●「コードネーム:プリンス The Prince」
2014 アメリカ Emmett/Furla Films and more.91min.
監督:ブライアン・A・ミラー
出演:ジェイソン・パトリック、ブルース・ウィリス、ジョン・キューザック、Rain他
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<評価:★★★★★☆☆☆☆☆>
<感想>
IMDbの評価は4点台と普段ならパスするのだが、ビッグネームが並んでいるし、
時間も短いことだし、見てみるか、とWOWOWの録画で鑑賞。
あかん。J・パトリック、B・ウィリス、J・キューザックという大所の背景や設定が
はっきりぜず、ストーリーも既視感ありありで残念。ブルースも、ジョンも最近時として
こういうダメ映画に出ているなあ。だいたいプリンスと恐れられた暴れん坊=殺し屋の
主人公J・パトリックが全然それっぽくなく、ミスキャスト。もとSEALSとかCIAとかの
正義の味方系かと思いきや、殺し屋で、20年前に、麻薬抗争に明け暮れていた
ブルースの母娘を誤って車ごと爆殺してしまったというトラウマがある。彼はブルースを
殺したかったのだが、意に反して罪のないブルースの妻と幼い女の子をふっ飛ばして
しまったのだ。

その主人公ポール(パトリック)の娘が行方不明に。娘の友人の協力で、捜索に当たる
のだが、娘はドラッグ漬けになっていて、麻薬王オマー(ウィリス)のシマに閉じ込められて
いるらしい。父親は必死になって娘を探し、やがてオマーと対決することになるのだ。

まあ、筋は見えてしまっているのだが、なんといっても展開に意外性もなければ納得性も
ないというダメ台本のおかげで、オマーはポールの娘をポールを誘い出し妻娘殺しの
復讐を遂げたくてヤク漬けにして拉致したのか、そのあたりのはっきりした動機付けが
あいまい。やがてかつてポールと仲間を組んでいたサム(キューザック)が助け舟を出して
くれるのだが、そのあたりもよく描かれていない。だいたいずっとポールと行動を共にする
女の子の心も上手く描けていない。

ポールは殺し屋稼業から足を洗い、クルマのカスタマイズメカニックとして生きていくつもり
が、20年前の復讐劇に巻き込まれたわけだが、なんでまたオマーは20年も待った?
それともポールの娘が飛んで火に入る夏の虫状態で自分のシマに入りこんだのを奇貨と
したのか?オマーの腹心(Rain)がいうように「忘れましょう」なんだけど、このセリフも
妻娘を爆殺された親分にいうセリフとしては説得性に欠けるんだよなあ。忘れられるはずが
ないもの。

というわけでグダグダがな活劇でありました。
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<ストーリー>
裏社会に一大勢力を築く組織のボス、オマール(ブルース・ウィリス)は、10数年前、車に
仕掛けられた爆弾によって妻子を失っていた。その犯人は“PRINCE”と呼ばれる殺し屋。
この事件以来、“PRINCE”は消息を断っていたが、オマールはその行方をずっと追い続けて
きた。

一方、かつて“PRINCE”のコードネームで裏社会にその名を馳せた殺し屋ポール(ジェイソン・
パトリック)は、オマールを狙った爆弾で誤ってその妻子の命を奪ってしまった事件をきっかけ
に引退。今は自動車整備工場を経営しながら、ひっそりと暮らしていた。
かつての殺伐とした世界からはかけ離れた平穏な暮らし。そんなある日、突然ポールの娘が
行方不明になる。何らかの事件に巻き込まれたのか?必死に娘を捜索するポールの脳裏に、
自分が葬ってきた標的たちの姿がよぎる。“これは俺に対する復讐なのか?”愛する娘を救う
ため、ポールが再び銃を手にした時、男たちの運命が再び交錯する……。(Movie Walker)

この映画の詳細はまで。
by jazzyoba0083 | 2016-01-28 22:50 | 洋画=か行 | Comments(0)

●「シリアルキラーNo.1 L'affaire SK1」
2015 フランス Labyrinthe Films and more.121min.
監督・(共同)脚本・(共同)音楽:フレデリック・テリエ
出演者:ラファエル・ペルソナーズ、オリヴィエ・グルメ、、ミシェル・ヴェイエルモーズ、アダマ・ニアン他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
ほとんどドキュメンタリーの様な映画。フランスで実際にあった連続猟奇殺人事件を
元に、犯人はいかにしてシリアル・キラーになりしか、という点がクローズアップされる点が
見どころ、というところだろう。強姦後全裸で喉を切られて殺される若い女性、が10件
以上も出てくるので、リアルではあるが、引いてしまう方もおられよう。

しかし、映画はそういうリアリティに迫ることにより、数年がかりで逮捕された犯人の
公判の成り行きから、犯人と母親の関係とか、両親に捨てられ里子にだされた環境とかが
詳らかにされていくのだが、フランスの今日の法廷というものをあまり目にする機会が
無かったので、アメリカとは相当違うんだなあ、と思ってみていた。

逮捕された犯人は結局11件の殺人のうち7件を実行、他の3件はドイツで既に逮捕されて
いた男の犯行でるあることが判明した。だから、裁判の過程で、他人の犯行については
現場に残されていた「エジプト型足型」「血痕」「精液」などのDNAから、別人の犯行であろうと
いうシーンも出てくる。あやうく全部彼の犯行とされてしまうところだった。
さらに世間?はよってたかって全部彼の犯行とみなしたがる。

