My Best Movie of 2016

    My Best Movie of 2016

■口上
今年は、劇場で23本、家でのWOWOWなどでの鑑賞を合わせ、全部で186本の
映画を鑑賞しました。
一昨年から減った昨年よりもさらに減りました。これは恐らく、テレビドラマで
面白いものが有ったため、家での鑑賞が減ったためと思われます。

今年も素晴らしい映画、予期せぬ良い映画との出会いがあり、楽しかったです。
本ブログも、初めは自分の備忘録として書き始めましたが、多くの方に読んでいただいて
いることが分かり、きちんとした感想を書くことに努めました。

およそ映画の感想というものは、個人的な「主観」に属するので、私の論調に異論
あるかたも多いと思います。
が、映画とはそういうものです。ひょっとしたら間違った見方をしているかもしれ
ません。ただ、監督の手を離れた作品は、観た人の内面にある感想を動かすことはでき
ないのだと思います。それが監督や多くの鑑賞者から間違っている、と思われたとしても。
「客観的に見れば」、なんて言葉が映画には一番似合わないのだと思います。
それでもこのブログを読んでいただいている皆さんには深く感謝しています。

それでは劇場鑑賞版から、本年のベストを・・(あくまで私が鑑賞した狭い範囲です。
洋邦ごっちゃです。嗜好性として宇宙もの、SFものが多いです。)

■劇場鑑賞版ベスト
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①「レヴェナント 蘇りし者 The Revenant」(★9)
②「ハドソン湾の奇跡 Sully」(★9)
③「スポット・ライト 世紀のスクープ Spotlight」(★9)
④「オデッセイ The Martian」(★8)
⑤「ヘイトフル・エイト The Hateful Eight」(★8)
⑥「シン・ゴジラ」(邦画)(★8)
⑦「君の名は。your name」(邦画)(★8)
⑧「ブリッジ・オブ・スパイ Bridge of Spies」(★8)
⑧「ルーム Room」(★8)
⑧「マダム・フローレンス!夢見るふたり Florence Foster Jenkins」(★8)
⑨「ブリジッド・ジョーンズの日記
  ダメなわたしの最後のモテ期 Bridged Jones's Baby」(★8)
⑩「ジェイソン・ボーン Jason Bourne」(★8)
⑩「The Beatles :Eight Days a Week -A Touring Year」(★8)
⑩「ニュースの真相 Truth」(★8)

<まあまあ>
・「X-メン:アポカリプス X-Men:Apocalypse」(★7.5)
・「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー Rouge One」(★7)
・「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ Captain America/Civil War」(★7)
・「ニューヨーク 眺めのいい部屋あります The 5 Flights Up」(★7)
・「怒り」(邦画)
・「インフェルノ Inferno」(★7)
・「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK  
  Jack Reacher Never Go Back」(★7)

<あれれ!??>
・「ブラック・スキャンダル Black Mass」(★6)
・「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生
  Batman v Superman :Dawn of Justice」(★6)
・「インディペンデンス・デイ リサージェンス
   Independence Day :Resurgence」 (★6)

 一位の「レヴェナント」は昨年度の作品でディカプリオがオスカーを獲得
しましたが日本では遅れて公開されました。やはり作品に力がありました。
イニャリトゥの演出、映像創作は、素晴らしかったです。二位は異論があるかも。
私が個人的に大好きなイーストウッド監督作品で、ゲタを履いたかもしれません。
が、人間が良く描けていると思います。

また、今年ほど邦画を観た年もありません。「怒り」はランキングに入れま
せんでしたが、印象に残る作品ではありました。そして本年の二大ヒット邦画、
「シン・ゴジラ」と「君の名は。」。相当マーケティングされた作品ですが、
人の心を強く引く作品でした。両作品とももう一度観たいです。

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■テレビ鑑賞編
日々、家のHDDに溜まったWOWOWの洋画を中心に、★8以上を
献呈した作品です。順不同(ほぼ鑑賞順)、洋邦・新旧ごちゃまぜ。
最高点は★9です。4つありました。

・「ドクトル・ジバゴ Doctor Zhivago」
・「プリディスティネーション Predestination」
・「ジャッジ 裁かれる判事 The Judge」
・「6歳のボクが、大人になるまで。Boyhood」
・「ビッグ・アイズ Big Eyes」(★8.5)
・「マダム・マロリーと魔法のスパイス The Hundred-Foot Journey」
・「アーニー・ホール Annie Hall」
・「赤い靴 Red Shoes」
・「マッド・マックス 怒りのデスロード Mad Max:Fury Road」
・「おみおくりの作法 Still Life」
・「グリーンマイル(再見)The Green Mile」
・「はじまりのうた Begin Again」
・「セッション(再見) Whiplash」(★9)
・「晩春(小津安二郎)」(★9)
・「彼岸花(小津安二郎)」(★8)
・「奇跡の2000マイル」
・「秋日和(小津安二郎)」
・「マジック・イン・ムーンライト Magic in the Moonlight」
・「カプリコーン・ワン Capricorn One」
・「ヘイル!シーザー Hail! Caesar」
・「人生スイッチ Relatos salvajes」
・「Dear ダニー 君へのうた Danny Collins」
・「お早う(小津安二郎)」
・「サムライ Le Samourai」
・「リオの男 L'homme de Rio」
・「暴力脱獄 Cool Hand Luke」
・「クライム・ヒート The Drop」
・「切腹(小林正樹)」(★9)
・「上意討ち 拝領妻始末(小林正樹)」
・「アラビアのロレンス Laurence of Arabia」(★9)

並ぶ新旧の名作、って感じですね。今年は食わず嫌いだった小林正樹の作品に
触れることができ、またその出来の良さに唸りました。
改めて見てみよう、という映画はやはり面白いです。
さて、今度の二月に発表される今年のオスカーは豊作という感じです。
どんないい映画と出会えるでしょうか。

 最後になりましたが、先日亡くなったキャリー・フィッシャーとデビー・
レイノルズ母娘、個人的にも大変心に残る女優さんでした。
お母さんのデビーは、歌もタップも上手く、私が個人的にはベスト
ミュージカルの一つ、と考える「雨に唄えば」の名シーンが深く記憶に
刻まれています。
今年も国内外で多くの名優が逝きました。RIP。




by jazzyoba0083 | 2016-12-30 21:55 | Best of 2016 | Comments(6)

