●「ヴェルサイユの宮廷庭師 A Little Chaos」
2014 イギリス BBC Films,Lionsgate and more.114min.
監督・(共同)脚本:アラン・リックマン
出演:ケイト・ウィンスレット、マティアス・スーナールツ、アラン・リックマン、スタンリートゥッチ他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>

今年(2016年)1月、他界したアラン・リックマンが生涯に監督した2作品のうちの最新作にして監督遺作。
彼はもともと舞台の人で、後、映画に出始めた。一作目「ダイハード」(1988)で、ラスト近くに目を
剥いてビルから落下するテロリストの役が印象深い。私は観ないのだが、「ハリーポッター」シリーズでの
スネイプ先生が記憶に残る人も多かろう。

そのリックマンが監督し、共同台本を手がけ、ヴェルサイユ宮殿を作らせた太陽王ルイ14世も演じている。
出来の良し悪しよりも、フランスを舞台にした映画が全編英語で作られている時点で、個人的にはもうダメ。
名優ケイト・ウィンスレットの演技をもってしても補えない根本的な問題である。
私は、例えばヒトラーや第二次世界大戦の欧州戦線を描くものでは、フランス人はフランス語、ドイツ人は
ドイツ語、イタリア人はイタリア語を喋って欲しいし、太平洋戦争を描いたら日本軍は英語ではいけないと
思っている。

そんな不自然な感覚に苛まれつつ、鑑賞した本作、広大な土地に建てられた豪奢な作りと広大な庭園を持つ
ヴェルサイユ宮殿。ルイ14世から信頼も厚い実在の造園家ル・ノートルと、彼が実際に作り上げた
「ロカイユの木立」という、ヴェルサイユの中でも異質な空間である舞踏場の建設に絡み、女流造園家と
いうフィクションを挟んで作り上げたオリジナルストーリーであり、その物語自体の出来は良い。
ただ、「ロカイユの木立」を作り上げるという工程と、ル・ノートル(スーナールツ)と平民の未亡人
造園家マダム・ド・バラ(ウィンスレット)の恋愛模様が、どっち付かずになってしまい、いきなり舞踏場が
完成してしまう時間の飛ばし方に違和感を覚えた。

アラン・リックマン演じるルイ14世、わがままで高慢ちきな嫌な王様という印象を勝手に持っていたが、
実に人間らしく描かれていて、また、当時の宮廷の退廃的な雰囲気もそこそこいい感じだった。
中世ヨーロッパの映画って、衣装とか建物とか馬車とかお金がかかるだろうに、リックマンはこの物語が
気に入ったのだろう。ケイト・ウィンスレットはどこかイギリスの匂いがしてしまう。いい演技だけど。
当時、平民の女性が宮廷の仕事をいわばオーディションで募るというようなことがあったのだろうか?

ヴェルサイユ宮殿の中でも、いわば前衛的な、当時重んじられた調和や秩序というものに逆らった
ような「ロカイユの木立」。これが出来たのは一人の女性庭師の存在と、天才造園家ル・ノートルとの
出会いがあり、その間に恋愛模様があったら更に面白いという着想は良いと思うので、言語の問題が
ほんとにもったいない。
映画の中で完成する「ロカイユの木立」は、本物とそっくりでよく出来ている。当時の男性貴族たちが
濃い色(黒とかこげ茶)のパーマを当てたようなロングヘヤーのカツラを付け、化粧をしている姿を
改めて見ると、変な時代だったんだなあ、と感じる。まあチョンマゲ結っている日本も外国人が見れば
とんでもない姿だったんだろうけど。フランスには数度行っているが、ヴェルサイユは未踏なので、
次回訪れる機会があれば、是非「ロカイユの木立」を訪れたいものだ。
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<ストーリー>
英国の名優アラン・リックマンが97年の「ウィンター・ゲスト」に続いて2度目の監督を務めた歴史
ロマンス。世界でもっとも有名な庭園の誕生に秘められた名もなき女庭師の愛と勇気の物語を描く。
主演はケイト・ウィンスレット、共演にマティアス・スーナールツ、アラン・リックマン、スタンリー・
トゥッチ。

 1682年、フランスの田園地方。一人で生きる女性サビーヌ・ド・バラは、造園家という職業に誇りを
持ち、日々庭造りに精を出していた。そんな彼女のもとに一通の書状が届く。それは、ヴェルサイユに
王宮を移す時の国王ルイ14世が、最高の庭園を造るべく、民間の造園家にも広く参加を募るという
知らせだった。

さっそく、庭園建設の責任者ル・ノートルの面接へと向かうサビーヌ。女性であることで同業者からは
蔑まれ、肝心の面接でもル・ノートルと意見が対立してしまう。落選を覚悟したサビーヌだったが、
調和の中にわずかな無秩序を取り込む彼女のユニークな感性がル・ノートルの興味を惹き、晴れて
“舞踏の間”の建設を任されることに。やがて限られた時間と予算の中で、いくつもの困難に直面する
サビーヌとル・ノートルだったが…。(allcinema)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=353306こちらまで。








by jazzyoba0083 | 2016-10-24 10:25 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「アイガー・サンクション The Eiger Sanction」
1975 アメリカ The Malpaso Company,Jennings Lang,Universal Pictures.129min.
監督:クリント・イーストウッド 音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:クリント・イーストウッド、ジョージ・ケネディ、ヴォネッタ・マギー、ジャック・キャシディ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

今のところ、一番好きな監督であるクリント・イーストウッドの、今から40年以上も前の作品。
彼の作品は出来がどうあれ見ることにしているが、この度NHK-BSで放映してくれたので、録画して
鑑賞した。多くの方が感じておられるように、出来としてはイマイチ。★は6.5である。

モニュメントバレーとアイガーで、体を張った登山シーンは見るべきものがあるが、その他の
スパイ映画としての要素としては、メリハリが少なく、物語の設定にも難があり、今ひとつだ。
それとワンシーンでの会話の量が多すぎると感じた。だらだらと続く会話は、重要なポイントを
聞き逃す欠点がある。全体に大雑把な感じの作品であり、後の時代のイーストウッド作品には
見られない粗っぽさを感じるのである。

