●「顔のないヒトラー Im Labyrinth des Schweigens 」
2014 ドイツClaussen Wöbke Putz Filmproduktion,Naked Eye Filmproduktion.123min.
監督・(共同)脚本:ジュリオ・リチャッレッリ
出演:アレクサンダー・フェーリング、アンドレ・シマンスキ、フリーデリーケ・ベヒト、ヨハネス・クリシュ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
正直、驚き、ドイツ人がドイツ人を裁いた「アウシュビッツ裁判」の事を初めてといって
いいくらいに、今更ながらに知り得たことを深く恥じたい気分だった。

終戦後、1960年代の初頭くらいまで、西ドイツにおいては、ナチのことを語ることが「悪い意味で」
タブーとなっていて、かつてナチ党員だったりナチに協力した市民たちもどうどうと生活を
していた事実を知って、びっくりした。ドイツ戦犯を裁く「ニュルンベルク裁判」は「東京裁判」と
並びよく知られているが、ドイツ市民がナチに協力したドイツ人を告発し裁判に掛けるという
「アウシュビッツ裁判」というものがあったとは、うっすらとしか知らず、実態を本作で知ったことは
有意義であり、翻って、日本人の手で日本人を裁いていない我が国はどうなんだろう、と
考えないではいられ無かった。 本作にも出てくるが、「そんなことしたらドイツ人全員が戦争
協力者で有罪だろうよ!(意訳)」 

「アンナ・ハーレント」に出てくるアイヒマンに対する彼女の理解「思考の放棄による作為」。
50年代の西ドイツには中央地方を問わず官僚に元ナチス党員がいたり、若い娘は
「アウシュビッツなんて知らないわ」と嘯いたり、「臭いものに蓋をしたい」気分に溢れていた。
忘れたかったのだ、自分たちが犯した世界史的な犯罪を。

しかし、一人のジャーナリストが、元ナチ党員が学校の先生をしている風景を偶然目撃し、
それをきっかけに、戦争遂行者がまだ暮らしの中枢にいるおかしさを指摘する。これに応呼
する検事たち。南米に逃亡したといわれる生体実験の首謀者メンゲレなどがまだ捕まって
おらず、それはむしろモサドやユダヤ人たちの追跡機関のやること、と傍観していた傾向が
あったのだ。

若い検事は上層部も動かし、ついに1963年に「アウシュビッツ裁判」を始めることに成功、
市井に隠れていたナチ協力者を次々と摘発し、裁判にかけた。

この裁判は今のドイツが欧州でリーダーシップを獲得できるまでになった根幹を形成したと
いわれるほどの重要性を持つ。自国民の手で自国民の犯罪を告発し、他国(ユダヤ人)に
謝罪する、1979年にはナチ戦犯の追求をやめないため集団殺人に対する時効を撤廃した。
ことほどに、ドイツはユダヤ人に対する犯罪に対し、自国民に対して苛烈であったのだ。
それなくしてドイツの再スタートは切れないと考えていたのだろう。

The Huffinton Post の2015年10月4日掲載の熊谷徹氏の記事を紹介しておきたい。
「この裁判の最大の意義は、アウシュビッツでの残虐行為の細部を初めて西ドイツ社会に
広く知らせたことである。それまで大半の西ドイツ人は、アウシュビッツで何が起きていたかを
ほとんど知らなかった。
フランクフルトで行われた裁判では、収容所に囚われていた被害者たちが、ガス室による
大量虐殺や、親衛隊員らによる拷問、虐待の細部を証言し、メディアが連日報道した。
アウシュビッツ裁判は、虐殺に加担した犯罪者たちが戦後の西ドイツでビジネスマンや役人と
して、長年にわたり罪を問われずに平穏な暮らしを送っていた事実をも、白日の下に曝した
のだ。」

思考を停止し、上官の命令に従っただけだ、という論理はそこには通じない。「思考を停止した
作為」は厳しく断罪された。翻って日本はどうだったのだろう。「あの時代、誰が軍部に反対できた
だろうか、その考えは違うと指摘できただろうか」とはよく聞くことだ。しかし、そこには「思考を
停止した作為」の結果、「戦争遂行に加担してはいないのか」という断罪が迫られるのだ。
本人が出来たかどうかではなく。人間として問われなければならない真理だからだ。それは
当時軍部の中枢にいた軍人たちから市井の人々までに至る、という厳しさを持つ。

この映画、大学や高校の教材としてぜひ取り上げてほしいと思う。
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<ストーリー>
戦時中にナチスが犯した罪をドイツ人自ら裁き戦争責任に向き合う契機となった1963~
1965年のアウシュヴィッツ裁判開廷までの道のりを、事実に基づき描いた人間ドラマ。

戦後十数年が経ち戦争を過去のものとする雰囲気に包まれる中、ナチスの罪を浮かび
上がらせようとした検察官たちの苦闘に迫る。
監督は俳優としても活躍するイタリア出身のジュリオ・リッチャレッリ。
本作が長編映画初監督作品となる。

1958年、西ドイツ・フランクフルト。第二次世界大戦が終わってから十数年が経ち、
西ドイツは西側諸国との結びつきを強くして経済復興を成し遂げようとし、大半の人々は
戦争は過去のものとして当時の記憶も自分たちが犯した罪も忘れ去ろうとしていた。
そんな中、あるジャーナリストがかつてアウシュヴィッツ強制収容所にいた元親衛隊員が
規定を破り教職についていることを突きとめる。上司の制止も聞かず、新米検察官の
ヨハンはジャーナリストのグニルカや強制収容所の生き残りであるユダヤ人シモンとともに
調査を開始。様々な妨害にあいながらも、検事総長バウアーの指揮のもと、生存者の
証言や実証を得ながらナチスがアウシュヴィッツで犯した罪の詳細を明らかにしていく。
(Movie Walker)

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この映画の詳細は
by jazzyoba0083 | 2016-05-26 23:30 | 洋画=か行 | Comments(0)