●「スター・ウォーズ/フォースの覚醒 Star Wars:The Force Awakens(再見)
2015 アメリカ Lucasfilm Ltd.,Bad Robot,Truenorth Productions.136min.
監督・(共同)製作・(共同)脚本:J・J・エイブラムズ
出演:ハリソン‥フォード、マーク・ハミル、キャリー・フィッシャー、アダム・ドライバー、デイジー・リドリー他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
先日「ローグ・ワン」を観て、普通はシリーズ4を観たくなるのだが、WOWOWでの放映を機に
本作をもう一度鑑賞してみた。初見は丁度一年前、シネコンのIMAX3Dでの鑑賞で、今回は自宅の
テレビ鑑賞となったが、本作の面白さの本質は変わらない。
初見の感想で、「前作群(シリーズ4~6)の復習が無くても面白い」と述べたが、その通りとは
思うけれど、6から1に戻ったときの理解の仕方ではない、6からの時系列的な理解が出来るので
再見では更にストーリーの理解が進んだ。つまり4~6をおさらいしておくと、本作の面白さは
倍加する、ということだ。本筋が新たなシークエンスに突入したんだな、との理解も進む。

しかし、本作を再見する直前に舞い込んだ、キャリー・フィッシャーの逝去の報。本作後半では
極めて大事な役どころであり、シリーズ8の製作にはどう影響がでるのかとても心配になった。
と同時に、4から6かけてのレイア姫としての活躍を思い、彼女のまだ若い逝去が痛ましく、
残念でたまらない。(翌日に母親デビー・レイノルズさんも後を追ったのも、悲劇的だった)

本作の主たるテーマがジェダイであるルーク・スカイウォーカーの居場所を突き止めること、
だったのだが、レイの登場(彼女のフォースを操る力から、その出生の秘密が今後明かされる
のだろう)、ストームトゥルーパーから逃亡したフィンとの今後もどうなるのかなどの楽しみが
加速した。
メインテーマの帰結を2時間強で上手くストーリーを展開し、ラスト、圧倒的な力で次作への
期待を繋いでいく、このあたりのJ・Jの手腕は流石だな、と思った。そのストーリーテリングの
魅力発見につき、★半分を追加献呈したい。

家での鑑賞は、大画面の圧倒的な素晴らしさが無い分、ストーリーを楽しむことに重点が
置けたのでそれはそれで良かった。
本作で監督がこだわったVFXと実写の融合でCG一辺倒の冷たさを排した作画は、小さい
画面で観ても、上手く出来てるな、と改めて感心した。

本作のストーリーなど、初見のデータはhttp://jazzyoba.exblog.jp/23987158/こちらをご参照
ください。

by jazzyoba0083 | 2016-12-28 22:50 | 洋画=さ行 | Comments(0)

俺物語!!

●「俺物語!!」
2015 日本 日テレ他「俺物語!!製作委員会」 106分
監督:河合勇人
出演:鈴木亮平、永野芽郁、坂口健太郎、森高愛、鈴木砂羽、寺脇康文他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

この手の邦画は普段あまり観ないのだが(バカにしているわけではなく、趣味・興味の
範囲外というだけの事)、鈴木亮平のメイクに興味があるのと、青春コメディは好きなので
(「アフロ田中」は面白かった!)WOWOWでの放映を機に観てみた。

これがなかなか面白いじゃないの!原作はコミックで、テレビでアニメになったりもしたが
映画になるまでは知らないお話だった。非常に単純かつ明快かつ率直かつ素直な青春映画で、
テレビや映画「鈴木先生」で活躍した河合監督の、コメディタッチの演出、いいじゃないかな。
「逃げ恥」の野木亜希子の本らしい、ムズキュン恋愛物語だ。

マドンナ役の永野芽郁(知らない人だったなあ)がめっぽう可愛い。主人公剛田猛男(鈴木)が
喉を絞った声で「好きだ!」というのも分かる。この剛田猛男←なんて漫画チックな名前!の
ストレートで愚直な青春恋愛物語。最近流行りの「ムズキュン」タッチな仕上がりである。

郷田は15歳の高校一年生なので、永野芽郁は別として鈴木亮平や坂口健太郎はいささか年齢的に
無理があるが、それは忘れられる面白さがある。剛田の両親が寺脇と鈴木砂羽なのだが、
3人が一緒だと親子とは思えないのも、あざといけど笑える。
「男の中の漢(おとこ)」思い込んだら一直線、純情・正義の味方の剛田猛男が、チンピラ
(中尾明慶)にカラマれた少女・大和凛子(永野)を助けたことから彼女にに惚れられ、
自分も強烈な一目惚れをする。しかし、一緒にいた超モテ男の大親友、スナこと砂川(坂口)が
いつものようにモテているに違いないと大きな勘違いをし、実直かつ一所懸命に、永野とスナを
くっつけようとする。凛子はもどかしくてしょうがない(好き、といえば済むんだけどねえ)
それとスナは分かっていて、親友剛田に凛子が好きなのはお前だ、と言ってやらない。
(おせっかいが嫌いなロンリーウルフ的存在なものでww)かくして、大和の思いの伝わらない
もどかしさと、剛田の真剣そのものの勘違いにイライラ、ムズムズしがら映画は進む。

このあたりは原作に有るんだろうけど、映画としての構成はさすがに、本年一番の評判ドラマ
「逃げるは恥だが役に立つ」の作家である野木亜希子の方程式に乗っかっている。
あのテレビドラマを観てからこの映画を観ると、根っこは同じだな、と思うだろう。
かく言う私も「逃げ恥」の大ファンであったから、同趣旨の本映画も好ましく観られた。

ここまでド直球に青春されると宮藤官九郎も真っ青な出来で、悪く言えない。年かさながら
体重を増やして剛田猛男を演じた鈴木亮平の存在無くして、またマドンナ永野芽郁の存在
なくして本作は語れない。スナの坂口健太郎も含め、テレビ「逃げ恥」の新垣結衣、星野源、
大谷亮平のトリオの構造とそっくりだ。「逃げ恥」が好きだった人は本作は面白く感じる事は
間違いないだろう。