映画の締めで、字幕にて説明されるのだが、この事件を契機にフランス警察に犯罪の
DNAデータベースシステムが構築されたというようなことが説明される。しかし、
映画が主張しているのはそのことが主ではなかろう。実際コードネームがシリアル・キラー
№1=SK1とされた男の、そうした人物は生まれながらの殺人鬼ではない、家庭と
教育と環境が彼をしてそうさせるのだ、というような感想を得たのだった。
ラストで涙を浮かべながら7件の犯行を告白する犯人の様子からそう思えたわけだ。
証人として出廷した養母が、彼ほど良い子は居なかった、今でも愛している、と義妹を
強姦されながらも証言するが、そんないい子であっても、彼の心を変質させたものは
彼の元来持つ人間性だけでは説明がつかない、という風に捉えられたのである。

この事件を追う刑事マーニュが主人公的であるが、彼の家族(長い時間がかかった
事件の経過を説明するためもあろう)、パリ警視庁内部の功績狙いの抗争、犯人を
弁護するハメになる国選弁護人の葛藤、色んな側面が描かれているため、一本の
筋といえばやはり、シリアル・キラー、如何に誕生せしか、という側面にハイライトが
当たるのは仕方のない事だろう。監督も敢えて群像的に描くことにより事件の全容を
描こうとしたに違いない。ちなみに日本では劇場未公開作品である。
佳作、とはまいらぬが、インパクトの有る映画であると思う。こういう事件ものが好きな
人は見て損はない。
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<ストーリー>
邦題が意味するのはフランス犯罪捜査史上、DNA分析によって犯行が証明された
連続殺人鬼(シリアルキラー)の1人目ということ。
1991年からパリで起きた、若い女性ばかりが狙われた連続レイプ殺人事件を再現。
本国では話題作として成功を期待されたものの、公開初日に“シャルリー・エブド
襲撃事件”が発生。興行は惜しくも不発に終わったが、リアルな迫力がある佳作だ。
主演は「彼は秘密の女ともだち」など、フランスでは“アラン・ドロンの再来”と称される
人気俳優ペルソナ。WOWOWの放送が日本初公開。(wowow)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-01-27 23:15 | 洋画=さ行 | Comments(0)

●「ブルー・リベンジ Blue Ruin」
2013 アメリカ The Lab of Madness,Film Science,Neighborhood Watch.90min.
監督・脚本・撮影:ジェレミー・ソルニエ
出演:メイコン・ブレア、デヴィン・ラトレイ、エイミー・ハーグリーブス、ケヴィン・コラック、イヴ・プラム他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
★は8に近い7。
この監督さん、自分で本も書き、撮影もするというマルチタレント。「ジャズ・シンガー/ジャッキー・
パリスの生涯」(未公開)もWOWOWで見る機会があり、とても面白かったという記憶が
ある。本作と比して作品に通底する部分にどこか似た臭いがする。

本作、一口で言って「異様」な映画である。オフ・ビートというのとは違うだろうし、全編に
漂う「やるせなさ」「虚しさ」。アンハッピーエンドではあるが、これ以外の終わり方があるだ
ろうか、という物語。下手をするとダルく感じるストーリーを90分という短い時間に押し込め
「トーン」を演出出来るというのは、此の監督、只者ではない。こだわりの映像も、色彩を
上手く使い効果的である。例えば主人公の乗るボロボロのセダンは淡水色。恐怖のシーンに
使われる青い照明など、主人公の心象にブルーを置くことにより、「虚しさ」を強調する。
タイトル通りである。
そして実は結構リアリティに富む決定的なシーン。それは、主人公が両親殺しの復讐として
殺した男の兄弟が、主人公の友人のライフルで顔半分を吹き飛ばされる所。
これはその突然性と、リアリズムで、「虚しい」トーンの作品に緊張を与えるのに成功している。

出演者は知らない人ばかり。(端役として出ているのを観ているのかもしれないが)特に
主人公ドワイトを演じたメイコン・ブレアは、映画のトーンにぴったりな雰囲気。ヘタレな
イメージなのだが、結構意志は強かったりして、絶望に向かって突進する顔に似合わない
行動が「異様」で良かった。実際ドワイトのヘタレぶりは、いくつか描かれていく。ぞれがまた
前部痛い(物理的に痛い)のだ。刺さったボウガンを自分で抜こうとして抜けず、病院へ
駆け込んだ瞬間失神してしまうという・・。

いわゆる「復讐譚」なんだけど、ホームレスに身をやつして両親殺しの犯人の出所を待ち、
出てきたことを知ると、接近し殺害。だが、兄弟たちに言わせると彼は実行犯ではないという。
あれあれ・・・。 主人公ドワイトの両親が殺されたのは、父親が、ある男の妻ににちょっかいを
出し、これに激怒した男がクルマを運転している父親を射殺、同乗の母も死亡ということ
だったのだ。殺人事件の動機もトホホなもんだ。しかし、ドワイトには肉親を殺されたウラミは
強い。出所した犯人を殺して、その後どうするつもりだったのだろうか。自分が犯人だと
容易に想像されてしまうのに。刑務所に入ることも厭わないつもりだったのだろうか。それに
しても自分の人生を棒に降るような殺人の原因でもなかったと思うのだが、そこがこの映画の
狙い目。

出所したての家族を殺された一家兄弟は、殺人を警察に届け出ず、自分たちで復讐に乗り出し
た。狙われたのはドワイトの実の姉。ドワイトは姉の家に行き、事情を話し姉を転居させ
そこで一族が来るのを待つ。殺し合いをするつもりなのか? 案の定彼らはやってきて
逃げようとしたドワイトはボウガンに足を射抜かれてしまう・・・。