そもそも、主人公ヘムロック氏が、大学の美術史の先生であり、凄腕のエージェントであり、
美術品蒐集家であり、そして著名な登山家である、しかもかっこよくて女性にモテモテ、という
人物設定に、コミックかい!とツッコミを入れたくなる無理がある。冒頭、大学生に単位を
とらせて、と色仕掛けで迫られるが、軽くあしらう男と、飛行機の中の黒人アテンダントには
一発でコロリとなるのも整合性がないような。「ねんね」はお呼びでない、ということか?
更に、組織の人物が殺されたから、「制裁(サンクション)」する、という組織のあり方にも
あまり蓋然性が感じられない。その組織のボス、ドラゴンが光に弱い目をしていて、終始写真
現像の暗室のようなオレンジ色の照明の中にいるのだが、既視感がある。アイガーにともに登り
そして全員死んでしまう地元の登山家たちは、いい迷惑だ、可哀想に。

アイガーに備えて、登山家仲間であるジョージ・ケネディと訓練するモニュメントバレーと
アイガー北壁にトライし、次々と襲いかかる自然の猛威に立ち向かう様は、イーストウッド本人が
多くのシーンを実際にこなし、流石に見どころがある。映像も、空撮を入れるなどして美しい。
ジョン・ウィリアムズの音楽もちょっと大時代的だがまあマッチしているだろう。
カメラマンなどのスタッフも大変だったことは映像の美しさ、凄まじさを通して伝わってくる。

本作は結局不入りで、製作会社であるユニバーサルと大喧嘩となり、その後の多くをワーナーと
製作することになった曰く付きの作品でもある。
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<ストーリー>
2度までもアイガーの岩壁に挑み、2度とも失敗している経験を持つジョナサン・ヘムロック(クリント・
イーストウッド)は、今は登山家を断念し山小屋ふうの家に住んで絵の教師として静かに暮していた。
彼はかつて抜群に腕のたつプロの殺し屋として国際的に活躍した男だった。そして美術マニアとしても
知られ、稼いだ金の殆どを名画蒐集につぎ込んでいた。
だがかなりのコレクションが完成した現在、危ない橋を渡って金を稼ぐ必要がなくなり、殺し屋稼業
からも足を洗っていた。

そんな彼のもとにかつて所属した情報機関C-2のチーフ“ドラゴン”(セイヤー・デイヴィッド)の
使者が訪れ、“制裁”を依頼した。足を洗った彼を今一度仕事に引戻すために、ドラゴンはヘムロックが
いやといえない餌を用意していた。彼が所持しているピサロの作品が税務当局から目を付けられないよう
にする政府発行の保証書を手に入れんがために、ヘムロックはその依頼をひきうけた。
スイスのチューリッヒで目標の殺し屋を難なく始末したヘムロックは、3万ドルの小切手と、ピサロの画に
ついて米国国税局の追求を逃れる書類を手にした。

だがその帰途、飛行機のなかで魅惑的なスチュワーデス、ジェマイマに心を許し一夜を楽しんだが目を
さましたときは既に小切手と証書は消えていた。彼女はドラゴンが派遣したC-2の女諜報員だったのだ。
ドラゴンの思惑どおり、報酬をふいにしたヘムロックは再びオフィスに戻ってきた。そして第二の殺人を
ひきうけることになった。目標の名前や人相は一切不明、唯一分かっているのはその男が近々アイガーに
挑戦する国際登山チームの一員であり、片足が不自由だということだけだった。

ヘムロックはまずアリゾナに飛び、昔の登山仲間で今は牧場の経営者におさまっている旧友ベン・ボーマン
(ジョージ・ケネディ)と国際登山チームに参加することにした。ヘムロックとベンはベンの娘の指導で
モニュメントバレーを使って登攀の訓練を積んだ。

二人はスイスに飛んだ。ドイツのフライタグ、フランスのモンテーニュ、オーストリアのメイヤーが
ヘムロックたちとチームを組むメンバーだった。ついに運命のアイガー登はんは開始された。
ベースキャンプにはボーマンが残り、4人の男たちは垂直にそそり立つ岩壁を一歩一歩登り始めた。
数時間を経て、モンテーニュに疲れがみえ始めたとき天候も急変した。猛烈な吹雪が容赦なく4人を襲い、
とうとうモンテーニュが死亡した。3人は彼の遺体と共に引きかえすより仕方なかった。
その途中、事故がおき、フライタグとメイヤーははるかかなたに落下していった。
ヘムロックはザイルで宙吊りになるが、助けに駆けつけたベンらにトンネルの穴から救助された。

ようやくのことで一人だけベース・キャンプに戻れたヘムロックは、そこで目ざす標的がボーマンで
あることを知った。しかしヘムロックにはどうしても旧友を撃つことはできなかった。
(Movie Walker:一部改訂してあります)

この映画の詳細はhttp://movie.walkerplus.com/mv28/こちらまで。

by jazzyoba0083 | 2016-10-22 23:00 | 洋画=あ行 | Comments(0)

●「ロバート・アルトマン/ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男 Altman」
2014 アメリカ Sphinix Production.95min.
監督・製作:ロン・マン
出演:ロバート・アルトマン、ポール・トーマス・アンダーソン、ジェームズ・カーン、デヴィッド・キャラダイン他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

愛する巨匠、ロバート・アルトマンの生涯を綴ったドキュメンタリー映画である。彼の映画の多くを観てきて
その生涯のアウトラインは大体分かっているつもりだったが、未知の事柄も多く、面白かった。
映画の出来としては、極めてオーソドックスな手法であり、当時の映像をよく集めてあり、関係者の
インタビューのラインナップも良く並べてあったので、標準以上の仕上がり、といえるだろう。

「アルトマンとは?」という質問に、彼に関係のあるハリウッドスターや監督らが、一つのフレーズで
返し、その理由を短く述べる、という手法が時代の流れに沿って並べられていく。彼の出世作となった
「M★A★S★H」のドナルド・サザーランド、エリオット・グールド、「今宵フィツジェラルド劇場で」の
メリル・ストリープ、「ザ・プレイヤー」のブルース・ウィリスらが登場する。アルトマンの後半の
作品でキーマンとなるティム・ロビンスはアーカイブのみの出演で、インタビューには出てこない。