心地よい「乾燥した(良い意味で)青春ラブ・コメディ」を味わえる一作だ。
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<ストーリー>
人気少女漫画家の河原和音とアルコがコラボし、少女漫画としては異色のイカツイ顔の
巨漢男子を主人公に王道ラブ・ストーリーを展開させた同名大ヒット・コミックスを実写映画化。

その見た目とは裏腹に純情な主人公とヒロインとのピュアで不器用な恋の行方を、主人公の
コミカルな豪傑エピソードを織り交ぜつつ甘酸っぱいタッチで綴る。
主人公の高校生・剛田猛男役には「HK/変態仮面」、TV「花子とアン」の鈴木亮平、
共演に永野芽郁、坂口健太郎。監督は「映画 鈴木先生」の河合勇人。

 高校1年生の剛田猛男は、その高校生離れしたルックスでほとんどの女子から恐れられていた。
しかし見た目に反して誰よりも純情で、優しく正義感にあふれた男だった。そんな猛男の無二の親友は、
隣家に住む幼なじみのイケメン同級生、砂川誠。昔から猛男が好きになった女子は、例外なく砂川が
好きだった。
そんなある日、街中でチンピラに絡まれていた女子高生・大和凛子を助けた猛男は、一目で恋に
落ちてしまう。しかし後日、大和と再会した猛男は、彼女もまた他の女子と同じように砂川が好きなのだと
悟ってしまう。激しく落ち込みながらも、大親友の砂川のために2人の仲を取り持とうと健気に奮闘する
猛男だったが…。

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=353113こちらまで。

by jazzyoba0083 | 2016-12-23 22:50 | 邦画・新作 | Comments(0)

●「天国から来たチャンピオン Haeven Can Wait」
1978 アメリカ Paramount Pictures.101min.
(共同)監督・製作・(共同)脚本:ウォーレン・ベイティ 音楽:デイヴ・グルーシン
出演:ウォーレン・ベイティ、ジュリー・クリスティ、ジェームズ・メイソン、ジャック・ウォーデン他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

私がウォーレン・ベイティを認識したのは「ディック・トレイシー」くらいから後なので、それよりも
前の若い頃の映画を観ていると別人のような気がする。彼は演出の才能もあったと見えて、翌年の
「レッド」ではオスカーで監督賞を受賞している。本作もオスカーの数部門にノミネートされた。
いかにもアメリカ人が喜びそうなハートウォーミングな作品である。凄い出来の映画ではないが、
鑑賞後に心が暖かくなる「いい時代」の映画だ。アメフトが舞台ではあるが、ルールを知らなくても
十分に楽しい。

天使のミスで早く天国に召されたアメフトのクオーターバックが、他人の体を借りて死ぬはずでは
なかった人生を歩むお話。いろんな仕掛けや伏線が張られていて、天国の話だから交通事故や殺人も
出て来るが、決しておぞましくも湿っぽくもなく、むしろユーモアな味付けも有り、キャストの演技も
なんか朴訥な感じもあって良かった(狙ったのかどうかはわからないけど)。今観ると、いささかの
古さも感じてしまうが、それを欠点としない全体としてよく出来たお話だと思う。上映時間も適切だ。
ただし、体を借りる2人もベイティが演じているわけだが、周りからはベイテイに見えていないと理解して
いないとややこしいかも。

最初に肉体を借りるファンズワースという富豪の下りがコアになっているし一番面白いのだが、
そこで終わらず、オチまでもう一段あるのがこの本の長所なんだろう。Heaven Can Waitという
原題が含蓄があり味わい深い。
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<ストーリー:物語の最後まで触れています>

ロサンゼルス・ラムズの控えクォーターバックのジョー・ペンドルトンは、出場の決まった
スーパーボウルを前に交通事故に遭って急死してしまう。自分の死に納得できないジョーが、
天使長ジョーダンに抗議したところ、まだ50年もの寿命が残っており、担当天使のミスで50年早く
天国に召されたことがわかった。ジョーは即刻地上に舞い戻ることになったが、ジョーの肉体は既に
火葬
された後だった。

ジョーのためにジョーダンが代わりの身体を探すが、フットボール選手に戻りたいジョーの注文は
うるさい。何人かの候補を断った後に提案された大富豪レオ・ファーンズワースの遺体もジョーは
断ろうとするが、ファーンズワースに公害問題で抗議に来た女性ベティに一目惚れしたジョーは
しばらくの間という条件でファーンズワースの身体を借りることにする。
しかしファーンズワースは妻ジュリアとその愛人でファーンズワースの秘書であるトニーに殺されたのだ。

何故か生き返ったファーンズワースに驚いたジュリアとトニーはその後も何とかしてファーンズワースを
殺そうとするがことごとく失敗する。一方、ファーンズワースになったジョーは猛勉強の末にベティの
願いを聞き入れ、公害問題の解決のために工場建設計画を放棄する。これをきっかけにベティもジョーに
惹かれて行く。

ジョーは親友のトレーナーであるマックスを呼び出し、ジョーしか知らない事実を話すことで、
自分がジョーであることをマックスに納得させると、スーパーボウル出場のために猛特訓を始める。
そして、ラムズを買収して入団テストを受けることになる。はじめは金持ちの道楽としてジョーに
対して敵対心をむき出しにしていたチームの選手らも、ジョーの実力を認め、ジョーはスーパーボウルに
出場することになる。

一方、ジョーとベティの仲は急速に深まるが、ジョーは担当天使からファーンズワースの身体を
使えるのがあとわずかであることを知らされる。ジョーはベティに生まれ変わって再会することを
示唆する言葉を告げる。そして、ジョーはジュリアとトニーによって射殺され、遺体は井戸に落ちる。
ジョーはジョーダンとともに再び次の身体を探すことになる。


大富豪ファーンズワースが失踪したとして世の中は大騒ぎとなる。特にベティとマックスは警察に
対して必死に捜査を依頼するが、担当刑事クリムの捜査は要領を得ない。そんな中、スーパーボウルの
テレビ中継を観ていたジョーはラムズのクォーターバック・トムが試合中に大怪我を負う様子を目にする。
ジョーダンとともにスタジアムにやって来たジョーはトムがこのまま亡くなることを知り、トムに
生まれ変わることを決める。
トムになったジョーは試合で大活躍し、ラムズは勝利を収める。一方、ファーンズワースの屋敷では
ファーンズワースの遺体が見つかったことから、仲違いしたジュリアとトニーの殺人が露呈する。