そこからドワイトと一家の殺し合いが始まる。ドワイトは高校の友人に銃の手ほどきを受けたりし、
一家の留守宅に忍び込み、有ったたくさんの銃をまとめて池に捨て、籠城しはじめた。
やがてやってきた男と姉と母。甥っ子みたいな若いやつに背後から撃たれ、母親にまだ机の
下に隠されていたサブマシンガンで撃たれるが、反撃もし、甥っ子は逃亡、後は全員死亡した。
「虚しい」・・・・。ドワイトの人生の来歴は語られないが、彼の人生は何だったのか。
決して暴れん坊ではない物静かなドワイトが殺しの連鎖に巻き込まれていく様は、見ものである。

冒頭から20分以上、ドワイトはセリフがない。寂れたクルマを根城にするホームレスとして
登場、誰なのかも分からない。そこに警察がやってきて署に呼び、両親殺しの犯人が司法
取引で釈放される、と教えられた。さあ、その時は来た!・・・・。ドワイトの行動に自分の
思いを重ねながら見るとよろしかろう。 
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<ストーリー>
両親を殺されたホームレスの悲しい復讐劇を描いたサスペンス・スリラー。第66回カンヌ国際
映画祭監督週間で上映されるや完成度とリアリティを持った世界観が話題となり、国際映画
批評家連盟賞を獲得した。
監督・脚本は、数々の作品の撮影を担当するほか、ホラー作品「Murder Party」(未)で
注目を集めたジェレミー・ソルニエ。
孤独な戦いに乗り出すホームレスを、これまでのジェレミー・ソルニエ監督作品全てに
出演しているメイコン・ブレアが演じている。
ほか、「ホーム・アローン」のデヴィン・ラトレイ、「SHAME-シェイム-」のエイミー・
ハーグリーヴスらが出演。(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。


終始虚しいのでスッキリしないという方も多かろう。だがこの独特の雰囲気。私は嫌いではない。
by jazzyoba0083 | 2016-01-26 22:40 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「ジャッジ 裁かれる判事 The Judge」
2014 アメリカ Warner Bros.,Village Roadshow Pictures.and more.141min.
監督・(共同)原案・(共同)製作:デヴィッド・ドブキン
出演:ロバート・ダウニー・Jr.、ロバート・デュバル、ヴェラ・ファーミガ、ヴィンセント・ドノフリオ他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
まったく予備知識無しで観た。面白かった。この監督、作品を知らないが、演出や映像も
いい(撮影はヤヌス・カミンスキー)のだが、やはり脚本(物語)が良く出来ているということだ。
大体、映画の物語が動き出すまでは人物紹介等で退屈なことが多いこの手の作品、本作は、
主人公であるロバート・ダウニーJrの行動で引っ張り退屈させない。ここがまず見事。

ダウニー演じる弁護士ハンクはどうやら高慢ちきな自信家で、嫌なヤツっぽい。家族とも
断絶っぽい、家庭でも妻との離婚が秒読み状態という問題を抱える一方、4歳くらいの女の子の
父でもあるが、決して良い父とは言えないっぽい。そんなハンクが裁判の最中に携帯に
「母さんが亡くなった」との電話で裁判を延期してもらって、久しぶりに田舎に出向く。

さあ、ここでいよいよ事件の始まりだ。40年以上街の判事を努め市民から尊敬もされ、
それなりにウラミも買ってた父ジョセフ(デュバル)。実はガンを患っていて化学療法も受けている。
(このことはもう少し後になって明かされるのだが)どうやらその父が母が亡くなった日の夜、
ひき逃げ死亡事故を起こしたらしい。それも、自分の判決の軽さが原因で更に人一人を殺して
しまったその犯人を。

父の車には被害者の血痕が付き、クルマの前部が壊れてもいた。証拠は明々白々。
父は息子が辣腕弁護士と知っていても、彼に弁護を頼まず、経験不足の若い弁護士を
指名。しかし予審で終わらせ本裁判にはさせない、と狙っていたハンクの目論見は、
若い弁護士の力量不足で、第一級殺人で裁判になってしまう。

ハンクには大リーグ入りが嘱望されていたものの、ハンクが原因の事故で野球選手生命を
絶たれた兄と、知恵遅れでムービーカメラが趣味の弟が居た。ややこしい兄弟を抱え、
頑固一徹な父の裁判に臨むことになったハンク。対する検察官は切れ者ののディッカム
(ビリー・ボブ・ソーントン)だ。 父は事故の前後の記憶が無いという。目撃者はいないが
ガソリンスタンドの防犯カメラには、殺した男を追うような父の車が写っていた。

どうやら化学療法の副作用で一時的に記憶が飛んだらしい。が、父はそのことを認めない。
なぜならそれを認めると、その期間に出した判決に疑義が生まれてしまい、自分のプライドが
許さないのだ。ハンクは、オヤジの記憶などだれも覚えてやしないのさ、と一時的記憶喪失を
主張するように説得するが、父は頑として聞かない。

やがて被告人質問で、父は「記憶にないが、殺した」と言ってしまう。慌てて反論に出る
ハンクだったが、情状に訴えるのが精一杯。何とか第一級殺人は無罪となったが、故殺で
4年の刑が下ってしまった。ガンの身なのに収監される父を思うと頭を抱えるハンク。

しかしディッカムの恩赦要請で、父は刑期を短縮され釈放さてた。二人で久しぶりに趣味の
釣りに出る父とハンク。あれだけ頑固で息子に対し悪態をついていた父は、お前は最高の
弁護人だよ、と初めて息子を認めるセリフを口にした。目線を湖面に移し、父に戻すと、
父は絶命していた。

