●「ベニスに死す Morte a Venezia」
1971 イタリア Alfa Cinamatografica,Warner Bros.119min.
監督・製作・(共同)脚本:ルキノ・ヴィスコンティ
出演:ダーク・ボガード、ビョルン・アンドレセン、シルヴァーナ・マンガーノ、ロモロ・ヴァリ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
私のここ12年間に約2300本の映画を観てきた私ですが、食わず嫌いの監督や作品というもの、
あるいは全く興味のない範疇の作品は、無理してまで観ることもなかろう、ということで
観てこなかった作品もたっくさんあります。その中の筆頭がイタリア人巨匠と呼ばれる諸監督に
よる作品群です。
つまり、ヴィスコンティも、フェリーニも、アントニオーニも、ベルトリッチもデ・シーカも、
パゾリーニも、ベニーニも、その作品を観たことがないのです。いけませんかね?

おそらくは先入観だと思います。彼らの映画というのは「高踏的、抽象的、形而上的」という
印象が何かを観た折についちゃったんだろうと思います。何かウラミがあって、ということでは
もちろんありませんし、現代のイタリア映画は観ます。食わず嫌いなのは「名匠・巨匠」と云われ
「なんだ、それを観てなくちゃ映画を語る資格はないよ」と云われそうな作品です。

というわけで、ヴィスコンティ。先日「夏の嵐」を30分で脱落。WOWOWで放映して録画して
あった本作も、実は奥様が観たいと言って、録ってあったものを間違えて観始めてしまったのです。

もちろん、トマス・マンの原作による本作の名前は知っていましたが、内容や時代設定など全く
予備知識なしで観たわけです。冒頭、ベニスに船で近づいてくるボガード(何を職業にしている
か不明)。船頭にああだこうだと云われ、着岸してからも、何を言いたいドラマがどういう風に
展開するんだろう、という具合に、話が見えてこない。

後からネットでいろんな感想や評伝を観たのですが、私にとってこの手のこのくらい評価が
定まった映画は、内容をある程度知っておいたほうがいいな、という感想をまずもちました。

主人公アッシェンバッハ(ボカード)は作曲家なんですね。(マンの原作ではグスタフ・マーラーを
イメージした前衛作曲家らしい)作品中終始自信なさげで、音楽生活に煮詰まっていたのかもしれま
せん。そんな彼が静養のためにイタリアはヴェニスにやってきます。時代は第一次世界大戦が始まる
やは前、という設定です。

あとはもう、終始、アッシェンバッハが当地で見初めた美少年タジオへの思いを如何せん!?という
ストーリー。おもったより後半戦で話が動いたので、面白くなってきました。終始流れるマーラーの
交響曲第5番第4楽章「アダージェット」の調べと、狂気にも似たアッシェンバッハの美少年タジオへの
恋慕。「少年愛」と髪を染め、口紅を塗り、白塗りにして、タジオへの歓心を買おうとする老作曲家。
もう、痛々しいというか、正気でないというか。だからといって何かを言ったり行動するまでには
ならない。大人としての自制であろうか。ラストシーンは長回しのおそらくファンの間では名シーンと
されるところであろうが、老作曲家からの思慕を知っているタジオのじらせっぷりも含めて、しまいにゃ、
笑えてきてしまうレベルだ。

タジオの「若さ」に何か優れている点が具体的に有るわけではないのだ。それなのに一方的にその
輝かしい若さに、恐らくは芸術家ならではの「憧憬」と、自らの絶望的な「老い」を引き比べ
悶々とするという・・。先日観た「ヤング・アダルト・ニューヨーク」や「ドリアングレイの肖像」に
通底する、芸術の永遠のテーマなのであろう。

タジオの美少年ぶりはさて置くとしても、ボカードの鬼気迫る演技。ほとんどピエロと化してもなお、
純粋に若さに憧れ続けるその「哀れ」。ベニスには当時疫病(コレラ)が蔓延していて、周りの友人らに
はベニスを去るようにいうのだが、ついには自分も罹患してしまい、あの浜辺で絶命するわけだ。
その瞬間もタジオは夕日の中で煌めいていた・・・。

こういうのがヴィスコンティの作風なのでしょうか。いささかタルい感じの流れではあったが、確かに
アッシェンバッハの存在感は圧倒的であった。音楽と映像がここまでマッチした作品もあまり知らない。
ワンカットワンカットが計算されつくした画角、意味深いズーミング、そしてプロダクションデザイン。
好きか、と言われれば、好きだとは言えない映画の有り様では有るが、「映画芸術」としての不朽の
名作、であろうことは認めなくてはなるまい。「ルードウィヒ/神々の黄昏」「地獄に落ちた勇者ども」
あたりは観てもいいかもしれない、と思うに至りましたけど。

1940年代から70年代のイタリア映画と私のソリの悪さ、とはどこに有るのだろうか。エンタテインメント性の
ありようがハリウッドとは全然違うから、だろうか。あまりにも「高踏的」「芸術世界」だから、
だろうか。描かれる世界が「貴族的」とかそういうことではなく。相性の悪さ、というのはあるんじゃないか
なあ。ヴィスコンティの良さが分からないって、本当の映画見ではないぜ、と言われてしまうと身も蓋も
ないのですけど。
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<ストーリー:最期まで触れています>
純粋な美の具現と思えるような美少年に、魅入られた芸術家の苦悶と恍惚を描いた作品。製作総指揮は
マリオ・ガッロ、製作・監督はルキノ・ヴィスコンティ、脚色はルキノ・ヴィスコンティとニコラ・
バダルッコ、原作はトーマス・マン、撮影はパスカリーノ・デ・サンティス、音楽はグスタフ・マーラー(
第3・第5交響曲より)、衣装デザインはピエロ・トージが各々担当。

1911年のヴェニス(ヴェネチア)。グスタフ・アシェンバッハ(ダーク・ボガード)は休暇をとって、
ひとりこの水の都へきたドイツ有数の作曲家・指揮者である。蒸気船やゴンドラの上で、さんざん不愉快な
思いをしたアシェンバッハは避暑地、リドに着くと、すぐさまホテルに部屋をとった。

サロンには世界各国からの観光客があつまっていた。アシェンバッハは、ポーランド人の家族にふと目を
やった。母親(シルヴァーナ・マンガーノ)と三人の娘と家庭教師、そして、母親の隣りに座った一人の
少年タジオ(ビヨルン・アンデルセン)にアシェンバッハの目は奪われた。すき通るような美貌と、
なよやかな肢体、まるでギリシャの彫像を思わせるタジオに、アシェンバッハの胸はふるえた。
その時からアシェンバッハの魂は完全にタジオの虜になってしまった。

北アフリカから吹きよせる砂まじりの熱風シロッロによってヴェニスの空は鉛色によどみ、避暑に
きたはずのアシェンバッハの心は沈みがちで、しかも過去の忌わしい事を思い出し、一層憂鬱な気分に
落ち込んでいった。ますます募るタジオへの異常な憧憬と、相変らず、重苦しい天候に耐え切れなくなった
アシェンバッハは、ホテルを引き払おうと決意した。
出発の朝、朝食のテーブルでタジオを見た、アシェンバッハは決意が鈍った。だが駅に着いたアシェンバッハは、
自分の荷物が手違いでスイスに送られてしまったと知ると、すぐにホテルに引き返した。
勿論アシェンバッハの心は、タジオとの再会に、うちふるえていた。タジオへの思いをアシェンバッハはもう
隠そうともしなかった。タジオの行く所、いつも、アシェンバッハの熱い眼差しが後を追った。
タジオも、ようやく気づき始めているようだ。

しかしこの頃、ヴェニスには悪い疫病が瀰漫しはじめていたのだ。街のいたる所に、消毒液の匂いが立ちこめ、
病い冒され、黒く痩せ衰えた人々が、行き倒れになっていた。しかし、観光の街ヴェニスにとって旅行者に
疫病を知られることは死活問題であり、それをひた隠した。何とか聞き出したアシェンバッハはそれが、
真性コレラであることを知った。アシェンバッハは、それでも、ヴェニスを去ろうとはしなかった。
ただ、タジオの姿を追い求めて、さまよった。精神的な極度の疲労の中、肉体もコレラに冒されて、浜辺の
椅子にうずもれたアシェンバッハの目に、タジオのあの美しい肢体が映った。海のきらめきに溶け込んで
ゆくかの如き、タジオの姿にアシェンバッハの胸ははりさけんばかりとなり、最後の力をふり絞って差し
のべた手も、遂に力尽き、ガックリと息絶えた。(Movie Walker)

<IMDb=★7.5>
<Rotten Tomatoes=Tomatometr:76% Audience Score:82%>



# by jazzyoba0083 | 2017-08-21 23:20 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)

●「日本のいちばん長い日」(1967年・岡本喜八版)
1967 日本 東宝映画 157分
監督:岡本喜八  脚本:橋本忍 音楽:佐藤勝
出演:笠智衆、三船敏郎、山村聡、志村喬、黒沢年男、中丸忠雄、高橋悦史、宮口精二、戸浦六宏、
   小杉義男、井上孝雄、田崎潤、天本英世、久保明、藤木悠、加東大介、伊藤雄之助、松本幸四郎他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
岡本版は複数回の鑑賞となる。毎度のことながらすごい迫力だ。一昨年、原田版を観てこれはこれで
いい出来だな、という感想を持ち、機会があればまた岡本版も観てみたいな、と思っていた。
WOWOWでは終戦記念日あたりにこの手の映画を毎年何本か放送するのだが、今年はこれが含まれて
いたので録画して鑑賞した。

原田版の人物に焦点を当てたものと違い、時系列的なイベントを丁寧に追い、長い映画にはなったが
主に軍部の馬鹿さ加減が良く出ていたと感じた。当時の政治家の無能ぶりや、軍部の狂気は、定説に
なっているが、引くべきタイミングを逸して、広島、長崎を許した当時の日本の主導者のどうしようも
なさが、事実の中から浮かび上がって来る。

岡本は、「独立愚連隊」などの戦争ものでも分かる通り、先の大戦の体験から独特の戦争感を持ち、
アイロニカルに斬ったものを作っていたが、本作では半藤一利の原作に橋本忍の脚本を得て、
狂気に正面から向き合った作品となった。特に黒沢年男を中心に描かれる「本土決戦組」の狂気を
時間を追って丹念に描き、またカットのスピードやアングル、ズームの工夫など作画にもアイデアを
注入し、二時間半の8月14日から15日にかけてを一気に見せる。現状に至るまでの戦局は冒頭から
20分間くらいかけてナレーションで説明される。そしてタイトルというアイデアである。
さらに岡本版の優れているのは、狂気を描きつつも、映画というエンターテインメントに仕上がっている、
という点。しかつめらしく見終わるのではなく、面白かった、という気分を持てる点である。
東宝映画のオールスターが次から次へとたくさん出てくるが、個人的には歴史の流れとして整理されて
いるのか、ごちゃごちゃ感と言うものは全くなかった。ただ横浜警備隊長天本英世の絶叫が何言って
いるのか聞き取り辛かったが。

半藤一利が描いた陸軍省の実戦を知らない若手参謀の、一体開戦からいままで何を見てきたのか、
と頭を抱えたくなるような馬鹿さ加減には本当に今更呆れる。挙げ句の果てが「運を天に任せるのだ」と
いう、国民に取っては絶望的な精神論。これは横浜警備隊長の天本英世、(鈴木貫太郎首相を襲う)
終戦を知りつつ、部下に出撃を命ずる厚木航空隊の田崎潤や、伊藤雄之助らにも一貫として描かれる
精神論である。阿南陸相の自害も、まさに武士道の精神論そのもの。青年たちの本土決戦論を
「純粋なる愛国精神」などと、この期に及んで口にする首脳部がいた不幸を思う。ここまで狂気が
進むと「冷静な現状分析」などは出来なくなるのだろうか。

戦争という狂気に国ごと引きずり込まれると、こういう風になるのだなあ、と改めて感じる。
最近の世界を見ていても、非寛容で嘘をつき、精神論をぶち上げるという、トランプにせよ、欧州の
右翼にせよ、日本の右派にせよ、70年経っても、いや70年たって忘れたのか、同じような気配を
感じるのだ。マスコミが黙るというのも同じような流れだ。

本作を見ながらWikipediaで「宮中事件」を読んでいると、ほぼ同じ流れが書かれている、というか
こっちが半藤一利の著作をフォローしたんじゃないか、と思うほどだ。敢えてモノクロにしたトーンが
ドキュメント性をクローズアップさせて迫力にさらにチカラを加えていた。

