●「ロビンとマリアン Robin and Marian」
1976 イギリス Columbia Pictures Co.107min.
監督:リチャード・レスター
出演:ショーン・コネリー、オードリー・ヘプバーン、リチャード・ハリス、ロバート・ショウ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
ご存知、ロビン・フッドの物語である。監督はリチャード・レスター。みなさんは
彼の名前でどの作品を想起するでしょうか?「ビートルズがやってくる/ヤァ!ヤァ!
ヤァ!」「HELP! 四人はアイドル」あたりでしょうか、「スーパーマンⅡ、Ⅲ」
あたりでしょうか。スーパーマンは置くとしても、この人の映画ってどこか脱力的な
雰囲気がある。ことばが悪ければほんわかしているというか。

この映画も、10世紀のイングランド、リチャード獅子心王など実在の人物も
出てきて、また配役もロビンの相棒リトル・ジョンにニコル・ウィリアムソンを、また
獅子心王にサー・リチャード・ハリス、悪代官にロバート・ショウを配し、
「暗くなるまで待って」以来の大きな役を演じることになった50歳ちょっと手前の
オードリー・ヘプバーンを据え、音楽にジョン・バリー(ここの音楽がいい)と、
凄いスタッフキャストを迎えたのだが、全体の作りは悪くないんだけど、脱力系で
ある。シリアスなんだけどシリアスじゃないみたいな。悪代官との一騎打ちは
そうとうちゃんとした格闘になっていたし。

なんか年取っちゃってあっちが痛いの、息が切れるの、みたなマイナーなことばかり
いうロビン・フッド。恋人マリアンも「私も年を取ったわ」なんて、熟年向けの
映画か?とツッコミを入れたくなるような感じだ。かといってダメ映画なのかと
言われるとそうでもないのだなあ、これが。今では絶対に作れないような幸せな映画。

ヘプバーンを画面でキチンと観られるのはおそらく本作が最後じゃないかな。
「オールウェイズ」では天使さまみたいな役柄で全面フィーチャーじゃなかったし。
またエンディングがかっこいいというかなんというか。なんじゃこれ、という人も
多かろうが、私は結構好きですね。

それにしても、ラストカットの腐ったような3つのリンゴは何を意味しているんだ
ろうか。ロビンとリトル・ジョンとマリアンか?
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<ストーリー:最後まで触れています>
ある事情で十字軍の一員としてヨーロッパに渡ったロビン・フッド(S・コネリー)と
親友リトル・ジョン(N・ウィリアムソン)の二人は、獅子王(R・ハリス)の死によって、
十八年ぶりに故国イギリスに帰ることになった。久しぶりにイギリスに戻った二人を
出迎えたのは、緑したたる森と田園、そしてシャーウッドの森の仲間たちだった。

すべてが十八年前のままで、ロビン・フッドとリトル・ジョンの心をなごませた。
一方、変わっていないといえば、ジョン王(I・ホルム)のもと、イギリス国民はふたたび
悪政に苦しんでいたこと、ロビン・フッドの宿敵ノッチンガム(R・ショウ)が未だ
権力をふるい、良民を苦しめていたことだった。
ただひとつ、ロビン・フッドの美しい恋人マリアン姫(A・ヘップバーン)が、今は
カークリーの近くの修道院長になっていたのが思いがけないことだった。

しかし、長い歳月の隔りも、二人の深い愛を妨げることはできなかった。しばらくして、
マリアンは尼僧たちとともにシャーウッドの森に移り、ロビンとの愛の日々を送るの
だった。森林の木もれ陽の下に、小川の流れのほとりに、黄金色に輝く花畑の中に、
寄りそったふたりのみちたりた姿があった。だが、その間にも民衆の、ロビン・フッドを
待つ声は大きくなる一方だった。
そして、村の、町の有志たちが森へやってきた。少年もいた。老人もいた。ロビン・
フッドは来るべき日のために、彼らを訓練した。マリアンと尼僧たちにとっても忙しい
毎日だった。

国王と教会とが正面からぶつかった日、ついにロビン・フッドはマリアン、シャーウッドに
集まった人々と共に立ち上った。ジョン王とノッチンガムの軍勢に立ち向かうシャーウッドの
男たち。ノッチンガム代官とロビン・フッドの一騎打ちは凄絶だった。両軍の見守る中、
ロビン・フッドはついにノッチンガムを倒した。だがロビン・フッドも深手を負ってしまう。
マリアンはリトル・ジョンの助けを得て、重傷のロビン・フッドを修道院へ連れ帰った。
ロビン・フッドの命が明日をも知れぬことは、マリアンが見ても一目瞭然だった。彼女は
意を決した。毒入りのワインをロビン・フッドにふくませたマリアンは自分も一気にその
ワインを飲みほした。(Movie Walker)

<IMDb=★6.6>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:76% Audience Score:53% >




# by jazzyoba0083 | 2017-09-19 22:40 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「最高の花婿 Qu'est-ce qu'on a fait au Bon Dieu?」
2014 フランス Les Films du 24 97min.
監督・(共同)脚本:フィリップ・ドゥー・ショーブロン
出演:クリスチャン・クラヴィエ、シャルタン・ロビー、アリ・アビタン、メディ・サドゥン他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
面白いんだけど、腹から笑えない重いテーマを持っている。さすがはフランスらしい
映画だ。ヒューモアとエスプリがたっぷり効いている。この時代だからこそ出来た映画で
あろうが、中東からの難民問題は欧州での大規模テロが頻発するちょっと前だった
から、今だとちょっと作れないテーマかもしれない。
娘四人がアラブ、ユダヤ、中国、そしてアフリカ系黒人と次々と結婚するという
両親や周囲の困惑をドタバタにして描いているのだが、こんな映画を作らなくても
いい世の中が来ることを切に願う。

フランスの田舎に住むヴェルヌイユ夫妻には自慢の美人4姉妹がいる。いずれも
婚期を迎えていたが、夫妻の、自分たちも挙式した教会で娘らの幸せな姿を
みたかった。だが、次々と結婚する娘の、長女の旦那はアラブ人、次女はユダヤ人、
三女は中国人と国籍も宗教もばらばら。集まるとお互いの民族や宗教をおちょくる。
そんな夫妻にとって最後の砦は一番美女の末娘ロールであった。彼女こそは・・・、
と願うのだがそれも虚しく、ロールの相手はコートジボワールから来た黒人で
しかも役者だ。卒倒しそうな夫妻は、どうしてこうなってしまったのか悩む。

牧師さんのところに行ったり、分析医にかかったり。そしてついには離婚の危機が
訪れてしまう。末娘としても大いに悩むところだ。彼の父親も結婚には反対の
姿勢を崩さない。彼の父親も値は悪い人ではないので、父親同士で酒を飲んだり
釣りに行ったりしているうちに次第にお互いが持っていた「ある種の偏見」が
薄れてきた。最後はハッピーエンドになるのだが、きわどいセリフの応酬には
ハラハラさせられるし、両親が牧師に末娘がここで結婚することになったと報告に
行った際、牧師は姉たちの事情を分かっているので、相手がクリスチャンながら
黒人だと聞いて、笑っちゃうんだ。分かるんだなあ。笑っちゃうよなあ普通。
差別とかじゃなくて。

よほどの聖人君子でなければ、差別主義者でなくても、だれでも一瞬呼吸が止まる
であろう瞬間。娘が幸せならばそれでいい、と思っていても、である。そういう
万人の思いを上手くすくい上げ、コメディというジャンルで示して見せた。
移民国家でもあるフランス(かつて植民地を持っていた欧州の国はだいたい同じ
ようなものだ)の、(大げさに言えば)あるべき姿を示した作品と言えよう。
乾いた笑いが、陰湿な差別感を吹き飛ばす役割を担っている。
ただ、婿がみんな良いやつなんで、そのあたり若干のご都合主義を感じないでもないが。

この映画を観た殆どの人は4人娘の父母の思いはいかばかりか、良く堪えて心を
広く持てたなあ、偉いなあ、と思うだろう。おそらく今のフランスではかなりの
人がそう思えなくなってしまっているだろうから。
時間があればご覧になることをお勧めしたい作品である。2014年のフランス興収
ナンバーワンの映画だそうである。
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<ストーリー>
フランス・ロワーヌ地方に暮らす敬虔なカトリック教徒のクロードとロビーのヴェルヌイユ
夫妻には4人の娘がいた。だが、長女イザベルはアラブ人のラシッドと、次女オディルは
ユダヤ人のダヴィドと、三女セゴレーヌは中国人のシャオ・リンと結婚。娘たちのために
祝福はしたものの、教会で挙式もできずに内心はがっかり。
様々な宗教儀式から食事のルールまで、異文化への驚きと気遣いに疲れ果てていた。せめて
末娘のロールだけはフランス人と結婚してほしいと願う夫妻は、パリで暮らす末娘の恋人が
カトリック教徒と聞いて安堵する。ところが、ロールが連れて来たのはコートジボワール
出身の黒人青年シャルル(ヌーム・ディアワラ)であった。ヴェルヌイユ一家は結婚に大反対。
さらに、フランス人嫌いのシャルルの父(パスカル・ンゾンジ)も息子の結婚に異を唱え
始める……。(Movie Walker)

<IMDb=★7.0>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:---Audience Score:61%>



# by jazzyoba0083 | 2017-09-18 23:10 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

●「ゴッドファーザー The Godfather」(Digital 4k Ver.)
1976  アメリカ Paramount Pictures.175min.
監督:フランシス・フォード・コッポラ 原作:マリオ・プーゾ
出演:マーロン・ブランド、アル・パチーノ、ジェームズ・カーン、ジョン・カザール
   ダイアン・キートン、ロバート・デュバル、リチャード・カステラーノ他
 
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      <1972年度アカデミー賞作品賞、脚色賞、主演男優賞受賞作品>
<評価:★★★★★★★★★★>
<感想>
このところ「アメリカン・ニュー・シネマ」を再び見ることにハマっていて、
Blu-rayなども買い漁っている。なぜかというと一言で言って「映画の持つ
人間的なエモーションとエネルギーを肌で感じる」ということだろう。
VFXバリバリのアメコミ映画も好きだけど、やっぱり自分の映画の原点はこの辺に
ありそうだ。

さて、本作、よくよく考えてみると、自分はテレビでしか観ていないんじゃないか、と
思い、この際、キチンと観てみることにした。(深作欣二「仁義なき戦い」は全作
観ているのに)今やデジタル4K版となっていて当時から陰影の美しい映画だったが
更に美しく、画面が持つ意味あいが深化したような感じを受けた。

今更この映画に何言えばいいのか、専門家から素人まで百家争鳴。プーゾの
原作がどんなニュアンスだったか分からないが、調べると原作にかなり忠実に
描かれているという。つまり、アメリカにおいては、アイルランドやドイツ系に
比べると遅れてやってきたイタリア系移民のファミリー。彼らは家族的な繋がりを
重要視し、その中で自らの繁栄と家族の幸せを守らなくてはならなかったのだ。
しかし、そこにはまっとうな職業はなく、興業や芸能、商売の利権などの上がりを
飯の種にしていたわけだ。この映画にも出て来るがNYにはイタリアの5大ファミリーが
存在し、やがてファミリー間の縄張り争いに発展していく。
(このあたりの展開は、出来と意味合いは全然違うけど、終戦直後の広島を舞台にした
「仁義なき戦い」に構図としては似ている。平たく言えば「ヤクザ」の世界だ。)

NYギャングはアル・カポネとエリオット・ネスのいわゆる禁酒法時代以前から
シカゴやNYを舞台に、裏社会やそれに結びつく政治家や警察らを巻き込んで
そのながれは現在も続いている。
コルレオーネ一家というのは実在するファミリーで、これだけ迫真の映画を
作るには製作側も出演側も相当な覚悟がいただろう。

本作以前にも以降にもたくさんのギャング映画が作られるのだが、やっている
ことは決してほめられるものではないのだが、ただの縄張り争いの殺し合いだけ
ではなく、「家族の愛」を込めた作品は本作をもって嚆矢とするのではないか。