葬儀の日、街の裁判所には半旗が掲げられた。「オヤジが死んでも誰も覚えてやしないさ」と
言ったハンクは、父親の偉大さを改めて知ったのであった。そして、誰も居ない法廷に行くと
父が長年座り続けた裁判長の椅子をくるくる回し、椅子の正面が自分の正面に来ると、
ある意を決したようであった。

ストーリーをざっくり云えば以上のようなことだ。これにハンクの二人の兄弟、幼なじみの
サマンサ(ヴェラ・ファミーガ)、そしてハンクとサマンサの娘なのかもしれない娘などが
絡み、物語に厚みを付けていく。

ロバート・デュバルの老判事が素晴らしい。頑固なのかボケているのか、息子をどう思って
いるのか、それらは観ている人に任せ、頑固な老判事を好演。頑固ながら孫に見せる
態度、体が弱っていくこと、頭もボケ始めていることをわかりつつ認めたくない一人の老人、
しかし厳格な判事として尊敬を集めてきたとうプライド。その辺りがないまぜになって息子
ハンクにぶつかって行く。そのぶつかりの過程で、老父とハンクのわだかまりが詳らかに
なっていくという仕掛けだ。(ハンクに落ち度があるわけではなく、オヤジが頑固であると
いうこと=威厳といとでもあるのだが)最初は迷惑なこの頑固ジジイと思っていたハンクも、
裁判を通し父への思い=理解は高まり、それは次第に尊敬に変わっていく。
ちょっとエンディング辺りが
カッコよくにまとまり過ぎか、とも思うし、ハンクの兄と弟の描き方も中途半端で今ひとつなのが
惜しい。ただ、ヴェラ・ファミーガとの絡みは良かったと思う。彼女の存在がこの映画の
暗さを救っている大きなファクターだと感じた。 とにかく脚本とキャスティングの勝利である。

地味な映画で日本では評判にならなかった(デュバルはオスカー助演男優賞にノミネート
されたが)と思うが、こういう佳作に出会えることは映画好きの幸せである。
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<ストーリー>
この映画の詳細は“金で動くやり手弁護士”として名を馳せるハンク・パーマー(ロバート・
ダウニー・Jr.)。一流法科大学を首席で卒業しながらも、その並外れた才能が発揮されるのは、
金持ちを強引に無罪にする時だけだった。
そんな彼にとって弁護士史上最高難度の事件が舞い込む。人々から絶大な信頼を寄せられ
る判事、ジョセフ・パーマー(ロバート・デュヴァル)が、殺人事件の容疑者として逮捕されたのだ。
しかも彼は、ハンクがこの世で最も苦手とする絶縁状態の父親。
法廷で42年間も正義を貫いた父が殺人など犯すはずがない……。最初はそう確信していたも
のの、調べれば調べるほど、次々と疑わしい証拠が浮上する。

殺された被害者と父との歪んだ関係、亡き母だけが知っていた父の秘密、防犯カメラが
とらえた不可解な映像……。裁判は劣勢に傾いてゆくのに、犬猿の仲の2人は弁護の方針を
巡って激しく対立する。果たして父は殺人犯なのか? 深い決意を秘めた父の最後の証言
とは……?(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-01-25 23:45 | 洋画=さ行 | Comments(0)

進撃の巨人 ATTACK OF TITAN

●「進撃の巨人 ATTACK OF TITAN」
2015 日本 講談社、製作委員会 東宝配給 96分
監督:樋口真嗣  原作:諫山創
出演:三浦春馬、長谷川博己、水原希子、本郷奏多、三浦貴大、石原さとみ、ピエール瀧、國村隼他
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<評価:★★★★★☆☆☆☆☆>
<感想>
引き続きホノルル便の機内での鑑賞。「進撃の巨人」という単語やその劇画のカットは
当然知っていはいたが、どういう内容ななのかは知らなかった。おそらくこういう機会でも
ないと観ないタイプの作品だ。機内の暇つぶしに、どんなものか、という興味もあり観て
みた。これは続編というか後編を観ないとだめなんだな。リストにはあったけど観る気力が
わかなかった。ラストシーンで後がある、と分かるのだが、まあ、どうでもいいか、と。
いくら後編があってのものとはいえ、一本の映画として見に来てもらう以上、それだけで
ちゃんとした映画になっていなくては、観ている方がバカをみる。

原作を映画化するのは難しいと言われていたらしい。原作は読んでみたいとは思った。
そりゃあぶっとんだ未来の話、顛末は面白そう。しかしこれを動く実写にしてしまうと、
グロテスクな部分がクローズアップされてしまい、しかも三浦春馬くんのイジイジぶりが
酷くて、イライラしたし。全編冗長。これは続編で解決されていくのだろう。なにせ三浦くん、
巨人になっちゃうんだからね。続編というか後編があってこその「進撃の巨人」というタイトルが
ピンとくる仕掛けになっているのだろう。
演技陣はピエール瀧と國村以外の若手はみんななんだかなあ、の出来。かろうじて
石原さとみくらいかなあ、まだ良かったのは。

この映画、前後編まとめて尺を短くしてちゃんと纏めあげたら前編の冗長さがカットされ
もう少しマシな映画になっていたのではないか。樋口監督のがんばりは分かるのだけれど、
製作側の金儲けに、結局ぐだぐだなものになってしまったのではないか。
繰り返すが、原作は読んでみたい(観てみたい)とは思った映画だった。
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<ストーリー>
巨人が人間を食べるという衝撃的なテーマが話題を呼び、第35回講談社漫画賞少年部門に
輝いた諫山創の人気コミックを実写映画化。居住区の周りに巨大な壁を築き、つかの間の
平和を手に入れた人々の前に、突如、壁を超える大きさの巨人が出現したことから、人々に
訪れる変化を描く。

