風に仕立てるにはマストだったのだろうけど。
日本劇場未公開で、WOWOWで鑑賞した。

タイム・マシンものであり、また青春ドラマでもある。父親を幼くして亡くしたデヴィッドは
発明オタクみたいな高校三年生。受験で入学金が足りなくてMITを諦める他ないのか、
という事態になる。そんな折、父親の屋根裏部屋で見つけたビデオカメラ、点けてみると
自分の7歳の誕生日パーティーの模様が映されていた。そこになんと今の自分の姿が
映っていたのだ! 彼には妹がいるのだが、二人で地下室に父親の実験室を発見する。
そこには国防総省のタイム・マシン計画「プロジェクト・アルマナック」の概要と設計図と
作りかけのマシンがあった。

彼は、学校のクイン、アダムそれに妹とジェシーという彼女を加え、5人のチームを作り
タイム・マシンを完成させ、最初のうちは昨日に行ったり、3日前に行ったりしていたが
次第に年数単位で移動出来ることになり、またマシンの完成度もあがり、面白がって
落第したテストに再挑戦したり、いじめっ子に復讐したり、いけなかったライブに行って
盛り上がったり、宝くじをあてて母親を喜ばせたりしているうちは良かったが・・・。

観始めてしばらくは、う~ん、突っ込みどころばっかりで漫画みたいだなあ、とダラケ始めた
のだが、後半過ぎる辺りから、少年たちは必ずグループで行動する、という約束だったのに
デヴィッドがジェシーの恋心を射止めたいばっかりに一人で過去を訪れたりするうちに
だんだん過去に与えた影響で未来が変わってしまい、また頻繁に行き来するうちに
何がなんだかわからなくなってくる、というあたりから面白くなってきた。

デヴィッドは、この機械は存在しないほうが良いと思い、最初にビデオカメラを発見した
時まで遡り、マシンを壊すのだが、なぜかビテオカメラは2台あり、一台には数分前に
自分たちがしゃべっていたことが再生されていた。つまり誰かがまた未来からここに
来て数分のラグが出ている、という・・・。そこで映画は終わる。

過去をいじると抜き差しならないことになるよ、という警告なのかな。歴史は自ら修正しようと
する力がある、とはどこかの映画でみた構図だが、本作では完全に修復されていなかった。
これがオチである。

さて本作の突っ込みどころ。数々あるけど、映画は基本デヴィッドと妹が記録用に撮影した
素人映像、というはずなのに、何故かそれで全編見きれてしまうほど、撮影が上手いのだな。
え、こんなところどこから誰が撮っているの?というシーンもあったりで。
最初のほうで3年位前の父親のビデオカメラのスイッチを入れるとすぐに中身が再生される
のだが、そこまでバッテリーは持たないだろうに。デヴィットとその仲間たちが慎重にタイム
マシンを作り上げるのだが大量のバッテリーや、プリウスから引いた電源などを使って
やっていたのに、あっというまにバックパックに入るくらいの小型化に成功してしまう。
過去に行くとその時代の自分に出会うわけだが、その時、カメラの映像で、二人が消えて
しまうというシーンを作っていたが、実際はどういうふうに見えていたのか分からない、etc.

科学好きは少年グループ(これに恋バナがからむ)~国のプロジェクトに極秘に参加していた
父親の作りかけのタイム・マシン~過去に行ったり来たりのドタバタなどという構図は
ありきたりな感じだったが、マイケル・ベイの監修を受けたのか、ところどころのガジェット
(昨日から今日に連れて来てしまった犬とか 強電界の磁場が形成され、地下実験室の
金属の道具が宙に浮いてくるくる回るとか、最初の実験でおもちゃのラジコンを数分過去に
送り、元に戻したら壁に半分埋め込まれて出現したとか。)が割とうまくい効いていて、
駄作と言って切り捨てるには惜しい作品だ。青春の臭いもいっぱいするし。
何故か未来には行かないんだよね。何故だったかな?

タイム・マシンものがお好きな方は一度見てみるといいかも。
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<ストーリー>
マイケル・ベイが製作に携わり、タイムトラベルによって次第に制御不能な事態へと陥る若者
たちの様子をファウンド・フッテージの手法で描いたSFサスペンス。
 亡き父の作業場でタイムマシン開発計画を発見したデイビッドとその仲間たちは、組み立てた
マシンで過去へ戻る事に成功する。浮かれたデイビットたちは好き勝手に過去を変えて楽しむが、
やがてその“変化”が未来に悪影響を及ぼしコントロールできない事態へと陥ってしまう。
(allcinema)

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by jazzyoba0083 | 2015-10-20 22:40 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)