●「フレンチアルプスで起きたこと Force Majeure」
2014 スウェーデン・デンマーク・フランス・ノルウェー Motlys and more.118min.
監督・脚本:リューベン・オストルンド
出演:ヨハネス・バー・クンケ、リーサ・ローヴェン・コングスリ、クリストファー・ヒヴュ、クララ・ヴィッテルグレン
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
いかにも欧州的、カンヌ的な作品。シニカル・コメディーというのか、観ている方が
身につまされる。この映画を観た人は全員、「もし自分があの立場だったら・・・」と
考えないわけにないかないだろう。

キッカケは簡単だ。仕事人間のお父さんが、フレンチアルプスにあるスキー場に
4泊?の日程で「家族サービス」ということで、一家(妻と小さいこども二人)で
スキーを楽しみに来た。 久々の家族旅行ということで皆気分は高揚していた。

ところが、ヒュッテのレストランでランチを楽しもうとした時、人工で発生させた雪崩が
なんと、レストランの方に流れ込んできた。大騒ぎになるレストラン。
そこで家族にも事件が起きた。父親トマスは、家族をほっぽり出して一目散に逃げ出して
しまったのだ。妻は子供を守ろうとその場に留まった。幸い雪崩はレストランの手前で止まり、
大したことは無かったのだが、この家族には非常にまずい状況を産んでしまったのだ。

家族を守らず逃げた父。妻や子どもたちとの間に気まずい雰囲気が流れる。妻に
「逃げたでしょ」と問われると、トマスは「逃げてないって。スキーブーツじゃ走れない
だろう」と反論。しかし妻は納得しない。ボディタッチなどで何とか状態を打開しようと
する夫だったが、妻の不信は容易に溶けない。さて、どうしたものか。

こういう事態って、雪崩という形ではないが、ありがちなことだ。映画を観ている人も、
自分だったら家族を守るだろうか、また本能的に逃げたとして、そのことを素直に詫びる
事が出来るだろうか、そう考えてしまうだろう。

誰かに話さなくては収まらない妻は友人夫婦に別の話題の腰を折って、雪崩事件の話を
し始める。何もこんなところでしなくても、と夫も観客も思うだろう。更に話掛けられた
友人もどう返事すべきか悩んでしまう。更には、この夫婦の間でも、妻が「あなたは逃げそうね」
とかいうもので、こっちにも気まずさが伝染する・・・。

次第に自己の全人格否定に陥ってしまう夫。「何でもかんでも俺が悪いんだ」と。
作戦かもしれないけど。さすがの妻も泣き出す夫に動揺を隠せない。子供らも
泣き出すパパにすがりつく。
10年近く寄り添いあってきた夫婦の、これも良くある光景だが、何となくグズグズな中に
夫婦の中は修復されていく方向に向かう。そして、最後のスキーの日、霧の中で滑走を
始めた親子だったが、母が一人ハグレてしまう。必至に探す夫。待つ子どもたち。そして
霧の中から妻を担いだ「たくましい」父の姿が現れたのだ・・・。(これは妻が夫の威厳を取り戻す
為に子供の前で仕組んだ演技だな)

些細なこと(でもないけど)夫婦がお互いに何を考えているのか分からなくなる、という心理を
巧みな会話、友人夫婦も巻き込んだ設定で、徹底的に赤裸々にえぐり出していく。
気分爽快な映画ではないけど、会話に耳を側立ててしまうような作品なのだ。
見る人には反省と共感を与えるだろう。妻役の女優さんの小憎らしいような表情、いかにも
いい人タイプの夫を演じた男優さん、結婚した夫婦といえども腹の中では何を考えているのか
判らないという夫婦を上手く演じていたと思う。
最後のバスの下車のシーンはどう解釈すればいいのだろう!? 重い余韻を引きずる映画で
ある。編集、また室内の会話のシーンにいきなりドローンが飛び込んできたりすることろなど
うまい構成で、また気まずくなってからのエピソードがいちいち「あるある」で、笑えるというか、
笑えない。
ただセリフ劇の側面が大きいので時間がもう少し短縮したほうが締まったのではないか。
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<ストーリー>/b>
お披露目となった2014年のカンヌ国際映画祭で評判を呼び、その年の全米賞レースを
席巻するなど世界的に話題を集めた北欧発のシニカル・コメディ。アルプスの高級リゾートに
バカンスにやって来たスウェーデン人一家を主人公に、父親のとっさの行動が引き金と
なって家族の絆に思いがけない亀裂が生じていくさまとその顛末を、辛辣な眼差しで
赤裸々かつユーモラスに描き出す。監督はスウェーデンの俊英、リューベン・オストルンド。

 フレンチアルプスの高級リゾートにスキー・バカンスにやって来たスウェーデンの一家4人。
いつも仕事で忙しい父親のトマスは、ここぞとばかりに家族サービスに精を出す。
ところが2日目、テラスレストランで昼食をとっていた一家を不測の事態が襲う。
スキー場が起こした人工雪崩が、予想を超えた規模に成長しながらテラスへ向かってきたのだ。
幸い大事には至らなかったが、その時トマスは、妻と2人の子どもを置き去りにして、
自分だけで逃げ出してしまったのだ。何事もなかったかのように、その場を取り繕う
トマスだったが、妻のエバはおろか子どもたちの目もごまかすことはできなかった。

以来、家族の中には不穏な空気が漂い、楽しいはずのバカンスが一転して息詰まる
修羅場の様相を見せ始め、次第に追い詰められていくトマスだったが…。(allcinema)

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by jazzyoba0083 | 2016-05-23 23:15 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「ダブル・リベンジ 裁きの銃弾 Montana」
2013 イギリス Moli Films 108min.
監督:モー・アリ
出演:ラース・ミケルセン、マッケル・デヴィッド、ミシェル・フェアリー、ズラッコ・ブリッチ、アダム・ディーコン他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
日本では劇場未公開、DVDスルーの作品。WOWOWでの上映で鑑賞。
ボスニアの内戦で軍隊とは名ばかりののマフィアもどきのギャングに妻子を殺されたプロの
暗殺者ディミトリー。今はロンドンで、家族殺しの犯人を探し復讐を誓っている。片足が不自由だ。
片や、ロンドンのマフィアの下っ端の使いっ走りをやらされている少年モンタナ14歳。根は善人
なのだが父親を殺され、不遇な生活。ギャングの使いっ走りをしなければ行きていけない。
このボスがラザルス。