突如出現した巨人たちに人類の大半が捕食され、文明は崩壊。生き残った者たちは巨人たちに
侵攻されないよう巨大な壁を三重に築き、その内側で暮らしはじめた。それから100年以上経ち
惨劇の記憶が薄れていく中、壁の外の世界に憧れるエレン(三浦春馬)は安穏と暮らす人々に
苛立ちを募らせていた。

しかしある日突然想定外の超大型巨人により壁が崩され、侵攻してきた巨人たちに人々は
次々に食べられていく。2年後、人類はより内部への撤退を余儀なくされていた。
対巨人兵器、立体機動装置によって武装した調査団が結成され、エレンらは外壁を修復する
決死の作戦に赴く。その途中、巨人の襲撃にあい、仲間のアルミン(本郷奏多)をかばった
エレンは飲み込まれてしまうが……。(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-01-20 13:40 | 邦画・新作 | Comments(0)

●「トランスポーター・イグニッション The Transporter Refueled」
2015 フランス EuropaCorp and more.96min.
監督:カミーユ・ドゥラマーレ (共同)製作、脚本:リュック・ベッソン
出演:エド・スクレイン、レイ・スティーヴンソン、ロアン・シャバノル、ガブルエラ・ライト他
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<評価:★★★★★☆☆☆☆☆>
<感想>
ホノルルからの帰りの機内での鑑賞。できれば「オデッセイ」とか観たい作品もあった
のだけれど、何故か吹き替えの上に字幕。画面は小さいし、これはシネコンに行かないと
バチが当たると思い、気楽に見飛ばせるものとして選んだ本作。途中で寝落ちすること
3回。こんなに短い作品なのに。

トランスポーターという映画、ジェイソン・ステイサムの出世作らしいが、これまで観る機会が
無かった。というか積極的に観たいとも思わなかった。今回、事情があっての鑑賞だったが
評価にもある通り、ベッソンが共同で本を書いたとはいえ、つまらない映画であった。
Audiファンである私としてはS8が活躍する光景は面白い部分もあったけど、こういう
アクションもストーリーの面白さがあればこそ、である。 ジェイソン・ステイサム版を観ずして
トランスポーターを語るなかれ、というファンも多いかもしれない。一度は観ておくべきかも
しれない。

つまらなさの第一は主人公が危機を乗り越えるところがあまりにもご都合主義であること。
もう、すっかり安心して観ていられるという・・・。Audiも門扉を破っても傷ついてないし。
ラスト、盗んだお金を、仲間の口座に振り込むというシーンは既視感ありあり・・・。
主人公、クールな雰囲気を出し過ぎじゃないか。オヤジさんのほうが人間味があって
いい。女性陣もとりたてていうほどの演技でもないし。まあ暇つぶしの1時間半であった。
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<ストーリー>
プロの運び屋フランク・マーティン(エド・スクレイン)のもとに、妖艶な美女アンナから依頼が
入る。時間通りにフランクが到着すると、3人の美女が彼の愛車アウディS8に乗り込んだ。
そして銃を突き付けられ、人質に取られ猛毒がまわり命の期限が 12 時間に迫った父親の
映像を目にする。
ルールを侵され怒るフランクだが、アンナたちはフランクの特殊部隊時代のライバルだった
カラソフ率いる巨大売春カルテルに命を狙われていた。
流儀や使命、命が脅かされている父の間で揺らぎながら、愛車を駆るフランク。そんな彼に、
裏切りが待ち受ける……。(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-01-19 14:10 | 洋画=た行 | Comments(0)

●「荒野はつらいよ~アリゾナより愛をこめて~ A Millions Way to Die in the West」
2014 アメリカ Bluegrass Films and more.116min.
監督・(共同)製作・脚本:セス・マクファーレン
出演:セス・マクファーレン、シャーリーズ・セロン、アマンダ・セイフライド、ジョヴァンニ・リビシ
    リーアム・ニーソン他
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<感想:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
「テッド」のセス・マクファーレンだから、相当なお下劣ぶりだろうと思っていたら、予想
以上で、びっくり。こういう映画に免疫がないもので。(^^ゞ
バイオレンスも半端ないリアリティだったりするから・・・。「西部で死ぬ百万通りの手段」とか
いうタイトル、スタートの「大西部」をバックにしたクラッシックのロゴはジョン・ウェイン時代の
正統派西部劇を思い起こさせる。ここからもう始まっているのだな、セスの手腕は。

シモネタ満載はいいんだけど、下痢とか凄いんで、もうびっくりだ。最後の決闘シーンでは
テンガロンハットの中に下痢便しちゃうし、それを写すんだから恐れ入る。

この手の映画は日本で受けることは難しいだろうが、本国では制作費を回収しているんだよね。
需要があるんだなあ。また、オスカー級の俳優がまあ、ぞろぞろと「こんな映画」に出るわ、
出るわ。これもびっくり。リーアム・ニーソン、ケツ出しちゃうし。(吹き替えだろうけど)
アマンダ・セイフライドは、シャーリーズ・セロンから「ギョロ目」とか言われ、後でほんとに
CGでギョロ目にされちゃうし。こういう個人攻撃?もアメリカ映画では平気でやるよね。
それにインディアンのところで大量のドラッグを貰って幻を観るシーンではひつじのダンスなど
CGもしっかり使っているから、手は結構込んでいるだよね。

セス・ローゲンはヘタレな羊飼いなのは納得、アマンダに振られ、悪党ニーソンの妻とは
知らずにシャーリーズ・セロンに入れあげ、アマンダの恋人とニーソンと二人と決闘する
ことになっちゃうんだな。この間の恋愛模様がメインだったりする。ヘタレはとことんヘタレに
描くけど、最後はちゃんとケリはつけちゃうという、アメリカ人好みというか気質というか。