閑話休題。映画そのものについては、3時間に及ばんとしる長編大河であるが、
間延びすることなく、観客の興味を貼り付けて離さない作り。キャスト、演出は
もちろんだが、キャメラの動き、画角の使い方、陰影の効果的な使い方、
出て来る人は多いが、セリフを長くせず、明瞭にしたことにより、ストーリーが
分かりやすくなっている。前半のドン・コルリオーネ、そして後半は大学出の
末っ子、マイケルが、ファミリーのゴッドファーザーとなっていく過程が描かれる。
マイケルの心の移り変わりも極めて興味深いところえある。

もちろん、銃撃シーンのリアリティも見逃すことは出来ない。シーン全体としての
緊張感の作りあげ方が素晴らしいのだ。
加えてニノ・ロータの哀愁を帯びた音楽は、このギャング映画に大切な
味付けをもたらしている。この後「Once Upon A Time In America」という
映画が出来たが、この中の「アマポーラ」(オリジナル音楽ではないが、エンリオ・
モリコーネの音楽が作品に非常にマッチしていた)と並び、ギャング映画の中の独特の
音楽として記憶に残るのである。
個人的にこの映画のどこが好きか、と問われれば全体のキャスティング(と彼らの
演技)と、細かいところに神経が行き届いた画作りの二つ、と答える。
コッポラ、この時33歳!彼に任せてたパラマウントも天晴である。

さて、本作のできの良さは私ごときがどうのこうの言うべきでもないのだが、
これがアメリカン・ニュー・シネマかどうか、という点。TSUTAYAの推薦する
アメリカン・ニュー・シネマには入ってない。代表作のひとつ「俺たちに明日はない」
もギャング映画ではあるが、ゴッドファーザーとは描こうとしてるところが全然違う。
だが、予算とか、ロケ多用とか、反権力反体制とか厳密に見るとニューシネマの
範疇ではないのかもしれないが、個人的には、これまでそれこそ禁酒法時代の
マフィアを描いた作品とは一線を画す、新しい価値観をもたらしたニューシネマで
あったと思うのだ。
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<ストーリー:結末まで書かれています>
1282年、当時フランスに支配されていたシシリー島の住民が秘密組織をつくって反乱した
時の合い言葉だったといわれる“MAFIA”は、19世紀に入り、“犯罪組織”として
イタリアの暗黒街に君臨するようになった。
そしてイタリア系の移民として、この組織もアメリカに渡りアメリカ・マフィアが誕生した。
その組織はシシリーやナポリ出身者またはその子弟で構成されており、組織の頂点に
ファミリー(家族)がありボスがいる。アメリカ・マフィアの年収は200億ドルといわれ、
ギャンブル、合法企業の金融、運輸、スーパーなどを経営している。
「ゴッドファーザー」はそうした巨大なマフィアの内幕を描いたマリオ・プーゾ
ベストセラーの映画化である。

コルレオーネ(マーロン・ブランド)の屋敷では、彼の娘コニー(タリア・シャイア)の
結婚式が行なわれていた。一族の者を始め、友人やファミリーの部下たち数百名が集まった。
ボスのドン・ビトー・コルレオーネは、書斎で友人たちの訴えを聞いている。彼は、
相手が貧しく微力でも、助けを求めてくれば親身になってどんな困難な問題でも解決して
やった。彼への報酬といえば、友情の証と“ドン”あるいは“ゴッドファーザー”という
愛情のこもった尊称だけだった。
そして彼の呼び出しにいつなりとも応じればよいのだ。これが彼らの世界であり、その
掟だった。ドンのお気に入りの名付け子で、歌手として成功したが今は落ち目になって
いるジョニー・フォンテーン(アル・マルティーノ)もその1人だった。新作映画で彼に
きわめつけの役があり、俳優として華々しくカムバックできるに違いないのだが、
ハリウッドで絶大な権力を持つプロデューサー、ウォルツ(ジョン・マーレイ)から
その主役をもらえずにいた。フォンテーンの窮地を知ったドンは静かにうなずいた。

ある朝、目を覚ましたウォルツはあまりの光景に嘔吐した。60万ドルで買い入れた
自慢の競走馬の首が、ベッドの上に転がっていたのだ。それからしばらくして
フォンテーンの許に、その新作の大役があたえられた。

ある日、麻薬を商売にしている危険な男ソロッツォ(アル・レッティエーリ)が仕事を
持ちかけてきた。政界や警察に顔のきくドンのコネに期待したのだが、彼は断った。
だがソロッツォは、ドンさえ殺せば取引は成立すると思い、彼を狙った。早い冬の夕暮れ、
ドンは街頭でソロッツォの部下に数発の銃弾を浴びせられたが一命はとりとめた。
これはドン・ビトー・コルレオーネに対する挑戦だった。

ソロッツォの後にはタッタリア・ファミリーがあり、ニューヨークの五大ファミリーが
動いている。こうして1947年の戦いが始まった。末の息子マイケル(アル・パシーノ)は、
一族の仕事には加わらず正業につくことを望んでいたが、父の狙撃が伝えられるや、
家に駈けつけ、偶然にも2度目の襲撃からドンの命を救った。ドンの家では長男のソニー
(ジェームズ・カーン)が部下を指揮し、ドンの復讐を誓ったが、一家の養子で顧問役の
トム・ハーゲン(ロバート・デュヴァル)は、五大ファミリーとの全面戦争を避けようと
工作していた。

やがてソロッツォが一時的な停戦を申し入れてきた。だがソロッツォを殺さなければ
ドンの命はあやうい。マイケルがその役目を買ってでた。ソロッツォ殺しは危険だが
失敗は許されない。彼はこの大役を果たし、シシリーへ身を隠した。

タッタリアとの闘いは熾烈をきわめ、ソニーは持ち前の衝動的な性格が災いして敵の罠に
落ち、殺された。そんななかでドンの傷もいえ、和解が成立した。ドンにとっては
大きな譲歩だが、マイケルを呼び戻し、一家を建て直すためだった。

2年後、アメリカに帰ったマイケルは、ドンのあとを継ぎ、ボスの位置についた。
ファミリーは縄張りを荒らされ、ゴッドファーザーの過去の栄光がかろうじて崩壊を
くいとめているという状態だったが、マイケルの才能は少しずつ伸び始め、勢力を拡大
しつつあった。
ある日曜日の朝、孫と遊んでいたドンが急に倒れた。偉大なるゴッドファーザー、
ドン・ビトー・コルレオーネは、多くの人々が悲しみにくれる中で安らかに死を迎えた。
しかしマイケルの天才的な頭脳で練られた計画によってライバルのボスたちは次々に殺され、
その勢力は一向に衰えなかった。彼の横顔は冷たく尊大な力強さにあふれ、部下たちの礼を
うけていた。“ドン・マイケル・ゴッドファーザー”

<IMDb=★9.2>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:99% Audience Score:98%>





# by jazzyoba0083 | 2017-09-17 23:55 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)

●「テキーラ・サンライズ Tequila Sunrise」(再見)
1988 アメリカ Warner Bros.,The Mount Company. 115min.
監督・脚本:ロバート・タウン
出演:メル・ギブソン、ミシェル・ファイファー、カート・ラッセル、ラウル・ジュリア他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆☆>
<感想>
この監督さんはもともと脚本家で、名作「俺たちに明日はない」にもクレジットされて
いるんだね。その他にもけっこうヒット映画に名を連ねている。そんなロバート・タウン
監督が、当時売り出し中の3人をキャスティングし、麻薬取引から足を洗う覚悟を決めた
男とそれをずっと追ってきた刑事、それにレストランマネージャーの女という三角関係を
加えて作った、日本でいうところの「バブルの匂いのする」作品。恋愛映画なのか、
アクション映画なのか、結局どっちつかずで終わってしまった。時間もちょっと長すぎ。

音楽がデイヴ・グルーシン、サックスソロがデイヴィッド・サンボーン、ギターソロが
リー・リトナーという音楽の布陣を見ても、本作が、ムーディーな「おしゃれな
アクション映画」という雰囲気がわかろうというものだ。出てくる人が一癖ありそう
なものの、基本的にいい人なんで、ピリッとしない。ラストで刑事カート・ラッセルに
背後から撃たれるDEA取締官が悲劇である。それにしても、メキシコの刑事になりすまして
やってくる麻薬密輸のボス、カルロスだが、だれも顔を知らないって、メキシコ警察から
写真でももらっておけば?と思うのは私だけ?

二度目の鑑賞となったのは、印象薄い映画は6年半も経つと、まるっきり忘れている
という証左。
(苦笑)
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<ストーリー:結末まで触れています
麻薬の仲買人として知られる通称マックことデイル・マカシク(メル・ギブソン)は、
最近になって足を洗うことを決意するが、周囲の人は誰もそれを歓迎していなかった。
別れた妻は一人息子の養育権をタテに彼を脅し、従兄のリンドロフは金づるの
マックを手放したがらなかった。そんなマックには、ニック・フレシア
(カート・ラッセル)という高校時代からの親友がいたが、麻薬捜査官でもある
彼は、ある日上司から組織壊滅のためにマックの身辺捜査を命じられるのだった。

ある日ニックは、マックが行きつけの高級レストランに出向き、そこの女性オーナー、
ジョー・アン・バリナリー(ミシェル・ファイファー)と親密になる。警察はこの
レストランが、マックの麻薬の取り引きの場と考えていたのだ。
そして彼女をめぐってマックとニックは互いの思いを対立させるようになる。

やがて警察は、南米の麻薬コネクションの元締めカルロス・エスカランテと接触する
マックを捕えることで、この2人を一網打尽にしとめようと南米から麻薬捜査官を
招くが、実は彼こそがそのエスカランテ(ラウル・ジュリア)だった。
マックとエスカランテは、メキシコの刑務所で一緒になって以来の友人関係にあったが、
マックは彼に足を洗うことを打ち明ける。そしてニックの協力を得てエスカランテの
誘惑から逃れることのできたマックは、同時に警察に対して身の潔白を証明する。
一方,ジョー・アンは、マックとの愛に生きることを決意し、ニックはそんな2人を
すがすがしいまなざしで見つめるのだった。(Movie Walker)

<IMDb=★6.0>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:42% Audience Score:40% >




# by jazzyoba0083 | 2017-09-16 22:55 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)

シノーラ Joe Kidd

●「シノーラ Joe Kidd」
1972 アメリカ Universal Pictures,Malpaso Film.94min.
監督:ジョン・スタージェス
出演:クリント・イーストウッド、ロバート・デュバル、ジョン・サクソン、ドン・ストラウド他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
「荒野の七人」「大脱走」のジョン・スタージェスとクリント・イーストウッドの西部劇とは
一体如何なるものか、と観てみた。1972年はイーストウッドにとっては「ダーティ・ハリー」の
一作目の翌年となる。マカロニ・ウエスタンで注目され、その後も西部劇という範疇は本籍地みたいな
ものであるし、スタージェスだからな、との思い。

テクニカラーの色は綺麗だし、音楽はラロ・シフリンだし、なんだけど、なんかどっち付かずの
ピリッとしない作品になっちゃったなあ、という感じだ。メキシコ人が大きくフィーチャーされる
のだが、だいたい、アメリカはメキシコの政情混乱に乗じて国土の半分ほどを占領したり、買い
叩いたりしたので、現地のメキシカンにしてみれば白人は自分の土地を奪った悪人としか見えて
いなかっただろう。本作は1900年が舞台なので、米墨戦争からはだいぶ時間が経ってはいたが、
旧メキシコ領に入ってきていたのは、本作でのハーラン(デュバル)のような白人であった。
そのあたりを攻めてくるのかな、と思ったら、そうでもなく、メキシコ人たちを騙している
悪い白人を我らがイーストウッドがやっつけることはやっつけるのだが、思想性、政治色は
感じない。

