マリアンヌ Allied

●「マリアンヌ Allied」
2016 アメリカ GK Films,Paramount Pictures and more.124min.
監督・(共同)製作:ロバート・ゼメキス
出演:ブラッド・ピット、マリオン・コティヤール、ジャレッド・ハリス、サイモン・マクバーニー、リジー・キャプラン他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

ゼメキスファンとして、正直な感想を言えば、「ゼメキスらしく、もうひとヒネリ、ふたヒネリ欲しかった!」。
大きなスケールの悲恋モノで、結末もハッピーエンドではない。それはいいとしても、筋書きがちょっと
単調で、ラストも想像できてしまう。あの「フォレスト・ガンプ/一期一会」「キャスト・アウェイ」
もっと言えば「バックトゥーザフューチャー」のゼメキスだから、期待も大きかったのだ。良い配役も得て
いるのになあ。特にマリオンの演技は、そりゃあ確かなものだ。ああいうシチュエーションで揺れる感情を
表現するのは難しいと思うのだ。彼女は演技派だなあと確認した。そこは良かった。ブラピは普通だ。

あと良い点を上げると、オスカーの衣装デザイン賞のノミニーにもなっている美術全般の仕上がりの良さ。
衣装・化粧から小道具、ロケーション美術、飛行機などの大道具と関連したCG、どれも一級品で
素晴らしかった。そのあたりはゼメキスの作品はこれまでも抜かりが無かった。結局、脚本が弱いんだろう。
映画は「カサブランカ」編と「ロンドン」編と大きく2つに別れる。激しいドンパチはカサブランカ編のみで
(空襲を除く)あとの銃声は、ラストに悲劇的に響くもののみだ。故にロンドン編は行き詰まる心理劇となる。

上官から「お前の妻はドイツのスパイだ。証拠も有る」と言われちゃ、普通じゃいられません。ダメだと
言われても、いろいろと検証してみたくなる気持ちも分かるというもの。そして、本当の姿を知った時の
夫(ブラピ)の行動も、そういうふうになるわなあ、というもの。そして悲劇のラスト。
日本のドラマや映画もそうだけど、急いで逃げたい時に限り、クルマや飛行機のエンジンはかからないものだ。
 
       <ここから先は結末まで触れていますので、ご注意ください>

ブラピ演じるマックス・バタンはカナダ軍から派遣されたイギリス軍特殊作戦執行部の中佐。(結構エラい)
彼はパラシュートでモロッコに入り、カサブランカで「スズメバチの柄のドレスの女がお前の妻となる」
との指示で、マリオン演じるフランス人レジスタンス、マリアンヌ・ボーセジュールという女性と合流、
夫婦を装い、現地での信頼を獲得したのち、在モロッコドイツ大使と大使館付武官を一気に射殺するという
作戦に臨む。
作戦は成功し、2人は同じミッションを成し遂げたこともあり、急速に接近。ホントに結婚することに
なる。そして内勤となったマックスはロンドンに帰り、穏やかな日々を送ることになる。しかし、
ある日、上官から「お前の妻はドイツのスパイだ。マリアンヌ・ボーセジュールは既に死んでいる。
他人になりすましているのだ。正体が明らかになれば、お前が殺せ」と言われる。
明日、ニセの暗号をお前に電話するから、メモをしておけ、それがドイツに筒抜けになるのか
分かるようになっているから、そうなれば殺せ、お前も一枚噛んでいれば、「大逆罪」で死刑だぞ、と
宣告される。こえー!
その頃、夫妻には空襲下で生まれた女児がいた。

「え、マリアンヌがスパイ!?そんなことはありえない」とバタンは妻の写真を持って、彼女を
知っていると言われる兵士やレジスタンスに会いに出かける。そこで知った事実でバタン本人が
まだ知らなかったのは、マリアンヌが上手くピアノを弾いた、ということだ、しかも「ラ・マルセイエーズ」を。
揺れ動く心を押さえてバタンは彼女をパブに連れていき、ピアノの前に座らせ、「ラ・マルセイエーズ」を
弾いてくれ、と迫るのだった・・・。彼女の口から出た答えは・・・・。

他人の名前とはいえ、ボーセジュールとは。フランス語で書くとBeau ces jours と聞こえる。
(ホントは違う綴だけど)和訳すると、美しいこれらの日々、というほどの意味だが、マリアンヌの
魂の声のように思えた。彼女がロンドンで過ごした夫と娘を愛した日々に偽りは無かった、という
ことだ。(スパイはしちゃったけど)

冒頭でも書いたように、「ケレンの神様」のようなゼメキスにしてみると、非常にストレートな作劇で
いい映画なんだけど、あれえ、という感が無きにしもあらずなのだ。妻の疑惑がもう一段濃く提示される
ようなシークエンスが入らなかっただろうか。ちなみに原作の「Allied」(アライド)は、連合した、
同様の、などの意味をもつ割りと味も素っ気もないもの。

<IMDb=★7.1>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:61% Audience Score:67%>
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<ストーリー>
「フライト」「ザ・ウォーク」のロバート・ゼメキス監督がブラッド・ピットとマリオン・コティヤールを
主演に迎えて贈る歴史サスペンス・ラブストーリー。
第二次大戦下のカサブランカとロンドンを舞台に、ナチス・ドイツとの戦いで極秘任務を負い偽装夫婦の
相手として出会った一組の男女が、時代に翻弄されながら繰り広げる切なくもミステリアスな愛の行方を
サスペンスフルかつエレガントに綴る。
 