最後に、ジェイミー・フォックスが出てきて「祭りでヒトは死ぬ」とかいうんだけど、これも
なんかのパロディなんだろうなあ、分からなかった。確かに西部にある百万の死に方の
中に祭りでヒトが死んでもおかしかないだろうけど。
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<ストーリー>
『テッド』のセス・マクファーレン監督が自ら主人公を演じる、コミカルな西部劇。銃も撃った
ことのないオタク青年が、ミステリアスな美女と知り合ったのをきっかけに、悪党に戦いを
挑んでいく姿がつづられる。
主人公のガールフレンドをアマンダ・サイフリッド、謎の美女をシャーリーズ・セロンが
演じるなど豪華女優陣の共演にも注目。

1882年、西部開拓時代のアリゾナ。そこは、タフさが自慢の男と無法者が何かに
つけて銃をぶっ放し、野生化した動物とモラルの低い民衆が溢れる、まさに“生活するには
最悪な土地”だった。

そんなアリゾナの田舎町で暮らす地味でオタクな羊飼いアルバート(セス・マクファーレン)は、
文化度が低く、危険な西部の町を心底嫌い、同じオタクの友人に愚痴をこぼす冴えない
日々を送っていた。
銃すら撃った経験のない彼は、決闘を挑まれても屁理屈を並べて逃げ出す始末で、
呆れたガールフレンドのルイーズ(アマンダ・セイフライド)にフラれてしまう。

そんなある日、超一流の射撃の腕を持つミステリアスな美女アンナ(シャーリーズ・セロン)が
町に現れ、アルバートはふとしたきっかけから彼女と急接近。やがて2人は恋に落ちる。
時を同じくして町に乗り込んできたのが、西部最悪の大悪党クリンチ(リーアム・ニーソン)。
彼は、アンナに近づいたアルバートをぶっ殺そうとしていた。
果たしてアルバートは、極悪ガンマンを倒し、愛する女性をモノにする事が出来るのか……!?
(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2016-01-10 16:24 | 洋画=か行 | Comments(0)

●「ブリッジ・オブ・スパイ Bridge of Spies」
2015 アメリカ  Amblin Entertainment,DreamWorks SKG,Fox 2000 Pictures.142min.
監督・(共同)製作:スティーヴン・スピルバーグ 共同脚本:E &J コーエン
出演:トム・ハンクス、マーク・ライランス、エイミー・ライアン、アラン・アルダ、スコット・シェパード他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
敬愛するスピルバーグの新作に、脚本としてコーエン兄弟が参加し、オスカー常連の
トム・ハンクスが主演と来たら、私はとにかく何をおいても映画館に行く。
実話がベースという、結果の分かっているサスペンスドラマを、コーエン兄弟がどう
本にするか、という興味もあった。コーエン兄弟の持ち味というのはエッジの効いた
見る人の常識を裏切るような作品だと思っているので、(事件ものの傑作としては
オスカー受賞作「ファーゴ」がある)事実をベースにしてどう緊張を持たせるのか、と
ワクワクだった。スピルバーグは「シンドラーのリスト」で実在の人物を描き、高い評価を
得たが、今回はどうか。「プライベート・ライアン」でのトム・ハンクスの人物描写に
比べてどうか。興味は高まる。

結果、U-2 事件として私も記憶にある歴史的大事件、裏側にはものすごい外交的
取引があったのだろうけど、若干綺麗にまとめすぎたかなという恨みは残る。残るが
主人公のドノヴァン弁護士という人間の「物凄さ」を手堅く描いたな、という感想だった。
最後の字幕で後日譚が語られるが、それを知った時、危うく泣きそうになった。
なんという人だ。人間をここまで信じて「国のため」は結果論であり、人として正義のため
国際的な事態に赴く、こんな人間がいたのか、という驚きと感激。そのあたりの表出は
コーエン兄弟+スピルバーグの手腕といえよう。

特に端折れれば端折れるようなU-2の墜落シーンやラスト近くの捕虜交換を終えて
ベルリンから帰る時の飛行場の様子など、CGも使っただろうが、リアリティに拘った
制作陣の狙いは成功したと考える。(小さなこだわりだが持つ意味は大きい)

アメリカに捉えられたソ連のスパイとロシアに墜落したU-2偵察機のパイロットの
交換と思いきや、ベルリンが東西に分断された時、東側に残ってしまい、東独に
捕まった留学生の存在が加わり、ヴォーゲルという東独の人物の登場もあり
事態は解決に向かうわけだが、その辺りの東西の人間の機微が手堅く描かれて
いた。印象的なシーンはたくさんあるのだが、捕虜交換に臨んで、人間として信頼
しあっているドノヴァン弁護士とソ連のスパイ、アベルの会話で、ドノヴァンが開放
されたらどうなるか?と尋ねると、同志が抱擁してくれれば吉、クルマの後部に
さっさと案内されるようなら不吉、というようなことを言うが、結果の映像を観ると、
言葉より映像の物語るものの重さを感じるし、一方、ヴォーゲルの努力で開放された
学生が、ベルリンでアメリカ側に還された際、ヴォーゲルが学生を受け取りに出てきた
アメリカ側が握手してくると思い手を差し出したところ、米側は学生に歩み寄り肩を抱え
去っていった。ヴォーゲルの差し出した手は空を切ったのだ。その辺り、アメリカ、東独、
ソ連といった当時の歴史に身をおいた人物の姿を映像として活写していたと感じたのだ。