おそらくこの岡本版、何年後かにはまた観るのだと思う。終戦に向けた日本の動きのスタンダードと
なり得たのだろう。
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<ストーリー>
大宅壮一名義(実際の著者は当時編集者だった半藤一利)で当時の政治家宮内省関係、元軍人や
民間人から収録した実話を編集した同名原作(文芸春秋社刊)を、「上意討ち -拝領妻始末-」の
橋本忍が脚色し、「殺人狂時代」の岡本喜八が監督した終戦秘話。撮影は「喜劇 駅前競馬」の村井博。

戦局が次第に不利になってきた日本に無条件降伏を求める米、英、中のポツダム宣言が、海外放送で
傍受されたのは昭和二十年七月二十六日午前六時である。直ちに翌二十七日、鈴木総理大臣官邸で
緊急閣議が開かれた。
その後、八月六日広島に原爆が投下され、八日にはソ連が参戦、日本の敗北は決定的な様相を呈して
いたのであった。第一回御前会議において天皇陛下が戦争終結を望まれ八月十日、政府は天皇の大権に
変更がないことを条件にポツダム宣言を受諾する旨、中立国のスイス、スウェーデンの日本公使に
通知した。
十二日、連合国側からの回答があったが、天皇の地位に関しての条項にSubject toとあるのが
隷属か制限の意味かで、政府首脳の間に大論争が行なわれ、阿南陸相はこの文章ではポツダム宣言は
受諾出来ないと反対した。
しかし、八月十四日の特別御前会議で、天皇は終戦を決意され、ここに正式にポツダム宣言受諾が
決ったのであった。この間、終戦反対派の陸軍青年将校はクーデター計画を練っていたが、阿南陸相は
御聖断が下った上は、それに従うべきであると悟した。
一方、終戦処理のために十四日午後一時、閣議が開かれ、陛下の終戦詔書を宮内省で録音し八月十五日
正午、全国にラジオ放送することが決った。午後十一時五十分、天皇陛下の録音は宮内省二階の
御政務室で行われた。

同じ頃、クーデター計画を押し進めている畑中少佐は近衛師団長森中将を説得していた。一方厚木
三〇二航空隊の司令小薗海軍大佐は徹底抗戦を部下に命令し、また東京警備軍横浜警備隊長佐々木大尉も
一個大隊を動かして首相や重臣を襲って降伏を阻止しようと計画していた。
降伏に反対するグループは、バラバラに動いていた。そんな騒ぎの中で八月十五日午前零時、房総沖の
敵機動部隊に攻撃を加えた中野少将は、少しも終戦を知らなかった。

その頃、畑中少佐は蹶起に反対した森師団長を殺害、玉音放送を中止すべく、その録音盤を奪おうと
捜索を開始し、宮城の占領と東京放送の占拠を企てたのである。しかし東部軍司令官田中大将は、
このクーデターの鎮圧にあたり、畑中の意図を挫いたのであった。
玉音放送の録音盤は徳川侍従の手によって皇后官事務官の軽金庫に納められていた。午前四時半、
佐々木大尉の率いる一隊は首相官邸、平沼枢密院議長邸を襲って放火し、五時半には阿南陸相が遺書を
残して壮烈な自刃を遂げるなど、終戦を迎えた日本は、歴史の転換に伴う数々の出来事の渦中にあった
のである。
そして、日本の敗戦を告げる玉音放送の予告が電波に乗ったのは、八月十五日午前七時二十一分のこと
であった。(Movie Walker)




# by jazzyoba0083 | 2017-08-18 23:30 | 洋画=な行 | Trackback | Comments(0)

●「ヤング・アダルト・ニューヨーク While We're Young」
2014  アメリカ Scott Rudin Productions 95min.
監督・脚本・(共同)製作:ノア・バームバック
出演:ベン・スティラー、ナオミ・ワッツ、アダム・ドライバー、アマンダ・サイフリッド
   チャールズ・グローディン、アダム・ホロヴィッツ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
自分の今、置かれている立場とか年齢によって、特に年齢によって見方というか感じ方が
変わる作品だと思う。私はちょうどこれからリタイア生活に入るところなので、いろいろと
考えさせられた。「若さ×老い」という縦軸と「ドキュメンタリー映画」という横軸を上手く
絡めて構成された脚本だが、いささかこねくり回し過ぎで、よくわからないところもあった。

ラストのナオミ・ワッツのセリフ「ついに悪魔が放たれたわね」、に対し、ベン・スティーラーの
「そうじゃないよ。彼が若いというだけのことさ」、と返す。そして目の間でスマホを自由自在に
操る1歳位の男の子に刮目する二人のアップ。ここに本作の主旨が現れていたのではないか。

高名なドキュメンタリー映画監督を父に持つコーネリア(ナオミ・ワッツ)、その夫ジョシュ
(スティラー)は、ドキュメンタリー映画監督・作家だが、もう長いこと自分の作品が出来ていない。
そんな折に、知り合ったジェイミー(アダム・ドライバー)とダービー(アマンダ・サイフリッド)の
カップル。ジョシュとコーネリアには子供がいない。2度の流産を経て子作りを諦めていた。
しかし、周囲の友人たちはみな子供をもち幸せそうだ。一方ジョシュは最近関節炎だの老眼だの、
体に老いも感じるようになってきた。44歳だ。

自由気ままに生きる若いジェイミーとダービーに、ジョシュは憧れや羨ましさを感じつつ、深く
付き合うようになる。同じドキュメンタリー映画監督を目指すジェイミーは、ジョシュ夫妻の
手助けもあり、なかなか良いドキュメンタリー映画を作れそうな気配だ。一方自分の作品は
編集しても6時間半もある。

しかし、若いジェイミーには成功野心が満々で、偶然出会った良いネタも実は仕組んでいたことが
明らかに。ジョシュは憤慨するが、妻も、妻の父である大監督も、そのことを大事なことと
捉えてくれない。立場がなくなるジョシュ。ヤラセをしたにもかかわらず、成功を収めていく
ジェイミー・・・・。

結局、ジョシュとコーネリアは何を求めていたのだろう。子供に幸せを感じることが出来ず、
若いカップルの自由な才能に憧れ、妻の父の大監督にコンプレックスを感じ、まったく自分自身を
見失っていたのだ。誰になりたい?自分自身にならなくてはならないだろう。人にはなれないし
なる必要もないのだ。さまざまなトラブルの中からやがてジョシュとコーネリアは答えを見つけて
いく。

1年後、二人は養子を迎えることにした。そして雑誌には成功したジェイミーのインタビューが掲載され
ていた。彼らは負けたのか?いやいや、「ジェイミーが若い」というだけのこと。ジョシュと
コーネリアには他人と比較できないオリジナルの幸せがあるのだ。それに気がつくまでに時間が
かかったけど。若いからずるいことが許される、というのではなく、若さの可能性に、年を取った
ものが真似しようとしても、ムリな点は有る、それより自分らが重ねて来た時間から得たもののほうを
大切にしたほうが幸せだよ、そんな感想を得た映画だった。スノッブな感じを受ける人は評価が低そう。

カイロ・レンのアダム・ドライバーが憎めない小狡い若手を上手く演じていた。総じてキャスティングは
成功していたと思う。アマンダ・サイフリッド、ひっぱりだこですね。
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<ストーリー>
ニューヨークのブルックリンに住む40代のドキュメンタリー映画監督ジョシュ(ベン・スティラー)と
映画プロデューサー、コーネリア(ナオミ・ワッツ)の夫婦は、子供は作らないと決めていた。
ジョシュは新作をなかなか完成させられずアートスクールで講師を務め、コーネリアは著名な監督である
父の作品ばかりを手がけており、行き詰まりを感じていた。

ある日、ジョシュはアートスクールの聴講生である監督志望のジェイミー(アダム・ドライバー)と
その妻ダービー(アマンダ・サイフリッド)に声をかけられる。ジェイミーの作品を見てほしいと
招待され彼らの家に赴くと、LPレコードやVHSテープ、レトロな雑貨、手作りの家具に囲まれており、
常識にとらわれずクリエイティブな生活をする二人に刺激を受ける。ユニークなセンスを持つ若いカップルと
交流していくうちに、ジョシュとコーネリアはエネルギーを取り戻していく。
しかし野心を秘めたジェイミーの映画作りに巻き込まれていき、思いがけない人生の選択を迫られる。
(Movie Walker)

<IMDb=★6.3>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:84% Audience Score:51%>



# by jazzyoba0083 | 2017-08-17 23:00 | 洋画=や行 | Trackback | Comments(0)

●「アバンダンド 太平洋ディザスター119日 Abandoned」
2015 ニュー・ジーランド Making Movies.86min.
監督:ジョン・レイング
出演:ドミニク・パーセル、ピーター・フィーニー、オーウェン・ブラック、シボーン・マーシャル他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
1989年にニュー・ジーランドで実際に起こった海難事件を映画化したもの。驚くのは
119日、ほぼ4ヶ月漂流を乗り切った4人の心の強さと、地図で見るとよく分かるのだが、
トンガに向かって出港したピクトンという南島の、一番北島に近い港と漂着したグレート・
バリア島の距離だ。ほんとに目と鼻の先。これでは「彼らは嘘をついている」と言われるのも
分かるなあ、と思う。

さて、おそらく個人的にニュー・ジーランド映画を観たのは初めてだと思う。日本では劇場
未公開で、WOWOWの「ジャパン・プレミア」で鑑賞。事実に基づいているので、物語は
誠に「事実は小説より奇なり」で、面白いが、こうした「下駄を履いた」面白さを上手く短い
映画に仕立てた。面白く観た。

それぞれに曰くのある4人を載せて多胴船(3つの胴がある大型ヨット)「ローズノエル」号は
トンガに向けて出港した。先を急ぎたい船長は、嵐を利用して船足を早めようとしたが、大波を
食らって転覆。この手の船は一度ひっくり返ると立て直せない、が沈みもしないという特徴がある。
まずこの「沈まない」、出向して間もなくの遭難であったため食料と水はふんだんにある、救難
信号を発信する機械を積んでいる、などの安心材料があったから、4人はパニックにならずに済んだ
のかもしれない。だが、無線は遠距離が利かない、地元に航海ルートを報告していないなど
杜撰な面もあり、救助が難航する。4人の中にはヨットの操船が未経験のものもいた。
ラッキーだったのは調理師がいた事だ。なかなか救助されない中、彼らは雨水を集める方法、
魚を捕まえる方法、ヨットの備品であったプロパンガスを調理に利用出来るようにしたこと、など
困難な中にも工夫を加え、危機を乗り越えていく。

神を信じる船長と、病気を抱え気が荒く、すぐに喧嘩になるリックという男。4人の心は最初から
団結ていたわけではなく、喧嘩も絶えなかった。ただ、諦めなかった。空軍も出ての捜索も
上手く行かず、家族たちはほとんど諦めていた。

ところが119日目、海流の加減で、彼らは島を発見。そのまま潮流に乗り、上陸できたのだった。
彼らの生活を綴ったカメラも入れて上陸したが、体一つで上陸し船は置いてきたため、その後
船は波で大破、彼らが生活していた痕跡は失われてしまった。

上陸した4人は崖からすぐのところにある大きな無人の家に入り、さっそく冷蔵庫を漁り
調理師がディナーを作り、風呂に入ってワインを飲んだ。一晩寝たところに地元警察が
やってきて、4人は保護される。家族への電話。狂喜する家族・・・。

ハッピーエンドか、と思っていたらさにあらず。家族の元に帰って来た一行を待っていたのは
当局の捜査と、虚偽ではないか、という世間の厳しい目であった。119日間も、海の上で生活
出来るわけがない、というのだ。悲しいかな、証拠はすべて失っている。しかし、当局は大破し
沈没しているヨットを捜索し、点検した。すると4人の言っていることはどうやら間違いはなさそうだ、
ということになり、公式に運輸大臣が119日間の漂流を認めたのだった。
しかし、世間の目はあくまで冷たかった。喧嘩もし、いがみ合った4人だが、4人いたから危機を
乗り越えられた、というのは本心であった。脳腫瘍を患っていたリックは数ヶ月後死亡。あとの
3人もそれぞれの道を歩くことになるのだが、事件後別れてから二度と会うことはなかったという。
まあそんなもんかもしれない。

119日間の漂流という事実はどんな脚本よりも強いストーリーを持つ。故に事実を丁寧に描いて
いけば面白いものになるのはわかっているのだが、その点本作においては、4人のキャラクターや
漂流中の出来事、そして上陸後のこと、家族の様子などが90分未満の長さの中に的確に
配分されていて、良かったと思う。船長はその後も世界を航海し続けたようだが、この事故は
誠に「事実は小説より奇なり」であった。

