●「マザーズ・デイ Mother's Day」
2016 アメリカ Open Road Films (II)、Wayne Rice、Gulfstream Pictures. 118min.
監督:ゲイリー・マーシャル
出演:ジェニファー・アニストン、ジュリア・ロバーツ、ケイト・ハドソン、ジェイソン・
   サダイキス、ブリット・ロバートソン他
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<評価:★★★★★☆☆☆☆☆>
<感想>
ゲイリー・マーシャルのフィルモグラフィを改めて眺めると、この人結局「プリティ・
ウーマン」で終わっちゃった感じだなあ。時宜を得ていたというラッキーもあっただろうし、
ジュリア・ロバーツの颯爽たる登場という話題もあっただろう。ついていたのだろうな。

そして、その後に作られた「バレンタインデー」「ニューイヤーズ・イブ」そして
本作と、出て来る俳優は、オスカーやゴールデン・グローブが引っ越してきたのじゃないか、
と思うほど、綺羅星の如くのキャスティング。結局これらは「やっちまったなあ」感が強く
どれもラジー賞の常連になってしまった。群像劇とは称しているが、一つ一つのエピソード
のまとまりが悪すぎる。故に話がとっちらかって、エピソードにインパクトがない。
大女優の個性が活かされていない。

本作は、母の日に収斂されていくそれぞれの家族の話を軽いタッチで描き、「いい話」と
して取りまとめてあるので、話さえつかめばハートウォーミングの映画なんだろう。
でも私には退屈だった。さりながら、ゲイリー・マーシャルの作品はもう観れないんだよね。
RIP
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<ストーリー>
二児の母サンディ(ジェニファー・アニストン)は、離婚した元夫が自分より若いモデルと
再婚したことを知ってショックを隠せない。ジェシー(ケイト・ハドソン)は、両親の
猛反対を押し切って国際結婚、出産までした。通販番組のカリスマ女社長ミランダ
(ジュリア・ロバーツ)は、16歳の時に極秘出産した娘からの突然の連絡をきっかけに、
断ち切った自分の過去と向き合おうとする。ブラッドリー(ジェイソン・サダイキス)は
最愛の妻を亡くし、娘たちのために奮闘する。様々な事情を抱える家族に、それぞれの“母の日”が訪れる。(Movie Walker)

<IMDb=★5.6>
<Rottentomatoes=Tomatometer:6% Audience Score:44% >



by jazzyoba0083 | 2018-01-31 22:50 | 洋画=ま行 | Trackback | Comments(0)

●「スティーブ・ジョブス Steve Jobs」
2015 アメリカ Universal Pictures,Legendary Entertainment and more.122min.
監督:ダニー・ボイル
出演:マイケル・ファスベンダー、ケイト・ウィンスレット、セス・ローゲン
   ジェフ・ダニエルズ、マイケル・スタールバーグ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆+α>
<感想>
アップルの製品は2003年にiPodを使い始めたのを、個人的には嚆矢とする。PCに
ついてはマック党ではないものの、iphoneとiPadのない生活は考えられなくなった。
アップルとその製品が近年急速にそのライフスタイルに入り込み、生活の形を
変えていることは十分理解し尊敬もしているが、個人的にジョブズという人については
表面的な、皆さんが知っている程度のことで十分かな、と思っていた。
ドキュメンタリーも見ていたので今更映画でみなくても、と2013年のアシュトン・
カッチャー版も観ていない。世の中にはビル・ゲイツやザッカーバーグ以上にカルト的で
すらある信者が多数存在することも知っている。

そんな個人的環境下でこの映画を観た。まずアーサー・C・クラークの1950年代なのかな、
実写フィルムで伝えるコンピュータ社会がどのように社会を変えるか、の下りが、
まさに現代を予告していて驚いた。つかみはOK。それを実現してきているのがジョブスら
であるわけだ。

ダニー・ボイル監督の構成の巧さなのだが、これに続けてまるで舞台劇のように、
ジョブスの人物像を3つの新製品の発表会場で繰り広げられる会話で成り立たせる。
この状況というか設定は面白い。まず1984年のマッキントッシュの発表会、
次いで1988年のNeXTcubeの、最後は1998年のiMacの発表会。舞台はこの3つ。ここに
関わる人と状況を通じてジョブスという人物をあぶり出す手法を取った。

テクニカルタームを連発する猛烈に早いセリフの応酬は、字幕を追うのが精一杯。
あとから吹き替えで見れば良かったと反省。3つの発表会ではトラブルばかりが描かれて
行き、ジョブス個人の家庭の状況も合わせて描かれる。

定まったジョブスのキャラクター以外はないわけで、「自己中心で嫌な奴」「すぐ怒る
完璧主義者」。やはり凡人には一連のアップル製品の発想は出来ないということが
よく分かった。それは一旦アップルを追い出されたジョブスが再び戻る、という事にも
象徴されていよう。時代を切り開く天才は、どこか人格が常人とは大きくズレて
いるものなんだなあ、とつくづく思う。奇人といったほうがいいのか。
そういう意味ではこの映画の狙いとしては成功していたといえる。しかし疲れた。

かくして私たちは毎日の生活でジョブスの発想下テクノロジーを享受しているわけだ。
この映画を観て、コンピュータの父だったチューリングや、もっと前のアインシュタインも
奇人であったなあと思いだした。
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<ストーリー>
アップル社の共同設立者でデジタルテクノロジーの常識を変えた男、スティーブ・
ジョブズ。彼とその家族、関係者への約3年にわたるインタビューなどを基に、ベスト
セラーとなった記録本を原案に、ジョブズの半生を描く人間ドラマ。
鬼才ダニー・ボイルが監督を務め、ジョブズをマイケル・ファスベンダーが演じる。

1984年。スティーブ・ジョブズ(マイケル・ファスベンダー)は激怒していた。Macintosh
発表会の40分前、本番で「ハロー」と挨拶するはずのマシンが黙ったままなのだ。
マーケティング担当のジョアンナ(ケイト・ウィンスレット)はカットしようと説得するが、
ジョブズは折れない。そこへジョブズの元恋人・クリスアン(キャサリン・ウォーターストン)が、5歳の娘リサを連れて現れる。認知しようとしないジョブズに抗議に来たのだ。
公私ないまぜに緊張感が高まる中、本番15分前に何かが閃いたジョブズは、胸ポケット
付きの白いシャツを用意しろとジョアンナに指示。さらに共同創業者で親友のウォズニ
アック(セス・ローゲン)から頼まれたApple2チームへの謝辞をジョブズははねつける。
やがて自らがCEOにヘッドハンティングしたジョン・スカリー(ジェフ・ダニエルズ)に
励まされ、ジョブズは舞台へ出て行く……。