ジョー・キッドは無頼者であり、白人側なのか、メキシコ人側なのか、判然としない。自分の
思うがままに、時にはメキシコ人も殺し、最後にはハーランをも裁判所の法廷で射殺するのだ。
まるで自分が裁判長だとでも言いたいように。ハリー・キャラハンの面影も浮かばないわけでは
ないが、はっきりした「善」対「悪」という単純な構図を、本作では感じられなかった。
イーストウッドもまだ「荒野の用心棒」のように無頼がかっこよっく、木枯し紋次郎的な
かっこよさを演出していたころなのだな。娯楽作としてはまあまあ。ラロ・シフリンの音楽は
従来の西部劇音楽とは一線を画すが、中身とあっているかというとそこまでの印象は無かった。
昔のイーストウッドがカッコイイと思える向きにはいいかもしれない。短い映画だし。
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<ストーリー>
どこへ行っても、堕落した西部の町では権力と結びついた名目だけの保安官と町の支配者たちの気まぐれに
よって、流れ者や弱者が制裁を受けるように、ここシノーラの町でもジョー・キッド(クリント・イースト
ウッド)は拘置所にぶち込まれた。彼のいい分は全然聞き入れられずに10日間の拘置と労役をいい渡された。

そこへ突然、チャンマ(ジョン・サクソン)とその一味が乱入してきた。彼らは、自分たちが住んでいた
土地を、わけのわからぬ理由をつけられ、牧場主たちに奪われてしまったのだ。そして幾度となくシノーラの
裁判所にもち込んだが、資本家側の判事(ジョン・カーター)に判決をのらりくらりとひきのばされ、
いっこうにらちがあかなかった。彼らは、保安官を監禁すると土地管理事務所に押しかけ、自分たちの士地で
あることを証明する唯一の記録を焼いた仕返しに、そこにあった書類を全部焼き払い、外で待っていたリタ
(ステラ・ガルシア)を連れてて砂塵の中に消えた。

一味が去ったあと、保安官は追跡隊をつのり、さらに大地主のハーラン(ロバート・デュヴァル)は
ラマー(ドン・ストラウド)、ミンゴ(ジェームズ・ウェインライト)など、すご腕のガンマンを引き連れ、
後を追った。またハーランは、キッドの腕を見こみ、500ドルの罰金を払ってやり、彼にも追跡を頼んだ。
キッドにしてみれば、別にチャンマたちに恨みがあるわけではなかったが、一味が自分の馬を盗んだことを
知って、1000ドルの追跡料をもらってオーケーした。翌日、さらにハーランは待ちあわせていた別のガンマン
たちを追手に加え、大勢を率いてチャンマがいると思われる岩山に囲まれた山村にやってきた。

村人たちはおびえるだけでなすすべを知らなかった。ハーランは村人たちを広場に集め、チャンマに向かって、
もし出てこなければ村人たちを殺すと宣言した。翌日から1日5人ずつ殺していくというのである。
キッドはこの処置に反対したが、ハーランに武器を取りあげられて、村人たちと一緒に教会に監禁された。

夜明け近く、キッドは、たくみな策略で教会から脱出したが、すぐその後、ハーランは人質を数人射殺した。
一方、キッドは酒場にしのび込んでリタと会い、モーゼル銃をぶっぱなしてガンマンたちを釘づけにしてから、
リタとチャンマの野営地に向かった。村人を見殺しにしたチャンマにリタは失望し、キッドはちゅうちょする
チャンマに銃をつきつけて、正当な裁判を受けるべくシノーラの町へ向かった。
ハーランも人質を釈放して、シノーラに帰ることを了承した。町に向かうキッドとチャンマの一行を、ハーランの
別働隊が狙撃してきた。この場はキッドの銃さばきで乗りこえたものの、シノーラに着いた途端、再度銃撃を
始めた。キッドはハーランの潜む酒場に列車を暴走させると、浮き足だった一味を皆殺しにし、ハーランの胸に
弾丸をぶち込んだ。(Movie Walker)

<IMDb=★6.5>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:86% Audience Score:53% >



# by jazzyoba0083 | 2017-09-15 22:45 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

●「バズビー・バークレイの集まれ!仲間たち The Gang's All Here」
1943 アメリカ 20th Century Fox Film Co.,104min.
監督:バズビー・バークレイ  音楽:アルフレッド・ニューマン
出演:アリス・フェイ、ジェームズ・エリソン、ユージン・パレット、シーラ・ライアン、カルメン・ミランダ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
市が主催する映画鑑賞会今月午前の部の作品。渋い映画を選びますねえ。でもこれ日本未公開で
WOWOWで一度ほど放送したくらいで、現在Amazonでも入手不可能ですから、ほとんど観ることが
出来ないですね。貴重な機会でした。

ここまで古くなると知らない人がたくさん出てきます。だいたい監督のバズビー・バークレイという
人、後で調べれば「私を野球に連れてって」(これも日本未公開)の監督さんなのですが、調べる
までは気が付かなかった。出演者も、ベニー・グッドマンしか顔を知らないという状態。

バズビー・バークレイという人はコレオグラファーで監督という肩書。さらに本作はミュージカルと
いうよりレヴューといったほうがいいかな。ストーリーはあると言えばある、という程度で、観るべきは
映像の美しさ。構図の先進性、美術セットの豪華さ、踊りの素晴らしさ、という点でありましょう
特に、カルメン・ミランダの巨大なバナナを頭に載せて、バナナをテーマにした踊りはビックリしますよ。

それと、本作後では「水着の女王」(1949)のエスター・ウィリアムズのシーンで有名になった
真俯瞰からの映像をもうやっている。まるで万華鏡を覗いているようなシーンであります。
これがテクニカラーという劣化の少ない映像で今でも堪能出来るとは嬉しいことです。

それと、この大掛かりな美術セットを撮影するカメラの動きの凄いこと。クレーンシーン、トラック
シーン、ドリーシーン、など(クレーンはワンシーンで俯瞰から横打ちまで一気に回してしまう)
この時代にこのダイナミックさ!と驚愕でした。

コレオグラファーとしてはこの作品では群舞が主になるので、アンサンブルの美しさが強調されていた
ようですね。全体のカラーリングも美しい。これ、1943年製。ショーの入場券が戦時ボンドであったり
主人公が軍人であったりでそれなりに戦時を感じますが、こんなゴージャスな映画を昭和18年に撮って
いたんですから、あきれるというか、日本は何をしていたのかという・・・。

さて、スウィング・ジャズ好きにはベニー・グッドマン楽団が何曲か披露します。特にベニー自身が
2曲ほど歌うんですが、これがなかなか上手い。初めて聞きました。

そんなこんなで、魅力たっぷりな本作、是非ブルーレイで出してほしいなあ。

ストーリーについてはネットで検索してみてください。この手の映画顔好きな人はお多いと見えて、丁寧な
ストーリーを書いていらっしゃる方も多いです。
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ちなみに英語が分かる方は下記IMDbの記事を・・
Playboy Andy Mason, on leave from the army, romances showgirl Eadie Allen overnight to such effect that she's starry-eyed when he leaves next morning for active duty in the Pacific. Only trouble is, he gave her the assumed name of Casey. Andy's eventual return with a medal is celebrated by his rich father with a benefit show featuring Eadie's show troupe, at which she's sure to learn his true identity...and meet Vivian, his 'family-arrangement' fiancée. Mostly song and dance. Written by Rod Crawford

<IMDb=★6.9>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:100% Audience Score:68%>



# by jazzyoba0083 | 2017-09-14 11:20 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)

●「超高速!参勤交代 リターンズ」
2016 松竹 「超高速!参勤交代リターンズ」製作委員会 119分
監督:本木克英  脚本:土橋章宏
出演:佐々木蔵之介、深田恭子、伊原剛志、寺脇康文、上地雄輔、知念侑李、柄本時生
   六角精児、古田新太、渡辺裕之、中尾明慶、陣内孝則、西村雅彦、市川猿之助他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
肩の力を抜いて、思いっきり楽しめる邦画ってあるようでなかなか無い。
「シン・ゴジラ」や「怒り」「64」などが評価されるのはそれはそれで良いが、
喜劇が一段下に観られていないか、気にかかる。本作は、良き原作を得て、これを
本木監督が見事に痛快喜劇映画に仕立て、私もめっぽう面白く観させてもらった。

さて、柳の下のドジョウではないが、続編はなかなか難しい。前作は超短期間で
貧乏藩が江戸へ出府する、という難題を知恵と勇気で成し遂げるというカタルシスで
あったが、今回はそれだけでは客は満足しないわけだ。そこで、本作では
前作で悪行がバレて蟄居中だった松平信祝(陣内孝則)を更に悪に仕立て、
8代将軍吉宗公の日光参内恩赦で老中首座に戻し、湯長谷藩に対しついには
百姓一揆を仕立ててそれを理由に藩をところ替えとして城を尾張柳生藩に渡して
しまい、帰ろうとする藩主内藤(佐々木)らを窮地に追い込む作戦に仕立てた。

新たに、大岡忠相、柳生一族らが登場、超特急の参勤交代というよりも、老中
松平信祝の悪行(ついには日光から帰る吉宗公をも討ち、天下人になろうという
野心さえ持っていた)にハイライトが当たり、あくまでも地元の民百姓を思う
内藤らとの知恵比べと前作以上の剣戟が見どころとなっている。
ラストはまるで7人の侍みたいだ。

時代劇の王道としての勧善懲悪(大岡忠相や吉宗公、松平輝貞らの存在)と
殿様であっても民を思う内藤の純真さ純朴さに見ている人は快哉を叫ぶであろう。
こうなって欲しい、というところでそうなるのが予定調和の快さ。
前作ほどの驚きはないが、本作も楽しい一編に仕上がった。
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<ストーリー>
老中・松平信祝(陣内孝則)の差し金により幕府から突然の参勤交代を命じられた
磐城国の湯長谷藩藩主の内藤政醇(佐々木蔵之介)ら一行は、金も時間も人手もない
知恵をこらし江戸へ参勤。
そして藩に戻る交代の路につくが、その途中、湯長谷で一揆が起きた旨が伝わる。
参勤のときに政醇たちに敗れた信祝が、さらに大きな権力と最強の刺客を使って
逆襲に出たのだった。
一揆を収めるためには2日以内に藩に戻らねばならず、また、交代であるからには
大名行列も必要に。行き以上の速さで宿役人の目をくらましながらなんとか湯長谷に
たどり着いたものの、すでに田畑は踏み荒らされ、城を乗っ取られた後だった。
城をおびただしい数の幕府軍が取り巻いているのに対し、藩主らはたったの7人。
湯長谷藩は再び絶体絶命の危機に陥る。(Movie Walker)






# by jazzyoba0083 | 2017-09-13 23:20 | 邦画・新作 | Trackback | Comments(0)

ダンケルク Dunkirk

●「ダンケルク Dunkirk 」
2017 アメリカ Warner Bros.,Dombey Street Productions,Kaap Holland Film.106min.
監督・脚本・(共同)製作:クリストファー・ノーラン
出演:フィオン・ホワイトヘッド、トム・グリン=カーニー、ジャック・ローデン、トム・ハーディー他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想:ネタバレばかりか、かなりの制作上の機微に触れています>
実は、二回観た。朝イチで出かけた回で重要な部分で寝落ちした箇所があるらしく、意味が
通じなかったので、この映画の歴史アドバイザーを務め「ダンケルク」という小説も書いた
ジョシュア・レヴィーンの文庫本を買って、映画の章と、ノーランとのインタビューの章を
先に読んで、再度昨日観てきた。

細かい制作上の苦労話は置くとしても、最初の印象とは余り変わるものではなかった。
とにかく、ダンケルクの砂浜と海と上空で展開する。とにかくダンケルク以外はラストしか
出てこない。
ノーランの描きたかったのは、「戦争映画」ではなく「生還(サバイバル)映画」であり、
「サスペンス映画」だということで、それが確認出来れば更に作品にのめり込むことが出来る。

物語は大きく3つのエピソードからなっているが、それぞれ際立ったキャラクターは配置されて
いるが、彼らが主人公ではない。陸~海岸、空、それに、イギリス本土から救出に向かった
一般市民のボート、以上が3つのコアになるエピソードだ。
故に、誰がどうであったか、ということより、「ダンケルク」とは何で
あったか、という点が印象に残ればそれでこの映画は成功したといえよう。