邦題は、なんか投げやりのような付け方で、もう少し知恵がなかったか、という感じだ。
アバンダンとは英語の単語を勉強すると最初に出てくる単語で、「捨て去る」「遺棄する」とか
いう意味ですね。
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<ストーリー>
1989年に実際に起きた海難事故に着想を得たパニックドラマ。ニュージーランド
からトンガへ向けてヨットで航海に出た4人の男性が、大嵐に遭遇して4カ月近く
にもおよぶ漂流生活を続けるはめに陥った顛末を綴る。
当初は水も食料も十分にあり、心配した家族たちが捜索願いを出して遅かれ早かれ
救助が来るはず、と状況を楽観視していた彼らが、いつしか何もない大海原の中で
不安を募らせていく姿がスリリング。極限状態での人間ドラマが見どころだ。
主演はTVドラマ「プリズン・ブレイク」のD・パーセル。

たまには家族を忘れ、男だけの冒険旅行を楽しもうと、ニュージーランドから
トンガまでのヨット航海に出発したジムたち4人。
だが、大海原で嵐に巻き込まれ、ヨットが転覆してしまう。そのうち救助が
来るだろうと楽観視する4人だったが、船底を上にしたまま漂流を続ける彼らの
船は発見されず、やがて捜索が打ち切られてしまう。
いつまでも来ない救助に待ちくたびれ、
物資も乏しくなる中、4人は精神的に追い詰められて……。(WOWOW)

<IMDb=★6.2>


# by jazzyoba0083 | 2017-08-16 22:45 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)

●「スパイダーマン:ホームカミング Spider-Man:Homecoming」
2017 アメリカ Columbia Pictures,Marvel Studios,Pascal Pictures. 133min.
監督・(共同)脚本:ジョン・ワッツ
出演:トム・ホランド、マイケル・キートン、ジョン・ファブロー、ゼンデイヤ、ドナルド・グローヴァー
   マリサ・トメイ、ロバート・ダウニーJr、グィネス・パルトロウ、クリス・エヴァンス他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
「スパイダーマン」が、マーヴェルのヒーローたちが同一世界観の中で活躍するシリーズ
”マーヴェル・シネマティック・ユニバース”作品群の一つとして描かれる第一弾。
アヴェンジャーズをからめるあたり、マーヴェルのあざとさは感じるが、本作に限って言えば
アメコミヒーローものの原点に戻った感じがとても清々しかった。サブタイトルのホーム
カミングという言葉も、本作のストーリー上のことだけではなく、私が感じた原点回帰、と
いう意味合いもあるのではないか、と思うのだ。

マーヴェルにせよDCにせよ、アメコミのヒーローは、勧善懲悪の痛快アクションとして始まる
のだが、続編を重ねるに従い、内省的になり、やたら人間臭くなったり、また単独では客が
呼べないとなると、ヒーローを複数重ねてみたりで、何だかアメコミの本来持っているカタルシスとは
離れてしまい、それはそれなりに面白かったりもするのだが、私としては「アメコミ・ヒーロー」は
こうでなくっちゃ!という楽しみが、本作では戻っていたのだ。

つまりボーイミーツガールだったり、やたらメカやITに詳しい親友がいたり、カッコいいメカや
痛快なアクション(多くはカーチェイスだったり空中戦だったりするのだが)により、苦難を
乗り越えて悪に勝つ、という単純明快なものがいいのだ。

その点、本作は、これまでの「スパイダーマン」はご破算にして、おばさんちに世話になって
いるくらいで、あとはまったく新作として観られる。まあ、主人公ピーター・パーカーが
蜘蛛に噛まれて体に変化が起きた、とかは不変であるのだが。そのピーターは、アヴェンジャーズ
の前作「シビルウォー」にちょっと出てきていて、これはその続きということもいえる。

純粋なスパイダーマンファンとしてみれば、アヴェンジャーズ文脈で語られる彼の活躍は面白さ
半分になっちゃうと感じる方もおられるかも知れない。でも、アイアンマン=トニー・スタークら
の登場は必要最低限に抑えられていて、主人公はピーター・パーカー=スパイダーマンであることは
間違いない。前作でスタークに認められたピーターは、スタークの会社でインターンシップとして
勤めつつ(高校生ではあるのだが)何とかアヴェンジャーズの一員として認めてもらいたく、高校生
らしい活躍で頑張る。一方で高校では一目惚れしたミシェル(ゼンデイヤ)も何とかしたい。
そして彼の正体を知るただ一人の親友ネッドとの友情、など青春モノアメコミに必要不可欠なものは
全部揃っている。それがいろいろと入り組んで、(お約束だけど)ミシェルの父親のことなど
「分かり易く」綴られていくわけだ。

その「わかりやすさ」も、アメコミ・ヒーローものでは大切な要素であって、分かりやすくなければ
痛快さが痛快と感じなくなってしまう。人間関係がやたらに複雑であったり、敵味方の構図がややこ
しかったりすれば、字幕を追うものとしては余計にストレスが募るというものだ。

本作では以上のような理由とマイケル・キートン、マリサ・トメイ、ジョン・ファブローらの渋い名優を
配して、演技を固め、お約束のストーリーの並びとなってしまう構成に締まりを与えていた。
特に、マイケル・キートンの悪役は今後も出てきそうで、(「バードマン」をおちょくったような
メカニズムだったですねえ)良かった。でも、冒頭の廃品回収業者風が実はめちゃくちゃなテクノロジーの
使い手だったとはビックリ。(コミックらしくてよかったけど)まあ、アイアンマンがぶっこわしたものを
スタークが回収して儲ける、という構図は納得行かないのはよく分かる。マッチポンプだものね。

今回IMAX 3Dで鑑賞したのだが、始まった瞬間、「お??」という感じ。これまでのIMAX 3Dとは違う
感じを受けた。まるでゴーグルをはめて、VRを観ているような。だから画面のデカさとかは感じない。
そのかわり奥行き感は自然で豪華。スパイダーマンの空中遊泳や、アヴェンジャーズの空中戦には
迫力満点だろう。今回もこの映像効果がすごく作品にいい影響を与えていた。ただ、字幕は真正面から
観ないと、ちょっと首をかしげると字がダブって見えてしまう。

さて、毎度おなじみのラスト。次作の約束をして終わるのだが、次作もこんな感じの分かりやすさと、清々しい
カタルシスを感じさせて貰いたいものだ。ところで間もなく封切られる「ワンダーウーマン」は、どういう
出来だろう。
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<ストーリー>
アイアンマンやキャプテン・アメリカなど“アベンジャーズ”を中心にマーベル・ヒーローが同一世界観の
中で活躍する“マーベル・シネマティック・ユニバース”作品群の一つとして描かれる新シリーズの第1弾と
なる痛快エンタテインメント青春アクション大作。
アイアンマンに憧れ、アベンジャーズ入りを夢見る15歳の青年の葛藤と成長を、ヒーローとしての
華々しい活躍に普通の高校生の瑞々しい青春模様を織り交ぜ描き出す。
主演は「インポッシブル」「白鯨との闘い」のトム・ホランド。共演はアイアンマン役のロバート・
ダウニー・Jrのほか、マイケル・キートン、ジョン・ファヴロー、ゼンデイヤ、マリサ・トメイ。
監督は「クラウン」「COP CAR/コップ・カー」で注目され、長編3作目の本作でいきなり
ブロックバスター作品に大抜擢となった新鋭ジョン・ワッツ。

 ニューヨークに暮らす15歳の高校生、ピーター・パーカー。憧れのトニー・スターク=アイアンマンに
見込まれ、彼が開発した特製スーツに身を包み、スパイダーマンとして街のパトロールに精を出しながら、
早くアベンジャーズの一員になりたいと夢見ていた。そんな中、スタークに仕事を奪われ復讐に燃える
男エイドリアン・トゥームス=バルチャーが、地球外の物質から強力な武器を作り出し、ニューヨークを
危機に陥れようとしていた。アベンジャーズに任せろとのスタークの忠告にもかかわらず、一人前の
ヒーローとして認められたいと焦るピーターは、たった一人で敵に立ち向かおうとするのだったが…。
(allcinema)

<IMDb=★7.9>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:92% Audience Score:90%>



# by jazzyoba0083 | 2017-08-12 11:50 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

君の膵臓をたべたい

●「君の膵臓をたべたい」
2017 東宝映画 115分
監督:月川翔  原作:住野よる
出演:浜辺美波、北村匠海、大友花恋、矢本悠馬、桜田通、上地雄輔、北川景子、小栗旬ほか
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
原作は未読。去年の夏のように邦画にパンチが効いたのが少ないなあ、と思い、原作を読む
方を先にしたほうがいいじゃないか、と分かりつつ、アニメや青少年向け作品で比較的若い人が
多かったシネコンに行ってみた。映画を見た人からも「原作を是非」と言われていたが、やはり
そうすべきであったと観終わって思った。

泣きたいんだろうなあ、と思しき女子高生や若い女性が多い客席におじさん一人は大いに場違いな
感じではあった。^^;
さて、本作では小栗旬の案内で映画が進行する。で、現在母校の教師となった彼が、高校生時代を
振り返り、カットバックしながら話が進んでいく。今回映画を見終わって、この手のブログを書く
ものには禁じ手なれど、ネット上でどういう評価があるか覗いてみた。

だって、私にはそこら辺にある高校生悲恋映画と変わんないじゃないか?としか思えなかったし、
泣けなかったから。確かにラスト近く、主人公が相手の母親から日記をもらうところで号泣する
シーンではジーンと来るは来たけど、それだけだ。

本作、原作とは大きく異なって脚色されているのだね。原作には成長したあとの小栗旬や北川景子は
出てこない。あくまで高校生のお話として終えている。ダブル主役の二人がそれほど名前が売れて
いないから、製作サイドでは小栗や北川の名前で客を引きたかったのだろうけど、山内咲良を
演じた浜辺美波と、ボクを演じた北村匠海、恭子役の大友花恋、ガム君の矢本悠馬で突っ切れば
良かったのにと感じた人は原作を読んでいた人の感想として、もっとも(正しいとは言わない)だと
思う。演出にチカラがあれば彼らだけで原作通りの感激を持った作品が出来たと思うのだが。

俄然原作が読みたくなったわけだが、おそらく原作では「共病日記」の存在がもっと大きくて、
主役の二人の性格のやりとりが瑞々しく描かれているのだと思う。浜辺美波、頑張っていて
良かったと思うけど、ちょっとチカラ入り過ぎな感じ。
ストーリー進行も大人になってからの二人に重心がかかりすぎてしまい、高校生の恋愛観というか
主役二人の得意な立ち位置から発生する人格のやりとりのスリリングな点やみずみずしさが
だらけてしまって、どよ~んと感じ締まらないなあ、と感じたのだった。

ラスト、咲良が意外な結末になるあたりから話が締まってくるのだが、時すでに遅し。恭子の
結婚式に駆けつけたボクが恭子の前で「友達になってください」というシーンもいささか間抜けな
感じだった。咲良は不治の膵臓の病気であるが、その病気の詳細は明らかにされないので、どのくらい
重篤なのかが今ひとつ理解出来なかった。まあ、咲良の最期が最期だけに、どうでもいいといえば
いいんだけど、ボクの咲良に対する思いの加減を、病気の重篤加減からも知りたいと感じたのだった。

映画の出来とは全く関係ないけど、このタイトル、私は好きではない。気持ちは分かるのだけれど。
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<ストーリー>
“泣ける小説”として人気を博した住野よるのベストセラー小説を映画化。膵臓の病を患う少女と、彼女の言葉を
胸に後に教師となる少年の物語がつづられる。
浜辺美波と人気バンド、DISH//の北村匠海というフレッシュなキャストに加え、原作にはない12年後の現在を
描くパートでは主人公を小栗旬、ヒロインの親友を北川景子が演じる。

高校時代のクラスメイト・山内桜良(浜辺美波)の言葉をきっかけに母校の教師となった僕(小栗旬)は、教え子の
栗山(森下大地)と話すうちに、彼女と過ごした数ヶ月を思い出していく……。

重い膵臓の病を患う桜良が密かに綴っていた「共病文庫」(=闘病日記)を偶然見つけたことから、僕(北村匠海)と
桜良は次第に一緒に過ごすようになった。だが、眩いまでに懸命に生きる彼女の日々は、やがて終わりを告げる……。
桜良の死から12年。結婚を目前に控えた桜良の親友・恭子(北川景子)もまた、僕と同様に桜良と過ごした日々を
思い出していた。そして、ある事をきっかけに、僕と恭子は桜良が12年の時を超えて伝えたかった本当の想いを
知る……。(Movie Walker)




# by jazzyoba0083 | 2017-08-11 13:00 | 邦画・新作 | Trackback | Comments(0)

●「ロッキーの春風 Springtime in the Rockies」
1942 アメリカ 20th Century Fox Film Co. 80min.
監督:アーヴィング・カミングス
出演:ベティ・グレイブル、ジョン・ペイン、カルメン・ミランダ、シーザー・ロメロ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
先月から鑑賞し始めた、市の映画鑑賞会、今年下半期午前の部は「ミュージカルコメディ」。
今月は、未見の本作で、とても楽しみにしていました。音楽監督はロジャーズ&ハマーシュタインⅡと
組んで「王様と私」でオスカーを獲っているミュージカル映画の常連アルフレッド・ニューマン。
彼は戦前から20数回ノミネートされている大家ですね。