1942年。モロッコのカサブランカに降り立ったカナダの諜報員マックス。イギリスの特殊作戦執行部に
所属する彼は、極秘任務を与えられ、ナイトクラブで偽装妻と落ち合う。彼女はフランス軍の伝説的女性
レジスタンス、マリアンヌ。2人は夫婦を装い、ドイツ大使の暗殺という過酷な任務に挑む。
その中で図らずも互いに心惹かれていくマックスとマリアンヌ。その後2人はロンドンで結婚し、可愛い娘
にも恵まれ、幸せな結婚生活を送るのだったが…。(allcinema)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=358099#1こちらまで。





by jazzyoba0083 | 2017-02-12 12:25 | 洋画=ま行 | Comments(0)

●「マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章 The Second Best Exotic Marigold Hotel」
2015 イギリス Babieka,Blueprint Pictures.122min.
監督・(共同)製作、原案:ジョン・マッデン
出演:ジュディ・デンチ、マギー・スミス、ビル・ナイ、デヴ・パテル、ペネロープ・ウィルトン、セリア・イムリー
   ロナルド・ピックアップ、ティナ・デサイ、ダイアナ・ハードキャッスル、リチャード・ギア他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
たいそう面白かった作品の続編。いわゆるグランドホテル形式で、インドはジャイプルに開業した
マリーゴールドホテルは、ワケアリの熟年者たちが住んでいるように使っていて、他の部屋の埋まりも
良く繁盛していた。初作は青年の熱意と熟年者の知恵で、古いけどエキゾチックなホテルが開業する
までを描いた。続編冒頭はアメリカはサン・ディエゴ、ホテル業界の大物に、マリーゴールドホテルの
第二号店を出さないか、というオファーを、経営主任たるリュミエル(マギー・スミス)と若きオーナー
ソニー・カプール(デヴ・パテル)が、申し出にやってきたのだ。大物バーレイは、後日調査員を
派遣し、事の次第を判断する、ということになった。

さて、覆面調査員としてホテルにやってくる男は誰か?そんな折に、予約無しでぶらりとホテルに
現れたのは、いかにもの風体のガイ・チェンバース(ギア)という男があらわれた。
ソニーはバーレイが言っていた男(ガイ)の謎掛けで、彼こそ調査員と思い込み、まさにいい部屋に
チェックインしようとしていた女性の部屋を取り上げ、彼を厚遇するのだった。苦々しくそれを
見ていたフロントに勤める彼の婚約者スナイナと、リュミエルであった。

ソニーの母(リレット・デュベイ)と惹かれ合っていくガイは、本当に調査員なのか?そうこうして
いるうちに第二のマリーゴールドホテルとして買収をもくろんでいたホテルを、ソニーが恋敵と勝手に
思い込んでしまったクシャルに先を越されて買われてしまう。結婚式を間近に控えたソニーとスナイナの
間がギクシャクしてくる。さて、こんな状態で二号館をオープンできるのか?というお話を
縦軸に、ご老人5組の愛憎の行方を横軸に、大団円に向けて話が進む。ご老人それぞれのエピソードも
上手いこと纏められ、ソニーの母とガイの恋の行方も気になりつつ、ソニーとスナイナはすった
もんだで、ラスト、結婚式のシーンではインド式の大ダンス大会。そしてそれぞれに落ち着いた
カップルが各々のスクーターにタンデムで乗り・・・・。

イギリス式のウィットに富んだ会話に、ご老人独特の辛辣さが加味され、粋な会話のキャッチボールが
楽しい。それぞれ人生を重ね、豊かな知見に裏付けられた会話は含蓄に富んでいて、メモしたくなる。
「自分を惨めだ、と思う人生こそ残念だ」というのが個人的に気に入った。若い人には辛気臭いドラマ
かもしれないが、その豊かな経験こそ映画を通して味わうとよい。またイギリスの名優たちの演技がお話を
サポートする。前作に続き、人間を描かせたら逸品のジョン・マッデンの演出も冴えている。

本作中ではまさに買収に失敗し、調査員を取り間違え他の客に迷惑をかけ、婚約者とこじれる若き
オーナーのソニーが、若者のコトバは悪いが「浅はかさ」を代表している。しかし、若い人は
若いなりの解決をし、ご老人はご老人なりの解決を図っていく。勢いは当然若い人にあるわけで。
そのあたりの心の揺れ動きをジュディ・デンチ扮するイヴリンが上手いこと演じている。仕事も恋も
遅すぎる、ということはないのだ、ということを。ラストに近く、「Strangers in the Night」に乗せて
円熟の人々が踊るシーンがあるのだが、まさにホテルに来るまでは見知らぬ同士が、心を許し合って
ダンスをする、う~ん、いいシーンだった。

前作に続き、心温まり、愉快痛快な、含蓄に富んだ良作に出来上がった。

<IMDb=★6.6
<Rotten Tomatoes:Tomatometer=63% Audience Score=59%>
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<ストーリー>
インドの自称“高級リゾート・ホテル”で第二の人生を送ろうとイギリスからやって来た高齢者たちが
繰り広げる悲喜こもごもの人生模様を描き世界的にヒットした群像コメディ・ドラマ「マリーゴールド・
ホテルで会いましょう」の続編。
出演はジュディ・デンチ、マギー・スミス、ビル・ナイ、デヴ・パテルら前作からの続投組に加え、
リチャード・ギアが新たに参加。監督は引き続き「恋におちたシェイクスピア」「コレリ大尉の
マンドリン」のジョン・マッデン。

 インドのマリーゴールド・ホテルに長期滞在するイヴリンたちイギリス人の男女5人。最初は
不満タラタラだったが、今ではこのボロホテルに愛着すら感じていた。おかげでマリーゴールド・ホテルは
今や常時満室状態。恋人スナイナとの結婚を控え、すっかり順風満帆の若きオーナー、ソニーは、
さっそく事業の拡大に乗り出す。そして宿泊客から共同マネージャーに転身したミュリエルとともに
渡米し、新館オープンの資金獲得のために投資会社へと乗り込んでいく。