1988年。Macintoshの売上不振から退社に追い込まれたジョブズが新たに立ち上げた
ネクストの発表会。にこやかに現れたウォズニアックに、ジョブズはマスコミに自分を
批判したのはスカリーに強制されたのかと確かめる。相変わらず傲慢なジョブズに、
ウォズニアックはマシンを創り出したのは自分なのに何もしていないジョブズがなぜ
天才と言われるのかと憤慨。さらに今日の主役のNeXT Cubeはパソコン史上最大の
失敗作だと通告する。

小学校をサボって会場で遊んでいるリサをクリスアンが迎えに来る。あの騒動の後、
ジョブズはクリスアンに家を買い与え、十分な養育費を送っていた。そして本番6分前。
こっそり潜入したスカリーがジョブズの前に現れる……。

1998年、iMac発表会。2年前、業績不振でスカリーを解雇したアップルがネクストを
買収したのを機に復帰したジョブズは、現在はCEOを務めていた。ジョアンナから
莫大な売上予測を聞き、勝利の歓喜に浸るジョブズ。だが一方で、クリスアンが家を
売ることを止めなかったリサに激怒したジョブズは、ハーバード大学の学費を払わないと
リサへ宣告。ジョアンナは、ジョブズとリサが仲直りしなければ会社を辞めると
涙ながらに訴える。
一人になったジョブズの瞼にいつも自分の愛を求めていたリサの姿が次々と去来する。
本番10分前、ジョブズにウォズニアックがApple2のチームに謝辞をという頼みを蒸し
返す。10億ドルの損失を出し、破産まで90日を切っていたチームだと再びはねつける
ジョブズ。そして開始直前、リサが父への怒りを爆発させる。発表会は9時スタートを
厳守してきたジョブズだったが、そんな遅れも気にせず彼はある真実をリサに語り始
めるのだった……。(Movie Walker)

<IMDb=★7.2>
<Rottentomatoes=Tomatometer:86% Audience Score:73% >




by jazzyoba0083 | 2018-01-30 22:50 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

●「将軍たちの夜 The Night of the Generals」
1966 アメリカ Columbia Pictures. 149min.
監督:アナトール・リトヴァク 原作:ハンス・ヘルムート・カースト
出演:ピーター・オトゥール、オマー・シャリフ、トム・コートネイ、フィリップ・ノワレ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
1942年ドイツ占領下のワルシャワで1人の娼婦が惨殺される。その殺され方は
極めて異常であった。1人の目撃者がいた。顔は見ていないが、ズボンに赤い線が
入っていたという。これは将軍を意味する。当時、ワルシャワにいてアリバイのない
将軍が3人いた。捜査に乗り出したのは軍事警察のグラウ少佐(シャリフ)であった。
このあたりまではいい感じの出だし。

こうして映画が始まる。その後、同様の事件がパリ、戦後のハンブルグで発生する。
犯人はタンツ将軍(オトゥール)であることは早々に分かるのだが、グラウ少佐は
タンツが怪しいと思っていてもななかな責めきれない。
そのうちに、将軍たちがからむヒトラー暗殺事件「ワルキューレ」が発生する。

映画は市井の殺人事件を追うグラウ少佐と、彼を近づけないタンツ将軍。それに
他の二人の将軍が加わり、これに「ワルキューレ事件」が絡んでくる。さらに
タンツ将軍の副官のような仕事をしていたハルトマン曹長と1人の将軍の娘の
恋路も加わる。結構エピソードが多い映画だ。

同じナチの将軍の制服を来ているオトゥール以外の人物が誰が誰だか分かりづらかった
のだが、変質者が将軍をやっているナチという組織の気持ち悪さは十分に伝わったし
原題へのカットバックが唐突な感じもするが、全体の作劇は面白く観ることができた。
なんといってもオトゥールの、瞳孔が開いちゃったようなサイコパスぶりは、やり過ぎな
感じすらして、気持ち悪さは上々。片や彼を追い詰めるシャリフは淡白だ。

タンツ将軍(オトゥール)の人物敵背景は描かれないので、なんでサイコパスに
なったかとか、ニュルンベルグ裁判を15年ほどで出所してきたのはなにがどうであったか
などが説明されないので、長い上映時間の割には、深い部分での理解が進まない。
シチュエーションに目新しさを設定した欧州戦線の映画、という感じ。

そして何より個人的にネックだったのは、ドイツ人もフランス人も全員英語で芝居を
すること。どんなにセットや衣装に凝ったとしても、これにはちょっと鼻白むのでは
ないか。しかもオトゥールの英語はクィーンズイングリッシュと来たもんだ。

大ベストセラーが原作と聞く。もう少しいい映画が出来たような気もする。
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<ストーリー:結末まで書かれています>
ワルシャワ1942年冬。あるアパートで女が殺された。目撃者の話では、ドイツ軍将校の
軍服を着ていたという。軍事警察のグラウ少佐(オマー・シャリフ)は3人の容疑者を
あげた。ワルシャワ軍団のガプラー将軍(チャールズ・グレイ)、司令部主任カーレン
ベルゲ(ドナルド・プレザンス)、特別師団長タンツ将軍(ピーター・オトゥール)ら
である。

その頃、前線で負傷したハルトマン(トム・コートネイ)という男が、ワルシャワに来て
いた。彼は音楽家志望で、レセプションの音楽担当などをしているうちに、ガプラーの
娘ウルリーケと急速に親しくなっていった。レセプションには、3人の将軍も姿をみせた
が、グラウ少佐にとってあまり収穫はなかった。
翌日は、タンツ将軍のワルシャワ掃蕩があり、軍隊の先頭に立つ彼の市民への攻撃は
すさまじいものだった。その後、グラウ少佐はパリへとばされた。