ネタバレを言えば、このラザルスが流れ流れてロンドンでヤクの元締めとしてボスとなっていて
モンタナの大ボスだ。またこいつはディミトリーが追う際し殺しのラトコでもあったのだな。

で、二人の共通の敵を力を合わせて成敗する、というのが骨子だ。
ディミトリとモンタナの出会いはモンタナがヤクを売った金10万ポンドを運ぶ途中で賊に
襲われ奪われてしまい、始末を付けるためにラザルスの手下に命を狙われたのだが、
そこを助けたのがディミトリであったのだ。彼はモンタナを治療し、話をするうちにお互いの
敵が共通であることが分かり、ディミトリは少年に対し、マーシャルアーツや銃撃を徹底的に
叩き込む。そして時期を狙っていた。

しかし、ラザルス一味にはロンドン警視庁内に金で釣られた悪徳警官が仲間としていて、
ディミトリらは双方から狙われることになる。モンタナの腕も上がったことから、いよいよ
ラザルスのアジトに踏み込む時がやってきたのだ。その後は銃撃戦バリバリ!!!!

まあ、共通の敵を少年と力を合わせてやっつけるという大枠としては面白いのだけれど、
展開が当たり前過ぎてしまい、迫力に欠けるウラミがある。それと、ジェスというモンタナが
惚れる少女の話、など話題がてんこ盛り。多くの話題を辻褄を合わせて終わらせるために
段取り話になってしまい、緊張感が半減してしまったようだ。底が浅くなってしまった、というか。
なんか、もう少し締めて作れば面白くなったと思うのだけど。モンタナを訓練するシーンも
出てくるのだが、字幕で「半年後」とかやれば、相当強くなったんだろうなあ、と分ったり
すると思うのだけど、どのシーンもどこか冗漫な感じ。シーンの説得性を出すバックになる
話も端折りすぎな感じだ。もう少しタイトに編集しいらないセリフも切って、逆に付け加える
ものを足したら結構面白い映画になったのじゃないかなあ。アクションの見せ方にももう一工夫
欲しかった!残念だわ!知っている俳優さんが誰もいなかったけど、モンタナ役の少年はこれが
デビュー。
ディミトリ役の俳優さんは幽霊のようで、ある意味存在感はあったと思うけど、微妙だった。
ラスト、ディミトリがモンタナを「良い息子だったよ」を言う所がいいだけに、返す返すもったいない!

<ストーリー>
犯罪組織のボスに妻子を殺された元特殊部隊の男と、組織から命を狙われるはめになった
運び屋の少年。同じ目的を持つ2人が出会い、復讐に挑む姿を描いたハードアクション。

元特殊部隊の男と、彼に戦いの術をたたき込まれた少年が、たった2人で巨大犯罪組織に
復讐を挑む姿を描いたリベンジハードアクション。
「レオン」や「キック・アス」を思わせるような設定で繰り広げられる、親子にも似た男と少年の絆、
そして命を懸けた戦いが見どころだ。TVドラマ「ハンニバル」で主人公レクターを演じる
マッツ・ミケルセンの実兄ラースが、復讐を胸に抱く元特殊部隊の男役を熱演。
かつて妻とともに息子を殺された男が、殺しの技術を教えながらも少年に息子の面影を
重ねる親子愛の描写が切ない。(wowow)

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by jazzyoba0083 | 2016-05-19 23:20 | 洋画=た行 | Comments(0)

●「誘拐の掟 A Walk Among the Tombstones」
2014 アメリカ 1984 Private Defense Contractors,and more.114min.
監督:スコット・フランク   原作: ローレンス・ブロック 『獣たちの墓』(二見書房刊)
出演:リーアム・ニーソン、ダン・スティーヴンス、デヴィッド・ハーバー、アストロ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
リーアム・ニーソンは最近この手の映画が多いな。本作はローレンス・ブロックによる
探偵小説 マット・スカダー シリーズのうち「獣たちの墓」を映画化したもの。
日本での評価がやたらにいいんだな。確かに渋い探偵ものであり、ケレン味で見せず
演技や演出で見せていく作りは、玄人ウケするだろう。また主人公スカダーの、過去に
心の傷を負った「辞め警官」の無登録探偵という立場も、派手さはないがじんわり来る
面白さに繋がったことは理解出来る。個人的には、そこまでかなあ、という感じがした。

おいしくなる要素はたくさんあった。TJという病気を持った貧しいけど賢い少年の登場は
もう少し面白い立ち位置があったのではないか、また本物のDEAとの関係も中途半端な
ままだったような気がした。スカダーが最初に事件を請け負う男はヤクの売人であり、
闇の事件を闇の中で片付けるというのは、正義の置き所が一段低いので、カタルシスに
やや不満が残る。悪いやつは喧嘩させて死にさらせ、って感じになってしまうのだ。

さりながら、まとめ方は上手く、見終わってがっかり、という映画ではないことは確かだ。
細かいエピソードも上手く重ねられていて、上記の不満以外は、そこそこ面白く見ることは
出来た。
リーアム・ニーソン、この手の映画が増えると何がなんだかよく分からなくなってしまう
恨みは生まれてくるなあ。本作も続編が出来るのだろうか??
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<ストーリー>
ローレンス・ブロックの“マット・スカダー”シリーズの一編『獣たちの墓』を「96時間」
「フライト・ゲーム」のリーアム・ニーソン主演で映画化したハードボイルド・サスペンス。
残忍な犯行を重ねる猟奇殺人鬼と落ちぶれた元刑事マット・スカダーの緊迫の攻防を
スリリング描く。
共演は「ザ・ゲスト」のダン・スティーヴンス。監督は「ルックアウト/見張り」のスコット・フランク。