凝り性のノーランはダンケルクに関する本を読み漁り、イギリスに渡り実際海峡をヨットで
渡って見もし、当時の生き残りから(軍だけではなく市民からも)膨大な話を聞き、
「史上最大の撤退作戦」がどのようであり、何を意味していたのか、を探り、脚本にしていった。

その結果、ドイツ軍は全く出てこず、(軍用機などは象徴として出て来るが)、あの海岸で
混乱し、情報が錯綜する中で、30万の兵士たちは、何を考え、どのように行動したのか、
あるいは救助に向かった市民は何を考えたのか、という大きな輪郭から、「生還劇」を
組み立てた。実際に海岸にいた兵士たちは自分たちのことしか考えられなかったという。
だから、個人の感情の表出としてのアップが多用される。そして兵士の見た目。
特に空戦ではスピットファイアのパイロットの目線が重要な役目を果たす。

本土に帰ってきた兵士にタオルを手渡す盲目の男に、兵士が「生きて帰ってきただけだ」と
いうと「それで十分じゃないか」と返す。またチャーチルは「この敗北の中に勝利が有る」と
演説したのだが、どうしても比べてしまうが、日本のメンタリティと何と異なることか。
本土に撤退してきた兵士たちは、自分たちは「敗者」であり、国民に顔向けできないという
思いに満ちていたが、しかし、彼らを待っていたのは、大歓迎だったのだ。「良く生きて
帰ってきた」と。

「ダンケルク」とは何だったか、という映画なのだが、だが人間が関わる以上、どこかで
彼らの思いが現れないと単なるドキュメントになってしまう。それを担うのが陸戦から
海岸に逃げてきたトミー(ホワイトヘッド)であり、リトルシップの船長ドーソン(マーク・
ライランス)、現場の司令官ボルトン大佐(ケネス・ブラナー)、スピットファイアで
海岸に不時着するファリア(トム・ハーディー)である。彼らの表情はセリフ以上の
ものを語って、このダンケルクへの思いを描いている。

コ・プロデューサーのエマ・トーマスはノーランの奥様だが、現場の美術や物語の
根幹に大きく関わっている。実際のダンケルク海岸に作られた防波堤は再構築された。
トラックによる突堤も。また不時着するスピットファイアは本物である。
来年のオスカー有力候補といわれているが、ノーランとエマの「サバイバル劇」が
どう評価されるか楽しみである。

ちなみに本作の中で一番怖かったのは、イギリス兵士が打ち上げられた小型商船に
潮が満ちて離岸出来る機会を伺いつつ、船内に潜んでいるときに、外からドイツが
小銃を打ち込んでくるところだ。姿が見えない、どこからいつ弾が飛んで来るか
分からない、自分たちがいることを知っているのか、射撃練習の的としているのかさえ
分からない。この映画を象徴するシーンであったと思う。
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<ストーリー>
第二次世界大戦中の1940年、フランス・ダンケルクの海岸でドイツ軍に包囲されたイギリス、フランス軍の
兵士約40万人を860隻の船舶で救出した、史上最大の救出作戦を映画化したサスペンス。
トム・ハーディやマーク・ライランスら名優を迎え、クリストファー・ノーラン監督が初めて実話の
映画化に挑んだ意欲作。

第二次世界大戦が本格化する1940年、フランス北端の海の町ダンケルク。フランス軍はイギリス軍とともに
ドイツ軍に圧倒され、英仏連合軍40万の兵士は、ドーバー海峡を望むこの地に追い詰められる。
背後は海。陸海空からの敵襲。そんな逃げ場のない状況下でも、トミー(フィオン・ホワイトヘッド)や
アレックス(ハリー・スタイルズ)ら若き兵士たちは生き抜くことを諦めなかった。

一方、母国イギリスでは、海を隔てた対岸の仲間たちを助けようと軍艦だけでなく民間船までもが動員され
“史上最大の救出作戦”が動き出そうとしていた。ドーバー海峡にいる全船舶が一斉にダンケルクへと向かう。
民間船の船長ミスター・ドーソン(マーク・ライランス)も、息子らとともに危険を顧みずダンケルクを目指
していた。
英空軍パイロット・ファリア(トム・ハーディ)も、数において形勢不利ながらも出撃。タイムリミットが
迫るなか、若者たちは生きて帰ることができるのか……。(Movie Walker)

<IMDb=★8.2>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:93% Audience Score:82% >




# by jazzyoba0083 | 2017-09-13 16:25 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)

コロニア Colonia

●「コロニア Colonia」
2015 ドイツ・ルクセンブルグ・フランス 110min.
監督・(共同)脚本:フロリアン・ガレンベルガー
出演:エマ・ワトソン、ダニエル・ブリュール、ミカエル・ニクヴィスト、リチェンダ・ケアリー他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
★は6.5。全体として暗く地味な映画。事実がベースとなってはいるが、相当の創作が入って
いると思われる。1970年代、チリで起きた政変、アジェンダからピノチェト独裁へという不幸な
流れの中で、実際にあった「コロニア・ディグニダ」であった事件を取り扱う。主役の二人の
ような人物が実際にいたかどうかは不明。

ストーリーは単純で分かり易いが、山場というかメリハリに欠け、面白みという点では損をして
いる。主役二人はドイツ人。エマ・ワトソンはルフトハンザのCA。恋人は政変を取材しつつも
アジェンダ応援に入れ込みすぎたジャーナリスト。彼がピノチェト軍に捕まり、送られた先が
「コロニア・ディグニタ」という元ナチス残党パウル・シェーファーが主催するキリスト教カルト
集団の施設だった。ここは実はピノチェトとつるんでいる秘密警察の一部だったわけ。そこは
ホントの話。

そこで彼氏がひどい拷問にあう。彼女はフライトをキャンセルして志願してその施設に入所する。
彼を助けたい一心で。彼は拷問の結果、脳障害を負って、アホになってしまったふりをしていた。
エマも苦労していたが、彼を見つけるに及び、俄然やる気が出て(いるようには見えないけど)
偶然地下通路を見つけ、そこから二人で脱出、サンチャゴに戻りドイツ大使館に駆け込み、
写真を示してシェーファーらの悪行を告発した。そして自分たちは一刻も早くドイツに帰りたいと
主張するが、どもドイツ大使館の動きがおかしい。そう、ドイツ大使館はピノチェトとつるんで
いたのだ。大使は二人を空港に送ると嘘をいい、シェーファーらに二人を引き渡すつもりだった。

しかし、エマの機転で、ルフトの仲間の機に乗れることが出来、負ってきたシェーファーと軍を
かわし搭乗出来たが、管制塔からは離陸を禁止されてしまう。しかしルフトはそれを無視して
飛び立った。
シェーファーの悪行はドイツに帰った二人に寄り告発され、話題にはなったが、チリ国内では
無視され、ピノチェトとシェーファーの蜜月は続いた。彼が逮捕されたのは2000年代に入って
からで、しかもアルゼンチンであった。彼はその後最近刑務所で亡くなっている。

エマが潜入してから脱出まで半年以上かかっているが、この間の描写はテンポはいいが厚みに
欠ける。前半のラブラブシーンを短くして、もう少し物語を多層化し、話に厚みを付けたほうが
良かったのじゃないかな。
あまりにも話しがストレイートすぎる。それとドイツ大使館(当時は西ドイツだったろう)が
なぜ自国民を守らず、ピノチェトの味方をしたのか、ということ。

本作で一番の収穫は、現実にこうした施設が権力と結びついて人民圧政にチカラを貸していた
という事実を知ることが出来たということ。その後の世界世論も、結局手が出せなかったこと
そういう恐怖である。同調圧力・・・という言葉も浮かんだ。
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<ストーリー>
南米チリの独裁政権下で起きた史実を基に「ハリー・ポッター」シリーズのエマ・ワトソン主演で映画化。
キャビンアテンダントのレナは、クーデターに巻き込まれた恋人を救出するため、ナチス残党と結びつき
拷問施設となった“コロニア・ディグニダ”に潜入する。
共演は「ラッシュ プライドと友情」のダニエル・ブリュール、「ジョン・ウィック」のミカエル・ニクビスト。
監督は「ジョン・ラーベ 南京のシンドラー」のフロリアン・ガレンベルガー

1973年9月11日。ドイツのキャビンアテンダント・レナ(エマ・ワトソン)は、フライトでチリを訪れ
ジャーナリストの恋人ダニエル(ダニエル・ブリュール)と束の間の逢瀬を楽しんでいた。だが突如チリ軍部に
よるクーデターが発生。ダニエルは反体制勢力として連行されてしまう。

レナは、彼が慈善団体施設“コロニア・ディグニダ”に送られたことをつきとめるが、そこは“教皇”と呼ばれる
元ナチス党員パウル・シェーファー(ミカエル・ニクビスト)が独裁政権と結びつき、神の名の下に暴力で
住人を支配する脱出不可能な場所だった。異国の地で誰の助けも得ることができないレナはダニエルを助け
出すため、ひとりコロニアに潜入することを決意するが……。(Movie Walker)

<IMDb=★7.1>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:26 % Audience Score:60% >




# by jazzyoba0083 | 2017-09-12 22:45 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)

●「セルフレス 覚醒した記憶 Self/less」
2015 アメリカ Endgame Entertainment,Ram Bergman Productions.117min.
監督:ターセム・シン
出演:ライアン・レイノルズ、ベン・キングズレー、ナタリー・マルティネス他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

このところ、なかなか趣味の良い映画を持ってくる「キノフィルム」の配給。
本作も、結構面白く観た。ただ、伏線の張り方や回収について、「詰めが甘い」
「やり過ぎ」な部分があり、そこが残念だった。主演のライアン・レイノルズが
私にはライアン・ゴズリングと重なってみえてしょうが無いんですけど・・・。

さて、物語自体は、既視感があるようなあまり新鮮味の無いもので、無理がある
点もあるんじゃないか、と思える節もあるけど、カラダをもらった方の男の家族との
話が支えとなって、最後まで眠くならずに観終えることが出来た。

人が入れ替わる話なので、彼がこれで、これが彼か?とこんがらがるところが
あるのだが、話の面白さはそこにあるわけで、その数量的な問題がネックだった。
後から言われれば、なるほどそういうことか、と言うことなんでそのあたりの驚きは
あるのだが、そこで言われたら何でもありだよなあ、という伏線の弱さ。これは
脚本が弱いということなんだろう。

世界的建築家ダミアン(キングズレー)は余命半年ほどのガンに冒されていた。
そこに謎の男からの接触で、ダミアンの脳の中身を、生きている別の人間に
移し替えるという脱皮再生に誘われる。値段は2億5000万ドル位かかるらしい。
しかし、入れ替わった男は、自分の幼い娘を助けるためにカラダを犠牲にした
マークという男であり、定められたクスリを飲み続けないと、ダミアンは消滅し
もとのマークに戻ってしまう、ということだった。

マークという自分がこれからその男の肉体に宿るという重大な事態に、ダミアンが
相手の言いなりにならず、その男の履歴などを徹底的に調べなかったのが
トラブルの元なのだ。カラダはマークだが中身はダミアンという男が街に出てきたら
偶然の拍子にバレることだってあろうに。(マークは死んだことになって保険金が
おりているわけだから。家族親族もいるだろうし)そのあたりの説得性が今ひとつ
だったかな。

ラストに向かっていくストーリーはなかなかよろしかったのではないか。疎遠だった
ダミアンの娘に会いに行くとか。最後は結局ダミアンは消え、マークが戻り、親子
3人で、ダミアンが用意したカネでカリブ海の島で幸せに暮らしましたとさ。
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<ストーリー>
生きながらえるため新たな肉体に頭脳を転送された男が辿る数奇な運命を描く、
ライアン・レイノルズ主演のSFアクション。
屈強な肉体を得て、たった1人で謎の敵に戦いを挑む主人公を、レイノルズが体を
張ったアクションで演じる。監督は『インモータルズ 神々の戦い』など映像派として
知られるターセム・シン