1944年7月パリ。
連合軍はノルマンディに上陸し、ナチのすべてがパリに集結した。その頃、軍諜報部
勤務になっていたグラウは、パリ警察のモランの所へ来て、ワルシャワでの殺人事件と
将軍たちの関係を説明し、捕虜3人を返すという条件で、犯人捜査への協力をたのんだ。
時を同じくして、将軍たちのヒットラー暗殺計画がもち上がっていた。
その計画には、容疑者の1人、カーレンベルゲも加担していた。グラウは、ナチの将校の
くせにヒットラー暗殺をたくらむカーレンベルゲと、ワルシャワで容赦なく市民を殺した
タンツに疑いの目をむけた。

パリでのタンツは、ハルトマンを伴につれ、夜な夜な豪遊していた。そしてナイトクラブの
女ルシルと特に親しくなり、ある夜ハルトマンを見張りに立たせ、彼女のアパートに
消えていった。やがて、タンツに呼ばれて部屋に入ったハルトマンは、死体となった
ルシルを見て驚くのも束の間罪をかぶって逃げろと、命令された。
一方、ヒットラー暗殺計画、通称“ワルキューレ”作戦は失敗に終わった。ワルシャワと
パリの殺人事件を追及するグラウは、タンツを逮捕しようとしたが、逆に射殺されて
しまった。

そして1965年ハンブルグ。またしても奇怪な殺人事件が起きた。今では、国際警察の
警部となっているモランは、ワルシャワ――パリ――ハンブルグの殺人事件の類似性を
あげた。ちょうどその頃、最近釈放されたタンツはニーベルンゲン師団の25周年記念に
列席することになっていた。ドイツのかつての英雄タンツ将軍の到着を待つ群衆に
まじって、モランがいた。犯行を否定するタンツの前にハルトマンが現れた。証拠は
ないが証人は生きているというモランの仕かけた罠であった。そして運転手から、
ひそかにピストルを受けとったタンツは、人気のない部屋で自殺を図ったのである。
(Movie Walker)




by jazzyoba0083 | 2018-01-29 23:10 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

●「ショーシャンクの空に The Shawshank Redemption」
1994 アメリカ Castle Rock Entertainment (presents) 143min.
監督・脚本:フランク・ダラボン  原作:スティーヴン・キング
出演:ティム・ロビンス、モーガン・フリーマン、ウィリアム・サドラー、ボブ・ガントン他
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<評価:★★★★★★★★★☆>
<感想>
本作は観ているのだが、ブログを開設する前だったので、記載されていなかった。
仕事の都合で観る必要が出来たため、再見したので感想をアップした。

映画好きに、お気に入りの映画を挙げよ、というと多くの人が本作を挙げるし、
アメリカのオールタイムベストでも、上位に顔を出す常連の、いわば評価の定まった
名作である。だが、allcinemaのコメント欄を見ても分かるように、「たいくつな
脱走劇」と低評価を下す人も少なくない。しかしながら、アメリカの評価サイトで
めったに出ない9点台を出していることを考えれば、客観的に見て「よく出来た映画」
「映画史に残る傑作」という言い方でいいだろう。

アメリカ小説界の巨人、スティーヴン・キングの原作を、上手くアダプトした出来の
いい脚本(伏線の回収も含め)、モーガン・フリーマンの語りで物語を進行させたこと、
配役にはいろいろと名だたる名優が上げられたらしいが、結局ティム・ロビンスの
キャスティングが、原作では白人だったレッド役をモーガン・フリーマンにしたのも
大成功だっただろう。

「たいくつだった」という人はおそらく、良く出来すぎで、流れがとカタルシスの到来が
簡単に訪れてしまうという点を指す場合が多いのではないか。私にしてみればそれは
贅沢というものだと思う。

本作を観て受ける感想の一番大きなものは、「希望を持って諦めないこと」。と指摘する
人が多かろう。私もその1人である。その一点に収斂させるために、あの手この手の
小さなプロットをこしらえて、潰れそうになるたびに「ナニクソ」という気持ちをふるい
立たせる。ティム・ロビンスの感情を抑えた演技も本作の大きなキーになっていた。
有能な銀行員であることを最大限に利用しつつ、周囲の尊敬を集め、それは刑務官にまで
及び、所長にたいしては、その力を利用されているように見せて利用してみせる。

映画を観ているほとんどの人は、思い通りにならない生活を余儀なくされているのだろう。
それでも、与えられた状況の中から最大限の幸せを見つけているのだ。そうした観客の
心情からすれば、主人公アンディの、頭のいい、不屈な根性は、日々のストレスの
カタルシスとして絶好なはずである。だからこそ観終わって気分がすっきりするのだ。

人は困難を乗り越えて何かを成し遂げたことに快哉を叫ぶものだ。囚人に対するビールも
そうだし、図書館の整備もそうだし、ラストに訪れる20年間のトンネル掘りと脱走、
(気の遠くなる話だ)、新しい所長によるレッドの仮釈放、そしてラストでの二人の邂逅。
いちいち気持ちいいではないか。 
一方だたそれだけではなく、長年の収監の末に仮釈放になったブルックスが社会に馴染
めず自死すること、アンディになつき、高卒資格をとるまでになったトニーが所長に射殺
されるくだり。(彼は別の刑務所で、アンディが逮捕された事件の真犯人から事件の話を
聞いていて、それをアンディに話し、アンディは所長に再審請求を起こそうとしていた
ところだった。自分の不正蓄財を知るアンディを塀の外に出すわけには行かないのだ)
などという逆境やアンディが置かれた過酷な一部もキチンと提示されている。

この物語はアンディが妻と情夫のプロゴルファーを射殺して逮捕される1947年に始まり
アンディが脱獄、次いでレッドが彼を訪ねてメキシコの海岸にたどり着く1967年までの
20年間を描いている。アンディは白髪になるし、老眼にもなる。おそらくシャバに
出てきてから19年間の社会の激変ぶりには最初戸惑ったことだろうことは想像に固くない。
アンディの牢屋に張ってあったポスターは、リタ・ヘイワースからマリリン・モンローに
なり、ラクエル・ウェルチに変遷する。アンディはマリリン・モンローが誰だか分からな
かったかもしれない。ましてやウェルチは。その時間の変遷の見せ方も上手いし、その
ポスターが実はいい役を演じていたのだから余計に印象深かった。