テレビ中継を観ていたマックスは、復活したトムがジョーであることに気付き、試合後のジョーの
もとに駆けつけ、抱き合って喜ぶ。しかし、そこにジョーダンが現れ、ジョーがこれまでの記憶を
失って完全にトムとして生きて行くことになると告げて姿を消す。ジョーは完全にトムとなり、
マックスとのこれまでのことも忘れてしまう。状況を受け入れたマックスは1人、ジョーとの
思い出に浸る。

スタジアムを後にしようとしたトムの前にベティがマックスを探しに現れる。初対面のはずの
2人だったが、互いに惹かれ合うものを感じると、運命に導かれるように肩を並べてスタジアムを
後にする。(wikipedia)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=15544#1こちらまで。


by jazzyoba0083 | 2016-12-22 22:30 | 洋画=た行 | Comments(0)

●「ホノカアボーイ Honokaa Boy」
2007 フジテレビジョン、電通、ROBOT 配給:東宝 111分
監督:真田敦  原作:吉田玲夫
出演:岡田将生、倍賞千恵子、長谷川潤、喜味こいし、正司照枝、蒼井優、深津絵里、松坂慶子、吉田玲夫他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>

ハワイ好きならばとりあえず観ておかなくてはならないな、と思いながらずっと機会を逸していて、
年末年始になるとハワイ特集が多くなるし、ハワイ島が取り上げられることも多くなるだろうし、
すると、ホノカアはこの所マストアイテムになっているので、急ぎレンタルビデオで鑑賞した。

感想を語る方の中には、ハワイでなくても・・・という意見も散見されるが、ハワイの空気感、風と
いったものを感じた人とそうでない人では感じ方が違うんだろうなあ、と思った。どちらが悪いとか
言う話ではない。原作は吉田カバンで有名な吉田玲夫(レオ)が実際にハワイに滞在した事をまとめた本。
これをCM演出畑の真田監督が、いかにもCM的なタッチで(いい感じという意味で)仕上げた作品。

物語は、これはもう夢のようなお話。フェアリーテイルとでもいえるような。確かに舞台は何処でも
起こりうるだろうが、ムーンボウ(夜に出る虹)をキーワードとして、人と人の繋がりが薄いようで濃く、
自然との繋がりがとても濃いというハワイ独特のスピリチュアルな雰囲気を持った作品といえる。
時間が止まったようなホノカアという街(近くに神聖な王族たちにまつわるスピリチュアルな
ワイピオ渓谷がある)でなくてはならなかったのだろう。

スローなテンポで、主人公レオと不思議な料理の上手いビーおばさん、ロコガールのマライア、の
話が繋がっていく。映像も幅広い画角を意識したルーズなモノが目立ち、時間の経過や物語の
進展を映像からも主張できているのではないか。そのあたりはCM監督の手腕が生きた。

映画館女経営者、松坂慶子、や喜味こいし、正司照枝ら年配の配役も、あるいは映画館に勤める
爺さんらも、ホノカアに流れる時間や、何もないそこに暮らしている人生、そして観ている私達の
人生を投影させて面白い。物質的に恵まれた生活が幸福なのか、ということに思いを致しても
間違いではない。
人、街、太陽、風、色、草、フラ、音、ホノカアにあるこうした全ての舞台が、レオの人生に
関わって不思議な時間が流れる。だからどうした、というあまり人生訓的な意味は無いでもいいと
思う。ストーリーはあるようでないようで、で良いと思う。観て癒やされれば。映画から吹き出る
スピリチュアルな空気に癒やされれば。
キャステイングも全体に悪くないと思う。

ハワイには何度となく行っているが、ハワイ島は未踏で、是非行きたいと思っている。ホノカア、
必ず訪れるだろう。
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<ストーリー>
ハワイ島の北にある町、ホノカア。世間から忘れられたこの町では、月に虹がかかるとき、願いが
叶うと言われていた。大学生のレオ(岡田将生)は失恋のショックから、逃げるように日本を離れて
この町を訪れる。
そして、ひょんなことから映画館の映写技師として働くことに。彼が初めてこの町にやってきたのは
半年前。見た者に最高の祝福をくれると言われる伝説の“月の虹=ムーンボー”を探して、恋人と一緒に
ハワイ島へ。
だが、“ムーンボー”には出会えず、道に迷って辿り着いた町がホノカアだった。

不思議な魅力に吸い寄せられるように再びやってきたこの町でレオが出会ったのは、風変わりだけど
心優しい人たち。食いしん坊な映画館の女主人エデリ(松坂慶子)。87歳にしてエロ本を欲しがる
日系老人のコイチ(喜味こいし)。いつも変な髪形に仕上げてくれるバーバーのみずえ(正司照枝)。
オーガニックフード店の美しい看板娘マライア(長谷川潤)には、ちょっとした恋心を抱く。そして、
毎晩レオにご飯を作ってくれる、いたずらと料理が大好きな日系のおばあちゃんビー(倍賞千恵子)。
出会い、恋、ごはん、そして別れ。レオが大人になるために必要なものすべてが、ホノカアにはあった。

この映画の詳細はhttp://movie.walkerplus.com/mv37839/こちらまで。


by jazzyoba0083 | 2016-12-21 22:30 | 邦画・旧作 | Comments(0)

●「アラビアのロレンス Lawrence of Arabia (4K Digital Remaster)
1962 イギリス Horizon Pictures. Distributor:Clombia Picturtes. 207min.
監督:デヴィッド・リーン 音楽:モーリス・ジャール 原作:T・E・ロレンス
出演:ピーター・オトゥール、アレック・ギネス、オマー・シャリフ、アンソニー・クイン、アンソニー・クエイル他
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       <1962年度アカデミー賞 作品、監督、撮影、作曲、美術監督・装置、音響、編集賞受賞作品>
<評価:★★★★★★★★★☆>
<感想>