●「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト The Devil's Vaiolinist」
2013 ドイツ Summer Storm Entertainment.122min.
監督・脚本・撮影:バーナード・ローズ  製作総指揮・音楽:デヴィッド・ギャレット
出演:デヴィッド・ギャレット、ジャレット・ハリス、アンドレア・デック、ジョエリー・リチャードソン他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
「21世紀のパガニーニ」と称されるデヴィッド・ギャレットが、自ら企画して主演、演奏もした
彼のための映画、と言えるだろう。この人、詳しく知らなかったが、本作の演奏を見て
只者ではないな、と感じて検索してみたら、結構名の知れたバイオリニストだった。
モデルもしているという長身とルックスは映画には持って来いだし、バイオリンの腕は
一流だし、自分がパガニーニの映画を撮らなくて誰がとるか、という気持ちだったのだろう。
全編に流れるバイオリンの音色も彼の演奏である。映画の中で使われているヴァイオリンは
5億円のストラディバリウスだったそうだ。

物語としては、史実に基づく箇所も複数あるが、(博打で自分の愛器を賭けてしまう、梅毒で
治療の為、水銀を吸っているが、演奏した楽譜を回収したり、他人に楽譜に書き起こされることに
細心であった、カジノを建てた、など) 、悪魔と思しきウルバーニのラスト辺りの存在が
曖昧になっていってしまった、パガニーニの子供の存在がよく解らなかったとかの難点がある等など
ギャレットの演奏がハイライトだけに物語がおろそかになった恨みは残る。悪魔=ウルバーニや
ロンドンの指揮者にして興行主であるワトソンとその娘でヴォーカリストのシャーロットは
架空の存在だろうが、ラスト辺りでシャーロットの心変わりがえげつなくて鼻白んだ。

「悪魔に魂を売った」と言われるパガニーニの破滅型、天才肌の音楽家はまさにギャレットの
私生活にも当てはまりそうで、まあ現代では彼を置いてパガニーニを演じる俳優はいない
だろうとは思う。素人にしては演技はまあまあだし。ただし、イタリア人のパガニーニが
英語でお芝居をするのは白けるなあ。後半でパガニーニがパリにカジノを建てるのだが
そこのマネージャーはフランス語を喋ったりしている。

パガニーニが活躍した時代、ロンドンの霧やスモッグなどの雰囲気などプロダクション
デザイン全般は良く出来ていたと思う。

彼が活躍した時代1800年前後とはどんな時代であったろうか。
同時代の音楽家にはベートーヴェン、ロッシーニ、シューベルトなどがいて、ショパン、
リスト、モーツアルトらはパガニーニがアイドルの時代だった。
フランスはナポレオン・ボナパルトの治世、イギリス国王はジョージ3世(孫娘がヴィクトリア
女王) 産業革命の時期であり、蒸気機関車が走り始めていた。
1809年には神聖ローマ帝国が滅亡する。アメリカは3代目の大統領トマス・ジェファーソンの
時代。我が日本はもちろん江戸時代で、第十一代徳川家斉の治世。1800年には
伊能忠敬が蝦夷地の調査をしている。
映画の中ではまだ羽ペンを使っている。

そんな時代に思いを馳せて見るのもまた一興かもしれない。
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<ストーリー>
欧米でカリスマ的人気を誇るヴァイオリニスト、デヴィッド・ギャレットを主演に迎え、
19世紀に活躍した異端の天才ヴァイオリニスト、ニコロ・パガニーニの知られざる
物語を映画化した音楽伝記ドラマ。
“悪魔のヴァイオリニスト”と評された超絶技巧でセンセーションを巻き起こすとともに、
数々のスキャンダラスな逸話に彩られたパガニーニの愛と狂気の人生を、ある2人の
人物との関係を軸に、ギャレット本人が超絶技巧を披露する本格演奏シーンとともに
描き出す。
共演は「シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム」のジャレッド・ハリスとトム・フーパー
監督ミュージカル「レ・ミゼラブル」の端役でスクリーン・デビューしたばかりの新人女優
アンドレア・デック。
監督は「ハマースミスの6日間」「不滅の恋/ベートーヴェン」のバーナード・ローズ。

 1830年、イタリア。不世出の才能に恵まれながらもスポットライトを浴びることなく
不遇の日々を送っていた天才ヴァイオリニスト、ニコロ・パガニーニ。ある日、その才能に
目を付けたウルバーニと名乗る男が現われ、“君を世紀のヴァイオリニストにしてあげる”と
宣言し、マネージャーを買って出る。
そして巧みなイメージ戦略で、瞬く間に彼をヨーロッパ随一のヴァイオリニストへと導いて
いく。しかし富と名声を手にしたパガニーニは、酒と女とギャンブルの放蕩三昧に明け
暮れる。そんな中、噂を聞きつけたイギリスの指揮者ジョン・ワトソンに招かれ、
ロンドンへとやって来たパガニーニ。彼はそこで、歌手を目指すワトソンの娘シャーロットと
出会い、その歌声に思いがけず心打たれるのだったが…。」(allcinema)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2015-10-19 22:45 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)