それにしてもこのドノヴァンという弁護士、結果的にはアメリカという国家に利用された
訳だが、人間を信じて正義を信じて行動するチカラには本当に参った。トム・ハンクスは
そのドノヴァンを破綻なく演じきって見事だった。「プライベート・ライアン」などでスピルバーグ
の手の内は心得ているのだろう。「プライベート~」の時は名もない兵士を無事に帰国させる
という任務に殉じた一人の将校を描いて見事だったが、本作でもドノヴァン弁護士という
人物を活写出来たと感じる。しかし、戦争のさなかと冷戦とではインパクトが違いすぎ、
人物描写としては「プライベート・ライアン」に軍配が上がると個人的には思う。

ヤヌス‥カミンスキーの撮影になる映像、「グランド・ブタペスト・ホテル」でオスカー美術賞を
獲ったアダム‥ストックハウゼンのプロダクションデザインにも是非注目頂きたい。
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<ストーリー>
 一触即発の緊張状態にあった米ソ冷戦時代に、実際に行われたスパイ交換をめぐる
驚愕の実話をコーエン兄弟の脚本、スティーヴン・スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演で
映画化した緊迫と感動のサスペンス・ドラマ。

ごく普通の一民間人でありながら、スパイ交換の交渉役という一歩間違えれば自らの命は
おろか、かろうじて保っていた世界平和さえ崩壊させかねない極秘任務を託された主人公が、
弁護士としての矜持と信念を支えに、絶体絶命の難局に立ち向かっていく姿をスリリングに描く。
共演は本作の演技で数々の映画賞に輝いた英国の実力派舞台俳優、マーク・ライランス。

 米ソ冷戦下の1957年、ニューヨーク。ルドルフ・アベルという男がスパイ容疑で逮捕される。
国選弁護人として彼の弁護を引き受けたのは、保険を専門に扱う弁護士ジェームズ・ドノヴァン。
ソ連のスパイを弁護したことでアメリカ国民の非難を一身に浴びるドノヴァンだったが、弁護士と
しての職責をまっとうし、死刑を回避することに成功する。

5年後、アメリカの偵察機がソ連領空で撃墜され、アメリカ人パイロットのパワーズがスパイとして
拘束されてしまう。アメリカ政府はパワーズを救い出すためにアベルとの交換を計画、その大事な
交渉役として白羽の矢を立てたのは、軍人でも政治家でもない一民間人のドノヴァンだった。
交渉場所は、まさに壁が築かれようとしていた敵地の東ベルリン。身の安全は誰にも保証して
もらえない極秘任務に戸惑いつつも、腹をくくって危険な交渉へと臨むドノヴァンだったが…。
(allcinema)
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by jazzyoba0083 | 2016-01-09 12:20 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「プリデスティネーション Predestination」
2014 オーストラリア Screen Australia 97min.
監督:マイケル&ピーター・スピエリッグ 原作:R・A・ハインライン『輪廻の蛇』
出演:イーサン・ホーク、セーラ・スヌーク、ノア・テイラー、クリストファー・カーヴィー、クリス・ソマーズ他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
これは面白かった。オーストラリアの映画って余り見る機会がないのだけど、たまたま
タイムトラベルものが好きでWOWOWでの放送を録画し、鑑賞した。これが中々の
見つけモノだった。映画の中頃でタイムパラドクスの仕組みがなんだか分からなくなってきて、
結局内容が分からないまま終わるのかな、と思っていたら、こんがらがったヒモが次第に
解けるように、「なるほど、こういうことだったのね」と理解出来る仕組みだ。

実際の時間の世界では起きることのないそれこそ原作のタイトルのように「輪廻の蛇」の
ような物語で、セーラ・スヌークが素晴らしい存在感で映画の出来をドライブしている。
最初は会話劇のような塩梅であり、タイムトラベルが始まると、もつれた話が前に進み
始める。こういうタイムパラドクスものは長い時間やると話がわかりづらいので本作くらいが
ちょうどいい長さといえるのではないか。

このブログでスタートから結末まで説明するのは大変難しいし、またこれから観る方の
面白さを削いでしまうと思うのでやりませんが、つまるところ、「鶏が先か、卵が先か」、
「メビウスの輪」、「自分で自分の尻尾を食う蛇」みたいな、あり得るようでありえないだろう
不思議な人間の輪が描かれる。ハインラインの原作が面白いのだろうけど、これをここまで
映像化したスピルエッグ兄弟の手腕は評価されるべきであろう。
よ~く考えると、ありえない話なんだけどね。
繰り返すが、イーサン・ホークもいいけど、何と言っても本作はサーラ・ヌーク抜きには
語れない作品と言える。
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<ストーリー>
1970年11月6日。ニューヨークは連続爆弾魔フィズル・ボマーの脅威にさらされていた。
青年ジョン(サラ・スヌーク)は場末のバーのバーテンダー(イーサン・ホーク)に、女の子と
して生まれ孤児院で育ち、18歳の時に流れ者の男と恋に落ち子供を授かるが相手は蒸発、
生まれた子は誘拐され行方知れずになってしまい、出産時に命の危機にさらされ男性となった
という驚くべき身の上話をする。

彼がジェーンからジョンという名に改めたことをなぜか知っていたバーテンダーは、突如
消えたかつての恋人への復讐のチャンスを与えると言い出す。混乱するジョンを地下室に
連れて行ったバーテンダーは、時標変界キットという携帯型タイムマシンを取り出し作動
させる。