細かいところを観ていくと突っ込みどころがないわけではないが、この映画はそういう
あら捜しをしてどうなるものでもない。

「希望はいいものだよ、たぶん最高のものだ。いいものは決して滅びない。」(アンディ)
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<ストーリー>
「エルム街の悪夢3/惨劇の館」「ブロブ/宇宙からの不明物体」の脚本家F・ダラボンが、S・キングの短編小説『刑務所のリタ・ヘイワース』に惚れ抜いて作り上げた渾身の劇場
監督デビュー作。
妻とその愛人を射殺したかどでショーシャンク刑務所送りとなった銀行家アンディ。
初めは戸惑っていたが、やがて彼は自ら持つ不思議な魅力ですさんだ受刑者達の心を
掴んでゆく。
そして20年の歳月が流れた時、彼は冤罪を晴らす重要な証拠をつかむのだが……。
卓越した構成、隙の無い脚本、緩急自在の演出によって誕生した“刑務所”映画の新たなる
傑作。奇妙な友情を育んでいくT・ロビンスとM・フリーマンの二人の芝居も素晴らしく、
観終わった後の清々しさは忘れ難い。(allcinema)

<IMDb=★9.3>
<Rottentomatoes=Tomatometer:91% Audience Score:98% >




by jazzyoba0083 | 2018-01-27 16:30 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

アスファルト Asphalte

●「アスファルト Asphalte」
2015 フランス La Caméra Deluxe,Maje Productions,Single Man Productions. 100min.
監督・脚本:サミュエル・ベンシェトリ
出演:イザベル・ユペール、ジュール・ベンシェトリ、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、ギュスタヴ・ケルヴェン
   タサディット・マンディ、マイケル・ピット
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<評価:★★★★★★★☆☆☆+α>
<感想>
なんだろうな、この感覚。いかにもフレンチ映画っぽいオフビート感とでもいうのだろうか。
アメリカだとジャームッシュが創りそうな、とでもいうのだろうか。カウリスマキとも違うし。
なんか既視感のある作風ではある。
映画から主張がガンガン伝わってくるようなものではない。どちらかというと何を言わんとして
いるのだろうか、と思ってしまうようなタイプ。でも観終わった後に残るホノボノ感。不思議な
作品だ。

割りと高層の(でも古い)アパートを舞台にした群像劇であるが、3組の男女の交流に絞られる。
2階に住んでいるからエレベーターは使わない、と修理代の支払いを拒否した独身中年男性が、車椅子生活と
なり入院先の看護婦に憧れていくパート、何故かアパートの屋上に着陸してしまったアメリカの宇宙飛行士と
彼を二泊させて面倒をみるアラブ系のおばさんのパート、そして向かい同士に住む若い男と引っ越してきた
女優のパート。
それぞれお互いに何を考えているか良くわからないながらも、必死にコミュニケートしようとする。そして次第に
心が通じるようになっていく。もどかしい、不器用である、けれどそうした人間を観る人は愛おしく思う
ことだろう。その朴訥な描き方の中に、人間の温かさのようなものが観終わって滲み出てくる。

設定されたシチュエーションにありえなさがあるので、(なぜアメリカの宇宙船がフランスのアパートの
屋根に降りてくるか?とか)シュールな展開も納得しながらみることが出来る。いわば不条理の中に
放り出された男女の、心を求めあう過程。車椅子の男性が自販機のパンを求めはるばる病院までやってくる
とか、みんな遠回りして生きている姿も描かれ、そのさりげなさも味わいとなっている。
3組ともそれぞれ味がある。女優を演じるのが最近スポットが当たっているイザベル・ユペールである。
向かいの青年に次作のためのオーディション動画を撮ってもらうのだが、青年が知らないうちに演技指導を
している。そうしたコミュニケーションギャップが面白くも胸に迫る。

音楽もほとんど流れない舞台劇のような作品。ラストは宇宙飛行士を回収に来たアメリカ軍さしまわしの
ヘリがアパートの敷地に着陸し、飛行士は去っていくところで、余韻を残しながらカットアウトのように
終わっていく。
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<ストーリー>
 フランス郊外の古ぼけた団地を舞台に、そこに暮らす不器用で孤独な男女が織りなすほろ苦くもユーモラスな
人間模様をミニマルかつ軽妙に綴る群像コメディ。出演はイザベル・ユペール、マイケル・ピット、ヴァレリア・
ブルーニ・テデスキ。監督は「歌え! ジャニス★ジョプリンのように」のサミュエル・ベンシェトリ。

 フランス郊外にあるオンボロ団地。故障中のエレベーターを住民が費用を負担して修理することに。しかし
2階に住む自称写真家のスタンコヴィッチは断固拒否。結局、彼だけは金を出さない代わりにエレベーターを
使用しないことで決着する。ところがその直後、彼は足を怪我して車椅子生活に。誰にも見つからないよう
深夜に食料調達に向かうが、そんな時間に買えるところは病院の自動販売機だけ。するとそこで、何やら
ワケありの夜勤の看護師と出会い、心惹かれるスタンコヴィッチだったが…。

母親がいつも留守にしている10代の少年シャルリ。ある日、となりに中年女性が引っ越してくる。
この団地に不釣り合いな彼女の正体は、すっかり落ちぶれてしまった女優ジャンヌだったが…。

ある日、NASAの宇宙飛行士ジョン・マッケンジーを乗せたカプセルが団地の屋上に不時着する。これを
秘密にしたいNASAからの要望で、最上階に住むアルジェリア系移民のマダム・ハミダが彼を2日間かくまう
ことになるのだが…。(allcinema)

<IMDb=★7.1>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:100% Audience Score: 74%>


by jazzyoba0083 | 2018-01-25 10:50 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)

●「ザ・シークレットマン Mark Felt:The Man Who Brought Down The White House」
2017 アメリカ Scott Free Productions and more. 103min.
監督・脚本:ピーター・ランデズマン 製作:トム・ハンクス、リドリー・スコット他
出演:リーアム・ニーソン、ダイアン・レイン、マートン・ソーカス、アイク・バリンホルツ他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
ホノルルからの帰国便内鑑賞第三弾。日本では来月末に劇場公開が予定されている。