ハリウッドでは相当の変わり者であったことは本作でも触れられるが、実はシャイで愛妻家、家族思いで
あった。ハリウッドの求めるものと、自分が表現したいもののズレで悩んだり、実際クビになったり、
パリに移ったり、オフブロードウエイで演出したりという激動の生涯であった。
老齢になってから心臓移植を受け、オスカーの特別賞を受賞し、この世という舞台から退場したのだった。
アルトマン愛好家の多くがそうであるように、私も「M★A★S★H」と「ザ・プレイヤー」、「ショート・
カッツ」が強く印象に残っていて、大好きな作品である。これらには彼らしい皮肉が詰まっている。
繰り返し見ることになるであろう。

本作では演出家として手がけた「コンバット」などのテレビドラマの諸作が丁寧に集められていて、
また失敗作と云われる日本未公開作品も短く紹介されているほか、ホームビデオも多く扱われていて
多角的にアルトマンという人の人格が表現されている。もちろん本人のインタビューフッテージも
たっぷりとある。アルトマンという映像表現家の、大体ハズレのない生涯が上手く纏めてあるので
ファンならば観てみるといいだろう。
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<ストーリー>

「M★A★S★H マッシュ」、「ナッシュビル」など、数々の名作を世に送り出したアメリカ・
インディペンデント映画の父、ロバート・アルトマン監督の実像に迫るドキュメンタリー。
ポール・トーマス・アンダーソンやジュリアン・ムーアを始めとした関係者の証言に、貴重なアーカイブ
映像を交えて、その素顔が明かされてゆく。

映画監督、革新者、ストーリーテラー、異端者、家庭人、放浪者、ギャンブラー、怒れる男、アーティスト。
映画監督であると同時に様々な顔を持つロバート・アルトマン。大成功も大失敗も経験し、敵も味方も
数多く作りながら、決して権力に迎合することなく豪快に映画を生み出していった。
その結果、カンヌ、ベルリン、ヴェネチア、世界三大映画祭の全てにおいて最高賞を、アカデミー賞では
名誉賞を受賞。
いかにして彼は、“ハリウッドで最も嫌われ、そして愛された男”になったのか。彼の精神に触れたとき、
私たちはその存在の偉大さに心を打たれ、彼を魅了し続けた“映画”という存在そのものの大きさに気付かされる。

ジュリアン・ムーアやブルース・ウィリス、アルトマンを師と仰ぐポール・トーマス・アンダーソン監督、
アルトマン組のエリオット・グールド、サリー・ケラーマン、ライル・ラヴェット、リリー・トムリン、
『ポパイ』の主役を務めた人気俳優、そして、妻のキャサリン・アルトマンと子どもたち。彼に縁のある
俳優や監督、家族がアルトマンについて証言。ロケハンや製作現場などの貴重なメイキングシーン、自宅や
旅先で撮影したホームムービーなど、今まで目にすることのなかったお宝映像をふんだんに盛り込み、
初期の産業映画やテレビドラマ、未公開作品を含むフッテージやインタビューなどのアーカイブ映像と共に、
映画に捧げた彼の人生が紐解かれてゆく。(Movie Walker)

この映画の詳細はhttp://movie.walkerplus.com/mv58518/こちらまで。

by jazzyoba0083 | 2016-10-21 22:30 | 洋画=ら~わ行 | Comments(0)

●「ニック・オブ・タイム Nick of Time」
1995 アメリカ Paramount Pictures.89min.
監督・製作:ジョン・バダム
出演:ジョニー・デップ、クリストファー・ウォーケン、チャールズ・S・ダットン、マーシャ・メイソン、
ピーター・ストラウス他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>

タイトルは「際どい時」「ぎりぎり間に合う」というほどの意味らしい。短い時間でお手軽に楽しめる
サスペンスであるが、なにせ全編強引な展開が否めず、厳密なリアリティは求めないけど、こんなこと
起き得ないだろうに、と思ってしまうストーリーは、事件がほぼリアルタイムに進行するという面白さの
評価を打ち消してしまう。

確かに娘が人質になれば、その父親はなんでもしそうなものだけど、デップ演じるeverday-manの会計士
ワトソン氏、拳銃を押し付けられて、知事の演説会場へ追いやれるのだが、様々なシーンで助けを呼ぶ
タイミングはあったんじゃないか? 知事の警備全体がグル、というのもちょっと考えにくい。
靴磨きの傷痍軍人の大活躍は設定としては面白いのだが、スーパーマン過ぎるのではないか?
ワトソン氏の幼い娘をバンの中で監視している女性が、拳銃で子供を殺せるようなキャラクターじゃない
感じを受けた。
クリストファー・ウォーケンの私設ボディガードではない、おそらくLAPDであろう警官が自分の生命まで
掛けて知事を暗殺させようとする動機は一体どのあたりにあったのだろうか?もし知事をガードしていた男
たちが私設部隊だとしたら、現職知事をガードするLAPDの警備や公安の警察はどこにいたのだろうか?
加えて、ラスボスが生き残るというエンディングはテレビの連ドラじゃあるまいし、本作の展開であるなら
頂けない。
細かいところをいうと、ホテルに向かうワトソン氏が乗ったタクシーに、ウォーケンの運転するバンが
ぶつかるのだが、タクシーは凹みを気にするでもなく走行する。アメリカの交通事故ってそんな
ものなのかなあ。

リアルタイムで進行する緊張感は良いのだが、上記のように鑑賞中、「どこか大雑把な」「締りの悪さ」
「詰めが甘いわりには強引な」感じを受けていた。

「シザーハンズ」から5年経過した頃のジョニデ、これから様々なキャラクターで銀幕の大スターへと
駆け上がるわけだが、「ギルバート・グレイプ」「妹の恋人」などに見られるむしろ素朴な彼の味わいを
鑑賞できる点でファン受けは良いかもしれない。
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<ストーリー:結末まで触れています>
LA、正午。妻を亡くした税理士のジーン・ワトソン(ジョニー・デップ)は、幼い一人娘リン
(コートニー・チェイス)を連れ、新天地にやって来た。駅に降り立った彼らは、警察を装った男
スミス(クリストファー・ウォーケン)とパートナーの女、ジョーンズ(ローマ・マーフィア)に
拉致され、「午後1時30分までにある人物を殺せ。失敗すれば娘の命はない」と脅迫される。