ニューヨークを創った男と称され、政財界に強い影響力を持つ建築家ダミアン
(ベン・キングズレー)は、ガンを患い余命半年と宣告される。そんな彼に、
科学者のオルブライト(マシュー・グード)が遺伝子を培養し作った肉体への頭脳の
転送を持ちかける。ただし別人として生きることが条件であり、莫大な費用や
オルブライトの研究所にも疑念があったものの、娘クレア(ミシェル・ドッカリー)と
の関係修復ができないまま病状が悪化していき、失意のダミアンはついに決意。

引退の書類を親友のマーティン(ヴィクター・ガーバー)に託した後、オルブライトの
指示に従ってコーヒーを仰ぎ、そのまま倒れる。救急車で研究所に運ばれた彼は、
転送装置へ。68歳のダミアンの体は死に、新たな肉体(ライアン・レイノルズ)を手に
入れる。エドワードという名前で新たにスタートを切った彼は若者の暮らしを謳歌するが、
オルブライトから渡された拒絶反応を抑える薬を飲み忘れたところ、幻覚を見る。
あまりにもリアルだったため探したところ、幻覚に現れた建物は実在していた。
さらに幻覚に出てきた女性マデリーン(ナタリー・マルティネス)と会った彼は、
驚愕の事実を知る。(Movie Walker)

<IMDb=★6.5>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:19% Audience Score:46% >






# by jazzyoba0083 | 2017-09-11 22:40 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

●「ミモザの島に消えた母 Boomerang」
2015 フランス Des Films du Kiosque.101min.
監督・脚本:フランソワ・ファブラ
出演:ロラン・ラフィット、メラニー・ロラン、オドレイ・ダナ、ウラディミール・ヨルダノフ、ビュル・オジェ他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
★は6.5。パリの南西、ナントの西、大西洋に面したノワールムティエ島が本作の舞台であり、
この島には満潮になると消えてしまう県道(パッサージュ・ドゥ・ゴア=D948)が通っている、
というのが話の大きなポイントとなっている。 立派な橋もあるのだけど。
(Googleのストリートビューで観ることができます)

30年間家族の間では、語ってはいけないような雰囲気であった母の溺死。母を取り巻くそれぞれの
肉親たち(使用人もだけど)は、それぞれの立場で過去の「口にしてはいけない秘密」の重圧に
耐えて生きてきた。その臨界点が来てしまった模様を描く。

母の死について詳しいことを語らない父や祖母たち。離婚したばかりの長男アントワンと長女
アガットは、母の死について調べ始める。鍵を握るのが祖母であるらしい、ということと
決定的になるのは、妹アガットが、幼いころ、家で他の女の人と抱き合ってキスをしている
母の記憶が蘇ったことだった。

<以下決定的ネタバレです>
母はパリの絵画教室に通っていたのだが、そこの先生ジーンに見初められ、関係を迫られる。
当初は拒否をしていた母であったが、自分の家まで押しかけられて、そもそもその気があったのだろう、
ズブズブの関係になっていく。そして、子供を連れて、夫らを捨てる覚悟を決めたのだが、
それが義母にバレ、強制的に別れの手紙を書かされる。それをパリのジーンのところにもって
生かされたのが使用人の女性だったのだ。事情を知ってしまった使用人にも当然義母は口止めする。
祖母は自分の長男の嫁がレズビアンだった、なんて外聞が悪くてたまらなかったのだ。

しかし、母は、別れの手紙がすでにジーンの手元に渡ってしまったらしいことを知り、満潮になる
にもかかわらず、クルマでパリに向かったのだった。しかし、渡りきることは出来ず溺死。
ジーンは別れの手紙を受取り、傷心の中で30年間生きてきたのだった。
ちょっと迂回すればちゃんとした橋もあるのに、一刻もはやくパリに着きたい一心の母は、危険な
道を選んだのだろう。半分自殺みたいなものだったのだろうなあ。

アントワンが家族を前にしていい加減に秘密を話せ、と暴れるのがクリスマスの日。母とジーンの
写真を皆にプレゼントするという嫌味な作戦だった。これには妹も何を考えているの!と兄に
詰め寄るが。しかし、使用人夫妻からももうこれ以上秘密を抱えて生きていけないと、当日の
真実が語られる。しばらくすると祖母が心不全を起こし死亡。埋葬の場でも今度は父を責める。
事の真相を知ったアガットも、「よくも母を殺した女を祖母と呼ばせていたわね!」と父を
責める。ようやく父の口から当時の話が語られる・・。

母の溺死の遠因を作ったのが同性愛だった、というのがフランス映画っぽい。それまでは
もっと緊張して観ていたのだが、動機でちょっとたたらを踏んでしまった。それと長男
アントワン、40歳になるまで、母の死の悩みを抱えるなよなあ、って。建設会社も首に
なっちゃって、冒頭の交通事故での入院先で知り合った検死官?と恋仲になるのはいいの
だけど。自らの結婚生活が破綻するような悩みならもっと早くに何とかすべきだったのでは?

全体として、まずまず観られるサスペンス映画&主人公らの再生の話にはなっていたけど、
だいたいいくら絵画教室の先生に惹かれたからといって、その愛情の純粋さは理解すると
しても、母のその後の行動が無謀すぎないか?義母が怒るのも理解できるというものだ(したことは
やばいけど)。アントワンの長女16歳くらいかな、も、同性愛の気配だ。因果はめぐる、ということか。
ということで、何かすっきりしない鑑賞後の印象となってしまった。舞台の設定が面白いだけに、
もったいなかったかなあ。
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<ストーリー>
『サラの鍵』のタチアナ・ド・ロネのベストセラー小説を映画化したヒューマンドラマ。冬に咲く小さな花
から通称“ミモザの島”と呼ばれる島を舞台に、母親の死の真相を探る男が知る、衝撃の事実が描かれる。
主人公のアントワンを『アンタッチャブルズ』のローラン・ラフィットが演じ、メラニー・ロランらフランスの
実力派が脇を固める。

西フランスの大西洋に浮かぶノワールムティエ島は、冬に咲くミモザの花から『ミモザの島』と呼ばれている。
30年前、この島の海である若い女性が謎の死を遂げた。その女性の息子であるアントワンは、40歳になって
もなお喪失感を抱き続けていた。母の死の真相を追い始めるが、父と祖母は口を閉ざしてしまう。
家族が何か隠していると察したアントワンは、恋人のアンジェルや妹アガッタの協力を得て、ミモザの島に
向かった。そこで彼は、母の別の顔や衝撃の事実を次々に知っていく……。(Movie Walker)

<IMDb=★6.7>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:---- Audience Score:60% >





# by jazzyoba0083 | 2017-09-10 23:20 | 洋画=ま行 | Trackback | Comments(0)

●「卒業 Graduate (名画再見シリーズ)」
1967 アメリカ A Mike Nichols Lawrence Turman Production.107min.
監督:マイク・ニコルズ 原作:チャールズ・ウェッブ
出演:ダスティン・ホフマン、アン・バンクロフト、キャサリン・ロス、マーレイ・ハミルトン他
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<評価:★★★★★★★★★★>
<感想>

大好きな映画である。わけの分からない最新作をWOWOWで大量に観飛ばすのもまた
楽しいが、ちょっと立ち止まって、過去の名作をもう一度鑑賞してみようと思い立った。
Blu-rayを購入。特典映像で、作品の裏側まで覗けて面白かった。

さて、百家争鳴の本作、アメリカン・ニュー・シネマの先鞭を付けた作品として、
2つのジェネレーションの対決を描いたものとして、いわゆるアメリカ的正義に
対抗したカウンターカルチャーの代表として語られる、メタファーの塊みたいな
作品と論じられる場合が多いが、未見の方は、まずは深掘りなしで観ていただき、
その後論評に触れて欲しい。それでないとまずストレートに感じる素晴らしさが
減ってしまうと思うのだ。

一度観て、再見すると、マイク・ニコルズの作劇テクニックやメタファーが
確認出来て更に面白くなるだろう。
本作、公開されたのが1967年。まさにケネディ暗殺、公民権運動、泥沼のベトナム戦争、
アメリカのこれまでの価値観がひっくり返る時代を迎えていた。私はと言えば高校1年生。
大学紛争前夜。ただ、アメリカがただならぬことになっていることは薄々分かっていた。
そして本作に触れたのは恐らく大学に入ってからだと思う。ベンジャミンはこの映画では
21歳。私と余り違わない価値観の大転換のただ中にいたわけだ。私のエネルギーは
校則粉砕というような同じようなベクトルのエネルギーとなっていくわけだが。

政府や警察といった権力、親、宗教、それまで主にWASPによって支えられてきた
アメリカ的倫理が、嘘であったことがバレてきた時代で、若者は怒り、文化の面では
カウンター・カルチャーとして登場してきた。ロックであり、ヒッピーであり、ドラッグ、
フリーセックス・・・。そうした背景が、本作にはしっかりと提示されていることが
分かる。

ベンジャミンは東部のアイビーリーグを卒業し、カリフォルニアに帰ってきた。
奨学金を貰い、スポーツ万能、大学新聞の編集長という輝かしい経歴を持って。
ただ彼は不安だった。これから何をしていいのか分からないのだ。これまでは
大学を卒業して親の言うことを聞いて大企業に入り結婚し子どもをつくり郊外に
家を建て幸せな家族を作っていく、という「既成概念」が当たり前だった。
ベンジャミンは、何か違う、と思っているのだ。彼の卒業パーティーで客から
「これからどうするんだ」と聞かれ「何か違うものになりたい」とまさにこれまでの
親のレールには乗りたくない、自分というものを確立した人生を送りたいと
漠然と思ってはいたのだが、それがなんだか分からない。

そこにミセス・ロビンソンの登場である。彼女はベンジャミンを誘惑、娘の
エレーンに近づくことを禁ずる。ミセス・ロビンソンは「旧体制のメタファー」と
して捉えられる。ベンジャミンが乗り越えなくてはならないレジュームなのだ。
更に彼女はかつて大学で美術を学び、ベンジャミンと同じく「違う何か」に
なりたかった。しかしエレーンを妊娠してしまい、その時代の流れで結婚となり
諦めてきた部分がある。そんなミセス・ロビンソンにしてみればベンジャミンは
眩しくて仕方がない。古さに取り込んで、(自分の娘=新しい時代=と張り合って)
絡め取りたいという欲求を押さえられない。酒とタバコとセックスレスの人生で
あったのだ。

旧世代対新世代とのジェネレーションを描くメタファー(のようなもの)として
パーティー会場に降りていく階段にあるピエロの絵。パーティーで客から言われる
「これからはプラスチックだ」(本物そっくりに出来る実は偽物)というセリフ、
ミセス・ロビンソンと逢引をするホテルで中からじいさんばあさんがぞろぞろ出てきて
やっと自分が入ろうとすると、後ろから金髪白人の青年たちが先を越して入って
いってしまう、というシーンなどはベンジャミンの心境そのもので分かりやすかろう。
21歳の誕生日に贈られた潜水服一式でのプールの中の彼。またエレーンが通っていた
UCバークレーはその後カウンター・カルチャーの総本山的存在となり、エレーンを
追いかけてバークレーに行くベンジャミンは、旧価値観との決別と、自分を自分らしく
確立するという決意のメタファーであろう。
教会に向かうアルファロメオがガス欠で止まってしまい、それを捨てて走る、という
シーン。町山智浩氏は親がくれたものを捨てる=古い価値観を捨てる=メタファーである
と解説していた。(教会でガラス壁を叩いて叫ぶシーンが十字架のキリスト、とかは
穿ち過ぎじゃないか。ただ、十字架を振り回し、ドアの鍵にしてしまう、というシーンは
旧来の宗教観の破却と見ることもできよう。小道具さんのとっさの判断だったかも。)