アメリカ政治史の大きな汚点となった「ウォーターゲート事件」については、これまでも
スキャンダルを暴いた側の記者の目線の「大統領の陰謀」、辞職したニクソンを主人公にした
オリバー・ストーンの「ニクソン」、彼のインタビューを中心に描く「フロスト×ニクソン」など
優れた映像作品も多い事件であった。

本作はワシントン・ポストの情報源であった「ディープスロート」の正体、当時のFBI副長官
マーク・フェルト本人に焦点を当てたもの。フェルトは、事件から30年以上経過した2005年に
自分が「ディープスロート」であるとカミングアウトしている。

フェルトは30年間FBIに奉職し、エドガー・フーバー長官急死の跡目は彼と周囲も本人も思っていたが
実際はホワイトハウスから送り込まれたのは、グレイというニクソンの意のままに動く人物であった。
彼の妻(ダイアン・レイン)も、フェルトが長官になるものと信じていた。
そうした自分の身の上の不如意もあったのだろうし、映画では独立捜査機関であるはずのFBIが
政府やホワイトハウスからの捜査指示やもみ消しなどを甘んじて受け、本来の機能を発揮できず
アメリカ憲法が守られないという彼の強い義憤からの行動と描かれていく。が、彼自身、汚い仕事を
命じていた時期もあり、またそうした実情を知る立場にいたことから、ただ単に「義憤」が
突き動かした行動だけが「ディープスロート」を誕生させたとは言いにくいのではないか、と感じた。

映画全般は、広範な事件の中からフェルトの物語という側面に集約した部分は良しとしたいし、
トランプ時代においてこの映画を作った意義というものも評価したい。だが、映画としては単調に
なった恨みは残る。ダイアン・レインを配した妻や当時ブームだった自然回帰運動に没入していた
娘との関係も描かれるが中途半端な感じである。
リーアム・ニーソンは安定の演技だが、どうも実在のフェルトに似ているというのがキャスティングの
核心ではないか、と思えてしまうほど、よく似ている。これほど似ているとニクソン本人はどうするんだろうと
思っていたら、案の定、ニクソン役はキャスティングされず、テレビの映像に本人が映るだけという
処理の仕方だった。賢明であろう。

実話モノに興味がある方にはお勧めしたい作品ではある。
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<ストーリー>
1974年8月9日に、アメリカ合衆国史上初めて任期途中で辞任に追い込まれたリチャード・ニクソン大統領。
その引き金となった「ウォーターゲート事件」の全容を白日の下に晒し「ディープ・スロート」と呼ばれた
告発者がいた。
世界中で憶測と関心を呼び、30年以上に渡り正体は謎とされてきたこの内部告発者は2005年ヴァニティ・
フェア誌で自らディープ・スロートであったことを公表する。その人物とは、「FBI捜査官の鑑」とまで
称賛された当時のFBI副長官マーク・フェルトだった。正体を明らかにして10年以上の月日が流れているが、
このフェルトという人物の人生はFBI幹部というキャリアの面からも私生活の面からもほとんど知られていない。
なぜ彼は極秘の捜査情報をマスコミへリークするに至ったのか?ウォーターゲート事件とは何だったのか?
溌剌(はつらつ)たる才知と固い信念を持つフェルトは、事件の真相を明らかにし、ニクソン政権の腐敗を
暴くため、家族もキャリアもそして自由までをも危険にさらし、結果的にはすべてを犠牲にしたのだ。

2016年の大統領選前に企画・製作された本作は、アメリカ国内外で上映されるやいなや、トランプ大統領の
ロシア疑惑やFBI長官解任など、現政権に取沙汰される様々な疑惑が当時と驚くほどよく似ていると話題を
呼んだ。ウォーターゲート事件とは何だったのか?なぜ極秘の捜査情報をマスコミへリークするに至ったのか?
国を守る「捜査官」が疑惑を暴くに至った事件の全容と、アメリカ政治史上類を見ない政治スキャンダルの
実像を、最高権力者を敵に回し孤独な戦いを挑んだ一人の男、フェルト本人の視点から初めて描いた傑作
サスペンスが誕生した。

主演はハリウッドのトップスター、リーアム・ニーソン。近年アクションスターの印象が強い彼だが、
『シンドラーのリスト』『マイケル・コリンズ』など実在の人物を演じ、高い評価を獲得してきた演技派
俳優としての側面を遺憾なく発揮。フェルトの妻オードリーには、同じくアカデミー賞ノミネート女優、
ダイアン・レイン。監督は『パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間』『コンカッション』で実話を
映画化し高い評価を獲得してきた俊英ピーター・ランデズマン。(ホームページから転載)

<IMdb=★6.4>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:34% Audience Score:46% >




by jazzyoba0083 | 2018-01-24 01:30 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

●「バトル・オブ・セクシーズ Battle of the Sexes (原題)」
2017 アメリカ Fox Searchlight Pictures,TSG Entertainment and more. 121min.
監督:ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス
出演:エマ・ストーン、スティーヴ・カレル、アンドレア・ライズボロー、ナタリー・モラレス、
   サラ・シルバーマン、ビル・プルマン、アラン・カミング、エリザベス・シュー他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
ホノルルからの帰国便二本目。まだ日本では公開されていない作品。個人的に大学生のころなので
時代としてはズバリ。テニスはやっていないけど、キング夫人やマーガレット・コート、クリス・エバート
などはニュースなどで見聞きしていて名前とその活躍の度合いは知っていた。が、こんな「事件」があったとは。