過去に鑑賞済ではあるが、この度NHKBSで4Kリマスター版の放映があったのと、昨今の中東情勢を鑑みる時
混乱の元を作ったといっても過言ではない「イギリスの三枚舌外交」におけるロレンスの立ち位置を確認したかった
ので、インターミッションを挟み2日に分けて観た。★は10個献上したい気分。結局ロレンスの役目というか、
たった二年間ではあったが「アラビアのロレンス」であった時期が、ラストの暗喩では分かりきれない部分が
もどかしい気がした。(一方で余韻があるじゃないか、という気分もある。でもそれは歴史をそこそこ知っている
からじゃないかな)

本作を見るに当たり歴史好きな人は是非、第一次世界大戦前後の「三国協商」とオスマン・トルコ帝国、それにアラブの
関係をおさらいなさると良いと思う。特に、ロレンスの母国が深く関わった「フサイン=マクマホン協定」「サイクス・
ピコ協定」「バルフォア宣言」については、今のイラク・イラン情勢、イスラエル・パレスチナ紛争、クルド問題などの
根っこがこの辺りに深く根ざしているので、そのことを大体理解してみると、俄然面白いと思う。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E6%9E%9A%E8%88%8C%E5%A4%96%E4%BA%A4
<リンクは「三枚舌外交」についてのwikipediaの説明>

また鑑賞後に、読書家、松岡正剛の「千夜一冊」からT・E・ロレンス「知恵の七柱」の章をお読みいただくとまた
味わい深いと思います。http://1000ya.isis.ne.jp/1160.html

さて、本編である。インターミッションを挟む前編は、フレデリック・A・ヤング(「ドクトル・ジバゴも手がける)
とニコラス・ローグの手による、圧倒的な砂漠の光景と(構図といろのなんと美しいこと)モーリス・ジャールの
壮大な音楽に乗せて、ロレンスが、アラビアのロレンスになりつつある所までを描く。息を呑む広大で美しい映画の
シーンは、映画史に残るものだ。そして映画音楽とはどうあるべきか、ということを強く思う。

ロレンスが何故にこんなにアラブに惹かれ、そして軍人として多数あるアラブ民族を糾合し、一大勢力を作ろうと
したのか、それは心からアラブ(という土地)を愛していたから、(イスラーム的なという意味ではない)であろう。
故に、ファイサルに一団となったアラブ勢力を任せると、イギリス影響下の成立を嫌がるファイサルの本音と、
アラブをイギリスの意のままにしたい軍部いや政治家たち、両方から邪魔者となってしまい、自らの深いアラブ愛に
裏切られた形として寂しくアラブを去るのである。
一方、彼のナルシストで、サディストで、ホモセクシャルな(トルコ軍に捕らえられたとき映画でも雰囲気は描か
ている)性癖からの特にトルコ軍への虐殺などの内面的な相克も見事に捉えられている。
彼は190センチに届かんとするピーター・オトゥールとは違い、165センチと短躯でり、幼いときの怪我で
足も若干悪かったようだ。そのことが彼の「孤独を愛する」という性格形成に大きな影響を持ったともいわれ、
バイク事故でなくなる弱冠45歳に至るまで生涯独身を通した。

本作を再見するまで、ロレンスは「イギリスの三枚舌外交」に一枚噛んだ悪役と思っていたが、(今でも
パレスチナ人あたりにはそう思われている。結果論であろうが。)実は、第一次世界大戦前後の帝国主義の
野望の中で結果として利用されてしまった「夢見る人」であったのだなあ、と再認識したのだった。

巨匠デビッド・リーンの手になる本作は映画史に残る永遠の名作であることは間違いはない。
出演者はオトゥールを始め、アレック・ギネス、オマー・シャリフ、アンソニー・クインら歴史に耐えうる
キャスティングであった。
ただ3時間半を超える上映時間において、冒頭、ロレンスの葬儀を終えて出て来る男や、新聞記者が
ラストに近いシークエンスで出てきた男たちだと一回観ただけで分かる人が何人いるだろうか。
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<ストーリー>
1916年、カイロに赴いている英国陸軍のロレンス少尉は、トルコへの反乱に意気込むアラブ民族の現状を
確かめに向かった。そこで彼は反乱軍の非力を痛感し、アラブ種族をまとめ上げてゲリラ戦へ打って出ることに。
やがて、トルコの一大拠点を巡って激闘を展開し、勝利する。そして、再びゲリラ戦の指揮官として新しい
任務を与えられ、トルコ軍を打倒するロレンス。だが、一方でアラブ同士の争いが起こり、彼も尽力むなしく
徐々に孤立していく…。
 
D・リーンの数ある名作の中でも紛れもない最高傑作で、アカデミー賞7部門を受賞。
1914年、第一次大戦中のアラブ。砂漠の利権を狙い侵攻するトルコ軍とアラブ人たちとの激突、大英帝国の
介入と、激動するアラブ社会に突如現れた英国人T・E・ロレンス。ドラマは、砂漠とその民を深く愛し、
しかし英国人であるがために深い挫折に追い込まれていく青年リーダー、ロレンスの苦悩を中心に、砂漠の
一大戦争スペクタクルを展開していく。
ベドウィン族の戦闘部隊が一瞬の内に一村を壊滅させるシーン、疾走する列車を爆破するシーン他、その迫力は
今なお圧倒的で、今日では絶対撮影不可能とまで言われている。
D・リーンが長年こだわり続けている“人間と自然”“西欧文明と異文化の相克”のテーマがここでも徹底して
描かれ、深い感動を呼ぶ。(allcinema)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=1375#1こちらまで。



by jazzyoba0083 | 2016-12-18 22:00 | 洋画=あ行 | Comments(0)

●「ローグ・ワン/スター・ウォーズ ストーリー Rogue One」(IMAX 3D 字幕版)
2016 アメリカ Lucasfilm,Walt DisneyStudios Motion Pictures and more.
監督:ギャレス・エドワーズ
出演:フェリシティ・ジョーンズ、ディエゴ・ルナ、ベン・メンデルソーン、マッツ・ミケルセン、ドニー・イェン他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想:結末まで触れていますからご注意>