さて、本作は日本では昭和17年のこと。もう太平洋戦争が始まっている。その時期に彼の国では
テクニカラーでこんな映画を作っているんだから。いつも思うことだけど、国力のゆとりの差を
感じます。いわゆる総天然色映画。しかもできの良いテクニカラーなので、デジタル処理された
現代でもその色は美しい。当時天然色女優と言われたベティ・グレイブルの本邦初登場作品。
この時代のこの手の映画らしく、ストーリーにまるで毒気がなく、ほんわりした気分で踊りを観て
音楽を楽しんで、ついでにストーリーもハッピーエンドで良かったね、程度のもの。だけど、私は
それが大好きなんですよね。社会を告発する映画や、人生の深淵を伺うような作品ももちろん好き
ですが、that's entertainment な頃のミュージカルは本当にリラックス出来るんですよね。
また音楽が良いんだなあ。本作でも人気絶頂時の色男トランペッター、ハリー・ジェームズと
彼の楽団の演奏もたっぷりと楽しめる。(当時、ハリーと主演のベティは結婚中)

さて、歌って踊れるベティ、不思議な衣装に不思議な言葉使いの女優カルメン・ミランダ、この手の
映画には欠かせないジョン・ペインやシーザー・ロメロも加わり、恋の鞘当てと踊りと歌、そして
ハリーの演奏、加えて当時御年50歳は超えていただろうけど、足を大きく挙げまた開脚と柔軟な肢体を
披露するシャーロット・グリーンウッドと、短い時間ではあるけど、浮世の憂さを忘れるには絶好の
映画です。邦題もなかなか趣味が良い。ロッキー山脈の麓の街が舞台になっているからロッキーなんだけど、
舞台はどこでも良かったんだけれど。だって、ロケではなく、オールスタジオだから。(苦笑)

とにかくこの手のノーテンキ映画がお好きな方には是非オススメしたい作品です。
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<ストーリー>
ブロードウェイ42番街劇場で踊っていたダン(ジョン・ペイン)とヴィキイ(ベティー・グレイブル)は婚約の
間柄だったが、ダンは不身持な素行が修まらず、怒ったヴィキイは昔のパートナー、ヴィクタア(シーザー・
ロメロ)と組んでロッキー山麓のルイズ湖畔に飛んでしまっので、ダンはひとり酒場にとぐろを巻いて日を暮らして
いた。
それを見兼ねた嘗てのダンのショウ・マネジャーは彼にヴィキイとのコンビを復活させたいと、酒場のバーテン、
マクタヴィシュ(エドワード・エヴァレット・ホートン)をつけて彼をロッキーに送り込んだ。ヴィキイは
ヴィクタアとハリイ・ジェイムズ楽団の伴奏で踊っていたが、ダンが秘書と自称するブラジル人ハーフの
ロジタ(カルメン・ミランダ)と遊ぶのをみると、嫉妬しはじめた。

ダンは、ヴィキイと共演したい一心から彼女に言い寄ったが、彼女も表面ヴィクタアに靡くとみせかけて、
次第に彼とよりを戻しかけた。ある夜ヴィクタアが彼女に言い寄るのを盗み聴いたダンは2人の前に姿を現して、
ついに彼女に本心を言わせることに成功した。翌朝、ヴィキイは、ダンの心が共演にあったことを知って失意の
ドン底に叩きこまれるが、ダンは真心を打ち明け、ショウの資金はマクタヴィシュが提供することとなって
すべては円くおさまった。(Movie Walker)

<IMDb=★6.9>
<Rotten Tomatoes:Tomatometer:--- Audience Score:61%>



# by jazzyoba0083 | 2017-08-10 11:30 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

シン・ゴジラ(2度目)

●「シン・ゴジラ」(2度目)
2016 日本 東宝映画 120分
総監督・脚本:庵野秀明  監督・特技監督:樋口真嗣  音楽:鷺巣詩郎
出演:長谷川博己、石原さとみ、竹野内豊、高良健吾、松尾諭、市川実日子、余貴美子、國村隼
   平泉成、柄本明、大杉漣、ピエール瀧、小出恵介、松尾スズキ、古田新太、光石研ほか

<評価:★★★★★★★★★☆>
<感想>
ちょうど一年前の今頃、「君の名は。」と並んで映画館を賑わせていた。この度WOWOWでも
放送する時期となり、映画館でもしっかり面白かったので、二度目もきっと面白いに違いないと
録画して鑑賞した。
(初見の感想は下記をご参照ください)

初回の感想とは大きく変わらないのだが、やはりゴジラ=福島原発というイメージが更に
強く感じられた。「会議は踊る」の役人たち、決断出来ない政治家、都合のいいことばかりの
米国。こうして見直すと、本作は怪獣映画ではなく、政治ドラマなんだ、ということを確信し
たのだった。ゴジラは原発の、融通の聞かない官僚や無能な政治家の、自分のことだけしか考え
ないアメリカの、日本にとってのいろんな不都合のメタファーの集合体であり、なかんずく、
人類とは共生しえない原子力、というものの置換に他ならないなあ、と強く感じた。
★を9とさせて頂いた。

演技陣で言えば、はやり石原さとみの浮き加減が半端ないなあ、と。(苦笑)

ストーリーその他については上記リンクからご参照ください。
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# by jazzyoba0083 | 2017-08-09 23:15 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

独立愚連隊

●「独立愚連隊」
1959 日本 東宝映画 配給:東宝 109分
監督・脚本:岡本喜八
出演:佐藤允、中谷一郎、上村幸之、三船敏郎、中丸忠雄、南道郎、瀬良明、雪村いずみ、鶴田浩二、他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
岡本喜八の作品はだいぶ時代が下ってからの「大誘拐RAINBOW KIDS」以外に観ていないので
特に贔屓ではないが、邦画の監督を語る上で外せない人の一人ではある訳で、この夏、WOWOWで
何本か放映があったので、録画して鑑賞してみた。

この映画は題名だけは知っていたが前知識は無しで見てみた。古い映画は音が聞こえづらい。
加えて軍関係の専門用語が入るので余計に分からない。よって後半からは字幕を付けて見た。

さて、普通のことはしない岡本喜八の出世作となった本作は、勝新太郎の軍隊モノとはまた趣が
違い、ユーモアと社会を斜にみたような作り方に特徴がある。先の戦争において満州でこの映画の
ようなことはありえないのだが、そこが岡本流なんだろう。それが岡本流戦争批判なのであろう。
かれは後に「日本の一番長い日」というオーソドックスな戦争映画を撮ることになる。

冒頭登場した佐藤允が何者なのか分かるまでにしばらく時間がかかる。しかし従軍記者ってあんなに
態度でかくて大丈夫なのっていうか、周りの将校を含め兵隊が、敬意を払う存在だったのだろうか?
(実は従軍記者ではないんだけど)

主人公の大久保はある部隊から脱走し、従軍記者になりすまして、兄の心中の真相を突き止めに
やってきたのだ。その一部始終が、資料によると、戦争西部劇ふうなタッチで描かれていく。
戦争映画が持つ重々しさ、帝国陸軍の持つ陰湿さ、そいうこれまで定形とされた軍の描き方では
なく、慰安婦や、馬賊も加わり、謎解き(というほどでもない)もあり、なかなかダイナミックに
描かれている。今見るとそう面白くも感じられないが、封切られた昭和34年はまだまだ世の中には
戦争映画に対する思い入れのある人が多く、本作は大ヒットし、「独立愚連隊西へ」という続編も
作られたという。岡本喜八の荒削りながらも旧来にない演出、役者の使い方などよく分かる映画。
岡本のこのシリーズは「血と砂」までの8本とされるが、あとは「血と砂」くらい見ればでいいかな
と思っている次第。
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<ストーリー:結末まで触れています
終戦近い北支戦線を舞台に、弟の死因を究明にやって来た元鬼軍曹の活躍を描いた日本版西部劇。
「ある日わたしは」の岡本喜八が助監督時代に書いた脚本を自ら監督した。撮影は「青春を賭けろ」の
逢沢譲。

第二次大戦も末期、北支戦線の山岳地帯で敵と対峙している日本軍に、独立愚連隊と呼ばれる小哨隊があった。
正式には独立第九〇小哨だが、各隊のクズばかり集めて作った警備隊なので、この名称があった。
独立愚連隊に行くには、敵の出没する危険な丘陵地帯を行かねばならない。この死地へ、新聞記者の腕章を
巻き、戦闘帽に中国服姿の男が馬を走らせていた。大久保という元軍曹だが、愚連隊小哨長をしていた弟の
死因を究明するために、入院中の北京の病院を脱走して来たのだ。従軍記者荒木となのっていた。

彼には弟が交戦中に情婦と心中したという発表は信じられなかった。彼は生前弟が使用していた居室から、
弟の死因となったピストルの弾を発見した。心中なら二発ですむわけだが、弾はいくつも壁にくいこんでいた。
部屋で死んだのだから、敵ではなく部隊内の誰かが犯人だ。
戦況はすでに破局に達していた。死んだ梨花の妹でヤン小紅という娘が現われた。荒木は、彼女から姉の形見だ
という紙片を見せてもらった。大久保見習士官が死ぬ直前に、部隊長宛に綴った意見具申書だった。
橋本中尉の不正を列挙し、隊の軍規是正を望むものだった。橋本中尉は、自分の不正がばれるのを恐れて
大久保を殺し、心中の汚名を着せたのだ。しかし、荒木の身許が橋本にバレた。荒木の北京時代の恋人で、
今は将軍廟で慰安婦をしているトミが荒木を追って来た。そして彼女は将軍廟の橋本からかかって来た電話に
出て、荒木の本名を口走ってしまったのだ。将軍廟に向うトミと荒木を乗せたトラックは途中で敵の砲撃を受け、
トミは死んだ。荒木も将軍廟に着くと営倉に投げこまれた。しかし、脱出して橋本を撃った。

--敵の大軍が押し入った。しかし、荒木は不思議に死ななかった。彼は馬賊の群に投じ、はるか地平線の
彼方に消えて行った。(Movie Walker)



# by jazzyoba0083 | 2017-08-06 23:40 | 邦画・旧作 | Trackback | Comments(0)

ロッキー

●「ロッキー Rocky」
1976 アメリカ Chartoff-Winkler Productions. Dist.United Artists119min.
監督:ジョン・G・アヴィルドセン 脚本:シルベスター・スタローン
出演:シルベスター・スタローン、タリア・シャイア、バート・ヤング、カール・ウェザース、
   バージェス・メレディス、ジョー・スピネル他

 
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           <1976年度アカデミー賞作品賞、脚本賞、編集賞受賞作品>
<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
私が食わず嫌いで見ていないシリーズに「パイレーツ・オブ・カリビアン」「ロード・オブ・ザ・リング」が
あり、この「ロッキー」の連作もその一つであった。

だた、先日読んだ町山智浩氏の本に、この「ロッキー」が、60年代から70年代初頭にブームとなった
いわゆる「アメリカン・ニューシネマ」の終焉を告げ、新しい時代の到来を告げた、と書いてあったので
それは、そんな大事な映画なら見ておかなくちゃなるまい、とAmazon Prime で鑑賞に及んだ次第。

町山氏の本で、内容はすべて理解してから見たので展開の驚きはなかったが、映画としては総じて
よく出来ている。キャスト、ストーリー、映像、音楽、時としてデジャヴ的なシーンもあったけど
それは意識したオマージュと解釈しておいた。しかし、スタローンが書いた脚本はプロデューサーサイド
とも揉めた部分も多く改変を余儀なくされたり、スタローンが承知をせずに変えてしまったり、
一方で低予算ならではの苦労も並大抵ではなかったようだ。

で、何が「俺たちに明日はない」「卒業」「イージーライダー」などのニューシネマと言われた諸作からの
変換点になったか、というと、アウトローのヒーローたちがこれまでのアメリカ的倫理観に抵抗し、
悲劇的なラストを迎える、という形式からの変換というのである。「暴力」「ドラッグ」「セックス」など
これまでハリウッドが扱わなかったものを積極的に扱い、世の中、ハリウッドが描くような綺麗事では
済まない、という主張が、当時ベトナム戦争や公民権運動で荒れていたアメリカの若者に支持されて
きたわけだ。
 70年台半ばともなると、ベトナム戦争は敗北という形で終わり、ヒッピーはヤッピーになり、ロック
ミュージックはメジャーレーベルの金儲け手段となっていく。そうした時代の中で、「ロッキー」は
「アメリカ、どうしちゃったの?」的なムードの中で、黒人の無敵なチャンピオンに立ち向かう無名の
ボクサーの「勝利」の話。世界タイトルマッチという描かれる舞台は大きいが、ロッキーが目指すものは
「クズ野郎」からの脱出とエイドリアンという恋人への愛情の証拠いう極めて個人的なもの。