一方滞在客のイヴリンも、現地で始めた仕事が本採用になり充実した日々を送っていた。しかし、互いに
好意を寄せ合っているダグラスとの関係はなかなか進展しないまま。そんな中、ソニーが帰国して間もなく、
予約なしの客が現われる。彼を投資会社が送り込んできた覆面調査員だと睨み、丁重にもてなすソニー
だったが…。(allcinema)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=353844#1こちらまで。

by jazzyoba0083 | 2017-02-11 23:20 | 洋画=ま行 | Comments(0)

●「5時から7時までの恋人カンケイ 5 to 7」
2015 アメリカ Demarest Films,Mockingbird Pictures.97min.
監督・脚本:ヴィクター・レヴィン
出演:アントン・イェルチン、ベレニス・マーロウ、オリヴィア・サールビー、ランベール・ウィルソン他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
WOWOWの「W座」で放映された、日本劇場未公開作品。個人的には大いに「めっけもん」の作品だった。
★は7.5だが、今は亡きアントン・イェルチンに半星を捧げ8とした。
大体、邦題が全然ダメ。まるでラブコメの風情じゃないか。DVDのパッケージデザインもまるでダメ。
本来この作品が持つビターなラブストーリーを表しておらず、売らんかなのゲスな下心丸見えだ。
ラブコメを期待して買ったり見たりした人を裏切る行為でもある。

いちゃもんはこのくらいにして、本題。不思議な不倫関係を続ける2人の話なのだが、あまり期待しないで
見始めたのだが、次第に観ていて心地よさを感じてきた。俳優、NYという舞台、物語の設定、音楽、
ワンカット長回しの映像、もちろんオリジナル脚本を書いたレヴィンの力量も相俟って、実に味わいのある
作品になっている。
作品の中で、主人公の男女、また主人公の両親、友人などなどの会話が実にウィットとユーモアに富んでいて
アメリカの映画だなあ、と感じさせる心地よさもある。脇にベテラン名優を配したのも奏功した。
ただ、出て来る人がみんな基本セレブ、というのが気に入らないけど。また、NYでの男女の劇的な一目惚れ、
これも本来ありえないと思う。が、そんなことを言っていたらラブストーリーは始まらない。

主人公のなかなか芽の出ない作家ブライアンを演じたアントン・イェルチン、彼と5時から7時までの不倫
関係を結ぶ既婚のフランス人アリエルのベレニス・マーロウ、両者とも不思議な魅力を放っている。特に
ベレニスは映画に多く出ておらず、私には馴染みがないが、独特の存在感を持った女優さんだな、と感じた。
ただ、スタイルについていうと、映画の中ではウエストの位置が低く、胴長足太に見えて、それにヒールの
低い靴を履くので(アントンとの身長差をカバーするものだと思うけど)えらく見栄えが悪い。本来骨太の
体格なので、スタイリストのミスかもしれない。
昨年不幸な自動車事故で若くして亡くなってしまったイェルチンであるが、彼の幸せ薄そうな存在感も
見逃せない。監督はこうした2人を上手く使い、加えて、ブライアン(イェルチン)の両親にベテラン、
オスカーノミニーのフランク・ランジェラと、こちらも6度の主演女優賞ノミニーであるグレン・クローズを
配し、不倫とは対極にある夫婦像を描いていて巧みである。
また、ブライアンの不倫相手アリエルの夫の愛人であり(ややこしいな)雑誌編集者として彼の力になる
25歳の女性ジェーンに伸び盛りのオリヴィア・サールビーを置く、という全体のキャスティングは見事だ。

短い時間にメインストリームの話と回りのエピソードを上手く回収し、ラストは実に胸が苦しくなる切ない
ものとなっている。このラストシーン、イェルチンがもういない、と思ってみると、涙が出るほど切ない。
これはホントにいい映画に出会った、と感じた。
蛇足だが、「W座」のエピローグの中で濱田岳も指摘していたことだが、ブライアンがアリエルの夫から
手切れ金?として貰った25万ドルはどうしたんだろう?それと、一旦は離婚したはずのアリエルと夫が
ラストでまた復縁したようなんだが、そのあたりは観た人の想像に任されている。

<IMDb :★7.1>
<Rotten Tomatoes:Tomatometer 72% Audience score 71%>
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<ストーリー>
ニューヨークを舞台に、自由奔放な人妻パリジェンヌと真面目なアメリカ人青年の恋の行方を描いた大人の
ラブストーリー。ニューヨークで暮らす作家志望の青年ブライアンは、街角で煙草を吸っていたフランス人
女性アリエルに一目ぼれし、声をかける。2人はすぐに意気投合するが、実はアリエルは2人の子どもを持つ
人妻だった。アリエルから「5時から7時の不倫関係」を提案されたブライアンは、戸惑いながらも彼女と
付き合いはじめるが……。
「いとしい人」「アイドルとデートする方法」などの脚本家ビクター・レビンが長編初メガホンをとり、
2016年6月に急逝したアントン・イェルチンがブライアン役、「007 スカイフォール」のベレニス・マーロウが
アリエル役をそれぞれ演じた。(映画.com)