拳銃と標的の写真を渡されたワトソンは、指定されたホテルに着くが、標的はなんと女性州知事の
グラント(マーシャ・メイソン)だった。彼女は再選を目指して遊説中で、このホテルで演説会が
予定されていた。ワトソンはなんとかこの事実を誰かに知らせようと試みるが、スミスとその仲間
たちの監視の目が光っていて不可能だった。
厳重な警備の中、銃を持っているにも関わらず、ワトソンはあっさり会場に通された。警備主任も
スミスとグルだったのだ。ワトソンは知事直属の女性スタッフ、クリスタ(グロリア・ルーベン)に
事情を打ち明け、選挙参謀を務める知事の夫ブレンダン(ピーター・ストラウス)、そして後援者
らしい謎の男(G・D・スプラドリン)に会う。だが、そこへ突如、スミスが現れ、クリスタを
射殺した。なんと、妻の政策方針を快く思わないブレンダンも一味に加担していたのだ。

八方塞がりとなったワトソンは、ホテルの靴磨き職人ヒューイ(チャールズ・S・ダットン)の
協力を得て、敵の監視をくぐり抜け、知事に直接会って状況を話すが、信じてくれたかどうかは
分からない。そして、演説が行われる午後1時30分がやって来た。スミスをはじめ一味が配置について
銃を構えた。
ワトソンはそこではじめて、自分は囮に使われただけだとを悟る。ワトソンは意を決し、グラントではなく
スミスに向かって発砲、混乱の中、娘のもとへ走る。グラントは撃たれたが、防弾チョッキを着たボディ
ガードのおかげで無事だった。ワトソンはヒューイの助けを借りて、バンに閉じ込められていたリンを救い、
スミスとジョーンズを倒した。事件後、黒幕だった謎の男はホテルから去っていった。(Movie Walker)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=28699こちらまで。



by jazzyoba0083 | 2016-10-20 22:35 | 洋画=な行 | Comments(0)

●「パパが遺した物語 Fathers and Daughters」
2015 アメリカ Andrea Leone Films and more.116min.
監督:ガブリエル・ムッチーノ
出演:ラッセル・クロウ、アマンダ・サイフリッド、カイリー・ロジャース、アーロン・ポール、ブルース・グリーンウッド他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

主人公のケイティ(愛称・ポテトチップ)を演じたアマンダは、これまでセイフライドと表記して来たが、
アメリカでの発音に近いサイフリッドに本作から変更することにする。ギレンホールといい、人の名前は難しい。

さて、本作。ラッセル・クロウの父と、幼いころのケイティを演じたカイリー・ロジャースの二人の演技が
良く、また計算されたフレーミング、ステディカムとクレーンを効果的に使ったカメラワークの美しさに惹かれて
観てはいたが、ストーリーはエンディングに向けて少々強引過ぎ、邦題にあるような「パパが遺した」愛娘を
書いた物語がどんな内容なのかを明かさないまま終わるという難点がある。さらに云えば、育った環境から
行きずりの男を漁るという「病気」なのに、ラストでケイティの元を離れていった男性と再びくっつく設定が
安易だな、とも感じた。

全体としては幼いころのケイティの物語と、成長してからのケイティの物語、2つの時制が行ったり来たり
しながら構成される。父ジェイク(ラッセル)は著名な小説家で、ケイティが幼い頃、妻(ダイアン)と
クルマの中でジェイクの浮気問題で喧嘩中、ジェイクのよそ見で事故を起こし、妻は死亡、自身も大怪我を
負った。後遺症に悩むジェイクは周りのアドバイスも有り、ケイティを妻の妹夫妻に預け、精神病院で7ヶ月の
リハビリをして出て来る。しかし後遺症は全治していなかったのだった。
退院してケイティを引き取りに行くと、妹夫妻はケイティを養子に欲しいと言い出す。

25年が経過して、ケイティは心理学を学んだ大学を卒業し、ケースワーカーとして働いていた。そこで
知り合った黒人の少女に自分の幼い頃の姿を重ね、少女の心を開かせる努力をする。
一方で自分の心に開いた穴(つまりは幼いころに母を失い、数年で父をも事故で失ったことから来る
精神的不安定)を埋めるため行きずりの男と寝ることを重ねていたのだった。

妻を失って自分も大怪我をしてからのジェイクは一度小説を批評家にこてんこてんにされるが、次作では
自分の娘ケイティを主人公にした「Fathers and Daughters」を3週間で書き上げた。小説は大ヒットと
なるが、本人はバスルームで発作に襲われて転倒し、頭をスチーム暖房機に打ち付けて死んでしまった。
彼が遺した本は死後ピュリッツアー賞も獲得したのだった。

成長したケイティと出会う小説家志望の男性キャメロンとのこと、妹夫婦に養子によこさないということ
で裁判を起こされて、金策に悩むジェイク、ケイティとケースワーカーとして対峙する黒人少女などの話題が挿入される。

一つ一つのエピソードはどこかで観たことがあるような既視感があるものの、一定の手堅さで纏められ
て来たが、ラストで「ええ?こう纏めちゃうわけ?」という仕立てになっていてイージーさが感じられ
個人的には残念であった。
アマンダはもともと目が大きい人なのでもう少しふっくらしたほうが美しい。本作では心に闇を持った
女性を痩せた体で演じていたのはフィットしていたとは思ったけど。
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<ストーリー>

父親と息子の絆を描いた『幸せのちから』のガブリエレ・ムッチーノ監督が、ニューヨークを舞台に、
小説家の父親と幼い娘の愛を描くヒューマンドラマ。今は亡き父親の愛を知り、人を愛する事ができなかった
トラウマを克服していく少女のその後の姿をアマンダ・サイフリッドが、その父親をラッセル・クロウが演じる。

小説家のジェイク(ラッセル・クロウ)は交通事故を起こし妻を失い、自身もまた入院することになり、
7歳の娘ケイティ(カイリー・ロジャーズ)と離れ離れに。ジェイクが退院できたのは、7ヶ月後のことだった。
ジェイクはこれからはずっと一緒にいるとケイティに約束する。それから25年が経ち、成長したケイティ
(アマンダ・サイフリッド)は大学院で心理学を専攻していた。トラウマから人を愛することができずにいたが、
娘とのことを綴った父の遺作を愛読する作家志望のキャメロン(アーロン・ポール)と出会ったことから、
ケイティは過去と向き合おうとする。(Movie Walker)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=353514こちらまで。

by jazzyoba0083 | 2016-10-19 23:10 | 洋画=は行 | Comments(0)

君の名は。your name.