 1999年、ニューヨーク。かつて酒に溺れ、刑事を辞めた冴えない私立探偵マット・スカダー。
ある日、ドラッグ・ディーラーの男から、“妻を誘拐して惨殺した犯人を突き止め、捕まえて
欲しい”との依頼が舞い込む。
やがて犯人は2人組で、警察に通報できない麻薬関係者の身内ばかりを狙い、猟奇的な
凶行を繰り返していることが明らかとなってくる。
そんな中、新たな誘拐事件が発生する。被害者は別のディーラーの14歳になる娘ルシア。
同一犯の仕業と確信し交渉役を引き受けると、残忍で狡猾な犯人を相手にギリギリの
駆け引きを展開し、徐々に追い詰めていくスカダーだったが…。(allcinema)

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by jazzyoba0083 | 2016-05-16 23:10 | 洋画=や行 | Comments(0)

●「リピーテッド Before I Go to Sleep」
2014年 アメリカ Scott Free Productions,Millennium Films.92min.
監督・脚本:ローワン・ジョフィ  原作:『私が眠りにつくまえに』 S・J・ワトソン
出演:ニコール・キッドマン、コリン・ファース、マーク・ストロング、アンヌ=マリー・ダフ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
ネタバレしていますのでご注意ください
★は6.5。仕立ては違えど、記憶障害をテーマにした映画は何本かこれまでも観てきた。
「夢オチ」と同じで結構禁じ手な感じのターマだと思う。逃げこむ場が常に用意されて
いて、観客が先を読むことを容易に騙すことができるから。
本作もこの手の映画をやらせたらまず間違いないだろうところのニコール・キッドマンと
いかにも善人面のコリン・ファースという俳優を得て、まず観客のミスリードを誘う。
だいたいこの手の映画は近くにいる善人こそ悪者で、悪者らしく描かれる人物が
味方だったする。本作もそうで、ニコール演じる記憶障害の女性クリスティーンを
優しく庇護する夫ベン、という立場のコリン・ファース、片や、胡散臭そうな精神科医
ナッシュ(マーク・ストロング)。 冒頭からしばらく作品は見たまんまの善悪関係で進む。

何か変。という違和感を長年付き合ってきた友達から指摘されるが、なにせその日の
記憶は次の日にリセットされ、常に40歳のその後の記憶のないクリスティーンとなる訳
だからやっかいだ。医師ナッシュに勧められて夫に秘密で撮ってあるデジカメの動画
だけが頼るよすがだった。記憶障害になるほど殴った男を思い出せないクリスティーン
だったが、次第に記憶が留まるようになるのと、過去の一部が思い出せるようになって
いく(このあたりもご都合主義的ではあるが)。

ここまでくると想像の通り、ベンと称した男は夫ではなく、浮気相手のマイクであったのだ。
かつて密会したホテルに連れてこられてそれが分かる。(マイクも連れて来ちゃだめでしょ)
夫ベンとは別れた4年前から会ってはいないのだった。そしてまたそのホテルの部屋で
殺されかかる。しかし何とか反撃し、部屋から抜け出ることが出来た・・・。
そして病室。別れた本当の夫ベンが登場。そしてマイクから死んだと聞かされていた
一人息子マイクも4年後の成長した姿を見せたのだった。マイクは刑務所。

だいたいが、クリスティーンが浮気したこと、またベンも妻の親友と一夜の間違いを
したことがいけないのだけれどね・・・。ネタがバレてしまうと2回観る気が起きない作品。
舞台劇が似合うかもしれない。
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<ストーリー>
クリスティーン(ニコール・キッドマン)は、事故の後遺症により毎朝目覚める度に、
前日までの記憶が失われてしまう特殊な記憶障害を負っている。
夫のベン(コリン・ファース)は、結婚していることや夫である自分のことすらも忘れてしまう
そんな彼女を、献身的な愛で支えていた。

ある日、ベンの留守中にナッシュ(マーク・ストロング)という男から電話がかかってくる。
少し前から夫に内緒でクリスティーンの治療を行っているというその医師は、この数週間、
クリスティーンが毎日の出来事を密かに映像日記として撮影していると言い、その隠し
場所を告げる。日記を再生したクリスティーンは、自分の記憶障害の原因が何者かに
襲われて瀕死の重傷を負ったことによるものだと知るのだった。
やがてクリスティーンは“昨日の自分からのメッセージ”を頼りに、真相を追い始めるが……。」
(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-05-12 23:10 | 洋画=ら~わ行 | Comments(0)

●「ラン・オールナイト Run All Night」
2015 アメリカ Warner Bros.114min.
監督:ジャウマ・コレット=セラ
出演:リーアム・ニーソン、エド・ハリス、ジョエル・キナマン、エディ・コンロン、ニック・ノルティ、コモン他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
リーアム・ニーソンとセラ監督は「アンノウン」や「フライト・ゲーム」など肩が凝らないサスペンス
アクションで組んだ実績がある。その二人が本作では「96時間」シリーズのような構成の
男臭いアクションものを作った。物語としては目新しいものはないが、この手の映画ではさすがに
構成や、画面の見せ方は上手く、緊張感は保ったまま終わりまで観ることは出来た。

今回の組み合わせは、ブロンクス辺りのギャングのボス(エド・ハリス)の軍隊時代から堅い
友情で結ばれた絆の元、彼のためのヒットマンをやってきた。その息子マイクは貧しい親の無い子
のボクシング指導などしてまともに暮らしている。夜はリムジンの運転手だ。

ボスであるショーンはかつては麻薬などもやっていたが今は堅気の商売をしている。しかし
息子のダニーの出来は悪く、父親であるショーンを困らせていた。

この二人の親子が対立軸となり、殺し殺されるというアクションが繰り広げられる。できの悪い子を
持つボスと、ヒットマンを親に持つ真面目な子。
事件は、覚せい剤取引の仲介をした息子ダニーが父親ショーンに、仕事を引き受けてくれと
頼まれたものの、「もうヤクはやらないと決めたんだ」と断られる。このためダニーに話を
持ちかけたアルメニア人マフィアは、激怒してダニーに着手金を返せ、と迫る。ここで銃撃戦。
リムジンの運転手として事件があった家の前で待機していたマイクは、ダニーに銃を突きつけられ
「目撃者」として殺されそうになった。そこを救ったのが父ジミー(リーアム)だった。