※補足しておくと、ブライアンは年上の人妻アリエルをホントに愛してしまい、やっと獲った雑誌ニューヨーカーの
新人賞作品の出版バンス6000ドルで指輪を買い、正面からプロポーズする。アリエルも、流れで結婚した初めての
男である夫にはないトキメキをブライアンに感じていて、2時間だけの関係よりも深く愛するようになっては
いたが、2人の子供がいることが大きなブレーキとなり、ブライアンと一緒になる道は選ばなかった。
だが、夫とは離婚した。ブライアンは深い悲しみの中に突き落とされるが、その悲しみを小説を書くエネルギーに
変えて、アリエルとの関係を題材にした小説を書き上げ出版にこぎつける。

そして時間が経ち、彼も結婚し、(編集者のジェーンと結婚するかと思ったらさにあらず)子供が出来た。
別れから3~4年経ったであろうある日、思い出のグッゲンハイム美術館の前を妻とベビーカーにのせた
赤ちゃんとで通り過ぎようとすると、アリエルが一家と共に美術館から出てきたのだった。あいさつを交わす
アリエルとブライアン。さり気なくブライアンに見せたアリエルの右手薬指には、ブライアンがプロポーズで
くれたものの一度は返した(ブライアンがいつも密会に使うホテルのドアマンに預けておいた)ディオールの
指輪が光っていた・・・・。視線を交わしながら、再び別の道を歩いて去る2人だった・・・。

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=358908こちらまで。





by jazzyoba0083 | 2017-02-09 22:45 | 洋画=か行 | Comments(0)

●「パッチ・オブ・フォグ ー偽りの友人ー A Patch of Fog」
2015 イギリス The Fyzz Facility Film Three and more. 93min.
監督:マイケル・レノックス
出演:スティーヴン・グレアム、コンリース・ヒル、ララ・パルヴァー、アーシャ・アリ他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
日本劇場未公開。WOWOWにて鑑賞。短めのサイコ・サスペンス。★は6.5。手堅くまとめて
あったが、仕掛けが古くて最期のオチは想像出来てしまった。作品「一面の霧」の作者に関する
秘密には新鮮さがあった。ほとんど主人公の大学教授にして作家のサンディと、彼の万引きを
目撃し、ストーカーとなった警備員ロバートの心理劇といえる。

潰れたコインや、授業で使うビデオのし掛けなど、短い時間にガジェットを上手く配置した作劇は
なかなか魅せた。ただ、一番表現しなければならない警備員ロバートの心の塩梅をもう少し加えて
欲しかった。防犯カメラで万引きを目撃し、それをネタに関係を迫るはロバートの常套手段なのだが、
なぜ、サンディだったのか。

半年も前から彼の万引きを目撃して録画し、彼がテレビにも出る高名な作家だということを分かっていて
「友人になろう」と迫ったわけだが、高名な作家と付き合うことが彼にとって何なのか。そこのあたりが
今ひとつピンと来なかった。
警備員ロバートの孤独なのか。孤独が産んだサイコパスということなのか。悲劇的なラストはまさに
2人は似たり寄ったり、ということなのだな、と個人的には理解したのだった。生涯でたった一冊書いた
「一面の霧」という本が持つ大きな秘密を引きずったサンディもまた孤独だったに違いない。
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<ストーリー>

セレブである大学教授の万引を見つけた警備員は、ストーカーとなって教授に付きまとい始めるが……。
イギリス産のショッキングなスリラー。WOWOWの放送が日本初公開。

25年前、25歳だったころに書いた小説「一面の霧」がベストセラーになり、現在はTV番組に出演しながら
大学教授をしている有名人サンディは、番組で司会を務めるシングルマザーのルーシーと付き合っている。
だがサンディには万引癖があり、彼はあるスーパーマーケットで万引をするが、警備員ロバートは彼が
万引している光景を撮影した防犯カメラの映像を保存していると言い、サンディに自分の友人になるよう
脅し始めて……。
(WOWOW)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=358912こちらまで。

by jazzyoba0083 | 2017-02-08 14:45 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声 Boychoir」
2014 アメリカ Informant Films,Informant Media.103min.
監督:フランソワ・ジラール
出演:ギャレット・ウェアリング、ダスティン・ホフマン、キャシー・ベイツ、エディ・イザード他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
★は6.5。決して悪い映画ではなのだが、展開がどうもありきたりすぎて。ただ、少年合唱団の
透き通った天使の歌声は堪能できた。アメリカに国立少年合唱団というものがあったとは
寡聞にして知らなかった。少年合唱団といえば、「ウィーン」が超有名である。

心根は優しいのだが、私生児として不幸な生い立ちをしたステット少年が、母が交通事故で
亡くなったことをきっかけに校長の勧めもあり、少年合唱団に入り、その天性のボーイ・ソプラノで
いろいろと苦労はあったが、ソロを任されるまでに成長する、というお話。
その指導に当たるのがダスティン・ホフマン。「ウィップラッシュ」の鬼コーチを思い出した。
あれほど性格破綻じゃないけど、生い立ちも似ている。

さて、全国でも有名なコーラス隊を抱える学校に来たはいいけど、正式な音楽教育など受けて
おらず、楽譜すら読めない。ただそのボーイ・ソプラノは、いち早く指導の先生が気づくほど
圧倒的だった。ただ、ステットは素行が悪く、その点先生方も苦労していた。
しかしステット少年は、楽譜をルームメイトに学び、聖歌を歌う歓びに目覚め、懸命に
練習する。そしてその実力は、団の中でも頭角を現していく。

お決まりとして、寄宿舎の中のイジメや、ソロを争う少年から大事なコンサートで楽譜を
隠されたり、暴力事件を起こしてしまったり・・・。
彼は私生児であるが、父親は富豪らしい。実力が出てきて注目され始めると、今の家族にも
ひた隠しにしていた私生児ステットの存在がバレてしまうので、スイスの寄宿学校に転校させ
ようとする。指導官カーヴェル先生(ホフマン)は、「残れ」と主張する。