●「君の名は。your name.」
2016 日本 東宝 「君の名は。製作委員会」(東宝、コスミック・ウェーブ・フィルム、KADOKAWA、
ジェイアール東日本企画、アミューズ、ローソンHMV)107分
監督・原案・脚本・コンテ・編集・撮影:新海誠
声の出演:神木隆之介、上白石萌音、長澤まさみ、市原悦子、成田凌他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>

今年8月末に公開されるや、たちまち大ヒットとなり、現時点で日本国民の10人に1人が観た勘定、
興行収入も日本映画の歴史に残る記録となりそうな本作、いまだにその勢いは衰える様子がない。

個人的には積極的に観に行きたい、という範疇の映画ではなかったので、これまでパスして来たが、
ここまで国民的な話題となり、今年度を、いや邦画を代表する一作となることは確実なので、
映画好きとしては、劇場鑑賞はしておかなくてはなるまいと、ほとんど評論家のノリで出かけた。

日曜午後のシネコンの一番大きなスクリーン。小学校高学年から中高生、若いカップルと全体的に
これまで映画館なんかあんまりこないだろう、という人たちで埋め尽くされていた。ちょっと驚き。

この映画がここまでヒットする要因は何か?という鑑賞者としてはいささか不純な動機での鑑賞だったが
全体として、よく出来た映画、と言わざるを得ない。個人的には2つのバイアスがかかるので評価が
甘めに流れるのをお許し頂きたい。一つは、主人公のカタワレ、宮水三葉の生活するところが岐阜県の
飛騨市を模してあると思われ、私が今住んでいるエリアにごく近いこと。もう一つが、もう一方のカタワレ、
瀧くんが生活するところが、東京の四ツ谷で、私が卒業した大学があるこころで、この2つのことで
シンパシーが湧いてしまうところがあり、それは仕方のないこととしてご理解頂きたい。後述するが
見たことのある風景がバリバリ出てくるので・・・。(プロデューサーの川村元気が卒業大学の学科の
後輩であることは鑑賞後に判明)

で、ヒットの要因。ヒットが大ヒットに転換する臨界点というか爆発点というのは統計学上の理論に
なっていて、ある程度の量に達すると、一気にブームが起きる、というもの。本作の大ヒットを
見ていると、映画の出来がどうの、というより、みんなが見ているから観てみよう、という、いわば
「無党派層」を動かしている、ということが出来るだろう。「ポケモンGO」などと同じだ。

それはそれとして、映画の出来として、どの当たりに大衆のコロロを捉える力があるのか、ということを
考えながら観ていたのだが、
「アニメだから出来たこと」「アニメなのに出来ていること」が大きな括りとしてあるだろう。
今やCGで映画が出来てしまうので、精細な画像を作ろうと思えばできるのだが、新海監督は従来の
アニメタッチを崩さず、かと言って、PIXAR系のカリカチュアライズもせず、日本のアニメらしい仕立てと
したことによる安心感がまず来た。

監督自身が云うように本作は究極の「ボーイ・ミーツ・ガール」である。これに「パラレルワールド・
タイムパラドックス」、「純愛・謎解き、サスペンス」という映画のヒット法則を加え、さらにその太いラインに
「若い人たちには恋愛・友情に見られる同世代のシンパシーを、年配層にはかつての夢を重ねられる」のであり、
「都会と田舎(郷愁)」、「スマホやSNSという同世代に共振するガジェット」を配合した、いわば
ヒットすべくしてヒットした、とも見方が出来るのである。嫌な言い方をすればマーケティングの勝利、というか。

そして本作の最大の見どころであり、二度三度と鑑賞するコアファンを獲得しているのが、作画の
「リアリティ」であり、「再現性の高さ」であろう。
「神は細部に宿る」という言葉があるが、まさにこの言葉が鑑賞中に脳裏を横切った。これにより
「聖地巡礼」をするファンを獲得し、これがまたブームアップに寄与しているのである。
おそらく小学生とか中学生らの鑑賞法とはズレるとは思うが、在京者、あるいは東京に一度は生活した
ことがある人に取って、本作に出てくるリアルな光景は、メインストーリーを強力に補完する力と
なり得ているのである。また三葉らが暮らす町で喋る言葉は中京圏の人なら一発で愛着を覚えるで
あろう。

観た方にはくどくなるが、リアルな背景として挙げられるのが、東京・四ツ谷、信濃町、代々木、青山一丁目、
などの景色、またそこに含まれる交通標識などの再現性(リアリティ)、一方、岐阜県は飛騨の古川駅、
図書館などもファンの間では有名になっている。また、教室での板書のチョークの質感とそれを持った指の
動き、サントリーの自販機、雨の道路の質感、岐阜に向かう瀧くんら三人の乗る新幹線車内と車窓の景色、岐阜で
旅館に泊まった時の奥平先輩のネマキから少し見える下着、走る三葉のスカートの中の白いパンツまで、
このアングルからは見えるだろうと思うものが再現性高く、きちんと見えているのだ。普通のアニメなら
いい加減にしてしまう、ノートの中身、書籍やパンフレット、ポスターのデザイン、交通標識の細部に至るまで、
線の精密さというより、再現性の高さ、こだわりに唸るのである。「創りもの」と「現実」の間にある遊び、
というものも見えてきたのだった。
また、三葉の家の、JRの電車や新幹線の、ドアをアップかつローアングルでシーンの転換を図る点、
俯瞰や意識的なローアングルの設定など、画作りの工夫も上手いと思った。
全編を通して光のトーンの再現性が極めて高い作画でもある。

個人的なことだが、通った大学があるJR四ツ谷駅、東京メトロ四ツ谷駅の光景では、背後にイグナチオ教会や
大学校舎の一部が、また新宿方向のビル街には「綿半野原」の文字がキッチリ描かれていて感激してしまった。
タイアップスポンサーは実名で、そうでないものは少し変えて表記されている。