ジミーは親友ショーンに息子を殺した、と電話。ショーンは掟であるのだろう、俺はお前ら親子を
殺す、と宣言し、手下たちに二人を探させるのだ。
さあ、それからが大変。ジミーとマイクは、汚職警官、殺し屋、組の人間などが総がかりで親子を
追いスリリングな追跡劇が繰り広げられる。

冒頭のシーンは夢のように構成されているのだが、次第にそれが現実のエンディングに
なっていることに気付かされる。ストーリーの凡庸さは画面作りによって生まれる
緊迫感とテンポでカバー出来ている。NYの街なかを、息子を連れ去った悪徳警官の乗った
パトカーを追いつめる父ジミーのカーチェイスも道中はよくあるパターンだが結末にリアリティが
あり良かったんじゃないか。
画面作りもそれぞれびっくりするものではないのだが、効果的に使われ全体を引き締める
役割を担う。キャスティングが渋く、落ち着いてみていられるのもいい。
私は、ラストで殺し屋プライスが再度現れて、一騒動あるんじゃないか、と思っていたら
当たった。かように、先々が予想出来ないようなストーリーではないし、突き詰めていけば
つじつま合わせのようなところもあるが、一夜の出来事を上手くまとめられたんじゃないだろうか。
タイトル通り、夜通し走りまくるわけだ。
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<ストーリー>
ジミー・コンロン(リーアム・ニーソン)は、ブルックリンを縄張りとするマフィアの一級の殺し屋。
だが、これまでに犯した罪の重さに苛まれ、ウイスキーを呷ることだけが日々の慰めとなり、
仕事のせいで家族からも疎まれていた。

そんなある日、命を狙われた息子マイクを救うため、ジミーはその相手を殺害してしまう。
だが、彼が殺したのは、マフィアのボスで長年の親友、ショーン(エド・ハリス)の息子だった……。
“お前とお前の息子を殺す”と、復讐に燃えるショーン。マフィア、買収された警察、
凄腕の暗殺者……。今やジミー親子は、ニューヨーク中から狙われる身となっていた。
残された時間は“たったひと晩”。刻々と命の期限が迫る中、果たして2人は逃げ切ることが
できるのか……?(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-05-11 23:10 | 洋画=ら~わ行 | Comments(0)

●「カプリコン・1 Capricorn One」
1977 アメリカ・イギリス Associated General Films,ITC Films.129min.
監督・脚本:ピーター・ハイアムズ
出演:エリオット・グールド、ジェームズ・ブローリン、カレン・ブラック、O・J・シンプソン、テリー・サバラス他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
今から40年以上前の作品で、一度は観ているはずなのだが、内容を殆ど覚えていないので
WOWOWでの放映をチャンスに観てみた。
この映画がキッカケで、アポロの月面着陸もフェイクじゃないか、といっとき話題になりました
っけ。製作の過程で協力していたNASAも、内容を聞いて激怒し、協力を止めたという曰くつきの
作品なことは有名な話。
前半が宇宙もの(もどき)、後半は政治的なサスペンスというような仕立てであった。
アポロ11号が月面着陸に成功してからまだ10年経つか経たないかという時期にこういう
発想で映画を作ってしまったハイアムズはなかなかなモノだ。

単純なストーリーの中に政府の陰謀と飛行士の悩みなどが盛り込まれ、またカーチェイス、
複葉機と最新(当時の)ヘリとのチェイスなど見どころも満載だ。

事件を追跡するTVリポーターが、自分のクルマに仕掛けをされて街なかを暴走するシーンも
ローアングルのカメラワークが上手く、今でも手に汗を握る。
またテリー・サバラス演じる薬剤散布用複葉機と米軍の小型ジェットヘリ2機のチェイス
シーンも、並走してソーンを撮ったり、ヘリが崖にぶつかって大破するリアリティも含め
見どころとなっている。
ただ、3人の飛行士が軟禁されていた基地から小型ジェットで逃げるのだが、滑走路を
塞いだNASAの自動車と車輪がぶつかり、砂漠で胴体着陸を余儀なくされる。
その胴体着陸シーンは流石に砂煙でごまかしたな。
飛行士のリーダー格ブルーベーカーが砂漠での逃亡中、ガラガラヘビを殺してこいつの
腹を割いて内蔵を出し、生肉を食らうシーンはリアリティありすぎで引いてしまった。
それと、3人の飛行士のうち、ブルーベーカーは自分の葬儀の場に現れるのだが、
捕まってしまう後の二人はどうなったのだろうか。オープン・エンドである。
今回のWOWOWでの放映はカット版だったようだが、オリジナル版にはドッキングの
シーンや船内でふわふわ浮く(ピアノ線で吊り下げられた)飛行士のシーンなどが
カットされたようだが、NASAが怒ったシーンをカットしたようだ。オリジナル版を観て
みたいものだ。

前半の有人火星探査ロケット「カプリコン・1」の打ち上げまでに至るシーンはNASAの
協力もあり、結構本物っぽい。
ボロの端緒が、管制官の一人が、火星に近づいている宇宙船からの交信にしては
タイムラグが無く、まるで近くにいるようだ、という事に気がついたところなのだが、
そこらあたりは科学に疎い人でも、なるほど、と理解が出来る。
火星から映像を送ると21分かかる、ということでこの時差を利用して砂漠のスタジオから
の中継を入れて誤魔化していたわけだから、通信の時差に気がつかないわけが
ないと思うのだけれど。画竜点睛を欠いたわけだな。