そして、以上のような深読みをしなくたって明らかに分かるラストシーンの主張が
この映画の最大の見事さであろう。教会からエレーンと走り去ったベンジャミンは
ちょうど通りすがったバスに乗るのだが、二人が笑顔であったのはほんの一瞬。次第に
顔がこわばり、二人の顔は緊張したものに変わる。そしてバスは走り去っていくのだが、
まさに自由を求めて親の庇護から抜けて来た二人だが、その先に保証されたものは
何もないわけだ。その不安。当時の若者が、昔からの大人が作った世界を嫌い、自由な
生き方を求め自由に生きようとするのはいいが、それがどんなに難しいことかを思い
知ったことだろう。やがてカウンター・カルチャーの時代は終わり、ヒッピーはヤッピーに
なっていく時代がやってくるのだ。そんな時代の不安感が実によく出たラストシーン。
映画史に残るラストシーンといえよう。
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最後になってしまったが、サイモン&ガーファンクルの音楽を忘れることは出来ない。
映画と音楽がこれほど見事にシンクロしたケースも余りあるまい。しかも、既成曲を
使っている。(ミセス・ロビンソンだけは歌詞を入れ替えた)S&Gが当時あの美しい
メロディーの中で歌っていたことももまた、当時の若者の心境であったのだ。しかも
アッパーミドル階級を描いた作品にイメージがバッチリ合った。あれがボブ・ディランで
あるわけにはいかないのだ。ジャズファンからすれば、S&G以外の音楽をデイヴ・グルーシン
が手がけていたことにエンドロールを観て驚いた。

更にベンジャミンの服装。ボタンダウンにレジメンタルタイ、あるいはヘリンボーン
ジャケットにニットタイ。細身のパンツにローファー。これはどこから観てもアイビー
リーグである。それがラストになると、ポロシャツにパーカー。エレーンも自宅に
帰ってきたドレスとバークレーにいる時に服装が映画の主張にマッチしているのだ。

マイク・ニコルズの作画についても触れておかねばなるまい。ベンジャミンの心理を
語る結構長いズームイン、ズームアウト、裸になったミセス・ロビンソンのモンタージュ、
ホテルのカウンター越しでのホテルマンとの会話シーン、走るアルファロメオの俯瞰
シーン、アップの使い方、などなどテンションの高いカットが多い。心理を見事に
切り取っている。(編集も上手いのだけれど)

※このシリーズではストーリーは書きません。

<IMDB=★8.0>
<RottenTomatoes=Tomatometer:91% Audience Score:90%>






# by jazzyoba0083 | 2017-09-07 22:40 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

エベレスト 3D  Everest

●「エベレスト 3D Everest」
2015 アメリカ Working Tiltle Films and more.121min.
監督:バルタザール・コルマウクル
出演:ジェイソン・クラーク、ジョシュ・ブローリン、ジョン・ホークス、イーサン・ホーク、
   ロビン・ライト、マイケル・ケリー、サム・ワーシントン、ジェイク・ギレンホール
   キーラ・ナイトレイ、エミリー・ワトソン、森尚子他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
う~む、これはやはり3Dで観ないと、遭難の過酷さ映像のダイナミックさは味わえないのだろうなあ。
そういう意味ではタダの大遭難事件顛末となってしまった。出演者も揃い、事実に忠実に基づき
構成された物語はそれはそれで迫力がある。(ホントの話だから)また日本人として犠牲になった
難波康子の存在も我々にはシンパシーを感じられる点でも有る。

本作は1996年に起きたエベレストでの8人の死者を出した大量遭難事件を忠実にトレースしたもので
出演者は全員実名で出てくる。本事件に関する背景顛末についてはWikipediaが詳しいが、あまり
高山体験の無い登山家でもガイドが付いて8000メートル級の山にも登れる、いわゆる「商業登山」の
甘さが露呈された事件だった。
ここではニュー・ジーランドの会社が約700万円の料金で登山ツアーを組み、ベテランのガイドが
付いて顧客を世界最高峰へと登らせるのだが、そんな団体が季節の良い5月に殺到し、南ア隊、
台湾隊、など渋滞が出来るほど。それに参加者は高い金を払ったのだから、との思い、また
ガイド側は金を貰っているのだからなんとか登頂をというそれぞれの、登山家としての原則に
目をつぶる状況が、自体をどんどん悪化して様子が丁寧に描かれる。映画としては一つのドキュメンタリー
だが、これを3Dで魅せるところに本作の本領があるだろう。

登頂まではあっさり描かれ、下山から遭難までに時間が割かれるので、吹雪の中の遭難シーンは
どれも大差がない。それにいろんな国の部隊が入り乱れるので人物としては捉えづらい部分があったり
する。あとから避難を浴びる南ア隊や台湾隊の自分勝手な行動などもあったようだ。

その後エベレストでは2014年に再び大きな遭難事故があり、入山禁止となり、イッテQのイモトが
登れなくなってしまったのは記憶に新しい。それまでは本遭難事故が過去最大だった。

ガイドが付いて装備も向上し、ちょっとした登山家でもエベレストに登れる時代に対する警鐘で
ある。山を甘くみるなよという。ビッグネームが並んでいたがキャストとしては未消化で終わった
印象。もったいない。もっと事実の重みを前に出してこんなキャスティングでなくても出来たのでは
ないか、と感じた。
本遭難では同じエベレスト登山を映画に納めていたIMAX撮影隊も救助に参加したのだが、彼らは
その事件後、登頂して、映画を完成させ物議を醸したという。
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<ストーリー>
 1996年に起きたエベレスト登山史上でもかつてない悲劇として知られる大規模遭難事故を、
ジェイソン・クラーク、ジェイク・ギレンホール、ジョシュ・ブローリン、サム・ワーシントンはじめ
豪華キャストで映画化した群像山岳ドラマ。

ニュージーランドの旅行会社が公募した登山ツアーに集まったアマチュア登山家たちを中心に、
山頂付近の“デス・ゾーン”で悪天候に見舞われ窮地に陥った人々の悲壮な運命を、3D映像による
圧倒的な迫力と臨場感で描き出す。
監督は「ザ・ディープ」「2ガンズ」のバルタザール・コルマウクル。
 
 1996年、春。ニュージーランドの登山ガイド会社によって世界最高峰エベレストの登頂ツアーが
企画され、医師で登山経験豊富なベックや前年の雪辱を期す郵便配達員のダグ、著名なジャーナリストの
ジョン・クラカワー、そして紅一点の日本人女性登山家・難波康子ら世界各国から8人のアマチュア
登山家が参加した。彼らを率いるのはベテラン・ガイドのロブ・ホール。

一行は標高5000m超のベースキャンプに滞在しながら、1ヵ月かけて身体を高度に順応させていく。
その間、ベースキャンプは多くの商業登山隊でごった返し、様々なトラブルが発生していた。
そんな中、ロブ・ホールは別の隊を率いるスコット・フィッシャーと協調体制を取ることで合意、
互いに協力しながら山頂を目指すのだった。(allcinema)

<IMDb=★7.1>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:72% Audience Score:68% >



# by jazzyoba0083 | 2017-09-06 23:02 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)

●「BFG:ビッグ・ジャイアント・フレンドリー The GFG」
2015 アメリカ Walt Disney Pictures,Amblin Entertainment,Reliance Entertainment.118min.
監督・(共同)製作:スティーヴン・スピルバーグ  原作:ロアルド・ダール「オ・ヤサシ巨人BFG」
出演:マーク・ライランス、ルビー・バーンヒル、ペネロープ・ウィルトン、レベッカ・ホール他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
スピルバーグの作品は基本的に全作映画館で観る、と決めいているのだが、本作のみは見送った。
子供向けかなあ、と二の足を踏んだからだ。でも今回WOWOWで観てみたが、大人でも、十分楽しい。

『E・T』でスピルバーグと組み、その脚本を書いたメリッサ・マシスンの遺作となった作品。
本作は、宮﨑駿もファンであることが知られる「チャーリーとチョコレート工場」でも有名な
イギリスの児童文学者ロアルド・ダールの本が原作。メリッサのオリジナルである『E・T』とは
違い脚色ということになるが、両者に通じるものは一緒だ。異形なものに(異質なもの)に
不要な警戒感・侮蔑感を抱かず、勇気と興味を持ち行動するチカラ=愛=を描いた。

スピルバーグはディズニーと組んで、ダールの親子で楽しめるこの物語を圧倒的なVFXを駆使して
原作に沿ったイメージを作り上げることに成功している。心優しい大男と、子供の話は世界中に
散見され、特に珍しいものではない(ジャックと豆の木、でーたらぼっちなどなど)。ただ、
優しい巨人の仕事が「夢を集め、子どもたちに吹き込む」という対比的なポジションであることの
印象が強く働き、これに少女ソフィーの勇気が加味され、英国王室を動かし、悪い巨人をやっつける
というカタルシスへと導いている。悪い巨人たちも、殺さずに孤島に閉じ込める。

今世界を席巻している不寛容の精神とは対比的な「ヘテロなものへの理解」と勇気と行動。これは
大人が観て感じても十分に通じる感想だと思う。原作を知らずに観始め、中世の話だとばっかり
思っていたら、現代の話なのね。私としては英国女王が出てきてからのシーンがお気に入り。
思ったんだけど、BFG、トイレはどうしているんだろうなあ。^^;

ユニークかつ傑出した映画ではないけれど、観た人の心が暖かくなるディズニー共通の感想を
持てる良作であろう。
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<ストーリー>
『チャーリーとチョコレート工場』などで知られるロアルド・ダールによる児童文学を、スティーヴン・
スピルバーグ監督が映画化したファンタジー・アドベンチャー。10歳の少女の勇気が、大きな巨人を動かし、
イギリス最大の危機を救うさまを描く。
『ブリッジ・オブ・スパイ』のマーク・ライランスが心やさしき巨人を演じる。

ロンドンの児童養護施設で暮らすソフィーは、ある夜一人起きていると、町を行くとてつもなく大きな男と
目が合う。するとその大きな男は手を伸ばし、ソフィーを掴んで巨人の国に連れて行ってしまう。彼は夜な
夜な子どもたちに夢を届けている心優しい巨人BFG、ビッグ・フレンドリー・ジャイアントだった。
次第に心を通わせていく二人に、奇想天外な冒険が待ち受けていた。(Movie Walker)

<IMDb=★6.4>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:74% ,Audience Score:58%>




# by jazzyoba0083 | 2017-09-05 22:50 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)

●「シークレット・アイズ Secret in Their Eyes」
2015 アメリカ IM Global,STX Entertainmet. 111min.
監督・脚本:ビリー・レイ
出演:キゥエテル・イジョフォー、ニコール・キッドマン、ジュリア・ロバーツ、アルフレッド・モリナ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
Rotten Tomatoesの評価などは異常に低いが、私は面白く見た。メインストーリーについては。
ただ、イジョフォー、キッドマン、ロバーツの恋や愛情のブロックが今ひとつ締まらない感じで
そこがマイナス点となり、映画全体のテンションを下げてしまったような気がした。あれはあの程度で
いい、と感じる方もいるだろう。微妙である。

ラストのどんでん返しは予想が出来なかった。重苦しい映画だ。自分の娘が強姦殺人の被害者になって
しまった女性警官ジェス(ロバーツ)、その遠因を作ってしまい、13年間悩み続けるジェスの親友
FBI捜査官レイ(イジョフォー)、その事件を担当する検事補~検事クレア(キッドマン)。
それぞれの13年間の息も詰まるような人生が私には感じ取ることが出来た。
ラストでその13年の呪縛から開放された笑顔がカタルシスである。そこは分かりやすく、良かった。
カットバック構成がやや苦しいがストーリーの運びもうまく構成されいて緊張の継続が上手く図られて
いる。真犯人に至るまでの誰が犯人か、とい人物特定がやや、ややこしいかもしれない。

それと9.11直後のLAのテロに対する異常な緊張感というものが、警察や司法の目を曇らせてしまった
様子、目の前の殺人犯より、起こるか起こらないか分からないテロの恐怖への対策のほうが勝ってしまう
という現実は実際にあったろうなあ、と想像は出来る。

13年前と現在を行ったり来たりの映像構成なので、時々どっちで起きている出来事か分からなく
なる点はあった。ただ女性は髪を切ったり、男性は白髪にしたりと工夫はしているが。それにしても
本作の撮影監督の実際の奥さんでも有るジュリア・ロバーツ、老けたなあ。(老け役なんだけど)