ジョンが目を開けると、そこは1963年4月2日、まだ彼がジェーンだった頃に恋人と
出会ったまさにその日の大学のキャンパスだった。バーテンダーの正体は未来から
やってきた時空警察のエージェントで、自分の仕事を引き継ぐ代わりに復讐に使うための
拳銃などをジョンに渡す。
バーテンダーの言葉を受け入れたジョンは早速あの恋人を探そうとするが、7年前の
まだジェーンだった時代の自分と出会ってしまう。予定通りジェーンが恋人と出会った日に
ジョンを連れて行ったバーテンダーは、1970年3月2日のニューヨークに戻りもう一つの
重要任務である爆弾魔の抹殺に乗り出すが失敗。
さらに1964年3月2日のクリーブランドにある病院の新生児室に赴き新生児のジェーンを誘拐、
1945年9月13日の孤児院にタイムスリップする。一方1963年にいるジョンはジェーンと
恋に落ちていた。

バーテンダー、ジョン、ジェーンの運命がもつれあう中、フィズル・ボマーによる最悪の爆破
事件が起きようとしている1975年のニューヨークに行ったバーテンダーはある真実を
知ることになる……。(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2016-01-08 23:15 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「Winds Of God  ウィンズ・オブ・ゴッド」
1995 日本 Team Okuyama  松竹映画配給 97min.
監督:奈良橋陽子 原作・脚色:今井雅之
出演:今井雅之、山口粧太、菊池孝典、六平直政、小川範子、別所哲也、藤田朋子他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
昨年、ライフワークである本作を舞台上演中に帰らぬ人となった今井雅之作の
「ウィンズ・オブ・ゴッド」。全編英語版もあるようだが、舞台も映画も未体験。
これはやはり舞台で観るべきもの、と感じた。今井の云わんとしたいところはよく
分かるし、戦争や特攻の非人間性を表現したい、という気持ちは伝わるが、
映画としての出来はどうか、と問われると、残念ながら、褒められるレベルではない。

舞台劇というのは映画とはセリフやアクションの間に独特の差がある。戦争のリアリティを
結構シリアスに描こうとすると映画ではどうしても詰めが甘くなってしまう。舞台ならば
役者のインパクトやセリフ回しで強調出来るポイントも映画ではその通りには行かない。
本作も、現代からタイムスリップした漫才コンビが特攻部隊で憤慨したり苦悩したり喜んだり
するのだが、どうも粗というか、リアリティに欠ける面が出てしまい、「そうじゃないだろう」と
ツッコミを入れたくなるのだ。舞台劇をそのまま映画に持ってきても「作品」にはならないと
いうことだ。その点、脚色を今井本人が手がけてしまった事に難があったのではないか。
今井からの指名でメガフォンを取った奈良橋陽子とて、舞台の演出も手がけたとはいえ
映画のプロではない。その辺りのコンビネーションが、結果として残念なことになったのではないか。
今井自身を腐すつもりはさらさらなく、命がけでこの「反戦舞台」を続けた精神は大いに
買うわけだが・・・。
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>ストーリー・結末まで書いてあります>
平成のお気楽漫才師が、戦時中へタイムスリップ。そこで巻き起こる騒動を綴った
ファンタスティックなコメディ・ドラマ。監督は、舞台版の演出も手掛けた奈良橋陽子。
原作・脚色・主演をつとめたのは「右向け左! 自衛隊へ行こう」の今井雅之。
モントリオール国際映画祭出品。

いつかお笑い名人大賞をこの手にと思っている漫才コンビ・田代と金太は、実際は今夜の
食事にも事欠くような貧乏状態。それでもナンパだけはしたいと50ccの超おんぼろバイクを
駆って、亀有へと出掛けて行くのであった。
ところが、途中でトラックと接触事故を起こしてしまい、二人は病院へ担ぎこまれる。
だが、彼らが運ばれたのは、カミカゼ特攻隊の兵舎だった。なんと二人は事故のショックで
戦争の時代へタイムスリップしてしまったのである。しかも、田代は岸田、金太は福元という
優秀な特攻隊員と間違われていた。
二人はどうやら沖縄出撃途中に機械の不良から接触事故を起こしていた岸田と福元が、
丁度同じ頃別の時代で事故に遭った田代と金太の魂を自分たちの体の中に引き入れた
らしいことを知る。ショックを隠せない二人は脱走すれば銃殺刑という話を聞いて恐れおののくが、
どうせ飛行機の操縦の仕方も知らないのであれば特攻出撃もないだろうと、兵舎生活を
送ることにする。

だが、日一日と戦時状況が悪化する中、仲間の特攻隊員たちが次々とその若い命を
落としていくのを目の当たりにして、田代は何かと上官の山田に食ってかかるが、そのような
行為が通るような時代ではなかった。
そんなことがあってますますこの時代に嫌気がさした田代は、もう一度事故の時のような
ショックを得られれば平成時代に戻れるのではないかと考え、屋根から飛び下りたりして
みるが、どれも失敗に終わる。だが、事態はもっと悪い方へ向かっていたのだ。
金太の中にいる福元の魂がその顔を現そうとしていた。次第にニッポン男児としての意識に
目覚めて行く金太。彼は遂に特攻の命令をうけてゼロ戦に乗り込むことになってしまう。
どうにかしてそれを引き留めたい田代は、金太のゼロ戦を追って自分もゼロ戦に乗る。

だが、田代の説得に耳を貸さない金太は、敵艦に向かって突っ込んで行くのだった。
次に田代が目覚めたのは、平成時代の病院の中。横には息をひきとった金太が安らかに
眠っていた。その後、新しい相棒とコンビを組んだ田代は、今日も舞台に立ってお笑い名人
大賞を目指し、観客を笑いの渦に巻き込んでいくのであった。(movie walker)

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by jazzyoba0083 | 2016-01-06 22:40 | 邦画・旧作 | Comments(0)