そして、ニューヨークの教会でクリスマスにメサイアを歌うという名誉あるチャンスが巡ってくる。
ソロを取るのはもちろんステット。父も見学に来ていた。
ソロでハイDという超高い声を美しく出せるのはスティットだった。。
間もなく、ステットに声変わりが訪れる。彼の実力を見出した先生の一人は「ボーイ・ソプラノは
神様がほんのいっとき与えてくださる声だ。アルトで残る道もあるよ」と残留も出来ることを
言うが、スティットは、今の妻に真実を打ち明けた父と、ニューヨークの学校に転校していった
のだった。

天使の歌声を堪能する映画ではあるのだが、ステットという少年が、クアイアーの魅力に
周囲の理解もあって目覚めていき、さまざまな苦難を乗り越えて、その実力の頂点に上り詰める
ことが出来る、という、短い時間に山場の置き所も上手く、よくまとめられたお話だと思う。
大向うを唸らせるようなものではないが、ホノボノと見ることが出来る。
それにしても、アメリカ国立少年合唱団というのがあるのを初めて教えてくれたという点でも
見っけもんの映画であった。
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<ストーリー>
 問題児だった少年が、ひとつの出会いをきっかけに、“ボーイ・ソプラノ”としての才能を開花させ、
自らの運命を切り開いていく姿を描いた感動ドラマ。
出演は主人公の少年役にオーディションで選ばれた新人ギャレット・ウェアリング、その人生の師となる
厳格な教師役に名優ダスティン・ホフマン。
監督は「レッド・バイオリン」「シルク」のフランソワ・ジラール。

 12歳の少年ステットは、母親との2人暮らし。複雑な家庭環境のせいで心が荒み、学校では
トラブルばかりを起こす問題児。せっかく彼の才能を高く買う校長が国立少年合唱団のオーディションの
場を手配してくれたのに、それをドタキャンしてしまう。
そんなステットのもとに、母の事故死の知らせが届く。葬儀の場で初めて顔を合わせた裕福な父親は
彼を引き取ることを拒否し、代わりに多額の寄付金を用意して、国立少年合唱団の付属学校に転入させる。
そこでステットを待っていたのは、クラスメイトからのいじめと、厳格で知られるベテラン教師
カーヴェルの厳しい指導だったが…。(allcinema)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=353142こちらまで。



by jazzyoba0083 | 2017-02-06 21:40 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「マグニフィセント・セブン The Magnificent Seven」
2016 アメリカ MGM,Columbia Pictures.133min.
監督:アントワーン・フークア
出演:デンゼル・ワシントン、クリス・ブラット、イーサン・ホーク、ヴィンセント・ドノフリオ、
   イ・ビョンホン、マヌエル・ガルシア=ルルフォ、マーティン・センスマイヤー、ヘイリー・ベネット
   ピーター・サースガード他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
よく出来た活劇である。黒澤「七人の侍」、これにインスパイアされた「荒野の七人」の
リメイク作品で、アメリカ人(でなくても)が大好きな、勧善懲悪西部劇だ。
ありがちなストーリーでは有るけれど、登場人物それぞれにまつわるエピソードやキャラ付けも
上手く、(下手に作ると黒澤明やジョン・スタージェスに失礼だろう)質の良い西部劇に仕上がった。
エンディングロールの音楽は「お!」と思う仕掛けがある。

現在のトランプ大統領時代に見ると、作品の構図が一段と際立つ。村を守る7人は、黒人、インディアン、
東洋人、アイルランド系、メキシカンなど、アメリカが成立してきた過程の人種の集まりである。
片や、ラスボスは金採掘で悪どく儲け、村の土地を奪おうとする成り上がりの白人資本家。まるで
トランプだ。
見どころはもちろん、7人が村人と組んで、悪人どもと一大決戦をし、死者けが人も多数でるが、最後は
勝利するというところ。7人の内4人も命を落とす結末だ。その悲劇性が物語を一層劇的に仕上げる。
村人組は悪人側のガトリング銃(機関銃)の登場で、被害甚大となるのだが、これの粉砕に臨む
ファラデー(クリス・プラット)の仕掛けに快哉を叫ぶ。もちろん全員が銃の名手なのでガンファイトは
見応え充分だ。なかでもグッドナイト・ロビショー(イーサン・ホーク)はワケアリのスナイパーで
またその活躍も見どころ。彼とコンビを組む謎の東洋人ビリー(イ・ビョンホン)はナイフの名手だ。

悪党らに旦那を殺され、正義と復習のためサム・チザム(デンゼル・ワシントン)に助けを求める女性
エマのヘイリー・ベネットが儚げなのだが芯が強い女性を演じて、一服の清涼剤的存在。
彼女まだ29歳なんだね。もっと大人にみえた。

監督のアントン・フークアとデンゼルは「トレーニング・デイ」「イコライザー」でコンビを組んでいた。
また個人的にはこの監督の「ザ・シューター/極大射程」が大好きだ。全般に活劇の作劇が上手い人。
本作においても伏線の回収も含め手堅く上手く纏めてある。デンゼル・ワシントンの秘密がラストで
明かされるが、まあ、こうだろうなあ、という納得の展開だ。
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<ストーリー>
黒澤明監督による不朽の名作「七人の侍」を西部劇に翻案した「荒野の七人」をデンゼル・ワシントン、
クリス・プラット、イーサン・ホークら豪華キャストでリメイクした西部劇アクション。
監督は「トレーニング デイ」「イコライザー」のアントワーン・フークア。
 