映画は後半に向かって、ストーリーが怒涛のように展開していくが、ラストシーンを含め時空の整合性の
付け方が小さい子たちにはちょっと頭をつかう必要があるものの、安堵するハッピーエンディングがタイトルの
意味と、さらにいえば読点の意味さえも理解できる仕立てとなっているのだ。

おじさんは涙は出なかったが、色んな意味で「唸る」映画ではあった。昨年観た「風立ちぬ」より、インパクトの
強いアニメ映画であった。三葉の実家が神社の宮司ということもあり、純和風な光景、また先進的な東京の光景、
若者の間で決定的なガジェットとなるスマホなどの現代風俗も描かれていることから、作画の美しさも含め
海外の賞を獲ることも多くなるのではないか。
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<ストーリー>
 「秒速5センチメートル」「言の葉の庭」の新海誠監督が、夢の中で入れ替わる少年と少女を主人公に贈る
青春SFファンタジー・アニメーション。入れ替わりが巻き起こす思春期ならではのコミカルで甘酸っぱい
青春模様と、2人を待ち受ける思いも寄らぬ運命の顛末を美しい映像とともに綴る。
声の出演は神木隆之介、上白石萌音、長澤まさみ、市原悦子。

 千年ぶりとなる彗星の接近を1ヵ月後に控えた日本。山深い田舎町で鬱屈した毎日を過ごし、都会の生活に
憧れを抱く女子高生の三葉。ある日、夢の中で自分が東京の男子高校生になっていることに気づき、念願の
都会生活を満喫する。一方、東京の男子高校生・瀧は、山奥の田舎町で女子高生になっている夢を見る。
そんな奇妙な夢を繰り返し見るようになった2人は、やがて自分たちが入れ替わっていることに気がつく。

戸惑いつつも、メモを残してやりとりしながら、少しずつ事実を受け止めていく瀧と三葉。ところが、
互いに打ち解けてきた矢先、2人の入れ替わりは突然起こらなくなってしまう。そこで瀧は、夢の記憶を
頼りに三葉に会いに行こうと決心するのだったが…。(allcinema)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=355058こちらまで。

by jazzyoba0083 | 2016-10-16 16:40 | 邦画・新作 | Comments(0)

●「ヴィンセントが教えてくれたこと St.Vinscent」
2014 アメリカ The Weinstein Company and more.102min.
監督・脚本:セオドア・メルフィ
出演:ビル・マーレイ、ジェイデン・リーバハー、メリッサ・マッカーシー、ナオミ・ワッツ、クリス・オダウド他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

★は7.5。ありそうなストーリーであるが、本作が長編デビューである監督が、姪から聞いた
身近な「聖人を探そう」という話にヒントを得て製作したという。キャスティングも含めて
なかなかやるな、の感がある。ちょっとお涙頂戴的なハイライトなのと、あっさり発表会場に
登壇してしまうところが今ひとつな感じで、それが何らかの形で解決していれば★8つ進呈しても
いいと思った。

片方の主人公である少年オリヴァーを演じたジェイデン・リーハーバーの自然体の演技が良かったし、
「タミー/Tammy」や「デンジャラス・バディ」が個人的にはお気に入りで、最近では「ゴースト
バスターズ」(2016)にも出演していた癒し系おデブのメリッサ・マッカーシーがオリヴァーの
母役で好演、加えて主人公ヴィンセントの妊娠した女のナオミ・ワッツという陣立てが上手かった。

ビル・マーレイという役者さん、個人的にはそう好みではないのだが、本作では、偏屈でひねくれ者で
自堕落な上に粗暴でもあるが、ボケてしまった妻の元に8年も通い詰めるという実は心優しい中年オヤジを、
本人の地ではないか?と思わせるいい演技であった。

オリヴァーとやがて親友になる友達との関係、離婚でごたごたしている母親、ヴィンセントの内縁の妻の
妊娠、ボケてしまった妻との関係などが1時間40分余にきちんと提示出来ている。タイトルでも分かる
ように、オリヴァー少年が、学校での発表会「君の周りの『聖人』」で、隣人ヴィンセントを取り上げ
彼の人生を調べて、ちょっと巧すぎる発表をするのだが、そこにハイライトが当てられる。
ちょっとうるうるしてしまった・・・。

ヴィンセントには脳溢血という危機が訪れるのだが、なんだかんだいいながらリハビリに励み、妻の死を
乗り越える。やがて赤ちゃんが生まれ、発表会ではオリヴァーから「聖人」と認定され、会場の親たちから
拍手を貰い、新しい生活が始まるのだが、偏屈ぶりはどうやら変わらないようだ、というニュアンスで
エンドとなる。ハッピーエンドで終わり、ではなかったところが大切だと思う。
みんなそれぞれの人生を見つめ、それなりに頑張って進んでいく。Life goes onなのだな。
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<ストーリー>

人生に空しさを感じている気難し屋のちょい悪オヤジが、12歳の少年との出会いを機に生きる力を取り戻して
いく様を描く、ビル・マーレイ主演のヒューマンドラマ。
マーレイが第72回ゴールデン・グローブ賞で主演男優賞候補になったほか、少年役の新鋭ジェイデン・リーベラーは
本作の演技で数々の子役賞に輝いた。

アルコールとギャンブルをこよなく愛するチョイ悪オヤジのヴィンセント(ビル・マーレイ)は、街で評判の
気難し屋。うっかり近づけば、毒舌の集中砲火を浴びることになる。唯一、心を許しているのは、飼い猫の
フィリックスだけ。
そんなある日、お隣にシングルマザーのマギー(メリッサ・マッカーシー)と12歳の息子オリバー(ジェイデン・
リーベラー)が引っ越してくる。仕事で遅くなるマギーから頼まれ、ヴィンセントは渋々、オリバーのシッターを
引き受けることに。オリバーの年齢を気にも留めず、行きつけのバーや競馬場を連れ歩き、バーでの注文の仕方や
オッズの計算方法、いじめっ子の鼻のへし折り方など、ロクでもないことばかり教え込んでゆく。

いい歳をして物わかりのいい大人になれないヴィンセントと、両親の離婚で早く大人になってしまったオリバー。
最初はお互い最悪の相手だと思っていたものの、嫌われ者としての顔の裏に、ヴィンセントの優しさや心の傷を
感じ取ったオリバーは、彼の想いを何とか周囲に伝えようとするが……。(Movie Walker)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=352927こちらまで。


by jazzyoba0083 | 2016-10-13 23:10 | 洋画=あ行 | Comments(0)