全体として若干の古さは感じるが、その内容からSFものとしては映画史に残る作品
なのだろう。リポーター役のエリオット・グールドの存在に味があった。
彼も今は78歳になるのだなあ。
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<ストーリー・結末を含みます>
東の空が赤く染まり、やがて朝日が1日の始まりを告げようとしている中、人類史上初の
有人火星宇宙船カプリコン・1の打ち上げが目前に迫っていた。
カプリコン・1には、ブルーベーカー(ジェームズ・ブローリン)、ウィリス(サム・ウォーターストン)、
そしてウォーカー(O・J・シンプソン)らが乗り組んでいる。

発射5分前、突然カプリコン・1のハッチが開き、1人の男が乗組員3人を船外に連れ出し、
ヒューストンより3人をジェット機で連れ去った。そして5分後、カプリコン・1は、人々の
見守る中、有人宇宙船の名の下に火星へ向かって飛び立つ。
一方、3人を乗せたジェット機は砂漠にある格納庫のわきに着陸した。そしてそこには、
NASAのケラウェイ所長(H・ホルブルック)がいた。驚く3人に向かって、彼はカプリコン・1の
生命維持装置に故障が発見されたが、我国の議会や世論を今一度宇宙計画へ目を
向けさせるには、今さら計画の中止は出来なかった、という事実を告げる。

そして3人は、もしさからえば家族の安全は保証出来ないという脅迫の中、格納庫にある
火星表面のセット・ステージで世紀の大芝居を決行する。そしてそれが宇宙中継の形で、
全世界にTV放送された。よろこぶブルーベーカーの妻(ブレンダ・ヴァッカロ)達。
だが、家族と3人の宇宙飛行士との交信の内容に疑問を持ち出した男が1人いた。
新聞記者のコールフィールド(エリオット・グールド)だ。何かがある、と探る彼。そんな彼に
忍びよるNASAの魔の手--。

しかし、無事、“火星着陸”をやってのけたカプリコン・1が、大気圏再突入の際、事故で
消滅するという事態が発生--。これに感づいたブルーベーカーら3人は、消滅
(=3人の死)に身の危険を感じ、格納庫より脱出する。そして3人を生かしておいては、と、
NASAの刺客が放たれた。三方に分れて砂漠を逃亡する3人、そして事件の核心に
ふれ、友人のジュディ(カレン・ブラック)に金を借り、この世紀のスキャンダルを
スクープしようとするコールフィールド。灼熱の砂漠の中、NASAのヘリは、ウィリスを、
ウォーカーを発見し、ブルーベーカーにも魔の手はのびた。と、その時、アルバイン
(テリー・サヴァラス)の複葉機をチャーターしたコールフィールドが、追われ
ブルーベーカーを助ける。追うNASAのジェット・ヘリ。逃げる複葉機。

やがて、追撃戦の末、ヘリは爆破した--。そして、今、大統領臨席の下、3人の
宇宙飛行士の壮厳な葬儀が始まったその時、ブルーベーカー夫人の瞳に、車からおり、
こちらにかけてくる死んだはずの夫の元気な姿が映った--。(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2016-05-09 22:50 | 洋画=か行 | Comments(0)

●「ロシアン・スナイパーBitva za Sevastopol 」
2015 ロシア・ウクライナ 123min.
監督・(共同)脚本:セルゲイ・モクルツキー
出演:ユリア・ペルシルド、ジョーン・ブラッカム、エフゲニー・ツィガノフ、ヴィタリー・リネツキー他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
ロシア映画を観るという機会はあまりないが、WOWOWで放映していた本作を鑑賞。
「アメリカン・スナイパー」を彷彿とさせるタイトルに釣られたのだが、本題は「セヴェストポリの
戦い」。 凄腕スナイパーとしてドイツ軍に恐れられた実在の女性、リュドミラ・パブリチェンコの
物語である。ハリウッドなどの西欧の映画にはないシーンや画面作りがあって、CGもまあ
鑑賞に耐える範疇なので、主人公の存在の面白さが加わり、面白く鑑賞することが出来た。
ロシアによるクリミア半島の併合事件があったばかりで、ウクライナ出身のパブリチェンコを
描くことで、プロパガンダに役立てようと言う試みが透けて見える感じもある。

パブリシェンコをどういう女性として描きたいのか、今ひとつピント来ず、途中で挿入
される現代ポップス系の歌などもあり、恋愛模様があるのならそれでいいのだけれど、
ハードに徹したほうが味わいが出たのではないか。

時制が1942年に彼女がアメリカを訪れた時を中心にスナイパーとして309人を殺害した
戦場の1937から1941年のセヴェストポリの戦いまで、いったり来たりしながら、
1957のスーズベルト夫人の回顧と、目線が落ち着かない所も難点である。

大学で歴史を学ぶパブリチェンコが、射撃ゲーム場で遊んだ結果が良かったことから
ドイツ軍のソ連侵攻を受けて赤軍のスナイパーとしてスカウトされる。
なぜ、スカウトを受け入れたのか。最初のうちは前線でゲーム感覚で狙撃をしていて
上官からたしなめられるというシーンも有り、一体彼女の心のなかはどうなっているのだろう、
男になり切ったのか、と思いきや、上官に恋してしまい、その上官が戦死すると次の上官にも
恋してしまい、子供が欲しいとか言い出す。その上官も彼女を守って戦死すると、ずっと
彼女を好きだと言い続けてきた大学からの友人の医師を伴侶として迎えることになる。
節操ないの?とか思ったり。

アメリカの欧州戦線への応援を得るためにプロパガンダ要員として繰り出された
パブリチェンコ、彼女を優しい美しい女性としてみるルーズベルト夫人と本国から
ついてきた男の間で、自身アメリカでどう振る舞うべきか迷っている。
「男など振り向かない冷徹な女か、と思えば上官にスグ惚れるという性格も描かれる
のだが、あくまで女性として恋に悩み、英雄という立場に戸惑い、と揺れる心も
あったりで、初めのほうで描いたとおり、散漫になった感じなのだ。