開拓時代の小さな田舎町。そこでは冷酷な悪徳実業家バーソロミュー・ボーグが町の資源を独占しようと
荒くれ者たちを従え、傍若無人の限りを尽くしていた。ある日、ボーグに夫を殺されたエマは、サムと
名乗る賞金稼ぎの銃の腕前を見込んで、町を救ってほしいと住民からかき集めたなけなしの全財産を
差し出し懇願する。最初は興味を示さなかったサムだったが、この依頼を引き受けることにし、
ギャンブラーのジョシュをはじめ腕利きの男たちのリクルートを開始する。こうしてワケありの
アウトロー7人が小さな町を守るために雇われ、やがて彼らはボーグ率いる200人超の悪党軍団に
無謀とも思える戦いを挑んでいくのだったが…。(allcinema)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=357279こちらまで。


by jazzyoba0083 | 2017-02-05 15:30 | 洋画=ま行 | Comments(0)

●「沈黙ーサイレンスー Silence」
2016 アメリカ Cappa Defina Productions and more.162min.
監督:(共同)製作・脚本:マーティン・スコセッシ 原作:遠藤周作『沈黙』
出演:アンドリュー・ガーフィールド、アダム・ドライバー、窪塚洋介、イッセー尾形、浅野忠信、塚本晋也
   加瀬亮、リーアム・ニーソン他
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<評価:★★★★★★★★★☆>
<感想>
2時間40分を超える長編であったが、眠くなったり、ダレたりは一切なく、緊張感の中で
濃密な時間を過ごせた。原作は未読であるし、現実のキリスト教徒や西欧の人たちが観たら
別な感想もあるだろう。私は、もっと小難しい宗教論を描こうとしたのか、と身構えたが、
後段に進むに連れ、エンディングに向かうに連れ、心の中の疑問は個人的に氷解していったのだ。

スコセッシは幼い頃から宗教に興味を持ち、司祭になろうとしたこともあったそうだ。成長し
映画人となってからも、宗教に根ざす考えは変わらず、傑作「タクシードライバー」の主人公
トラヴィスの根っこにも宗教性を感じるしスコセッシはそう描いたのだろう。
「人間は善か、悪か、また両方か」という自ら終生持ち続ける監督にしてみれば、本作に
触れた瞬間、映像化が自分の仕事だと思ったに違いない。原作に出会ってから28年、映画人と
して50年の時間を経て、その時がやってきたわけだ。

話は単純。江戸初期、キリシタンがご禁制となった時代に、棄教した、と伝えられた先輩司祭で
恩師である神父を追って長崎にやってきたポルトガルの若き司祭2人。彼らが目にしたのは苛烈な
隠れキリシタン迫害とそれでもひたむきに信仰に生きる日本の農民たちの姿だった。我が村の司祭として
迎え入れられた2人だったが、長崎奉行井上筑後守の手が伸び、囚われ拷問を受ける信徒と、苦しむ
彼らを助けるため棄教せよ、と迫られる。神への忠誠を守るべきか、信徒の命を守るべきか、
神は「沈黙」したままだった・・・。

<ここから先は、結末まで触れていますので、未見の方はお気をつけください>

徳川家がキリスト教を禁じ鎖国に転じたのは、西欧列強からの侵略を防ぐためで、当時の政策と
しては良し悪しは別として理解は出来る。故に、井上筑後守が「キリシタンは日本では育たんのだ。
日本は沼で、苗を植えても腐るだけだ。」とパードレを説得する。さらに通詞(浅野)が言う
「踏み絵は形だけだ。踏み方も自由で良い。そっと触るだけでも良いのだ。それで自由の身だ」と
いうセリフも極めて日本的である。「形だけ」、役人のセリフである。大方の日本人の観客は
その時点で、こう思うだろう。「踏み絵を踏んでも、心の中で信仰を捨てなければ良いのだ。
何も命まで奪われることはなかろう。そもそもイエスは全ての罪深い人のために十字架を
背負ったのではないか」と。
事実、作品の中でも神の声(だと思う)は踏み絵を躊躇する信徒を見つめるパードレの心に
「踏め、踏んで良いのだ」と語るのだ。

結局、若き2人の司祭のうち一人は、信徒を助けようとし殉教し、もう一人の司祭(ガーフィールド)は
信徒を守るべく棄教した。行方不明になっていた恩師とも長崎の寺で会うことになる。
彼はキリスト教は欺瞞であるとの本さえ書いていた。日本ではキリスト教は育たない、彼もそう
悟ったという。
若き司祭は日本名を貰い、江戸で妻子を得て日本人として暮らし死んでいく。葬式も仏教式で。
だが、棺桶の中の手の中にあったのは、最初に上陸した村のモキチから貰った木彫りのクロスで
あったのだ。彼は転んでからその後、一切宗教的なことを口にせずキリスト教徒は縁を切った
生活をしていた。だが、それは外見だけ。だれも覗けない心のなかでは、固いキリスト教信者で
あったのだ。ラストにもこの司祭を許す神の声(だと思う)が流れるが、キリスト教信者はこの段の
受け止め方には賛否有るだろう。

そう、神は沈黙はしていなかったのだ。信徒や司祭の心に必死に語りかけていたのだ。だが、それが
聞こえるか聞こえないかは、信仰の温度や深さによるのだろう。殉教を神の国(パライソ=パラダイス)
への昇華と信じて死を受け入れる信者や司祭もいたのだ。それが神の御心に沿うものかどうかは私には
分からない。
映画の結末としては腑に落ちるのだが、信仰とは何か、人間にとって神の存在とは何か、という点に
ついては、観客それぞれに問われているのだった。正解はない。