絶賛の嵐も飛び交う本作に、あえて棹ささせて頂きます。★は7.5。「スター・ウォーズシリーズ」に
こういう点を付けるとは思わなかった。期待値が大きすぎたのだろうか。
個人的に乗れなかった点
・キャラクターが多すぎで、とっちらかった。多い割にはジンのポジションが不明確。
 そのほかの座頭市や弁慶みたいなキャラも桃太郎かよ!って感じで、「個性的」な
 部分は買うにしても、なんでくっついてきたの?という・・・。突き抜けた魅力に欠ける。
・主だった配役がほとんど初登場なので、説明を要する、というのは分かるにしても、単発的な
 (ローグ・ワン全滅なんで一話完結なんでしょう)ものとしては冗漫で成功しているとは言い難い。
 故に、前半が重くて説明的で、眠くなる。
・結局脚本が弱いんだろうなあ。最後の戦闘シーンやジンらがデータを盗み出すところでも、
 突っ込みたくなる所あり。後半のキモである発電スイッチがあんなところにぽっこりあるかなあ。
・フェリシティ・ジョーンズを含め本作の出演者全員が印象が薄く記憶に残らない。
 後半ちょっと出てくるダースベイダーにみんな持って行かれている。

シリーズ4のすぐ手前の話、いわば3.5的なストーリーで「完成間近の帝国軍デススターの設計図を
反乱同盟のスパイが盗んだ」というのが4のお話の始まりだから、そのスパイの話なのよね、とは皆さん
見る前からもう分かっているわけで、そうなると冒頭のジンと父親の関係を紹介したら、極端な話、宇宙での
戦闘が始まる後半まで飛んじゃってもいいわけだ。でも仲間(ローグ・ワン)がついてきましたよ、という下りを
説明したんだが、エピソード的に弱いから印象に残らないんだな。
誰がどこそこ星にいてどうのこうの、と同じような画面と説明の繰り返しで・・。
それはカタルシスたる後半への我慢のしどころ、と前半を捉えなくては、とする意見があるとすれば
それは違うなあ。この手の映画を見る人に我慢を強いてはいけない。

それでも後半、「お、これは4の戦闘シーンじゃんか!」というあたりから俄然面白くなるし、当時より
CGのレベルは比べるべくもなく上がっていて更に3D、IMAXだから迫力は満点だ。スター・デストロイヤー&
タイファイターとスターファイターとの戦い。反乱軍戦闘機の隊長たち、そしてデススターの司令官、
これってそっくりさん?てな感じ。そして真打ちダースベイダーの登場と。本作で唯一ライトセイバーが
登場するシーンだ。さらに4へと続く決定的なレイア姫の登場。(これは昔の映像をCG加工したんだろうなあ)
でもラストシーンは絶対的アンハッピーエンドなので、これは「スター・ウォーズ的」な終わり方ではないん
じゃないか、ルーカスはこういうのを納得しているのか?と思ってしまった。ディズニーの商業主義に
振り回され始めたのか?なんでも次作の「レジェンドシリーズ」は「ハン・ソロ物語」という噂だ。
ちゃんと、カッコイイ胸ときめく宇宙活劇にして貰いたいものだ。IMDbもrottentomatosも得点高すぎだと
思う。
4を見て復習し、眠い前半を必死にこらえて字幕をしっかり読み、そして爆発する後半戦を楽しむ、という
事が出来るなら、悪い映画ではない。特に3DCGの出来は興奮する(IMAX で見るべし)。
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<ストーリー>
映画史に燦然と輝く金字塔シリーズ「スター・ウォーズ」のアナザー・ストーリーを描く新プロジェクトの
記念すべき第1弾となるSFアドベンチャー大作。
「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」でレイア姫がR2-D2に託した“デス・スター”の設計図は
いかにして反乱軍の手に渡ったのか、というこれまで語られることのなかった物語を、一匹狼のヒロイン、
ジン・アーソをはじめとする新たなキャラクターたちの活躍を通して描き出す。
主演は「博士と彼女のセオリー」のフェリシティ・ジョーンズ、共演にディエゴ・ルナ、ベン・メンデルソーン、
ドニー・イェンほか。監督は「モンスターズ/地球外生命体」「GODZILLA ゴジラ」のギャレス・エドワーズ。

 ダース・ベイダー擁する帝国軍の究極兵器“デス・スター”がついに完成しようとしていた。その圧倒的な
破壊力の前に、銀河全体が恐怖に支配されようとしていた。有名な科学者ゲイレン・アーソを父に持ちながらも、
家族と離れ離れとなり、たった一人で生き抜いてきたタフな女アウトロー、ジン・アーソ。
ある日、彼女は反乱軍の将校キャシアン・アンドーから、父ゲイレンがデス・スターの設計に関わっていた
可能性があると知らされる。そこで真相を突き止めるべく、ならず者ばかりで構成された反乱軍の極秘チーム
“ローグ・ワン”の一員となり、デス・スターの設計図を盗み出すという過酷なミッションに身を投じていく
ジンだったが…。(allcimena)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=356251#1こちらまで。


by jazzyoba0083 | 2016-12-18 12:25 | 洋画=ら~わ行 | Comments(0)

K-19 The Widowmaker

●「K-19 The Widowmaker」
2014 アメリカ・イギリス・ドイツ New Regency Pictures and more.138min.
監督:キャスリン・ビグロー
出演:ハリソン・フォード、リーアム・ニーソン、ピーター・サースガード、クリスチャン・カマルゴ、ピーター・ステッビングス他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

ソ連製原潜にまつわる映像は素晴らしいし、カメラワークも監督のこだわりを感じる。が、ストーリーと
して辻褄が合わないんじゃないか、というか艦長と副長の立場が突然真逆になったりで釈然としなかった。
後に「ハートロッカー」で名を挙げた女流監督ビグロー、コロンビア大学大学院で映画を学んだ才媛っぽい
なかなか硬派な作品に挑戦したが、抑制された重い潜水艦映画となってしまった感が少々する。
ソ連を舞台にした映画であるが、全編英語であるので、ならばとこの際日本語吹き替えで鑑賞。そのほうが
まだ違和感は少ないと思ったからだ。