最初の方のドイツ軍との戦闘でロシア兵がほとんどヘルメットを被っていないことに
びっくりした。
309人のファシストを殺した、と自己紹介するのが1942年ワシントンで開かれた世界
学生会議のソ連代表メンバーとして参加した折なのだが、42年後半という年が
先の大戦でどういう年だったのかという所をネットで調べてみた。ソ連にとっては
なかなか大変な年であったようだ。
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<ストーリー>
1941年.ナチスドイツによるソ連侵攻が開始され、まだ大学生だったリュドミラ・
パブリチェンコ(ユリア・ペレシド)は、女性ながらその非凡な射撃の才能を買われ、

ソ連軍兵士として戦場に身を投じていく。
狙撃兵として次々と標的を仕留めるリュドミラは、やがて敵からは“死の女”と恐れられ、
軍上層部には英雄として讃えられながら戦意高揚の道具として利用されていくのであった。

戦場で芽生えた恋、愛する人の死、そして新たな出逢い……。その間も戦況は悪化し、
ソ連軍は黒海北岸のセヴァストポリ要塞に追いつめられる。そして10カ月におよぶ
ドイツ軍とソ連軍の壮絶な攻防戦が始まった……。(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2016-05-07 23:40 | 洋画=ら~わ行 | Comments(0)

●「レヴェナント:蘇りし者 The Revenant」
2015 アメリカ Regency Enterprises and more.156min.
監督・(共同)脚本:アレハンドロ・G・イリニャトゥ 音楽:坂本龍一
出演:レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディ、ドーナル・グリーソン、ウィル・ポールター他
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<2015年度アカデミー賞監督・撮影・主演男優賞受賞作品>
<評価:★★★★★★★★★☆>
<感想>
改めてイリニャトゥの手腕に唸った2時間半だった。舞台はアメリカ北西部と思しき
雪原。持っている銃から推察するに、いわゆる西部劇の時代よりやや早い時期か。
(資料によれば1823年とある)実在したハンター、ヒュー・グラスの話をまとめた
マイケル・パンクの原作を映画化したもの。

西部開拓の一行は狩猟をしながら皮を作り、稼いでいくハンターの一団だ。ガイド役を
務めるのがグラス(ディカプリオ)と息子のホーク。グラスは狩りの腕前も一流の
凄腕のハンターであった。その彼の身に降りかかる災難をダイナミックに描く。
と書くと簡単だけど、ダイナミックなんて言葉では到底足りない。

「壮絶」という言葉が見ている間頭を巡っていた。それはグラスが一流のハンター
だからこそのシーンだといえる。やはりディカプリオの、どれだけ体を張るの、と
思わせるそれこそ体当たりの演技は、圧倒的だ。
また、シーンというか舞台が雪原しかないので、しかもほとんど色彩というものがない
世界において、2時間半の映像を、飽きさせる事無く描くイリニャトゥと撮影監督
エマニュエル・レベツキ(3年連続受賞)の作画は、逆に雪原だからこその力をもって
観る人に迫ってくる。レベツキの映像は「ゼロ・グラビティ」や「バードマン
(あるいは~)」のように長回しのケレンミ、というようなものはないが、シンプルな
構成の中に観客を引き込む魔法のような画作りは、形容のしようがないほどだ。
確かにグリズリーとグラスの戦い、また馬のはらわたを出してその中に入って夜を
過ごすなどの過酷なシーンでびっくりするところはあるのだけれど、それにしても
目線のつけ方でシーンに引き込む手腕は、なるほどなあ、と唸るしかない。

本作ではインディアン(先住民)との事にも多くの時間が割かれ、復讐は自然の手に、
という彼らの言葉はグラスの心に重く伝わる。ラスト、先住民も現れて、グラスの
復讐は完結するのだが、ラストシーン(ラストカット)で、グラスがカメラ目線に
なる(と私は感じた)のだが、息子や隊長の復讐を遂げても、息子は帰ってくるわけ
ではなく、先住民の言うように復讐は自然の手に委ねたのではあるが、それでグラスの
心は満たされたのか、映画を観ているあなたはどう考えるのだ、と問うているような
目線だった。あの厳しい自然と闘い抜いた力は、息子を愛する力、ということになる
のだけれど、その愛情の(執念ともいえる)力の凄さにも括目せざるを得ないわけだ。

またラストシークエンスは原作者やイリニャトゥの先住民に対する
敬意のようなものを感じたのだった。

まあ、またこの作品で、個人的年度ナンバーワンは決まったかなあ。

※ 2016 6月4日(土)ホノルルからセントレアに帰国の機内で、復習のため鑑賞。
   凄さを再確認した。上記に書いた初見の感想は間違っていないなと。
   2度めとなるとカメラワークやアングルなどにも注意を払うことが出来、他重層的な
   完成度の高さを誇る作品であることが分かったのだった。

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<ストーリー>
 「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」のアレハンドロ・G・
イニャリトゥ監督がレオナルド・ディカプリオを主演に迎え、過酷な大自然の中で
繰り広げられるひとりの男の壮絶な復讐劇を壮大なスケールで描いたサバイバル・
アクション・アドベンチャー。
共演はトム・ハーディ。第88回アカデミー賞では監督賞、撮影賞に加え、極寒の
大自然を相手に体当たりの熱演を披露したレオナルド・ディカプリオが、みごと
悲願の主演男優賞を初受賞した。
 
 1823年、アメリカ北西部。狩猟の旅を続けている一団が未開の大地を進んでいく。
ヘンリー隊長をリーダーとするその集団には、ガイド役を務めるベテラン・ハンターの
ヒュー・グラスとその息子ホーク、グラスを慕う若者ジム・ブリジャーや反対に
グラスに敵意を抱く荒くれハンターのジョン・フィッツジェラルドなどが一緒に
旅をしていた。

ある時、一行は先住民の襲撃を受け、多くの犠牲者を出す事態に。混乱の中、
グラスたち生き残った者たちは船を捨て陸路で逃走することに。そんな中、グラスが
ハイイログマに襲われ、瀕死の重傷を負ってしまう。ヘンリー隊長は旅の負担になると
グラスを諦め、ブリジャーとフィッツジェラルドに彼の最期を看取り丁重に埋葬する
よう命じるのだったが…。(allcinema)