●「素敵なウソの恋まじない Roald Dahl's Esio Trot」 
2015 イギリス BBC,Endor Productions.88min.
監督:ウーブラ・ウォルシュ
出演:ダスティン・ホフマン、ジュディ・デンチ、ジェームズ・コーデン、リチャード・コーデリー他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>

英国BBCが製作したテレビ用映画といういうことだ。CM入れて2時間という感じだろうか。
日本では劇場未公開。WOWOWのじ「ジャパン・プレミア」にて鑑賞。
シルバー世代の恋愛をユーモアたっぷりに描いたホノボノ系映画で、目くじらを立てたり
突っ込んだりしてみるようなものでもないだろうが、個人的に大量の亀が床をうごめくシーンは
生理的に歓迎しないので、★の数は上がらなかった。二人の名優の演技については何ら注文は
なく、短い上映(放映)時間も相俟って、ハッピーエンドもほのぼのと、心温まる一作に仕上がった。

オー・ヘンリ的な色合いも個人的には感じた。物語が同じフラットに住む男性とその幼い娘に
よって語られるという演出もシルバー世代の恋愛という部分をリフレッシュする役割を担い、
かつ語り手の一家も実はいろんなシーンで主人公らのストーリーにコミットしていた、という
点も面白かった。それがハッピーエンドのラストシーンに大きく生きてくる算段になっているのだ。

原題は、作品中に出てくる、亀を大きくするというオマジナイで、ダスティン・ホフマンの創作に
なるもの。逆から読んでも最初の亀しか分からないけど。

優しい老人ポッピーさんを演じたダスティン・ホフマンは、性格の親切心が先回りしてしまい、
階下のシルバーさん(ジュディ・デンチ)への恋心を成就する手前で失敗してしまう。そんな
ホノボノ系のおじいさんを好演。映画の中では触れられていないが、部屋の中に飾られた多くの
パンナムのジェット旅客機を見ると、かつてはパイロットじゃなかったか、と推察出来る。
二人の恋を邪魔してかき回す同じフラットの住人プリングルスさん(リチャー・ドコーデリー)が
悪い人じゃないんだけど空気を読めないオタンコナスな感じで良かった。
結局、お互いに一目惚れだったのに、時間を重ねた人生を送ってきたベテランらしく奥ゆかしい
行動や自己表現の遠慮ということが事件を生んでしまう、という私らには身につまされる骨子と
なっているのだ。
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<ストーリー>
「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」や「チャーリーとチョコレート工場」の原作で
知られるR・ダールの児童書「ことっとスタート」をTVムービー化。想いを寄せる女性が、
ペットのカメの成長が遅いことを心配していると知った主人公の老人が、彼女を喜ばせようと
カメを少しずつ大きなものに取り替えていくのだが……。
恋に不器用だが純情な主人公をホフマンがさすがの好演。一方の明るく気さくなヒロインを
デンチが少女のようなチャーミングさで演じ、ユーモアたっぷりの心温まる作品となった。
(WOWOW)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=358021#1こちらまで。



by jazzyoba0083 | 2016-10-12 22:30 | 洋画=さ行 | Comments(0)

動く標的 Harper

●「動く標的 Harper」
1966 アメリカ Warner Bros.121min.
監督:ジャック・スマイト 音楽:ジョニー・マンデル
出演:ポール・ニューマン、ローレン・バコール、ジュリー・ハリス、ジャネット・リー、ロバート・ワグナー他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

ポール・ニューマンのハードボイルドものの佳作として評価されている一編を今頃鑑賞です。
1966年製なので、東京五輪から2年後、私は中学2年生で、日本ではGSブーム、ビートルズが
来日した年ですね。時代的におおらかな作りの映画だと思う。ハードボイルドと称するけど
カリフォルニアを舞台にしていて、ニューマンのキャラクターもかなり陽気な雰囲気がある。

公開時よりやや古い時代にテレビで懸命に観ていた探偵もの、例えば「サンセット77」とか、
「サーフサイド6」「ハワイ5-0」などの陽気な探偵ものに何処か繋がる雰囲気を感じた。
ニューマン演じる探偵ハーパーは、「ニヒルでクール」では無いな。どこか人情的だし。
エンディングのストップモーションも「え?これで終わり??」と思わせるもので、今時の
映画ではあまり見られない手法だ。でも嫌な感じではなく、むしろ好ましいと思わせるのが
本作と主役の優れたところなんだろう。

ロバート・ミッチャムだったか、チャンドラーのフィリップ・マーロウものの映画の
冒頭へのオマージュでもあり、その後のオプものへの影響も大きかった本作のオープニング。
その後の展開でも、「離婚話を抱えた夫婦であり」「古いスポーツカーに乗っている」のであり、
探偵の定番となったようなキャラクタライズである。その味付けとスマイトの演出は、当時としては
「クールでモダーン」であったのであろうが、今となっては大いに時代を感じるものとなっている。
車の移動シーンで背景が別撮りになっている点も。良い悪いは別の話。

ポール・ニューマンは探偵ハーパーの性格付けに沿って、オーバーアクトすれすれの演技で役どころを
好演していた。一見普通の誘拐事件の裏に、メキシコ人不法入国問題や身内の裏切りなどという
エピソードがあぶり出されて来るわけだが本作ではどのシークエンスでもニューマンの魅力が発揮
されている。それが本作の最大の魅力と言える。確かに登場人物が多くてその意味ではごちゃごちゃ
するかもしれないが、大筋のところではちゃんと踏むべき点は踏まれていて、この映画の魅力がスポイル
されるものではない。いい時代のいい映画、という本作である。
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<ストーリー:結末まで触れています>
私立探偵ハーパー(ポール・ニューマン)が、行方不明になった大富豪サンプスンの探索を、引うけたのは、
友人の弁護士アルバートが、彼をサンプスン夫人に紹介したからだ。ハーパーは、仲のうまくいかない妻スーザン
(ジャネット・リー)との離婚話もそこそこに、早速サンプスン邸を訪ねた。
そこでハーパーは、サンプスン夫人の義理の娘ミランダに会い、彼女の案内で、ロサンゼルスにある、
サンプスン専用の部屋を訪れ、そこで、かつての人気女優フェイ(シェリー・ウィンタース)の写真を見つけた。
ハーパーの頭に直感がわいた。このフェイの夫トロイというのは、密入国させて金をもうけるしたたかな者なのだ。