東西冷戦時代に、祖国に忠誠を尽くし、原発事故に当たって、艦を見捨てるなどとんでもない、と、どこか
精神論重視の大日本帝国軍人を思わせるハリソン・フォード艦長、片や、乗組員と核爆発から世界を守る、という
側面から艦長と対立する人情派リーアム・ニーソン副長。彼らの立場が、乗組員の反乱を機に逆転したように
思えるのだ。
そばにいた警戒中のアメリカの駆逐艦に助けを求めようとする副長が、突然、反乱軍に逮捕され、自分が艦長に
指名された瞬間、艦長を守る立場に付き、反乱チームを鎮圧する。艦長がアメリカ軍に救助を求めようとしたり
そのあたりの一貫性のなさに、鼻白んだわけだ。ソ連で初めて作られたミサイル搭載型原潜の初の軍務において、
乗組員や艦の限界をギリギリまで試そうとする艦長の気持ちは分からない訳ではないが、である。
この物語は事実にもとづいてはいるが、艦内の模様などは相当脚色されているのだろう。
(ひとつ気がついたのだが、新造船というのに内部が相当古ぼけているのは何か理由があるのかな)

それにしても、加圧型原発が冷却水装置の故障からメルトダウンの危険性が出て、それを雨合羽くらいの機能しか
ないものを着けて修理にあたり、ひどい放射線被曝を受ける下りは、フクイチを経験している我々には、正視でき
ないほど痛々しい。原子炉事故を起こしたK-19は味方の潜水艦に曳航されロシアに引き上げるのだが、修理に
当たったクルーは1週間後ほどに全員死亡したという。その他のクルーも相当被爆しただろうが、当然この事実は
秘匿された。
本作には、原潜を追い爆雷を投下する駆逐艦や、雷撃機の襲来もない。ひたすら炉心融解に晒された状態との
戦いが描かれるので、心理的な作品であり、活劇ではない。海の底で繰り広げられる潜水艦映画はこれまでも
沢山作られて来たが、原発と向き合う、という(ソ連が粗悪品を作っているという伏線は冒頭に張られる)地味な
ところに焦点を当てた初めての映画であろう。戦争において、自国民を守る役目の原潜が、クルーどころか
世界中の人たちに厄災をもたらす、という戦争の持つ(軍備の持つ)不条理、人間という愚かな生き物の悲しさ、
という主張(と私は汲んだが)は、ビグロー監督の後の作品「ハートロッカー」や「ゼロ・ダーク・サーティ」に
繋がるもの、と読み取ることが出来た。

重苦しい地味な映画であるが、見応え(上記の辻褄の合わなさを除く)のある作品といえよう。ちなみにこの
K-19は、その後も何回も事故を起こした。それゆえ「未亡人製造機」と呼ばれるのである。
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<ストーリー>
ソ連の原子力潜水艦K-19で1961年に実際に起った放射能事故を基に、「ブルースチール」「ハートブルー」の
キャスリン・ビグローが映画化した骨太のサスペンス。米ソによる核戦争に発展しかねない原潜事故という
最悪のトラブルに命懸けで立ち向かう乗組員たちの姿を緊張感たっぷりに描く。
主演は「エアフォース・ワン」のハリソン・フォード。
 
1961年、米ソ冷戦の最中、ソ連国家首脳部は原子力潜水艦K-19の処女航海の艦長にアレクセイ・
ボストリコフを任命した。副艦長には経験豊富なミハイル・ポレーニンが就き艦は出航。この2人の意見は
しばしば対立するが、K-19は次々にテストを成功させていった。困難なテストを乗り切り乗組員たちは
束の間リラックスする。
しかしその直後、新たな任務の遂行中、艦内の冷却装置のひび割れが判明する。原子炉は過熱し始め、
このままでは炉心の溶融が避けられない。ボストリコフはじめ乗組員は、大惨事をくい止めるべくひとつの
決断を下すのだった。(allcinema)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=239589こちらまで。


by jazzyoba0083 | 2016-12-15 22:10 | 洋画=か行 | Comments(0)

オートマタ Autómata

●「オートマタ Autómata」
2014 ブルガリア/アメリカ/スペイン/カナダ Green Moon,Nu Boyana Viburno.110min.
監督・(共同)脚本:ガヴェ・イバニェス
出演:アントニオ・バンデラス、ディラン・マクダーモット、メラニー・グリフィス、ビアギッテ・ヨート・ソレンセン他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

WOWOWではこの所、宇宙モノ、SFモノを多く放映していて、このジャンルのファンである私にはとても
嬉しいことだ。先日のカーペンター監督「ダーク・スター」、キューブリック「2001年宇宙の旅」そして、本作。
更に「スター・ウォーズ」シリーズ全作一挙放送などなど。
で、最近のAIものが語られる時、必ずといっていいほど話題に上がるのが、この「オートマタ」である。
「オートマタ」とは12世紀から19世紀に欧州で作られた、いわゆる「西洋からくり人形」のことであり、
本作ではその2044年版ということからの命名であろう。当節、当然、からくり人形もAIであるが。

作品ではドロイドに対しては、太陽風の影響で世界の人工が2100万人まで減ってしまい、労働力の減少に
対応するためAI型ロボットが作られる。彼らには2つのプロトコルが変更不可の機能として備わっていて
①「生物への危害を禁ず」②「自らを修理改造してはならない」というもの。

しかし、②のプロトコルが破られ、自ら修理(つまり人間に近い理性を獲得)し仲間を助けるロボットが
登場、製造企業であるROC社の保険担当バンデラスが調査に乗り出すと、そこには恐るべき事態が・・・。
という大きな流れである。

この手の映画はこれまでも沢山作られてきた。その大枠のストーリーから大きくはみ出てないところ(クリシェ)
が本作の足らないところというか不満なところだ。地球が荒廃(原因はいろいろ)した未来、人工知能を備えた
ドロイドと人間の交流や相克、人間の身勝手、自立し始めるドロイドへの言い知れぬ恐怖、などだ。これらを通して
語られることは、畢竟、人間とは何か、どうあるべきかという自らへの問いである。本作中でも人間が核実験をして
住めないエリアになった地区が出てきたり、ドロイドを製作するにあたり「人間がコントロールできないものは
作ってはいけないのだ」というセリフなどは、まさにフクイチの悲劇に繋がるものと言えよう。