ロバーツの娘が強姦殺人の被害者となる。容疑者は警察にモスクの情報を流す情報屋であることは
わかった。だが、テロ対策班は、テロの次の標的はLAだという恐怖心から情報屋を失うことを
恐れ、真犯人逮捕をあの手この手で妨害してくる。当時、NYからテロ対策応援で来ていたイジョフォーは
犯人の逮捕を主張するが、ついにはFBIを去ることになる。

イジョフォー、13年間全米の服役者と、当時の犯人の写真を見比べてとうとうその男を突き止めた、と
思ったら実は違っていた、というのは映画のラストに分かる悲劇である。やはり母の思いの重さを感じる
映画であろう。本作、実はリメイクで、オリジナルはアルゼンチンの「瞳の奥の秘密」である。
オリジナルも機会があれば是非観てみたい。
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<ストーリー>
第82回アカデミー賞で外国語映画賞に輝いたアルゼンチン発の人間ドラマ『瞳の奥の秘密』をベースに、
過去の未解決事件の謎を解くために捜査を開始した3人の男女が辿りつく驚くべき真実を描き出すサスペンス。
娘を殺された検察局捜査官をジュリア・ロバーツ、エリート検事補をニコール・キッドマンが演じ、初共演を
果たす。

元FBI捜査官レイ・カステン(キウェテル・イジョフォー)は夜ごとパソコンに向かい、アメリカ中の受刑者の
写真を調べていたが、どうしても見つけられない男がいた。13年前の2002年、9.11アメリカ同時多発テロ
事件の衝撃からロサンゼルスの検察局に設置されたテロ対策合同捜査班に、現役FBI捜査官だったレイは
ニューヨークから派遣された。
そこで検察局捜査官ジェス・コブ(ジュリア・ロバーツ)とコンビを組み、さらにエリート検事補のクレア・
スローン(ニコール・キッドマン)も加わる。

捜査チームがアル・アンカラ・モスクの監視を続けるなか、モスクの隣の駐車場から女性の死体が発見され、
レイはチームのシーファート(マイケル・ケリー)、バンピー(ディーン・ノリス)と現場に向かう。
そこで、シングルマザーのジェスの娘キャロリンの変わり果てた姿を見て、レイは言葉を失くす。ジェスとは
親友でもあり、キャロリンを娘同然の存在に思っていたレイは、必死で手掛かりを探す。
そして、捜査課のピクニックの時の写真で、キャロリンを見つめる不審な男に気づく。男はモスクに出入り
していると判明するが、まもなく逮捕されたのは別人だった。そして、FBI内部の事情により、容疑者は
釈放されてしまう。

あれから13年が経ち、遂にレイは受刑者の写真から容疑者を見つけたと確信し、検事になったクレアと
捜査主任に昇格したジェスを訪ねる。罪悪感に苦しみ続けたレイの執念が実り、とうとう容疑者逮捕への
手がかりを見つけるが、事件の解決に近づくうちに思いもよらない現実が立ちはだかる……。(Movie Walker)

<IMDb=★6.2>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:38% Audience Score:42% >




# by jazzyoba0083 | 2017-09-04 23:00 | 洋画=さ行 | Trackback(1) | Comments(0)

後妻業の女

●「後妻業の女」
2016 東宝 「後妻業の女製作委員会」(毎日放送、読売テレビ他) 128分
監督・脚本:鶴橋康夫  原作:「後妻業」黒川博行
出演:大竹しのぶ、豊川悦司、尾野真千子、長谷川京子、水川あさみ、風間俊介、余貴美子、ミムラ、松尾諭他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
鶴橋監督といえば、読売テレビディレクター時代からドラマの傑作を作る演出家で賞の常連だった。
同業に身を置くモノとしては、いかんのだろうけど、彼のドラマは観たことがない。なので、本作
一発での評価で彼を計るつもりは毛頭ないが、本作について言えば、どこか締まらない。脚本が。

原作は有名になった、実話をベースにした小説で、これを下敷きにして作劇しているわけだ。
大竹のたぬきぶりは確かにうまいものが有るし、ブルーリボン賞を受賞しただけのことはある力量と
思うが、昔からのファンとしては、最近はどうも「悪上手」「やりすぎ」という感じを受ける。
トヨエツの受け流しがなければ相当息苦しい映画になっていたかもしれない。

テレビ育ちの監督だけあって、テンポも良いし、話の転がし方も早いしビジュアルもテレビ的に工夫
されていて、面白い。けど、これは実話がベースにあるという観客の安心感によるところが大きいの
ではないか。

主人公、小夜子はいわゆる毒婦であり、同情の余地はない。したたかさ、たぬきっぷり、はよく出ていたし
大竹のそれについての演技も認めざるを得ないが、ラストのカタルシスの持って生き方が、喜劇で終わらそうと
したので、観ている方は鬱屈が溜まったまま劇場を出ることになるのではないか。
「したたかな小夜子は、これからも老人をだまくらかして金を巻き上げるのである!」というある種の
エールのように(彼女とコンビを組む結婚紹介所所長のトヨエツとて人殺しであるわけ)感じてしまい、
これでは、私としては溜飲の下げ場所、コメディとしてのパンチラインが見えず、極めていやな
鑑賞後感となってしまった。大竹の息子を演じる風間俊介は下手くそ。弁護士に雇われ小夜子の近辺を洗う
探偵、永瀬正敏の立ち位置も曖昧。唯一鶴瓶が演じたオヤジのキャラクターが光った。
それと多くの関東俳優が喋る大阪弁は、ネイティブからしてたら相当の違和感があるのではないか。

鶴橋監督も80歳近くなり、バイタリティは感じるが、ダッチロールはあきませんなあ。
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<ストーリー>
金持ちの男の後妻に入り、全財産を奪う“後妻業の女”と彼女に翻弄される人々を描く、大竹しのぶ主演の
ユーモラスな人間ドラマ。後妻業の女とグルになって人を騙す結婚相談所の所長を豊川悦司、ターゲットに
なる不動産王を笑福亭鶴瓶が演じるなど、実力派たちの演技が物語をより濃密なものにしている。
監督は『愛の流刑地』の鶴橋康夫

結婚相談所主催のパーティーで可愛らしく自己紹介する武内小夜子(大竹しのぶ)の魅力に、男たちは
イチコロになっている。その一人、耕造(津川雅彦)と小夜子は惹かれ合い、結婚する。二人は幸せな
結婚生活を送るはずだったが、2年後、耕造が亡くなる。葬式の場で、小夜子は耕造の娘・朋美(尾野真千子)と
尚子(長谷川京子)に遺言公正証書を突き付け、小夜子が全財産を相続する事実を言い渡す。
納得のいかない朋美が調査すると、小夜子は後妻に入り財産を奪う“後妻業の女”であったことが発覚する。

その背後には、結婚相談所の所長・柏木(豊川悦司)がいた。朋美は裏社会の探偵・本多(永瀬正敏)とともに、
次々と“後妻業”を繰り返してきた小夜子と柏木を追及する。一方小夜子は、次のターゲットである不動産王・
舟山(笑福亭鶴瓶)を本気で愛してしまう……。(Movie Walker)



# by jazzyoba0083 | 2017-09-02 23:10 | 邦画・新作 | Trackback | Comments(0)

関ヶ原

●「関ヶ原」
2017 日本 東宝映画、ジャンゴフィルム 149分
監督・脚本:原田眞人
出演:岡田准一、役所広司、平岳大、有村架純、東出昌大、北村有起哉、西岡徳馬、松山ケンイチ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想:ネタバレに近い感想です。ご注意ください。出来ればご覧になってからお読みください
原作既読。原田作品は前作の「日本のいちばん長い日」の出来が良かったのでキャストも含め
期待してシネコンへ。結構入ってましたね。

で、2時間半の上映が終わって、館内の人に訊きたかった。「分かりました?」と。
これは難しい映画だ。いきなり合戦前夜の全体像を要求される。「蔚山の戦い」と言われて観客の
何人が分かるでしょう?それに朝鮮出兵、秀次事件、前田利長事件、会津征伐など、関ヶ原の
背景になる重要な事柄の知識が要求される。なので、早口での会話は時として何を言っているのか
分からないときがあった。さらに、どちらが西軍でだれが東軍なのかも、相当わかりづらい。そもそも
秀吉恩顧の大名たちだから余計にだ。前作でもそうだが、事象よりも人間にスポットを当てて映画の
面白みを描いて見せる原田監督としては、確かに石田三成という人物は「仁」「義」に篤い忠義の
臣であり、彼の「義」と家康の「利」の戦いに負けた、ということは浮かび上がっては来たが、
周辺の事情が分かりづらかっただけに残念だった。島左近、大谷吉継との友情は分かったけど、
大谷がなんであんなカッコをして神輿に担がれて戦をしていたか、についても説明はない。

私が一番人として魅力があるな、と思ったのが小早川秀秋(東出昌大)。合戦時には15000の
大軍を要して西に付き松尾山に陣取ったが、結局東に寝返り、善戦していた島、大谷部隊を
襲い、合戦の趨勢を決めてしまった、Mr.裏切りだ。これも映画では描かれないが、小早川は
北政所(高台院)の甥っ子であり、かつては木下、羽柴を名乗っていたばりばりの豊臣親族だ。
だが、淀君に秀頼が生まれると秀吉いとたんに冷遇され、岡山小早川家に養子に出される。
その後もすったもんだあり、三成に恨みを持つ状況もあったのだが、血は豊臣。
 島左近の息子が決死の覚悟で小早川本陣を訪れ、兵を動かしてほしいと懇願するも、本人は
三成側に兵を動かしたかったが、家康に送り込まれた家老らに押しとどめられ、自らの意思とは
逆の動きをすることになってしまう。(あくまで映画での話)秀秋、この時18歳。彼はその2年後、
20歳で亡くなる。大谷吉継の呪いに狂死した、ともいわれる。

閑話休題。本作、まず良い点。映像。合戦のリアリズムを含め、画作りは秀逸。東本願寺や
彦根城といった国宝が舞台を貸すという画面。カット、編集も含め全編秀逸。特に金と時間を
掛けて(CGの力も借りたけど)作られた合戦シーンは迫力満点だ。
加えて、やはり上手い岡田准一、役所広司。これに味わいを加える島左近役の平岳大、大谷吉継役の
大場泰正らの脇を固める渋いキャスティング。これも素晴らしい。女性陣の配置も単なる彩りだけ
ではなく、きちんとした役が振られ、映画を面白くしていた。秀吉役の滝藤賢一の名古屋弁は
パーフェクト。北政所のキムラ緑子のほうはいまいち。

一方、残念だった点。原田監督自身、関が原を製作するに当たり、最初は島左近を、次には小早川秀秋を
さらに島津義弘を、主人公にしようと迷っていたように、この時代において人物を描くのは誠に難しい。
当時の時代背景を説明しようとすると、人物説明を含め長い長い前説が必要になるが、そうもいかず、
原田監督自身、その端折り方をどうするか悩んだのではないか。結果、相当予習をしていかないと全体像が
分からないことになった。本作は合戦を時系列的に追うのではなく、あくまでも石田三成の人生を
描くのが目的であるから、思い切って端折ったのだろうけど、やはなぜあの時代石田三成はああいう生き方を
したのか、を浮かび上がらせるのにはチカラが弱いと感じた。ただ、この題材を映画にした原田監督には
敬意を評したい。

本作を一度観ただけで、全体を把握出来て、三成の人生に深く思いを致した人がいたら、私は心から尊敬申し
上げる。そういう人には極めて面白い映画なんだろうなあ。かなり予習していったのに、映画の良さの半分も
分からなかったかも。
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<ストーリー>