映画の主要なテーマは性間差別の話しであるが、スティーヴ・カレル演じるボビー・リグスのキャラクターも
あってコメディっぽい感じもあり、楽しませてもらった。アメリカやテニス界では有名な話かもしれないが、
日本ではあまり知られることのない「事件」ではなかったか。衣装やヘアスタイル、小道具、音楽を始めとし
1970年初頭の時代の雰囲気と実際をよく描いていたと思う。
作品はテンポよく飄々と描いていくが、実際にこの映画が描いた事柄は、その後のテニス界や性別間差別に
対する人々の考え方に大きな影響を与えたわけで、楽しいうちに見終わることは出来るが、その主張しようと
していることは大きい。
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キング夫人はテニスの試合での賞金が男子と比べ八分の一しかないことに抗議し、自らがWTAという女子テニス
協会とツアーを立ち上げ、金銭的にも苦労しつつも、女権拡張運動家としてもその成果をあげていくのだが、
ラリー・キングという夫を持つ身でありながら同性愛に惹かれていく心の悩みも抱えていた。
そうした折に、男子シニアツアーのボビー・リグス(彼もウィンブルドンで何度も優勝しテニスの殿堂入りを
している往年の名選手だがこちらもシニアの賞金の少なさを嘆きかつ彼自身ギャンブル依存症でもあった)から
男女間の試合をして、男女どちらが強いかやってみようではないか、と声を掛けられた。その頃、キング夫人は
すでに女子テニス界のトップにいたが、「それは試合ではなくショーよ。勝てばいいけど負けたら、やはり
女は男に勝てないと決めつけられて危険だわ」と申し出をその場で断る。

ボビーはその後、ツアーで一位になったコート夫人に話を持ちかけ、実現した試合でコート夫人はストレートで
負けてしまう。案の定、男性優位主義者や当時の全米テニス協会の男性陣を喜ばせる結果に終わってしまった。
ボビーはその場で、キング夫人を指名して、試合を要望した。
そう言われると勝ち気のキング夫人は黙っていられない。こうして1973年9月20日、テキサス州ヒューストンの
アストロドームにおいて、5セットマッチが行われたのだ。この試合はABCテレビを通じて全世界に生放送された。
55歳のボビーであったが、コート夫人に楽勝したこともあり、トレーニングもせずビタミン剤を飲むだけで
スポンサーから多額の金額を貰って試合に臨んだ。一方のキング夫人は徹底的に練習し、コートにたった。
3万人とテレビの向こうでたくさんの人々が見つめられ試合が始まったが、結果は3-0のストレートでキング夫人が
勝利した。29歳のキング夫人と55歳のボビーであったが、この結果が与えたインパクトは大きかった。
この試合に名づけられたのが「The Battle of the Sexes(性別間の戦い)」なのである。

この大一番を中心に据えて物語が構成されるのだが、キング夫人ら独立ツアーのメンバーが通っていた美容室の
美容師マリリンと仲良くなり、もともと持っていたレズビアンとしての悦びに火が付いてしまった。
優しく見つめるラリー・キングではあったが、そんな夫に対しても複雑な想いを持ちつつ、ツアーをこなして行く。
ボビーもまた妻との相克があったのだった。世紀の大一番で対決することになるキング夫人とボビーの愛情
物語を横軸にして、ラストにキング夫人の勝利とレズビアンとして生きる覚悟を決めるまでが一気に描かれる。
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とにかくエマ・ストーンとスティーヴ・カレルが本人にそっくりであることはもちろんだが、この二人が
吹き替えしで臨んだテニスの試合映像は、「役者というものはやれと言われればなんでもやるんだなあ」と
思いつつ、その仕上がりが半端ないので驚く。もちろんこの両者の演技もいい感じだ。ボビーのキャラに
引きずれられて、若干仕上がりが軽めになってしまったのは思い問題を軽いタッチでと狙ったのか、結果的に
そうなってしまったのか。
どこかにもう少し重さを感じても良いんじゃないか、と思うのは贅沢か?
またキング夫人らの独立ツアーのメンバーの衣装デザイナー、テッドを演じたアラン・カミングが、同じ
同性愛者として見せる気遣いが上手く演じられていて、いい存在感だった。
映画の上のことだけど、自分の妻がレズビアンであることに気づき、それを理解しながら大一番を応援していた
ラリー・キングはいいやつだなあ。(あとで離婚しちゃうけど、キング夫人はずっとキングという名前が
ついてまわるものね)キング夫人は現在74歳で健在である。(ボビーはだいぶ前に亡くなっているが)

日本での劇場公開、あるのだろうか?

<IMDb=★6.8>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:86% Audience Score:75%>


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by jazzyoba0083 | 2018-01-23 12:30 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)

●「トランスフォーマー/ロストエイジ Transformer:Age of Extinction」
2015 アメリカ Paramount Pictures.165min.
監督:マイケル・ベイ
出演:マーク・ウォールバーグ、ニコラ・ペルツ、スタンリー・トゥッチ、ジャック・レイナー、リー・ビンビン他

<評価:★★★★★☆☆☆☆☆>
<感想>
新作封切りの時、シネコンに出向いて3Dで鑑賞しに行っている作品だ。その時は★7つも献上している。

今回ホノルルからの帰国便の中で鑑賞。これまでトランスフォーマーはまだ好きだった。しかし前作に本作に
繋がるダメさの萌芽はあった。しかしここまでアカンようになっていたとは。劇場に観にいったときはそうとう
面白く感じたんだね。おそらくは3D効果かと。これじゃ「ケレン」でしか魅力のない映画になってしまうのだが、
繰り返してみると、何故かアラばかりが見えてしまった。
たまたま乗った飛行機のエンターテインメントにタイトルがあったので鑑賞してみたのだが、当時の感触は
もう無くなっていた。いい映画はなんど見てもいい、と思うのだが、これまで落差を感じる作品も珍しい。

第一にストーリーがほんとにダメだなあ。ウォールバーグ親子と彼氏の顛末も陳腐なものだし、舞台が
チャイナになると、チャイナ色が全面に立ち、「中央政府は何があっても香港を守る」とか共産党の役人が
口にするにいたっては「おいおい、中国共産党の洗脳映画か?」とツッコミを入れたくなる。
VFXの仕上がりについてはよく出来ているとは思うけど、香港で登場する金属の恐竜を模したクリーチャーも
なんだかなあ、という感じ。どこからの要望を受け入れたからなのか、160分を超える時間も、物語に魅力が
ないから長~く感じたなあ。この映画を結構ワクワクしてみていた当時の自分てどんな精神状態だったのだ
ろうと思ってしまう。

新シリーズ三部作の一作目が昨年劇場公開されているが、観に行かなくてよかった。もうトランスフォーマー
には期待できないよ。続きが是非みたい、と思わせないこの悲しさ。因みにRottentomatoesの批評家採点は
18%だって。

恥さらしだが、一回目の観賞時の感想と本作のストーリーは以下のリンクの通り。



by jazzyoba0083 | 2018-01-22 15:00 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)