イタリア系白人が見世物として設定された試合で黒人の無敗チャンプに一泡吹かせる。すななち努力の汗は
裏切らないと、やさぐれた世間に生きる俺だが、なんとか自らの手で隘路は打開できるのだ、という
ことを示す一方、黒人パワーを粉砕し、ぱっとしないアメリカになってしまった白人たちは快哉を叫び
溜飲を下げたわけだ。同じ年に封切られた「タクシードライバー」も、大統領候補暗殺から急遽、売春婦の
ヒモの元締めを射殺して英雄となる成り行きもまた、どんよりとしてしまったアメリカの白人たちの
溜飲を下げ、個人のレベルでの達成感というものを意識させた作品としては、「ロッキー」と通底する
部分がある感じだ。この潮流は町山氏によれば「JAWS/ジョーズ」「スターウォーズ」などへと引き継がれて
いくという。「アメリカンヒーローの復権」(極めて個人的な理由での)

私見だが80年代以降は、エンタメ系に徹底的に振ってしまったもの、大掛かりな設定の中で個人の心情を
描くもの、そしてまったく小社会、個人的なレベルでの話の中に観客のシンパシーを呼び起こすものに
大別されたような気がする。例えば今年のアカデミー賞ノミネート、受賞映画で言えば、「ラ・ラ・ランド」は
エンタメ系、「ムーンライト」「マンチェスターバイザシー」は個人的な小宇宙での話、「メッセージ」
「ハクソーリッジ」「LION」は大掛かりな設定の中で個人の心情にシンパシーを感じるもの、というふうに
なろうか。

確かにこの「ロッキー」のエンディングはそれまでの、鬱々とさせるニューシネマのエンディングとは
一線を画すものだろう。だが、本作もシリーズ化されるとまたその持っていた意味あいが変わっていく
のだが。ストーリーはもう皆さんご存知と思うので省略させていただく。
この映画をもって嚆矢とするステディカムの効果は特にスタローンのフィラデルフィア市内のランニングと
ボクシング試合のシーンで効果をうまく発揮している。試合のときの客席にステディカムをもったキャメラ
マンが写ってますね。

<IMDb=★8.1>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:93% Audience Score:69%>



# by jazzyoba0083 | 2017-08-05 13:52 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「ダーク・プレイス Dark Places」
2015 イギリス・フランス・アメリカ Exclusive Media Group,Mandalay Vision,and more. 113min.
監督:ジル=パケ・ブランネール  原作:ギリアン・フリン「瞑闇」
出演:シャーリーズ・セロン、ニコラス・ホルト、クロエ・グレース・モレッツ、タイ・シェリダン他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
なんだろう、もっと面白くなる映画なはずなんだけど、この中途半端さは。真相が結構アッという
感じだったので余計に残念だ。「殺人クラブ」の人たちの十分じゃない謎解きが薄っぺらくしている
のかもしれない。無罪の兄がハマっていた黒魔術、っていうのもどこか胡散臭くて薄っぺらい感じを
醸し出していたのかもしれない。カットバックと主人公のフラッシュバックがごちゃごちゃしていたの
かもしれない。伏線の張り方が下手なのかもしれない。原作モノなので仕方ないと言えばそれまでだけど。

1985年に起きた一家3人惨殺事件で一人生き残ったリビー(セロン)。犯人はまだ幼かった彼女の
証言で、兄が逮捕され28年服役している。リビーは世間の同情を集め、お金に不自由することなく
生きてきたが、事件も古くなり、残りの金も少なくなってきた。そこに過去の未解決の事件や冤罪事件の
真犯人を突き止めるという「殺人クラブ」のライルから、金を払うから集会に来てくれないか、あなたの
兄さんは真犯人じゃない、と言われる。

そのような状況で、兄と刑務所で面会したりするうちに、リビーは自身の心のなかに封印してきた過去を
少しずつ明らかにしていく。

ネタバレですが、貧しい一家を支える母が保険金目当てに自分を殺させて、子どもたちを救おうとした
ことがそもそもの発端。その発端を示す伏線があるのだがやや弱い。最後の30分くらいで一気にことが
解決に向かうのだがそれはそれで面白いものの、それまでがしんどい。一方もう一つの主軸となるのが、
事件当時兄と付き合っていたディオンドラという少女。兄は彼女を妊娠させる。その女性も今や28歳以上に
なって今もどこかにいるはず。それを「殺人クラブ」のライルが見つけ出してくる。

結局殺人があった晩、ディオンドラは自分のことを罵ったリビーの姉の首を締めて殺してしまう。その時が
たまたま母が自分を殺させる晩であった。殺人者は夜中に忍び込み、母をナイフで殺害するが、予定外の
子供たちが出てきてしまった。その為この男はリビーのもう一人の姉も殺し逃げる。
兄は、リビーをタンスに匿う。そして自分で罪を被ったのだ。幼いリビーは警察に嘘の証言をし兄は逮捕され、
ディオンドラはどこかへ去った。

刑務所に入った兄は上訴せず、無実を訴えることをしなかった。なぜなら自分とディオンドラのせいで
妹の一人を殺して(実際はディオンドラが手を下したのだが)しまい、その罪を一生背負うことに
したからだ。また自分の子を宿したディオンドラを守ったのだ。ディオンドラ(若い時をクロエ・グレース・
モレッツが演じる)は、生来の変なやつで実の妹を殺した女をかばう兄の心情は理解しがたいものがある。
いくら自分の子供を身ごもっているとはいえ、28年間もよく黙っていたなと。

ディオンドラと娘の居場所を突き止め、訪ねるリビー。家に自分の母のネックレスを見つけ、はやり
兄は犯人じゃないのだと確信。しかし、ディオンドラとその娘に殺されそうになる。しかし、ライルが
駆けつけ九死に一生を得る。そして事件の全容が明らかにされ、兄は釈放されるのだ。28年の時間を超え
二人は和解するのだった。

もう少し話を整理し、伏線の張り方を上手くしたら面白くなったかもしれない。そもそも、幼い3人の
実の娘を残して、保険金目当てに殺し屋を雇う母親に心情に同情しづらいのが一番のひっかかりかも
しれない。また妹を殺した恋人を守った兄の心情もしかり。
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<ストーリー>
1985年、カンザス州の田舎町。母親とその娘二人が惨殺される事件が発生。家の壁には悪魔崇拝を示唆する
血文字が残されていた。犯人として逮捕されたのは15歳の長男ベン。生き残った8歳の末っ子リビーが、
兄の犯行を目撃したと証言したため、ベンは終身刑を宣告された……。

28年後。殺人事件の遺族として世間から同情を受け、支援金や自伝出版で食いつないできたリビー
(シャーリーズ・セロン)だったが、定職もなく、孤独な生活を送る日々。そんな彼女に“殺人クラブ”という
団体から連絡が届く。過去の有名な殺人事件を検証するそのクラブは、重要な証言者としてリビーに
会いたがっていた。兄の事件の真相が迷宮入りするまで、残り21日。“殺人クラブ”ではタイムリミットが
迫る事件について語れば謝礼を支払うという。

生活に困窮していたリビーは、クラブのメンバーであるライル(ニコラス・ホルト)が申し出た報酬に目が
くらみ、出席を決意。ベンの無罪を主張するクラブを怪しみつつ、リビーは生活のために嫌々ながらも
あの忌まわしき28年前の事件を振り返ることになる……。
刑務所を訪れたリビーは、久しぶりにベン(コリー・ストール)と再会。彼の手首には女性の名のタトゥーが
あった。やがてリビーの脳裏には、徐々に過去の記憶が蘇る。当時、ヘビメタ好きで悪魔崇拝に傾倒していた
ベンは家族の中でも浮いた存在だった。さらに彼には、近所の少女に性的イタズラをしたという疑いが持ち
上がっていた。ベンにはディオンドラ(クロエ=グレース・モレッツ)という年上の恋人がいて、妊娠が
発覚した彼女はベンと一緒に町を出ようと心に決めていた。

一方、リビーの両親は、彼女が2歳のときに離婚。だが父親は、たびたび金の無心に来ては、母親のパティ
(クリスティナ・ヘンドリックス)を悩ませていた。家が農場とはいえ、女手ひとつで4人の子供たちを
育てるパティも経済的に困窮。自宅が差し押さえを迫られたうえ、嫌疑を受けるベンのために弁護士の
費用が必要だった。そんな状況であの夜、惨劇が起こったのだ。ライルに背中を押されたリビーは、
かつてベンがイタズラをしたというクリシーと会い、殺された姉の日記を読み返し、忘れかけた記憶を
たぐり寄せていく。
あの夜、自宅で何が起こり、自分は何を目撃したのか……。そんな中、事件以来、行方知れずだった
父親の居場所を突き止めたリビーは、衝撃の事実へ一歩、また一歩と近づいていく……。

<IMDb=★6.6>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:26% Audience Score:33%>










# by jazzyoba0083 | 2017-08-03 23:30 | 洋画=た行 | Trackback(1) | Comments(0)

●「ピッチ・パーフェクト2 Pitch Perfect 2」
2015 アメリカ Universal Pictures and more.115min.
監督・(共同)製作・出演:エリザベス・バンクス
出演:アナ・ケンドリック、レベル・ウィルソン、ヘイリー・スタインフェルド
   ブリタニー・スノウ、スカイラー・アスティン、アダム・ディヴァイン他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>

一作目の出来が良く、とても楽しく見られたので、パート2のWOWOWでの
放映を心待ちにしていた。やっとやってくれました。
監督は交代。自らも出演していえるエリザベス・バンクスに。

二作目は難しいな、という典型。面白くないわけではないのだが、一作目を
超えることは出来ていない。やはり女子大生アカペラグループが青春しながら
成長し、ドタバタやって、お下劣でラストは大ハッピーエンド、という瑞々しさが
失われてしまった。

冒頭、いつものユニバーサルのロゴに載せる音楽も、大会の司会の二人が歌っている
という凝ったところもあるし、一作目では客席に向かって歌唱中ゲロを撒き散らすと
いう衝撃が、今回はオバマ大統領の誕生日イベントで、デブのエイミーが宙乗りで
登場、しかし、途中で逆さ吊りになり、履いていたパンツの尻が破けて、ノーパン
だったため、彼女の大事なところが、もろに客席に晒されるというハプニング。
大統領にエイミーのヴァジャイナを見せたということで、各マスコミからは叩かれるわ
学校からは謹慎を言い渡されるわで、凹みまくりのベラーズ。当のエイミーは
ちっとも凹んでいないのが笑わせる。

しかし、前回に優勝し、コペンハーゲンで開催される世界大会への出場権は失って
おらず、これに向け、かつてのベラーズのメンバーの娘も加入し、新生
ベラーズが、これまたドタバタでスタートした。
一方でベッカ(アナ)は、1人でレコード会社に潜り込み、ソロで何とか次の
ステップに踏み出せないか考えていた。そう、メンバーたちは卒業を控え、それ
ぞれの道を探さなければならない時期にもなっていたのだ。

新生ベラーズが実行したのは一作目で活躍していて今はOGになり合宿所を
経営しているオーブリーの元へと行く。なんだかどういう合宿をしているのか良く
分からないが、とにかく全員の心を一つにしようとしているのは確かのようだった。
世界大会の最大のライバルはドイツのダス・ミュージック・マシン。世界大会こそ
ベラーズに残された名誉挽回のラストチャンス。しかし、この大会でアメリカの
チームが優勝したことはないのだった。ハードルは高い。

一作目に比べ、コーラスの練習のシーンは少なくなり、サイドストーリーが多く
なって、縦筋の物語が薄い感じ。もちろん世界大会への挑戦ということはあるの
だが、モチベーションが前作に比べ、弱い。新人たちの活躍もエイミーとバンパーの
恋の行方も、あれもこれもと手を出して欲張りすぎたか。

ラスト、コペンハーゲンでの世界大会では、オリジナル曲(OGも加わって)の
披露もあり、圧倒的な存在感を示して優勝した。(優勝とははっきり言ってない
けど、当然そうなのだろう) これからは彼女らはそれぞれの道に入り、
ベラーズは新しい世代へと受け継がれて行くのだ。パート3も作るんだと。
余程気合を入れないと・・・。