戦国史上最大の合戦である関ヶ原の戦いを描いた司馬遼太郎のベストセラー小説を岡田准一、役所広司ら実力派

俳優の共演で映画化した時代劇。正義で世の中を変えようとする石田三成や、天下取りの野望を抱く徳川家康ら、

武将たちそれぞれの思惑がつづられる。監督は人間ドラマの描写に定評のある原田眞人。


1600年10月21日、長く混迷を極めた戦国時代を終わらせ、その後の日本の支配者を決定づけた戦国史上最大の

天下分け目の決戦“関ヶ原の戦い”は、たった6時間で決着した。石田三成(岡田准一)は豊臣家への忠義から

立ち上がり、圧倒的に有利と言われた西軍を率いて合戦に挑んだ。しかし、権力に燃え、天下取りの私欲の

ために戦う徳川家康(役所広司)に敗北を喫する。

そして、命懸けで三成を守り、愛し続けた忍び・初芽(有村架純)との許されない淡い恋の行方は……。





# by jazzyoba0083 | 2017-08-28 14:20 | 邦画・新作 | Trackback | Comments(0)

ヴィジット The Visit

●「ヴィジット The Visit」
2015 アメリカ Blinding Edge Pictures,Blumhouse Productions.94min.
監督・脚本・(共同)製作:M・ナイト・シャマラン
出演:オリヴィア・デヨング、エド・オクセンボウルド、ディアナ・ダナガン、ピーター・マクロビー他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
面白かったけど、今更のPOV、既視感あるオチ、ナイト・シャマランの作と期待が大きすぎたのか、
やや肩透かしを食った感じだ。ストーリーを単純化させ、恐怖を浮かび上がらせるのは彼の脚本の
旨さ、そこは評価するし、使い古したカットやデカイ音楽で脅す、という手法もないので、それは
今時のホラーを感じるが。一番の面白さは、弟のラップとじいさんばあさんの得も言えない恐怖の
対比。これはコメディか?ラストのおまけも含め、そう感じてしまう。まあ、そこら辺に
ナイト・シャマランのニヤッとした顔が浮かんできそうだが。ただのPOVホラーじゃないからね、という。
さすがだな、と思うのは、オチまでに至る、作り込みの丁寧さ。姉弟の行動でのミスリードが
効いている。

よく観ていると、なんとなくオチも想像できるし、伏線の張り方も上手いと思う。それに個人的には
ほとんど知らない俳優さん、というのが恐怖を倍加する要素であった。

夜、刃物、物音、物陰、異常な行動、見てはいけない地下室、しばらくあっていない祖父母、この手の
恐怖映画の要素は全部入っていて、それをどう料理しているかが見どころとなろう。
ネタバラシはしません。短い映画なので、暇があったら見てみてください。標準以上のサスペンスホラー
にはなっていると思います。
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<ストーリー>
田舎の母親の実家で休暇を過ごすことになった姉弟の恐怖体験を映し出す、『シックス・センス』の
鬼才M・ナイト・シャマラン監督によるサスペンス・スリラー。祖父母の家で3つの奇妙な約束をさせられた
姉弟が、約束を破った事でその家に隠された秘密を知っていく過程が、複雑に張巡らされた伏線とともに
描かれる。

休暇を利用して祖父母のいるペンシルバニア州メイソンビルへと出発した姉弟は、都会の喧騒から離れて、
田舎での楽しい1週間を過ごす予定だった。優しい祖父と料理上手な祖母に温かく迎え入れられ、母親の
実家へと到着した二人。だが祖父母に出会えた喜びも束の間、就寝時、完璧な時間を過ご(<すためにと奇妙な
“3つの約束”が伝えられる。第一の約束:楽しい時間を過ごすこと。第二の約束:好きなものは遠慮なく
食べること。第三の約束:夜9時半以降は部屋から絶対に出ないこと……。
そして、夜9時半を過ぎ、二人は異様な気配で目が覚める。部屋の外から聞こえるただ事ではないその物音に
恐怖を覚えた彼らは、絶対に開けてはいけないと言われた部屋のドアを開けてしまう……。(Movie Walker)




# by jazzyoba0083 | 2017-08-27 22:40 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)

●「ワンダーウーマン Wonder Woman」
2017 アメリカ Warner Bros.141min.
監督:パティ・ジェンキンス
出演:ガル・ガドット、クリス・パイン、ロビン・ライト、ダニー・ヒューストン、デヴィッド・シューリス他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
ワンダーウーマンを演じたガル・ガドット、気に入った! この映画を観た多くのメンズは、彼女に
やられちゃったんじゃないかな。彼女、この役のために生まれてきたのではないか、と思えるほど
ハマっている。このところ、MARVELやDCものの実写映画は、やたら複雑になり過ぎて、「オモシロク
ナ~い」とい感じを受けていたのだが、前日鑑賞した「スパイダーマン ホーム・カミング」なども
そうだが、話を単純にし、そもそもコミックが持っていた、プリミティブなワクワク感、
分かり易い勧善懲悪、喝采を叫びたいスーパーパワー(武器)などに回帰してきた感じがする。

バットマンとスーパーマンを戦わせてどうするの?というところまで行っていたのだ。今回のDCは
満を持して、かつてコミック誌でスーパーマンやバットマンにワクワクしてた少年たちも喜ぶ
分かりやすい出来になっている。敵味方も分かりやすいし、見方の友人たちもわかりやすく良い奴だし。
映画としては長いけど、長さは全く感じなかった。それこそ派手な武器やVFXが繰り広げられるわけでも
ないし、アクションはあくまでワンダーウーマンの体力だ。舞台となる時代が第一次世界大戦というのも
わかりやすさにプラスしていよう。まだまだ戦争武器としては戦車や複葉機の登場となるような時代だから
ワンダーウーマンの活躍が目立つというか光る。 ワンダーウーマンが一義的に防ぐのはマスタードガス
である。非常に現実的。だが、ラスボス、アレスは不思議なガスを吸うと超人化するのだが、それとて
可愛いものだ。ワンダーウーマンの武器といえば、剣と腕をクロスして放出するかめはめ波みたいな波動だけ
もちろん超人的なジャンプなどはお手の物だが、空をとぶわけではない。そんなプリミティブさと女性という
キャラクターが、男の子としては応援したくなるし、ドキドキもするわけだ。女性監督、そのあたりの動きの
計算、仕草の計算はしているなあ、と思う。
ラストシーンにおや??と思う人も多いかもしれないなあ。時代がイキナリ100年飛んで現代になるんだ
から。

さて、主役を演じたガル・ガドットという女優さん、私は寡聞にして知らなかった。主にテレビ畑の人
なんだね。これからが楽しみ。でもワンダーウーマンのイメージが付きすぎても、将来困るだろうな。
DCも、MARVELのような同一世界にヒーローが同居するタイプの映画を作っていくんだそうだが、是非、
「分かりやすく、単純にワクワクドキドキするような」作品をお願いしたいものです。
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<ストーリー>
DCコミックの人気キャラクターで、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』で華々しいデビューを
飾ったワンダーウーマン。彼女がひとりの戦士として成長していくさまを描くSFアクション。ミス・イスラエルにも
選ばれた経験を持つガル・ガドットが『バットマン〜』に引き続き主人公を演じ、激しいアクションも披露する。

女性だけが暮らすパラダイス島で、プリンセスとして生まれ育ったダイアナ(ガル・ガドット)は、好奇心旺盛だが
外の世界を一切知らず、男性を見たことすらなかった。
そんなある日、島に漂着したアメリカ人パイロットのスティーブ(クリス・パイン)を助けたことで、彼女の運命が
大きく動き出す。外の世界で大きな戦争が起きていることを知った彼女は、自身の力で世界を救いたいと強く願い、
二度と戻れないと知りながらスティーブが暮らすロンドンへ行くことを決意。
やがて、ダイアナは、無敵のスーパーヒーロー“ワンダーウーマン”としてのパワーを開花させていく……。
(Movie Walker)

<IMDb=★7.8>
<Rotten Tomatoes:Tomatometer:92% Audience Score:90%>



# by jazzyoba0083 | 2017-08-26 11:55 | 洋画=ら~わ行 | Trackback(1) | Comments(0)

●「コンカッション Concussion」
2015 アメリカ Village Roadshow Pictures,Scott Free Productions,and more.123min.
監督・脚本:ピーター・ランズデマン
出演:ウィル・スミス、アレック・ボールドウィン、ググ・ンバーター=ロー、アーリス・ハワード他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
アメフトは全く分からないが、アメリカでの人気っぷりはただならぬものがあることは分かっている。
そのアメフトの世界で、コンカッション=脳震盪から来る鬱や社会不適合などの病気を見つけ、NFLと
対決するナイジェリア国籍の検死官・解剖医の奮闘の実話だ。最近いい映画に恵まれていないと感じていた
ウィル・スミスだが、ここでは実話という下駄は履かせてもらっているけど、なかなかいい。何がいいか、
というと、「慢性外傷性脳症」(これは主人公の命名)という医学的に光る発見をしていながら、(苦労も
とても多いにもかかわらず)飄々とし、でも、芯が通っている男を肩の力を抜いていい演技で描いている
からだ。もちろん演出の巧さもあろう。

オマル医師は、かつての名センターとして人気者だったピッツバーグ・スティーラーズのマイクの解剖を
担当する。彼の死に至る行動から、彼の脳に何か原因があるのではないか、と仮説を立て、他のケースを
当たり始める。すると、アメフトの世界では、鬱や奇怪な行動、自殺が異常に多いことが分かってきた。
何人かの解剖を経て、上司の協力も得て、論文を発表する。激しいタックルにより脳に外傷性のダメージを
負い、これが精神的な不具合を惹起し、記憶障害、異常行動、自殺などの異常行動に走らせる、というものだ。

当然、NFLからの妨害、嫌がらせを受ける。NFLもおざなりの脳震盪対策委員会を開き、因果を否定して
みせているのだった。だがそこに出ている医師はリューマチが専門でとても選手の脳のことを論じられる
レベルではなかったのだ。それでも次第に理解者を増やし、ついに元名選手にしてNFLの幹部が不可解な
自殺をするに及び、NYタイムズが報道することとなり、NFLは再度脳震盪対策委員会を開催する。だが
オマルは国籍を持たないので出席が出来ない。会議はウヤムヤに終わり、更にNFLはFBIなど国家権力を
動かしオマルらを潰しにかかる。

だが、更に選手の自殺が発生、ついに彼の主張が公になるところとなっり、多くの選手達が原告となり
裁判も起こされた。国はオマルに国家の検死官にならないか、とさそうが彼はそれを断り田舎町の
検死官であり続けたのだった。彼はアメリカの市民権は獲得した。

このメインの物語に、ケニアからやってきた看護師の女性プレマとの協力、愛情、結婚、妨害による
流産、引っ越しなど横軸が絡まり、事実の重層的深みもあり、なかなか魅せる。彼を支えるアレック・
ボールドウィンらの仲間たちとの友情や信頼関係も胸に響く。アメフトが分からない私だが、人間の
脳は60Gまでしか耐えられないという。アメフトのタックルは100Gに達するという。いくらヘルメットを
被っていても、終始激しい脳震盪にさらされていることは容易に想像が出来る。

この事件はまだ終わっていないのではないか。NFLにしてみれば、嫌な映画が作られたなあ、という
ことなんだろう。
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<ストーリー>
アメリカン・フットボールの選手が激しいタックルの影響で発症するCTE(慢性外傷性脳症)の恐ろしさを訴えた医師
ベネット・オマルの実話を、ウィル・スミス主演で映画化した人間ドラマ。NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)
という巨大組織やそのファンを敵に回してでも、信念を曲げずに真実を追求し続けた男の姿を描く。

ナイジェリアからアメリカに夢を抱いてやってきた移民のベネット・オマル(ウィル・スミス)は、検死官も
務める真面目で誠実な医師。2005年、アメリカンフットボールのプロリーグNFLを引退した元スティーラーズの
花形選手マイク・ウェブスター(デヴィッド・モース)が変死する事件が発生。
その遺体解剖に携わったオマルは、頭部への激しいタックルが原因となる脳の病気“CTE(=慢性外傷性脳症)” を
発見する。これに基づき、独自の論文を発表したものの、,熱狂的ファンを持つ国民的スポーツにメスに入れた
その内容をNFLは全面否定。絶大な権力で、オマルとその周辺に圧力をかけていく。
さらに、全米のアメフトファンもオマルを敵視。孤立無援の中、人種差別や偏見と闘いながら、一歩も譲らずに
真実を求めてNFLに立ち向かうオマルだったが……。(Movie Walker)

<IMDb=★7.1>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:60% Audience Score:74%>




# by jazzyoba0083 | 2017-08-25 23:10 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)