●「パジャマゲーム The Pajama Game」
1957 アメリカ Warner Bros.101min.
監督:ジョージ・アボット、スタンリー・ドーネン
出演:ドリス・デイ、ジョン・レイト、キャロル・ヘニイ、エディ・フォイ・Jr、ボブ・フォッシー他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
この年代になるとMGMや20世紀フォックス、ワーナーなどメジャーが競ってブロードウェイミュージカルを
映画にした時期で、名作も多く作られている。本作は、日本ではあまり人口に膾炙しないが、
その筋には極めて評判の良い作品である。特に、音楽とダンスが多めの作品を好む人には絶好の作品だろう。

本作は映画化に先立つこと3年ほどジョン・アボットの製作でブロードウェイで上演され大好評を博し、ワーナーが
目をつけてミュージカルの名匠スタンリー・ドーネンにメガフォンを取らせた。舞台の主役ジャニス・ペイジを
ドリス・デイに変えて(分かりやすいチェンジだなあ)映画化した。脇役などは舞台のスタッフ、キャストが
使われているので、舞台の再現性が高くなっている。ただし、舞台に比べると上映時間がかなり短く、アボットと
ドーネンが上手く折りたたんで見やすくしている。

当時としては珍しい労働争議と恋を併せて扱ったもので、舞台となるのは「パジャマ製造工場」だ。
賃上げを要求する従業員代表がドリス・デイ。新任の工場長がやがて恋の相手となるジョン・レイトだ。
ボブ・フォッシーの振り付けも素晴らしく、キャメラや色彩の配置などよく考えられている。
「時計と競争」「私は恋をしていない」、またデイとヘイトのデュエットによる「ヘイ・ゼア」、
ハイライトとでも言うべき、女工たちが野原で群舞を繰り広げその踊りもまた素晴らしい「一年に一度の日」、
帽子を使ったいかにもボブ・フォッシーらしい振り付けが冴える「スティームヒート」、光学効果も
見事な「ヘルナンデス・ハイダウェイ」など、その歌と踊りから目が離せなくなるのだ。特にドリス・デイの
活躍は素晴らしい。

結局社長が折れて賃上げは認められるのだが、そこでも喜びの群舞。物語のまとめ方も含め音楽、踊り
全てにおいて一流の出来といえるミュージカルである。残念ながら日本ではDVDでも買えない。
戦後の伸び盛りのアメリカの楽天の世界がここにはある。
(Amazonで輸入盤は買えます)
本日町の映画鑑賞会で、そこで上映されたのだ。稀有な名作を見ることが出来た。
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<ストーリー>
R・ビッセルの『7セント半』をブロードウェイ・ミュージカル化して'54年に大ヒットさせたG・アボットが、
S・ドーネンと組んで作り上げた同材の映画化作品。D・デイを除くと舞台のオリジナル・キャストのままと
いうが、そのデイが素晴らしい。
パジャマ工場のストを煽動する組合の女闘士を、いつもより短髪にした彼女がさっそうと演じて、
時間7セント半のベースアップ要求を主張。新任の工場長(J・レイト)をやりこめる。
そのうち、立場の違いを超えて二人は惹かれ合っていき……。

ボブ・フォッシー振り付けによるダイナミックな群舞、布地の原色と疑似自然光を活かしたH・ストラドリングの
鮮やかな撮影も上々の出来映え。ポピュラー・ナンバーとなった主役二人の二重唱“ヘイ・ゼア”など佳曲も多く、
まず、この年代としては傑作の部類に入ろう。(allcinema)

<IMDb=★6.8>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:91% Audience Score:65% >



by jazzyoba0083 | 2018-01-11 12:00 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)

永遠のジャンゴ Django

●「永遠のジャンゴ Django」
2017 フランス Fidélité Films  117min.
監督:エチエンヌ・コマール
出演:レダ・カテブ、セシル・ドゥ・フランス、ベアタ・パーリャ、ビンバム・メルシュタインほか
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
まずはこの映画を作ったことを称揚したい。欧州の映画のチカラはいろんな意味で強い!

ジョー・パスの名盤「ジャンゴ」に代表されるように、モダンジャズやロックギタリストたちに大きな
影響を与えたジプシー(ロマ)のギタリスト、ジャンゴ・ラインハルト。左手に火傷を負い、人差し指と
中指(と親指)の2(あるいは3)本の指で火を吹くような超絶技巧のパッセージを奏でたジャンゴ。
ジャズギター大好きな私は、何はともあれ見なくては、と行ってきた。

ジャンゴの生き様と、ナチによるジプシー(ロマ)の迫害が半ばして描かれる感じの仕上がりだった。
とにかくレダ・カテブという俳優さんの、指使い(あてぶり)が見事。実際は現代ジプシー・ジャズの
最高峰ローゼンバーグ・トリオの、ジャンゴもかくやという演奏を聞かせているのだが、雰囲気も出ていて
作品の性格上も、しっかり聞かせるということもあり、長い時間の演奏が鑑賞できる。レダさん、
大変だっただろうなあ。実際のジャンゴの方がもう少しふっくらとしていたけどね。本作では大戦中の話なので
ジャンゴの生い立ちは説明されない。(火傷で左手の薬指と小指が曲がったまま、というのが出てくる程度)

映画は、森の中のロマの人々がナチに追われるシーンから始まり、パリのフランス・ホット・クラブ五重奏団の
長い演奏へと繋がる。(ジャンゴは酒を飲みながら釣りに行っていて大遅刻なんだけど)ホールいっぱいに
入った客の中にはナチの軍服も見られる。若い将校は敵性音楽であるジャズのスウィングに体を揺らし
笑顔である。いい音楽は万国共通だ、と思わせる一コマである。
しかし、ジャンゴがドイツに行って演奏することになると監視する将校から、以下の様なことを言われる。
「スィングという演奏は20%。ブルース、ブレイクは禁止。シンコペーションは全体の5%。
アドリブは5秒以内、足を鳴らして調子を取ることは禁止」と。ならジャンゴに演奏なんかさせなければ
いいのにね。でも1940年に出した「雲」は10万枚以上売り上げた、というから当時凄い人気者だったのだ
ろう。アーリア人らしいというかドイツのクラッシックしか音楽と認めない、というナチの偏狭ぶりが
分かるというものだ。その将校から「お前は音楽を知っているのか」とかいわれるのだが、ジャンゴは
「音楽が俺を知っている」と返す。なかなか言えないセリフだ。