アナ・ケンドリック目当てに見る方も多いかもしれない。私が好きなのはアカペラ
大会座付きの司会者の二人の、実況の時のユーモアとウィットに富んだ会話。
シモネタ、人種ネタ、政治ネタ、こんなこと言って大丈夫か、と思うようなセリフの
やり取りは、実は本編よりも期待値が高かったりする。この手のアメリカ映画の
出来の良さというのは、脚本家らが、どういう気の利いたセリフの応酬をするか、が
とても大きいのだ。

それにしても、実際に2カット出て来るオバマファミリーの映像、シチュエーションが
シチュエーションだけに、よく使ったな、と思う。日本だったらさしあたり安倍総理
夫妻の目の前でヤバイシーンが展開されるということだからね。

ブロードウェイ育ちのアナを始めとして、出て来るグループ、皆、歌唱はさすが。
それを聞いているだけでも楽しい青春映画だ。ラスト近くバンパーとエイミーの
あまりにもえげつない抱擁シーンを見て、皆が避難する、というところは笑った。
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<ストーリー>

『イントゥ・ザ・ウッズ』でシンデレラ役に抜擢されたアナ・ケンドリック
がヒロインを演じ、全米で大ヒットを記録した青春ドラマの続編。女性のみの
アカペラチーム、バーデン・ベラーズのメンバーたちが様々な試練に直面しな
がら成長していく姿を描く。前作よりさらにレベルアップした歌やダンスに
注目だ。(Movie Walker)

 大学の女子アカペラ部を舞台に描き世界的にヒットしたアナ・ケンドリック
主演の学園音楽コメディの続編。卒業を控え、最後にして最大の晴れ舞台
“アカペラ世界大会”での優勝を目指す“バーデン・ベラーズ”の面々の山あり
谷ありの奮闘の行方を描く。
共演はレベル・ウィルソン、ブリタニー・スノウ、ジョン・マイケル・ヒギンズ、
エリザベス・バンクスらに加え、新たにヘイリー・スタインフェルドが参加。
監督は本作のレギュラー・キャストでもある女優のエリザベス・バンクス。
これが記念すべき長編監督デビューとなる。
 
ベッカが所属する女子アカペラチーム“バーデン・ベラーズ”は全米大会で
初優勝を飾って以来、目下3連覇中。名実ともに充実の時を迎えていた。
ところがオバマ大統領の誕生日を祝うイベントでファット・エイミーが
とんでもない失態を演じ、チームは活動禁止の処分に。そんなベラーズに
唯一残された名誉挽回のチャンスは、強豪ひしめくアカペラ世界大会で優勝
すること。しかしこれまでアメリカ代表の優勝経験はゼロ。
しかも海外チームの超絶パフォーマンスを目の当たりにして、すっかり自信を
失ってしまうベッカたちだったが…。(allcinema)

<IMDB=★6.6>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:66% Audience Score:64%>




# by jazzyoba0083 | 2017-07-31 23:10 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)

S・W・A・T

●「S・W・A・T 」
2003 アメリカ Columbia Pictures Co.(a sony company) 111min.
監督:クラーク・ジョンソン
出演:サミュエル・L・ジャクソン、コリン・ファレル、ミシェル・ロドリゲス
   ジェレミー・レナー、オリヴィエ・マルティネス他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>

暑気払いのつもりでスカッとしたアクションものが観たくて鑑賞。
う~ん、クルマの壊しっぷりはまずまず、LAPD全面協力のカーチェイスも
まずまず、キャストも若きジェレミー・レナーとか、隣のおばちゃんに
ちょこっとオクタビア・スペンサーの顔が観られたり、出ている人もそこそこ。

冒頭のSWAT対銀行強盗、テレビ画面の再撮風映像を使ったり、なかなか
魅せる。さらにこれがコリン・ファレルとジェレミー・レナーの5年続いた
相棒の決定的な解消に至るエピーソードのなったいる仕掛け。

腕に自慢のジェレミーは銀行強盗を人質越しに射殺したが、人質にも怪我を
させてしまう。これを見咎めた幹部から大目玉を食らうのだが、ジェレミーってば
頭に来て警察辞めちゃうんだよなあ。でコリンの方も武器倉庫係に左遷。

これが話のベースで、それから6ヶ月(ジェレミーがこれで出演終わりということ
はないので後から何かの形で出てくることは分かり易いが)。サミュエルの下で
またSWATが結成される。やがてやってきた世界中から指名手配中の悪人の
護送を任される。あっという間に捕まるのだが、護送の途中に「おれを助ければ
1億ドルやるぞ」との声がマスコミに乗り、世界中からカネ目当ての悪党たちが
LAにやってくる・・・。

1億目当てにそんなに世界中から悪党が来るかね。貰える保障がどこにあるかね?
ジェレミーもそんな1人でカネ欲しさにこの犯人を逃がす立場に回る。またSWATの
仲間にも裏切り者が・・・護送の途中で、いろんな攻撃に会い、犯人は自家用ジェットを
橋に着陸させて、高飛びする計画だ。しかし、ジェレミーの計画、短い間によく練って
仲間をオーガナイズしたものだねえ(苦笑)

最後はもちろん正義は勝つわけだが。上映時間も長すぎで、世界中から指名手配の
犯人アレックスの迫力が無かった。もう少し暴れさせたほうが面白かったのでは?
「暑気払い」としてはまあまあかな。
勇者を集める「アヴェンジャーズ」や、普通の警官の手に負えない現場にかけつけ
るイメージは「第七騎兵隊」の、アメリカ人が好きな骨格が見えてくる。
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<ストーリー>

'70年代の人気テレビ・シリーズを映画化したサスペンス・アクション。エリート
警官たちを集めた特殊部隊S.W.A.T.の活躍を、スリリング&ドラマチックに描く
痛快作だ。

悪名高き麻薬王アレックス(オリヴィエ・マルティネス)が逮捕された。FBIの
もとへアレックスを護送するのは、ホンド巡査部長(サミュエル・L・ジャクソン)を
指揮官とする、結成まもない6人のS.W.A.T.精鋭部隊。約6ヶ月前、S.W.A.T.隊員の
ストリート(コリン・ファレル)は、強盗事件にあたっていた。
しかし、パートナーであるギャンブル(ジェレミー・レナー)の判断ミスから、
2人はS.W.A.T.を追放される。処分に納得できず、ギャンブルは警察を去る。

降格処分を受け入れ、S.W.A.T.に戻る機会を待つストリート。親友2人は別々の
道を選び、この選択が運命を大きく変えるのだった。武器管理に降格された
ストリートに、復帰のチャンスが訪れた。ホンドが新チーム結成の指令を
受けたのだ。選ばれたのはストリートのほか、女性のサンチェス(ミシェル・
ロドリゲス)、ディーク(LL・クール・J)、マイケル(ブライアン・ヴァン・
ホルト)、マッケイブ(ジョッシュ・チャールズ)の5人。

しかし連行中のアレックスが、報道陣に宣言する。「俺を逃がした奴に、
1億ドル払う」と。この逃亡宣言はトップニュースとして放送され、報酬を狙う
者たちで、街は溢れかえる。混乱の中、6人は護送ミッションを決行する。
380万人の市民が、すべて敵かもしれない混沌のロサンゼルス。しかし、敵は、
ロス市民だけではなかった。ニュースを見る者の中に、ギャンブルの姿もあった。
金、誇り、希望。全てを失い、残っているのはS.W.A.T.で培った戦術。
ギャンブルは、持っている力で、1億ドルを手に入れる決意を固める。
今、S.W.A.T.の手の内を知り尽くすギャンブルが、最強の敵となりホンドたちを
襲う……。(Movie Walker)

<IMDb=6.6>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer=48% Audience Score:52% >




# by jazzyoba0083 | 2017-07-24 23:35 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

●「めぐりあう時間たち The Hours」
2002 アメリカ Milamax Films,Paramount Pictures,115min.
監督:スティーヴン・ダルドリー  原作:マイケル・カニンガム
出演:メリル・ストリープ、ジュリアン・ムーア、ニコール・キッドマン、エド・ハリス他
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     <2002年度アカデミー主演女優賞(キッドマン)他 受賞多数作品>
 
<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>

本作は2008年に一度観ている。その時の感想http://jazzyoba.exblog.jp/8591718/ を
ご参照ください。その時期はまだ評価、というものをしていなかったので、今回の
再見を終わり、★8とさせて頂きました。

いま自分の9年前の感想を読むと、なかなかちゃんと観ているな、と我ながら
ほくそ笑んでしまいました。 時代と設定を変えて、ヴァージニア・ウルフの
書いた「ダロウェイ夫人」を巡る3人の女性の生き方を、シーン転換も実に
上手く構成し、見せていく。1800年代のイギリス、1950年代のLA、そして
現代のNY。時制の行き来などあり、また結構「メタファーのかたまり」みたいな
映画なので、難しいとは思いますが、多くの方は、ラスト近くで、ジュリアン・
ムーアがメリル・ストリープを尋ねてくるところで、1つカタルシスがあるでしょう。

初見のときも書きましたが「不安」の映画。自分の信じる拠り所を求めて苦悩し、
精神にいささかの異常をきたしてしまう。女であることの鬱々さに、観終わって
暗くなってしまう人もいるでしょう。暗く明るくない映画ですが、訴えてくるものは
多いと思いました。

ヴァージニア・ウルフの生活は原作通りかなり現実に忠実に構成されていて、
抑鬱気味の生活の中で、自分がいなければ夫が幸せになれると、ポケットに
石を入れて川に入水自殺したのも本当のこと。読まれる手紙もほぼリアルです。

「自分の存在と何か」という、「実存主義的な」問いかけをしてくる作品だ。
しかし、映画を観ている人は必ずしもそれに答える必要はない。ドラマだから。
自分なりに何かが得られればいいし、つまらん映画だ、と思う人もいるだろう。

原作があるとはいえ、よく構成され、よく演技され、画作りも工夫された
一級の映画であることは確かでしょう。
映画の詳細については、所見のリンク先にも書いてありますが、再掲しておきます。

<ストーリー>
1923年、ロンドン郊外のリッチモンド。作家のヴァージニア・ウルフ(ニコール・
キッドマン)は、病気療養のために夫レナード(スティーヴン・ディレイン)と
この町に住み、『ダロウェイ夫人』を執筆していた。そんな彼女のもとに、
姉のヴァネッサ(ミランダ・リチャードソン)たちがロンドンから訪ねてくる。

お茶のパーティーが終わり、姉たちが帰ったあと、ヴァージニアは突然駅へと急ぎ、
追ってきたレナードにすべての苦悩を爆発させる。その悲痛な叫びにより、
レナードは彼女と共にロンドンへ戻ることを決意するのだった。

1951年、ロサンジェルス。主婦ローラ・ブラウン(ジュリアン・ムーア)は妊娠中。
夫のダン(ジョン・C・ライリー)は優しかったが、ローラは彼が望む理想の妻で
いることに疲れていた。今日はダンの誕生日。夜のパーティーを準備中、
親友キティ(トニ・コレット)がやってきて、腫瘍のため入院すると彼女に
泣きながら告げる。
やがてローラは、息子のリッチー(ジャック・ロヴェロ)を隣人に預け、大量の
薬瓶を持って一人ホテルへと向かう。その部屋で彼女は『ダロウェイ夫人』を
開きながら、膨れた腹をさするのだった。

2001年、ニューヨーク。編集者のクラリッサ・ヴォーン(メリル・ストリープ)は、
エイズに冒された友人の作家リチャード(エド・ハリス)の受賞パーティーの
準備をしていた。彼女は昔、リチャードが自分につけたニックネームミセス・
ダロウェイにとりつかれ、感情を抑えながら彼の世話を続けてきた。しかし
リチャードは、苦しみのあまり飛び降り自殺。パーティーは中止になったが、
そこにリチャードの母親であり、家族を失ってしまったローラが訪ねてくるのだった。

<IMBD=★7.7>
<Rotten Tomatoes=Tomatometers:81% Audience Score:84% >



# by jazzyoba0083 | 2017-07-20 23:35 | 洋画=ま行 | Trackback | Comments(0)

●「ラスト・クライム 華麗なる復讐 Mes trésors 」
2017 フランス Radar Films,and more.91min.
監督:パスカル・プルデュール
出演:ジャン・レノ、リーム・ケリシ、カミーユ・シャムー、パスカル・デュモロン他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>

ジャン・レノ、このところいい映画に恵まれていない感じだな。最新作の
これも日本では劇場未公開。WOWOWにて鑑賞。独特の存在感を持った人なので
バイプレイヤーでいいから、もっといい映画に出て欲しいなあ。ニコラス・ケイジ
みたいになっちゃうとなあ・・・。

閑話休題。本作は短い映画で、ギャングもののコメディーなのだが、それなりに
面白く見られた。これでキャスティングがそこそこだったら劇場で公開されても
耐えうるストーリーだったっんじゃないかな。あと30分くらい長くして。
本作は本作で短くしたテンポの良さはありこれはこれでありか、と思いはするけど。