早速、ハーパーは、フェイの部屋に入り込み、彼女が莫大な金を持っていることを確かめた。そしてちょうど、
そのときかかってきた電話で、事件がバー「ピアノ」に関係があることを知り「ピアノ」に乗りこんだ。
だが、そこの芸人である歌手のベティは、ハーパーの質問に答えてくれず、あげくに、用心棒パドラーに、外へ
たたき出されてしまった。
しかし、この事件で、ハーパーは、サンプスン誘拐の裏には、何らかのシンジケートがあることを確信した。
その頃サンプスン夫人のもとには、現金50万ドルをよこせという脅迫状が舞いこんでいた。ハーパーは、
アルバートに金を用意させ、保安官のスパナーとともに、指定の場所に行った。

やがて乗用車とスポーツカーが前後して現れ、先に金を受け取った乗用車の運転手は殺され、金はなくなっていた。
これら一連の事件をたぐっていったハーパーは、サンプスンが以前宗教団体の指導者クロードに寄付した山頂の
“雲の神殿”がシンジケートの本部になっていることをつきとめた。
だがこの事件のかたわれ、ベティからサンプスンの居所を聞き出したものの、彼はすでに死んでいた。そして、
犯人の確証をにぎるべき、証人たちは、次々とたくみに殺されていった。ハーパーは、殺人の現場に必ずといって
いいほど、アルバートが居合せていたことが、きっかけで、サンプスン殺しの真犯人が友人であるアルバートで
あることをつきとめた。
ハーパーに問いつめられ、告白した後、アルバートはハーパーに拳銃をつきつけた。が、さすがのアルバートにも、
友人ハーパーを殺すことはできなかった。ハーパーを見るアルバートの姿に敗者の影が色こくにじみでていた。
(Movie Cinema)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=2386#1こちらまで。





by jazzyoba0083 | 2016-10-10 23:10 | 洋画=あ行 | Comments(0)

●「ジェイソン・ボーン Jason Bourne」
2016 アメリカ The Kennedy/Marshall Company and more.124min.
監督・(共同)脚本:ポール・グリーングラス
出演:マット・デイモン、ジュリア・スタイルズ、アリシア・ヴィカンダー、ヴァンサン・カッセル、トミー・リー・ジョーンズ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

ボーン・シリーズの原点回帰、ともいうべきグリーングラスとマット・デイモンの組み合わせ。封切り二日目の
大きい小屋もほぼ満員だった。固定ファンはいるんだなあ、という感じ。平均年齢は高そうだった。
シリーズの中でも、ストーリーは分かりやすい方だと思う。ただ、ジェイソン・ボーンという暗殺者?が
どういう出自であったか、ネットなどで調べておいて、一応は分かっていたほうがいいだろう。
「トレッドストーン作戦」と、ベイルートでジェイソンの父親が暗殺されたことは特に。

2時間、緊張のしっぱなしで疲れる映画だったが、面白くないか、と言われれば面白いんだと思う。
これでもか、と繰り出される活劇のシークエンスはワシントンDCだけではなく、レイキャビク、ロンドン、
ラスヴェガスとワールドワイドに展開され、飽きることはない。またボーンに接触してくるCIAの女性エージェント、
ニッキー(ジュリア)、本作の一方のキーパーソンであるCIA情報担当リー(アリシア)、ボーンを狙うCIAの
暗殺者アセット(カッセル)、そしてCIA長官デューイ(トミー)と配役とその役回りも明快で
分かりやすかった。だが、その分かりやすさが、いささか単純じゃないか、とも思わせてしまうウラミは残った。

本作の魅力であり、個人的にはどうなんだろう、と感じてしまったのが、カットの短さ。終始手持ちのカメラで
長くて5秒、だいたい3秒、アクションシーンになるとおそらくコンマ以下の積み重ねとなる。緊張感を
演出するにはいいのだろうけど、冒頭から、ラスト、ボーンが去る背中の映像のあたりまでずっとそれじゃあ、
疲れてしまう。年が行った私などは途中で酔いそうになってしまった。ラスヴェガスでのカーチェイスなどは
それで良かったのだが、カットのメリハリがあるともう少しテンションが高いシークエンスに成り得たのでは
ないかな。それにしても暗殺者アセットが運転するSWATのトラックの破壊力が凄すぎじゃないだろうか。

最近CIAに入った長官の右腕の情報担当エージェント、リーを演じたアリシア・ヴィカンダーが、ボーンの
敵なのか味方なのかよく分からない、個性的な女性を魅力的に演じていた。ラストシーンではボーンを
再びCIAに迎え入れようとするのだが、どうも腹に一物ありそうな感じ。だが、自らの手で巨悪を始末した
ときの涙目にはウソはないと思うのだが。彼女をフィーチャーした続編が出来そうな終わり方ではあった。
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<ストーリー>
CIAの極秘プログラム“トレッドストーン計画”によって生み出された暗殺者ジェイソン・ボーン(マット・デイモン)。
記憶を取り戻した彼が消息を絶ち何年もの歳月が経過したある日、世間から姿を消して生活していたボーンの元に
CIAの元同僚であるニッキ―(ジュリア・スタイルズ)が現れる。彼女は、CIAが世界中の情報を監視・操作する事を
目的とした極秘プログラムが始動したという情報を告げ、さらにボーンの過去にまつわる衝撃的な真実を明かす。

それはボーンにとって新たな戦いの始まりを意味していた。ボーンは再び姿を現し、追跡を任された
CIAエージェントのリー(アリシア・ヴィキャンデル)は、彼が最も求めているものを提供すれば、再度CIA側に
取り込めるのではないかと考え始める。しかし“史上最も危険な兵器”であるボーンは、追跡者が想像すらできない
ある目的を持って動いていた……。(Movie Walker)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=355735こちらまで。

by jazzyoba0083 | 2016-10-09 12:10 | 洋画=さ行 | Comments(0)