ボヘミアンなジャンゴだが、ナチのユダヤやロマに対する迫害は日に日に苛烈になっていく。恋人のススメで
スイスに逃避することになるのだが、その顛末に胸が痛む。もともと領土意識が所有意識も薄いことから
戦争というものをしない民族であるロマは、流浪の、放浪の、と賤民の代表のように言われる。それは誰が
決めたことなのか。国家という世界観が出来上がった歴史のなかで弾き出された、世界中にある領土意識の
ない民族の不幸が大きく横たわる。

本作でのハイライトとでも言える湖畔の貴族の邸宅で開かれたナチとシンパのパーティーで、演奏を
担当したジャンゴの楽団は、禁止されていたにも関わらず、ヒートアップし、しかし、パーティーの参加者も
演奏に突き動かされるようにダンスを始めてしまうのだ。見張りの兵隊も覗き込みに来る。(これが狙いで
その背後で傷ついた英兵をボートでスイスに運んでいたのだが)
しかし、一番エライ少将が、あまりの浮かれ方に激怒し、演奏を中止させる。そこにレジスタンスが列車を
転覆させたというバイクの兵士のもたらした一報が。

雪に穴をほってナチの追跡を逃れたジャンゴの姿が1945年5月のパリの教会にあった。そこには母も
一児の母となった夫人も仲間もいた。そこではジャンゴは指揮にたち、パイプオルガンをメインにして
コーラスも入ったレクイエムが流れた。ギターを持たない彼の姿と流れる音楽は、ジャンゴが戦争を経て
体験したことの大きさを語っていた。

ジャンゴの奏でるジャズは、よくスイングするが、アコースティックギターの独特の音色はどこか
哀愁を帯びているように聞こえる。それはロマである彼の根っこのようなものなのからくるのかも
しれない。

本作はジャンゴの生涯のほんの短い時間を描いたに過ぎないが、ジャンゴにとっても歴史的に濃い時間を
抽出し、彼の生き方、音楽への情熱、そして民族迫害をまるで濃縮ジュースのように切って見せた。
フィクションも入っているようだが、それにしてもジャンゴという人物の何かを変えるものではないで
あろう。その人生においても(映画に描かれなかった戦後も含め)こんなに凄い人がいたのだ、という
ことを歴史を含めて知ることが出来るのは本作の長所である。
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<ストーリー>
ジプシーの血を引く伝説的ジャズギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトの真実に迫る人間ドラマ。
1943年、ドイツ軍占領下のフランス。ホールを連日満員にしていたジャンゴの人気に目をつけたナチスは、
彼をプロパガンダに利用しようとドイツでの公演を画策する。
出演は「孤独の暗殺者 スナイパー」のレダ・カテブ、「少年と自転車」のセシル・ドゥ・フランス。
撮影は「美女と野獣(2014)」のクリストフ・ボーカルヌ。
「大統領の料理人」「チャップリンからの贈り物」の脚本家エチエンヌ・コマールの監督デビュー作。

1943年、ナチス・ドイツ占領下のフランス。ジプシー出身のギタリスト、ジャンゴ・ラインハルト
(レダ・カテブ)は、パリでもっとも華やかなミュージックホール、フォリー・ベルジェールに出演、
その華麗なパフォーマンスで満員の観客を沸かせていた。
会場にはジャンゴの愛人ルイーズ(セシル・ドゥ・フランス)の姿もあった。そんななか、彼の才能に惚れ
込んだナチス官僚がドイツでの公演話を持ちかけてくる。ベルリンのコンサートには宣伝相のゲッベルスが
来場し、ヒトラー総統も来るかもしれないという。自分がナチスのプロパガンダに利用されようとしている
ことも意に介さないジャンゴは「俺たちジプシーは戦争などしない。俺はミュージシャンで演奏するだけだ」と
うそぶくが、ドイツ軍の動向に精通しているルイーズは、フランスの国内外でジプシーへの弾圧が行われて
いる事実を伝え、家族全員でスイスへ逃亡するよう促す。

ルイーズの説得によって事の重大さを知ったジャンゴは、年老いた母親ネグロス妊娠中の妻ナギーヌを伴い
スイスと国境を接するトノン=レ=バンに移り住む。
レマン湖畔の空き家を借りたジャンゴ一家は、近くにあるジプシーのキャンプで親戚に歓待され、心安らぐ
ひとときを過ごすが、この地もドイツ軍の支配下にあった。船でスイスに渡る計画は先送りされ、
ジャンゴは過酷な現実に直面する。
ドイツ軍と警察によってジプシーの活動は厳しく制限、食料などの生活物資も乏しい。やむなくジャンゴは
食いぶちを稼ぐために即席バンドを結成し、素性を隠して地元のバーで演奏を始めるが、ずっと可愛がって
いた猿のジョコが何者かに殺されてしまう。さらにドイツ軍に住みかを徴収され、ジプシーのキャンプに
身を寄せるはめになる。

そんな折、バーでドイツ軍の取り締まりを受けたジャンゴは司令部に連行され、近々催されるナチス官僚が
集う晩餐会での演奏を命じられる。ジャンゴの身を案じてやってきたルイーズも「お願いだから弾いて。
逆らえないわ」と告げるのだった。警察から公道の往来とキャンプを禁じる通達が出され、ジプシーへの
迫害が激しさを増すなか、ひとりの神父と知り合ったジャンゴは、彼の勧めに従い、教会のパイプオルガンを
使って作曲に勤しむ。そこでジャンゴが奏でる音色には、理不尽に虐げられるジプシーの苦悩と哀しみが
色濃くにじんでいた。やがてジャンゴはレジスタンスの男女から、晩餐会の夜、負傷したイギリス人兵士を
こっそりスイスへ逃がすよう依頼される。ドイツ軍の目を逸らすため、ジャンゴに晩餐会で演奏を行って
ほしいという……。(Movie Walker)

<IMDb=★6.3>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:63% Audience Score:92% >



by jazzyoba0083 | 2018-01-09 15:40 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)