マドリッド?だかのコンサート会場から仲間とストラディバリを盗んだものの
仲間の裏切りにあい、ワゴンごと川に沈めれたジャン・レノ。復讐を誓い、
母違いの二人の娘を仲間に加えて、仲間がどこかの富豪に売ろうとしているところを
なんとか阻止し、ストラディバリを奪い返す作戦を立てた、というもの。

この二人には、1人にはオタ系のITエンジニアが付いてきて、もうひとりは
ユーロポールのイケメン刑事に付け狙われるという組み合わせが加わる。

この二人の母違いの姉妹がむしろ主役。二人共馴染みの薄い女優さんだが、
片やITのエキスパートとして、片や色仕掛けが出来る美人としての役割を
担うのだが、裏切った仲間に惚れられるのがIT専門家のほうだったり、
なかなか上手くいかない。そのあたりのドタバタが、そこそこ面白く仕上がって
いる。派手なカーチェイスが有るわけではないが、これはこれで良いと思う。

長い間ほかって置かれた父に「死んだ」といって嘘をつかれた集められた
二人の姉妹だが、割りとあっさりと父を許してしまうあたり、コメディかなあ。
そして、父は娘二人を愛していて、3人の協力で裏切った仲間はストラディバリを
富豪に売るのだが、その代金を、彼の銀行からハッキングして自分らの口座に
入れてまんまと計画は成功。このハッキングに使うPCの虹彩認識を裏切りった
仲間のものでないと動かないから、これを手に入れるのが姉妹の活躍の見どころと
なっている。
因みに、原題は「私の宝物」という意味で、ラストでジャン・レノが娘達に
向かって言う言葉。
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<ストーリー>
本国で作られた「レオン」などだけでなく、「ミッション:インポッシブル」
「ダ・ヴィンチ・コード」などのハリウッド大作でも活躍するフランスの
国際派スター、レノを主演に迎えた痛快ムービー。
レノ演じる大泥棒は伝説のバイオリン、ストラディヴァリウスを横取りした
かつての仲間に復讐する計画に、異なる女性が生んだ娘2人に協力を仰ぐが
娘たちは正反対の性格で……。逆転また逆転のコンゲームが主軸だが、
困難なミッションにスリルを、奇妙な親子関係に笑いを誘われて楽しめる。
WOWOWの放送が日本初公開。


スリのキャロラインと真面目に働くキャロルは弁護士に呼び出されて初めて会い、
自分たちがパトリックを父親とする異母姉妹だと知る。
亡くなったパトリックから遺産を相続すべく、キャロラインとキャロルは
ジュネーブにある山小屋に行くが、そこで実は生きていたパトリックと会って驚く。
彼はかつての仲間ロマンが自分から横取りしたストラディヴァリウスを売って
手に入れる1500万ユーロを奪う計画を手伝うよう娘たちに頼む。
(WOWOW)

<IMDb=★5.5>
<Rotten Tomatoes=No Data>




# by jazzyoba0083 | 2017-07-19 22:50 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「ジョン・ウィック:チャプター2 John Wick:Chapter 2」
2017 アメリカ Summit Entertainment and more.122min.
監督:チャド・スタエルスキ
出演:キアヌ・リーヴス、コモン、ローレンス・フィッシュバーン、リッカルド・スカマルチョ、フランコ・ネロ他
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<評価:★★★★★☆☆☆☆☆>
<感想>
前作WOWOWで観て、なんだかなあ、という感想を持っていたのに、本作、やっぱりアメリカでの評価が
やたらに高いので、一応確認の為にシネコンに行った。
(前作の感想は http://jazzyoba.exblog.jp/24566950/ こちらでご確認ください)

で、本作。やっぱり私にはダメだった。色んな人がブログにアップしてあるので読まれると宜しいが、
だいたい似通った感想を持たれるようだ。「ストーリーがない」。私としては「スカスカ」。
まあ、アクション(ガンフーっていうんですか?)が見どころで、接近戦での銃撃とかが迫力が
あるようなんだが、キアヌの体がいまいち締まってないのか、アクションのキレが今ひとつ。

前作の復讐譚もかなりムリ線ではあったけど、許せる範囲ではあった。だが今度の復讐劇は、
シンパシーというか、入ってこない。復讐のために仕立てられたストーリーで復讐をしているようで。
やっぱりガンフーを見せるために、ストーリーを逆算した、というウラミが見え隠れする。
前作の5日後に本作がスタートする。いきなりカーチェイス。なんだなんだ、と思っていると、
キアヌが前作で奪われた愛車マスタングを奪い返しに行くところなんだね。とことが、奪い返した
はいいけど、ボコボコにしちゃうんだよなあ。

誓印とか、、「主席」とか、よく分からんし。ローマでのコンスタンティンホテルでのライバル
との一件、二人モツレてガラスを破って飛び込んだホテルがたまたまそこって、ねえ。
で、偉い人が現れると争いは止めて、バーで酒を飲んだりしているし。本気で殺し合う気がある
のかよ、というね。この二人地下鉄内でナイフでやりあうんだけど、激しい格闘をしてきた割には
最後は地味めだったりするし。あ、、いきなり本作を見ると、置いていかれる部分が多いですわ。
暇な人がキアヌが何人殺しているのか数えたのだそうだが、128人だったそうだ。(苦笑)

キアヌの首に700万ドルの懸賞金が掛けられると、ニューヨーク中が暗殺者みたいになったり、
キアヌはそれを見抜いて銃で撃つんだけど、どこを見ると暗殺者と分かるんだろう。
地下鉄を歩きながら消音器付き銃で撃ち合う滑稽さとか、なんだなんだ、これはコメディか?と
突っ込みたくなる。そんな箇所がいっぱい出てくるんでねえ。故に、アクションのみを楽しむ
映画、と言い切っていいだろう。アメリカでの評価が高いのは、彼の国では、この手の受けがいいのかねえ。
日本のシネコンはガラガラだったけど。すでにチャプター3の製作が決まっているようだけど、
もうシネコンには行かないだろうな。と言うか、心配なのはこの監督が、大好きな「デッドプール」の
続編を作るっていうじゃないですか!大丈夫か?
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<ストーリー>
最強の殺し屋ジョン・ウィックの復讐劇を描く、キアヌ・リーヴス主演のサスペンス・アクションの続編。
ヨーロッパを舞台に、殺し屋ジョンと世界中の殺し屋との戦いが繰り広げられる。前作では銃とカンフーを
融合させた“ガンフー”が話題となったが、本作ではガンフーと車でのアクションが融合した“カーフー”を
披露する。

伝説の殺し屋ジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)による壮絶な復讐劇から5日後。ロシアン・マフィアの
残党から愛車フォード・マスタングを奪い返した彼のもとにイタリアン・マフィアのサンティーノ・
ダントニオ(リッカルド・スカマルチョ)が姉殺しの依頼にやってくる。彼はかつてジョンが殺し屋業界を
引退するために課された実現不可能とされたミッションを助けたことがあった。しかし平穏な隠居生活を
望むジョンは彼の依頼を一蹴。サンティーノの怒りを買ったジョンは、想い出の詰まった家をバズーカで
破壊されてしまう。愛犬と共に一命をとりとめたジョンはサンティーノへ復讐を開始。だが命の危機を
感じたサンティーノは、ジョンに7億円の懸賞金を懸け、全世界の殺し屋がジョンの命を狙い始める……。
(Movie Walker)

<IMDb=★7.7 >
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:89% Audience Score:86%>



# by jazzyoba0083 | 2017-07-14 14:30 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

麗しのサブリナ Sabrina

●「麗しのサブリナ Sabrina」
1954 アメリカ Paramount Pictures.113 min.
監督・製作・(共同)脚本:ビリー・ワイルダー
出演:オードリー・ヘプバーン、ハンフリー・ボガート、ウィリアム・ホールデン、
   ジョン・ウィリアムズ
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>

先日の「踊るアメリカ艦隊」に引き続き鑑賞した、市の映画上映会。満員。
ビリー・ワイルダーという人は、マリリン・モンローの作品などを観ても
わかるようにコメディタッチな味付けが身上のところがある。本作の
見どころの一つに、そうしたコメディタッチをヘプバーンのコケットな味わいに
大いに生かし、とてもホノボノと言うか、上品で、当時の女優時代のできの良い
作品に仕立てたところが上げられよう。

加えて物語の転がし方、つまり脚本がいい。渋いボガート(ちょっと渋過ぎで
ヘプバーンの恋愛対象として無理があるんじゃないかとも思えるが)と、ホールデンの
配役も対照的な人物ということで、成功している。またジバンシーのデビューともなる
ヘプバーンの衣装も見どころだ。

ヘプバーンの映画の感想を書くたびに言うのだが、私はエラのはったヘプバーンが
あまり好みのご面相ではないが、抜群の存在感は他を圧倒するものがあることは
確かだ。

さて、本作。貧しいというか庶民の娘が、大恋愛の末に玉の輿に乗る、という
この時代には何本の映画になったかしらない王道の物語。
大富豪ララビー家のプレイボーイ次男ホールデンと、実直真面目な長男ボガート。
この家のお抱え運転手の娘がサブリナ=ヘプバーンという配置である。

幼い頃からハンサムで自由人な次男に憧れてきたサブリナであるが、ホールデンが
どこぞの令嬢との結婚が決まったことから、しばらくパリのコルドンブルーで料理
修行をすることに。で、パリですっかり垢抜けてしまったサブリナ、2年後に
帰国すると、家の使用人が誰もサブリナとは分からない。それほど華麗な娘に
変身してしまったのだ。(ここらあたりはコメディなので突っ込んではいけない)

それからというもの、ボガートとホールデン兄弟の間での恋の駆け引きが繰り広げ
られ、自分に思いを寄せているとは知りつつ、兄がサブリナを想っていることに
気が付き、身を引くホールデン、サブリナもその思いを受け、ボガートと結ばれる、
という、悪どい駆け引きとかまったくなく、みんないい人でハッピーエンドを
迎える。ラストのボガートのソフト帽の折れ方や去りゆく婦人のコートのベルトに
傘を引っ掛けて、船上でサブリナとボガートが抱き合うシーンは洒落ている。
いい時代のいい映画、という感じで、今では作れる時代でもストーリーでもないだろう。
古き良き時代の名作、ということだ。こういう映画もいい。

ハイライトはパーティーでシャンパングラスを尻ポケットに突っ込んで歩くクセの
あるホールデンが、ボガートの策略でグラスを入れたまま椅子に座ってしまい、
尻を何針も縫う怪我を負うあたりか。客席からは笑い声が絶えなかった。
ワイルダーらしい上品なギャグだ。キャメラも上手く、そこそこの長さの映画では
あるが、エピソードの話題のうまさも、あり飽きずに見ることが出来る。
だだ、サブリナのホールデンやボガートに対する、あるいはその逆のそれぞれの
心の動きや揺れが詳細に描かれないので、恋愛はなんとなくハッピーエンドを
迎えるという形になってしまうという当時のこの種の映画にありがちな大味さでは
ある。

名曲「ラ・ヴィ・アン・ローズ」が効果的に使われているし、この映画に実に
マッチしている。モノクロの映画だが、後で振り返ってみるとカラーだったんじゃ
ないかと思いえるから不思議だ。

<ストーリー>
富豪ララビー家のお抱え運転手の娘サブリナ(オードリー・ヘップバーン)は、
邸の次男坊デイヴィッド(ウィリアム・ホールデン)に仄かな思いを寄せていた。
しかし父は娘に叶わぬ恋を諦めさせようと、彼女をパリの料理学校へやる。

それから2年、サブリナは一分のすきのないパリ・スタイルを身につけて帰って
きた。女好きのデイヴィッドは美しくなったサブリナにたちまち熱を上げ、
自分と財閥タイスン家の令嬢エリザベス(マーサ・ハイヤー)との婚約披露
パーティーにサブリナを招待し、婚約者をそっちのけにサブリナとばかり踊った。

デイヴィッドの兄で謹厳な事業家ライナス(ハンフリー・ボガート)は、この
ままではまずいとデイヴィッドをシャンペン・グラスの上に座らせて怪我をさせ、
彼が動けぬうちにサブリナを再びパリに送ろうと企てる。不粋のライナスにとって、
サブリナとつきあうことは骨の折れる仕事だったが、計画はうまくいき、
サブリナの心はじょじょにライナスに傾く。
一緒にパリへ行くことになって喜ぶサブリナだが、ライナスは船室は2つとって
おいて、いざとなって自分は乗船しないつもりだった。サブリナはそのことを
知って深く悲しみ、すべてを諦めてパリへ行く決心をする。
ライナスもまた自責の念にかられ、いつの間にか自分が本当にサブリナに恋して
いることに気づく。サブリナ出帆の日、ララビー会社では重役会議が開かれていた。
ライナスはここでデイヴィッドとサブリナの結婚を発表するつもりだったが、
怪我が治って現れたデイヴィッドは、ライナスとサブリナが結婚するという
新聞記事を見せる。そしてヘリコプターを用意しているからサブリナの乗る船に
急げ、と兄に言う。すべてはサブリナとライナスの気持ちを察したデイヴィッドの
計らいだった。ライナスはサブリナを追い、客船の甲板でふたりは抱き合うのだった。
(Movie Walker)