一方、この映画の良いところは、ロボットと人間の関係が非情に抑制的であり内省的であり、宗教的でさえある
点である。そしていろんなシーンに寓意が隠されている。(特にラストのロボットのマスクが砂漠に埋まった
状態で女性型ロボットとロボットが創造した虫型ロボッが去るところ)
「お母さん、ということを理解できるか」。人間は子孫を増やすことが出来る。ロボットはプロトコルで
それを禁じられている。なのに人間は殺し合う。片や人間は破壊的なダメージには修理は出来ない、しかし
ロボットはそれが出来る。医学や遺伝子学の進歩で、人間も将来ドロイド的になっていくのだろうか、その時、
純粋なマシンと倫理的に生物的人間であるものたちはどう折り合って行くべきだろうか。テーマは大きいので
今後もこの手の映画は作られて行くのであろう。ラストが衝撃的だったブロムカンプの「チャッピー」を想起した。

この映画に出てくるロボットたちは、全て「寂しい」。これは将来の人間そのものの投影ではないだろうか。
rottentomatosの評価は酷にすぎると思う。なかなか考えさせる良作、と言える。
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<ストーリー>

“オートマタ”と呼ばれる人型ロボットが人間社会に定着した近未来の地球を舞台に、改造され進化を遂げる
オートマタと、改造の首謀者を追う男の戦いを描く、アントニオ・バンデラス主演のSFサスペンス。
監督を務めるのは、CGアニメーター出身で初長編監督作『シャッター ラビリンス』で話題となった
スペイン人のガベ・イバニェス。

2044年、太陽風の増加により砂漠化が進んだ地球。人類が存亡の危機を迎える中、「生命体に危害を加えては
いけない」「ロボット自身で、修理・修繕をしてはけない」という二つの制御機能が組み込まれた人工知能搭載
ロボット“オートマタ”が共存していた。彼らは、人間に代わる労働力として砂漠化を防ぐための巨大防御壁の建設や、
機械式の雲を作っていたのであった。

そんなある日、オートマタを製造・管理するハイテク企業に務める調査員ジャック(アントニオ・バンデラス)は、
絶対に変更不可能とされていた制御機能が破られた改造ロボットの存在を知る。やがてロボットの心が覚醒し、
その一方で人間のモラルが崩壊。地球は人工知能の時代が始まろうとしていた……。(Movie Walker)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=355004#1こちらまで。


by jazzyoba0083 | 2016-12-12 23:20 | 洋画=あ行 | Comments(0)

ダーク・スター Dark Star

●「ダーク・スター Dark Star」
1974 アメリカ Bryanstone Pictures and more.83min.
監督・製作・音楽・(共同)脚本:ジョン・カーペンター
出演:ブライアン・ナレル、ドレ・ビハッチ、カニ・カニホルム、ダン・オバノン、ジョー・サウンダース
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

味わいと癖のあるカルト向きの映画を作り、ファンも多いジョン・カーペンターの諸作の中でも、名前の
知れた作品である。宇宙モノが好きな私だが、彼の作品は「遊星からの物体X」「スターマン・・」は
観ているが、本作は彼のそうした宇宙モノの原点となるデビュー作。大学時代に製作したもののリメイクだ
そうで、低予算でたしかにチープであるが、AI機能を持った爆弾との会話、などなどシュールな部分と
「8時だヨ!全員集合」真っ青なギャグがないまぜとなった独特の味わい、個人的に好きである。
1968「2001年宇宙の旅」1977「スターウォーズ」(第四部)とは比べるものの種類ではないと思う。

地球軌道に害を及ぼす不安定衛星を高性能の爆弾を持ってパトロールし、発見しては爆破して地球を守る、
という至高な任務を遂行している割には基地からはないがしろにされ、クルーもゆるゆるグズグズである。
ビーチボールで作ったのがまるわかりのエイリアンとの追いかけっこ、エレベーターの底にぶら下がって
のトラブル、タメ口でかつ人を小馬鹿にしたような女声のメインコンピュータ。これらはギャグなんだろう。
地球を遠く離れ郷愁を感じている乗組員たちの精神状態を表しているようだ。
 
一方で、指令を受けて爆発しようとするAI型爆弾を、なんとか説得(機会を相手に論理や哲学論を吹っかける!)
して納得させるところとか、結局その爆弾が哲学に目覚め自爆をするという結末。さらに生き残った飛行士が
破片でサーフィンをして星を目指すという・・・そのバックにはカーペンターオリジナルのなんとも味わい深い
「ベンソン・アリゾナ」が流れる・・・。

まともな宇宙モノファンが観たら激怒というか呆れるような作りだし、宇宙にいるという物理的なお約束事が
かなり無視されているから、突っ込もうとすれば簡単である。B級おバカスペース喜劇とは割り切れない味わいを
感じる。通受けするけど一般受けしないというような映画かなあ。26歳カーペンターの若さが爆発した
「シュールで哲学的」(アプローチの方法にこそ味わい有り)な映画。ただ、エイリアンとの追っかけっこと
エレベーター宙ぶらりん事件はシークエンスが長すぎ。好きな人にはたまらない、そうでない人は途中で挫折する
事間違い無し!(笑)だいたい、宇宙船の名前に「ダーク・スター」なんて縁起の悪い名前を付けるはずもなくww
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<ストーリー>
21世紀半ば。人類は、銀河系を越え、新天地を求めていた。その役目を担った光速航行の探査船ダーク・スター号は、
そのすぐれたコンピューター統括により、邪魔になる不安定惑星を爆破し続けていた。
乗つているのはドゥーリトル(ブライアン・ナレル)、タルビイ(ドレ・パヒッチ)、ピンバック(ダン・オバノン)
それにボイラー(カル・ニホルム)の4人だ。

しかし、小惑星群の嵐に遭遇し、レーザーに異常が起こった。この事態に気がついた者はいない。そして爆破作業の
途中で、事件が起きた。20号爆弾が指令を無視して動き始めたのだ。20号はレーザーの故障で船体から離脱できない
状態なのだ。隊員の1人が探査船の底に外から回り、爆発に備える20号に説得する。1度出された命令を徹回する
ことはできない、とはじめは言うことをきかない20号もやっと思いとどまった。

しかし、これが2度、3度と繰り返され、遂に20号は爆破を決行することにする。タルバイは、以前から信じている、
いずれ蘇るといわれるフェニックス星をめざし、ダーク・スターから離れ、ドゥーリトルは、サーフボードのような
鉄きれをつかんでフワフワと浮遊し、他の2人は爆破と共に塵と化するのだった。(Movie Walker)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=13390#1こちらまで。




by jazzyoba0083 | 2016-12-08 22:40 | 洋画=た行 | Comments(0)