本作では、2人の司祭をマカオから長崎に案内し、その後ずっと関わり続けるキチジロー(窪塚洋介)と
いう存在が重要である。彼こそ、一般人、映画の観客の投影であり、神を信じている一方、極めて人間的な
欲求のままに動く。キチジローは江戸まで出てきて棄教したはずの司祭に告解を受けてくれ、と
迫る(このシーン、彼が幕府の回し者となり、棄教が本物が仕掛けて来たのではないかと疑ったが)。
彼の揺れ動く心に私たちは自分を見るのであろう。彼が司祭に向かって言う「わしらのような
弱い者はどこへ行けばいいのか」という慟哭は今の私達の胸を打つ。

本作鑑賞を機に日本のキリスト教の割合を調べてみた。1%である。なぜもっとキリスト教が
根付かないのか。キリスト教の中でもこの分析が行なわれているが、この映画の中で長崎奉行
井上筑後守が縷縷説明しているように「神道、仏教という完成された宗教がある日本に、
西欧的な思想によって完成されたキリスト教という考えが入り込む隙間は小さく、キリスト教と
いう大木を沼に植えても育たない」と。こういう分析は現在の日本のキリスト教内部でも
行なわているようだ。本作から窺い知れる日本のキリスト教布教の過酷さが窺い知れる。
私もカソリック系ミッション・スクールの出身であるが、卒業生が全員キリスト教徒に
なるわけでは全く無いのだ。

時間を掛けた映像は迫力があり、説得力がある。日本側の出演者も良い。しかし、長崎の
役人からキリシタンまで、当時英語があんなに上手かったとは驚きだ。

個人的には極めて満足できる映画と出会った。
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<ストーリー>
遠藤周作が信仰をテーマに、世界の不条理と人間の本質に深く迫った日本文学の金字塔『沈黙』を、
長年映画化を熱望してきた巨匠マーティン・スコセッシ監督が、原作との出会いから28年の時を経て
遂に撮り上げた渾身の歴史ヒューマン・ドラマ。
非情なキリシタン弾圧が行われている江戸初期の長崎を舞台に、自らの信仰心を極限まで試される若い
ポルトガル人宣教師の壮絶な葛藤の行方を力強い筆致で描き出す。
主演は「アメイジング・スパイダーマン」のアンドリュー・ガーフィールド。共演にアダム・ドライヴァー、
リーアム・ニーソン。また浅野忠信、窪塚洋介、塚本晋也、イッセー尾形はじめ日本人キャストも
多数出演。
 
17世紀、江戸初期。日本で布教活動を行っていた高名なポルトガル人宣教師フェレイラが、キリシタン
弾圧を進める幕府の拷問に屈して棄教したとの知らせがローマに届く。さっそく弟子のロドリゴとガルペが
真相を確かめるべく日本へと向かい、マカオで出会った日本人キチジローの手引きで長崎の
隠れキリシタンの村に潜入する。
そして村人たちに匿われ、信仰を通じて彼らと心を通わせていく。やがてロドリゴたちの存在は、
狡猾にして冷酷な手段を駆使して隠れキリシタンをあぶり出しては、彼らに“転び(棄教)”を迫る
長崎奉行・井上筑後守の知るところとなり…。(allcinema)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=358205#1こちらまで。


by jazzyoba0083 | 2017-02-05 12:25 | 洋画=た行 | Comments(0)

●「サヨナラの代わりに You're Not You」
2014 アメリカ Darlyl Prince Productions and more.102min.
監督:ジョージ・C・ウルフ 
出演:ヒラリー・スワンク、エミー・ロッサム、ジョシュ・デュアメル、ロレッタ・デヴァイン、マーシャ・ゲイ・ハーデン他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
ALS(筋萎縮性側索硬化症)を描く映画はこのところ何本か作られている。バケツ水浴びリレーで
注目も集めた。本作では、ピアニストのケイト(ヒラリー・スワンク)が発症し、介護役として
自堕落な生活をしていた大学生ベックが選ばれ、その後、2人の心が寄り添っていく、2人の
心が成長してく、という感動のストーリーだ。ケイトの旦那がイケメン弁護士でお金持ちという点は
どうなのかな、という感じはしたが、全般的に面白く(という表現がこの映画に適切かどうかは
分からないけど)鑑賞した。ストーリーは予見できるものであるが、本作の良さは、何と言っても
鬼気迫るヒラリー・スワンクの演技と、彼女を支えるエミー・ロッサムの演技の出来であろう。
私は特にエミーのケレン味のない演技と存在感がとても気に入った。

破天荒は人物が介護役となる、という出だしは「最強のふたり」と似ている。ケイトの旦那の
秘書との浮気、ベックの大学教授との不倫なども絡めつつ、次第に悪化していくケイトと、
それを必死に支えようとするベックなのだが、介護なんてしたこともなければ料理もできないと
いうベックが別人になったように、他人のためになることをすることの価値や意義を見出していく
様子が心を打つ。ケイトが遺言として、人工呼吸器を付けるかどうかの役割をベックに与えたことに
対するケイトの母親との相克も見どころ。普段から何もしていない母親、そしてベックの両親も
人のために自分の人生を台無しにして、と責める。ケイトも、お母様の言うとおりよ、あなたは
あなたの人生を生きて、とベックを突き放すが、ベックの心は固まっていた。

やがてくる死が避けられない病気、病院を止めて自宅で最期を迎える選択をしたケイトとベック。
そしてやがてケイトはベックの腕の中で安らかに天国へ旅立つ。ベックとの日々で心が開放された
ケイトであった。一方、人生とは何か、ということをベックに教えてくれたケイト。
ベックは諦めていた音楽家としての道を力強く歩み始めるのだった。