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by jazzyoba0083 | 2016-05-05 14:10 | 洋画=ら~わ行 | Comments(0)

●「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」
2015 アメリカ Marvel Entertainment,Marvel Studios,Studio Babelsberg.148min.
監督:アンソニー&ジョン・ルッソ
出演:クリス・エヴァンス、ロバート・ダウニー・Jr、スカーレット・ヨハンソン、
   セバスチャン・スタン、アンソニー・マッキー、ドン・チードル、ジェレミー・レナー他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
ネットで見ると、3Dで観るべき、との声が多かったものの、名古屋エリア(私が行きやすい
エリア)では3Dを上映しているのは1つしかなく、そこがIMAX3Dだったので、1時間
かけて出けた。アメコミ映画大好きだけど、上映時間2時間半はやりすぎじゃないだろうか。

それというのも、この映画スーパーヒーローが目白押しで、それぞれに時間を割いて
いるだけで結構な時間を食うわけだ。というように、本作、ヒーローが出すぎで話が
散漫になり、それと正義の味方同士が戦うという、バットマンvsスーパーマンと同工異曲
な仕立てで、その負の戦う姿にカタルシスを感じることができず、戦い終わって
すっきりしないのだ。もちろんエンディングには仲直りが用意されているのであるが、
勧善懲悪という単純な物語が面白いマーヴェル作品なのに、これではごちゃごちゃで
何がなんだか分からないという人も出てくるだろう。私の隣の若い女性二人組は上映後
「分かった?」と語り合っていた。当然、本作を見るためには最低でも、キャプテン・
アメリカの前作、ウィンターソルジャーは観ておくべきだろうし、アヴェンジャーズも
エイジ・オブ・ウルトロンは観ておくほうがわかりやすいだろう。

これまでのアヴェンジャーズでも結構多いな、と感じていたのに、それに加え、
スパイダーマン、アントマン、ブラックパンサーまで出てくると、どういう
キャラクターだったのだっけ?と悩ましいことこの上ない。

正義の味方同士が戦うことになったのは、バットマンvsスーパーマンと同じで、
ヒーローたちが戦うことにより市民が巻き添えになることに端を発する。
ヒーローを登録制にして国連の監視下に置く、という法律が出来て、これに
従う事にするアイアンマン一派と、あくまで自由に戦いたいというキャプテン・
アメリカ一派に分かれ、複数の要素が絡んで戦わざるを得なくなる、というもの。

戦闘シーンの質感などはやはり抜群ではあるが、3Dの感動というものはあまり
感じることは出来なかった。前作、ウィンターソルジャーの出来が良かったので
期待した分、ちょっと肩透かしを食った感じでたたらを踏んでしまった。
正義の味方同士の戦い(内輪もめ)といういわば禁じ手は二度と使えまい。
双方のリーダたるキャプテンとアイアンマンの葛藤は描かれてはいるが、う~ん
マーヴェルの映画ってこういうふうじゃないのじゃないかなあ、と感じた。
やるならバットマンシリーズのダークナイトみたいな、どっぷり内省的な映画に
してしまわないと上っ面撫でただけ、の出来になるのではないか。個人的には
そうなったら興味は別のベクトルで持たなければならないだろうけど。
アクションエンターテインメントって、内省的な方向にいかないと次がないと
考えるのは致し方のないことなのだろうか。007シリーズにしてもそうだ。

さて、マーヴェル映画の常としてエンディングに出てくる自作への予告だが、
2つあって、ブラックパンサーの単独映画が出来るのでは?というのと、
字幕ではっきりと告げられるスパイダーマンの次作である。本作で紹介される
新スパイダーマン、かなりチャラいけど、これまた相当内省的な作品に
なりつつあるスパイダーマンがあのキャラクターで原点に帰ってくれると
嬉しいのだけれど。
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<ストーリー>
平和を守る「アベンジャーズ」の戦いは、アメリカ国内のみならず全世界に
広がり、多くの人々を救ってきた。だがその反面、国境を軽々と飛び越える
戦いがもたらす被害も甚大になってゆく。
やがて、世界中で巻き起こるアベンジャーズを危険視する声。ついに彼らは、
国際的な政府組織の管理下に置かれ、無許可での活動を禁止される。

アイアンマンとして数多くの人々を救いながらも、一般市民を危険に晒した
という罪の意識を持つトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)は、
これに賛成。しかし、自由を重んじるキャプテン・アメリカことスティーブ・
ロジャース(クリス・エヴァンス)は、そんなトニーに失望する。

両者の対立がエスカレートする中、事態は大きく動く。ウィーンの政府組織の
本拠地でテロ事件が発生。その犯人としてキャプテン・アメリカのかつての親友、
ウィンター・ソルジャーことバッキー・バーンズ(セバスチャン・スタン)が
指名手配されたのだ。アイアンマンと彼を支持するブラック・ウィドウ
(スカーレット・ヨハンソン)は、政府組織の指示を受けてウィンター・ソルジャーの
捜索を開始。

その頃、キャプテン・アメリカは、過去を共にした親友バッキーか、それとも
未来を共にするアイアンマンたちか、二つの友情の間で葛藤していた。
そんな彼に味方するのは、ファルコン(アンソニー・マッキー)、ホークアイ
(ジェレミー・レナー)、スカーレット・ウィッチ(エリザベス・オルセン)たち。

アイアンマンの傍にも、ウォーマシンこと長年の友人ローズ(ドン・チードル)、
その戦いを支え続けた人工知能ジャーヴィスが進化したヴィジョン(ポール・
ベタニー)がいた。さらに、復讐のためにウィンター・ソルジャーを追う
ブラックパンサー(チャドウィック・ボーズマン)もこれに加わる。
こうして、アイアンマンとキャプテン・アメリカを中心に、アベンジャーズを
二分する壮絶な戦いが幕を開ける……。(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-05-03 14:30 | 洋画=さ行 | Comments(0)