病気モノはあまり得意じゃないのだが、演技が素晴らしいとやはり引き込まれてしまう。
「アリスのままに」もそうであった。
エンドロールでベック(エミー)が歌う歌は彼女自身の作詞作曲によるものだ。
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<ストーリー>
弁護士の夫エヴァン(ジョシュ・デュアメル)や友人たちに囲まれながら、充実した日々を過ごしていた
ケイト(ヒラリー・スワンク)は、35歳の誕生日パーティーでピアノを弾いた時、初めて身体に異変を感じる。
やがて難病・筋委縮側索硬化症(ALS)と診断され、1年半後には車椅子生活となり、彼女は人生のすべてが
変わってしまう。
友人たちの前で明るく振舞うことに疲れ、心の中でこんな筈ではなかったと嘆くケイトは、エヴァンの反対を
押し切り、患者ではなく友人として話を聞いてくれそうな大学生ベック(エミー・ロッサム)を介護人として雇う。
ところがミュージシャンになる夢に挫折し、気まぐれに生きるベックは、言葉遣いも荒く料理もまともに出来ない。
教養が高く完璧主義のケイトがそんな彼女とうまくいくはずもなかった。
だがある日、夫の浮気を知ったケイトの“家出”をベックが手伝ったことから、二人の関係は本音で語り合える
友情へと変わっていく。自由奔放なベックに、次第に心が解放されていくケイト。一方、ベックも生まれて初めて
自分を頼ってくれたケイトに影響され、自身の生き方を見つめ直すようになる。
しかしそんな二人に残された時間は、あとわずかであった……。(Movie Walker)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=353284#1こちらまで。



by jazzyoba0083 | 2017-02-04 22:50 | 洋画=さ行 | Comments(0)

●「ハッピーエンドの選び方 The Farewell Party(Mita Tova)」
2015 イスラエル Pie Films and more 93min.
監督・(共同)脚本:シャロン・モイマン
出演:ゼーヴ・リヴァシュ、レヴァーナ・フィンケルシュタイン、アリサ・ローゼン、イラン・ダール他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
誰もに必ずやってくる「死」。大方の人は避けていたいテーマだ。本作は、これに正面から
取り組んだ。テーマがテーマだけに、全体のトーン次第ではひたすら暗いだけの映画になって
しまうところ、この映画ではブラックユーモアを加え、救いとしていた。とはいうものの、
出演者の年齢に近い私などは、身につまされて、笑っている場合じゃなかった。

病院併設の養老院で暮らす何組かの夫婦(なかにはゲイもいるのだが)が、相方や友人に
「尊厳死」を施すというお話。長い間病気に苦しんで、本人も殺してくれ、というし妻も
もう十分に生きた、これ以上苦しむ姿を見たくない、と尊厳死を望む。

施設内の発明家、ヨヘスケルは、点滴に塩化カリウムを投入し、尊厳死を望む本人に
ボタンを押させるという装置を作った。そして一人の老人にその装置を使った。
ビデオで自分が望んだことだという証拠も残して。当然実行部隊の老人たちも、
良心の呵責を覚えつつのことだった。秘密にしていたはずが施設内で知られるところと
なり、希望者が出始める・・・。さらにヨヘスケルの妻が認知症を発症し、彼女は
尊厳死を望むまでになり、ヨヘスケルは悩むのだったが・・・。

ところどころにクスリとさせるユーモアを配し、どっぷり暗くなる重さをなんとかしようと
演出されている。それはそれなりに効いていた。
「死を選ぶ自由」とそれに手を下す人の思い、というものがしっかりと訴えられていた。
下手に隠さず、何かの結論に導くのではなく、映画を観る人達に、登場人物たちの行動を
どう考えますか?と投げかけて終わっていく。

超高齢化社会になり、生きているだけでチューブだらけになりモルヒネを打って・・・と、
これで人間として生きている、と言えるのか。その時伴侶や家族はどう対処すべきか、
日本では尊厳死は認められていないが、医療費の肥大化などもあり、やがて検討される
時期もくるだろう。私だったらどうするだろう、と観た人は全員そう思うだろう。
重いテーマの映画であったが笑いもまぶせられて、いい感じでいろいろと考えさせられた。
ヘブライ語、まったく分からない・・。
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<ストーリー>

“人生の最期を選ぶ”という誰もが直面するテーマを、ユーモアを交えて軽快に描き、各国の映画祭で
話題を呼んだイスラエル発のヒューマンドラマ。
老人ホームで暮らす発明好きの老人が、親友の願いで、自らスイッチを押して苦しまずに最期が
迎えられる装置を開発したことからトラブルに巻き込まれていく姿がつづられる。

エルサレムの老人ホームに暮らすヨヘスケル(ゼーブ・リバッシュ)の趣味は、ユニークなアイディアで
皆の生活を少しだけ楽にするようなものを発明すること。
ある日、ヨヘスケルは、望まぬ延命治療に苦しむ親友マックスから、安楽死できるような発明を考えて
ほしいと頼まれる。妻レバ―ナ(レバーナ・フィンケルシュタイン)は猛反対するが、お人よしの
ヨヘスケルは親友を助けたい一心で、自らスイッチを押して苦しまずに最期を迎える装置を発明する。

同じホームの仲間たちの助けも借りて計画を準備、数々の困難を乗り越え、やがて自らの意思で安らかに
旅立つマックスをヨヘスケルは見送るのであった。だが秘密だったはずのその発明の評判は瞬く間に広がり、
ヨヘスケルのもとに依頼が殺到。そんな中、レバーナに認知症の兆候が表れ始め……。(Movie Walker)

この映画の詳細はhttp://movie.walkerplus.com/mv59006/こちらまで。


by jazzyoba0083 | 2017-02-01 22:45 | 洋画=は行 | Comments(0)