<IMDb=★7.7>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:91% Audience Score:89%>






# by jazzyoba0083 | 2017-07-13 15:30 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)

●「踊るアメリカ艦隊 Born to Dance」
1936 アメリカ MGM 105min.
監督:ロイ・デル・ルース
出演:エレノア・パウエル、ジェームズ・スチュアート、ヴァージニア・ブルース、ウナ・マーケル他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
昭和11年の作品。いきなり古いやつが出てきてすみません。この手の映画も好きなので。そもそも
こうしたレビューや古いミュージカル映画を観るようになったのは、ジャズのスタンダードに、こうした
映画で使われた曲が多いんです。本作でも名作曲家コール・ポーターのペンになる「I've got you under
my skin」「Easy to Love」が大スタンダートとなっています。そうした名曲を追いかけているうちに、
1930年代から60年代にかけてのRKO映画、MGM、コロムビアの名作の数々が大好きになってっいった
という訳です。

「踊る~」シリーズでは、本作でも天才ぶりを発揮しているエレノア・パウエルが、フレッド・アステアと
踊るデュオのタップシーンはあまりにも有名ですね。「トップ・ハット」「パリのアメリカ人」「雨に
唄えば」「上流社会」から「南太平洋」「サウンド・オブ・ミュージック」あたりまで、ほんとに名曲が
揃っています。

閑話休題。私が住んでいる町では、月に1回、こうした古いミュージカルやオードリー・ヘプバーンの古い
映画などをタダで上映してくれる催事があるんです。

で、金曜日は休みだったので、午前の部のこれと、午後は「麗しのサブリナ」を観てきました。市民会館の
中になる小ぶりながらいい劇場で、音響も良く、楽しませて貰いました。満員です。なぜビデオでも
観られるのに出かけたか、というと、いまや大きな画面でこうした古い映画を観ることは叶わないからです。
家の55インチのテレビも叶いません。

再び閑話休題。本作はこの頃よくあった軍隊仲間の恋物語をベースに、コメディタッチでミュージカルに
したもので、天才タッパー、エレノア・パウエルの素晴らしいタップを観ることができます。太ももは
ちょっと筋肉質ですが、やはり上手い。それと、これが映画音楽の一作目となるコール・ポーターの
ペンも冴える。珍しいジェームズ・スチュアートの歌声を聴くことが出来る。ストーリーも驚くような
ものではないけど、気持ちよく観られ、当然ハッピーエンディングである。
本物の潜水艦も出てくるから、米海軍協力の下製作されたと思われるが、軍隊にユーモアなどもっての
他、とする教条主義の日本では絶対に作れない種類の映画。心をすっからかんにして楽しむのがマナーと
いうものです。
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<ストーリー>

「踊るブロードウェイ」と同じくエリーナー・パウエル主演、ロイ・デル・ルース監督、ジャック・マッゴワン、

シド・シルヴァース共同脚色になる映画で、原作はマクゴワン、シルヴァースが更に「ハリウッド征服」の

B・G・デシルヴァと共に書卸した。

相手役は「結婚設計図」「妻と女秘書」のジェームズ・スチュアートが勤め、「踊るブロードウェイ」の

シド・シルヴァース、ユーナ・マーケル、フランセス・ラングフォード及びバディー・エプセン、

「巨星ジーグフェルド」のヴァジニア・ブルース、「サンクス・ミリオン」のレイモンド・ウォルバーン、

「丘の彼方へ」のアラン・ダインハート等が助演するほか、芸人連が出演している。

撮影は「妻と女秘書」「支那海」のレイ・ジューンの担当、舞踏振付は「踊るブロードウェイ」のデーヴ・

ゴールドが受持った。


テッドと相棒のガニイ、マシイの三人はアメリカ潜水艦の乗組員で、四年間の航海を終わってニューヨークへ
帰った。ガニイは出発直前に結婚した女房のジェニイハ未だ自分を好いていてくれるかと気にかけている。
ジェニイはロンリーハーツクラブに勤めて、夫の出発後可愛い娘の子をうんだのであるが、今までそれを彼に
打ち明ける機会がなかった。

このクラブに踊子を志願して田舎から上京したノラという娘がいて、ジェニイと仲良しであった。
テッドとガニイはジェニイに会うためクラブへやってきたが、それ以来ノラはテッドと恋し会う仲になった。
ところが潜水艦を見学に来た名女優ルシイが、偶然のことからテッドと知合いになったのを、彼女の宣伝部員
マッケイがうまく宣伝に利用したが、ルシイはこの時から本当にテッドに恋をしてしまった。

テッドはマッケイに頼んでルシイの一座にノラを採用してもらう。初日が近づいたのでマッケイは宣伝のため
ルシイとデッドの婚約を発表しようとするが、彼を本心から愛しているルシイは、二人の仲を新聞に発表したら
一座を脱退するといきまく。
テッドは海軍をやめたが、ルシイとの仲を聞いたノラは彼に嫌われたものと思って会おうとしない。しかし
テッドはルシイのことなど全然関心がなく、かえってっさくを案じて初日を控えた日に、新聞記者を集めて
ルシイとの婚約を発表してしまった。これを見たルシイは腹を立てて即座に脱退した。スターの無くなった一座へ、
テッドは計画通りノラを推薦し、彼女は一躍主役を演ずることになった。興行は見事大成功を収め、ノラは
その間の事情を初めて知ってテッドとめでたく結婚した。一方ガニイは女房ジェニイの冷遇に憤慨して又海軍に
入り四年間の航海に就いた。(Movie Walker)

<IMDb=★6.8>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:---- Audience Score: 52%>



# by jazzyoba0083 | 2017-07-13 11:45 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)

ザ・ギフト The Gift

●「ザ・ギフト The Gift」
2015 アメリカ Blumhouse Productions.108min.
監督・脚本・(共同)製作:ジョエル・エガートン
出演:ジェイソン・ベイトマン、レベッカ・ホール、ジョエル・エガートン、アリソン・トルマン他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
「因果応報」。ジェイソン・ベイトマンが監督、脚本、出演を果たしたスリラー。ありそうで
なさそうな設定が面白く、かつ分かりやすい。しかし、子供の頃の怨念はここまで引きずるのかと
空恐ろしくなる。やっぱ、いじめはいかんですな。ベイトマンの役どころは、恨みはらさで置かりょうか、的
立場の男。何を考えているのか分からない表情と演技が良かった。

善人顔して実はとんでもないやつが最後には徹底的にやっつけられるので、カタルシスは感じられるの
だが、決して痛快な終わりではない。割と低予算だったが、本国ではかなりのヒットをしたようだ。
一番の被害者といっていいレベッカ・ホールがいい味だった。ラスト、生まれてきた子供の父親は誰か、
カタキを取られる役のジョエル・エガートンが泣き崩れるところを見ると、カタキをうった
方のベイトマンがレベッカ・ホールが気を失っているうちにナニしてしまい、できた子供ということ
になるのか。ベイトマンがエガートンに、「子供の目を見れば分かるよ」というが、まあ血液型やDNAで
調べれば分かるのだけど。究極の「ギフト」というわけか?。その前にレベッカは離婚しちゃうのだろうけどね。
手堅くまとまったスリラーだといえる。
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<ストーリー>
ジョエル・エドガートンの初監督作となるサイコ・スリラー。平穏な毎日を過ごしていた夫婦が、夫の旧友との
再会を機に次々と届けられる贈り物に悩まされ、恐ろしい出来事に巻き込まれていくさまが描かれる。
エドガートンは監督だけでなく、製作・脚本を担当。さらに不気味な旧友ゴード役を怪演し、存在感を見せつける。

シカゴからカリフォルニア州郊外に移り住んだ若い夫婦サイモン(ジェイソン・ベイトマン)とロビン
(レベッカ・ホール)は、人もうらやむ幸せな生活を送っていた。その新天地はサイモンの故郷でもあった
ことから、偶然、買い物中に高校時代の同級生ゴード(ジョエル・エドガートン)から声をかけられる。
ゴードのことをすっかり忘れていたサイモンだったが、旧友との25年ぶりの再会を喜んだゴードは、次々と
贈り物を届けてくる。しかし、その過剰な様子に、2人は次第に困惑。とりわけサイモンは露骨にゴードを
煙たがり、ついに強い口調で“もう自宅に来るな”と言い放つ。やがて夫妻の周囲で続発する奇怪な出来事。
そこへ、ゴードから謝罪の手紙が届くが、そこにはサイモンとの過去の因縁をほのめかす一文があった。
果たして25年前、彼らの間に何があったのか。頑なに口を閉ざす夫への疑念を募らせ、自らその秘密を
解き明かそうとしたロビンは、衝撃的な事実に行き当たる……。(Movie Maker)

<IMDb=★7.1>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:92% Audience Score:75%>




# by jazzyoba0083 | 2017-07-12 22:55 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

●「トレインスポッティング Trainspotting」
1996 イギリス Channel Four Films,Figment Films,The Noel Gay Motion Picture Co. 93min.
監督:ダニー・ボイル 原作:アーヴィン・ウェルシュ
出演:ユアン・マクレガー、ユエン・ブレムナー、ジョニー・リー・ミラー、ロバート・カーライル他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
なんで今頃か、というと、先日ダニー・ボイルの作品を観て、この人をもう少しディグして見たくなった
から。短い映画だけど、迫力満点、ぶっ飛びました。何か大仕掛けがあるわけではないのだが、あるいは、
個人的にはここに描かれているヤク中は嫌いなんだけど、映画としては「世の中の下らないゴミの様な
人間をここまで活写した映画があるか!」と思わせた。

1960年台後半、人種問題やベトナム問題で閉塞していたアメリカで、それまでのハリウッド映画の
語法を一切否定した、「イージーライダー」や「俺たちに明日はない」などの映画が出てきて、
私としてそれを見たときのような感覚(衝撃とまではいかない)を受けた。
オフビート感とか、カルト的、とか言うのは易しいが、個人的にはなんとも新しい感覚の映画だった。
アウトサイダーを描く映画は多いが、「意味のない素材に意味を持たせた」というところが凄い。
反体制とか反権力が臭わない(結果的にそう感じられる人がいても)のが今日的だ。出演者全員が
スコットランド出身で、舞台もスコットランドのグラスゴー。映画ではスコットランドはクソだそうだ。
で、この映画、何を言おうとしているの?と聞かれると困るのだけれど、隠しテーマは相当深刻だ。
ヤクとセックスだけの青年たちに未来はなかろうなあ、とは思うけど、これも彼らの人生だから。
誰が作り出したかは問題だけど。

登場人物たちは、世の中のどうしようもないクズでヤク中で、やっていることは、どうしたらヤクを
手に入れることが出来るか、その資金をどうひねくりだすかや、女とヤルことばかり。語りもする主人公
マーク・レントン(マクレガー)が一番マトモそうだけど、ヤクを止めると何回言っていることか。
「やめるまえに一発キメる」のが常で、ラストシーンでみんなの金を一人でガメて逃げる時、この金で
ヤクを止めて新しい人生を始めるんだ、みたいなことを言って笑顔になるのだが、こいつ、絶対
ヤクはやめられないだろうな、と観ている人は思うだろう。

クソみたいなやつらを瑞々しく生き生きと描く、とはどういうこと?という感じもするのだが、
映画を観た素直な感想がそうなんだから仕方がない。脚本がいい。出てくる奴らがとことんダメで
クソなのが徹底していて、その徹底ぶりがむしろ気持ちいい。映像もいい。
昨年続編が公開されたが、そっちも絶対に観てみよう。その後あのクソたちはどうなったのだろうか?

トレインスポッティングとは、イギリスの人の多くもなんのことか分からない言葉だそうだが、
ネットで調べると、エディンバラにあるジャンキーの集まる操作場のことだそうで、ドラッグの取引や
ドラッグを使用することそのものも指す言葉のようだ。
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<ストーリー>
ヘロイン中毒に陥った若者たちの生態を、斬新な映像感覚で生々しく描いたドラマ。監督はテレビの演出を
経てデビュー作「シャロウ・グレイヴ」をヒット作に押し上げたダニー・ボイルで、監督第2作の本作は
カンヌ国際映画祭で話題を集め、またアメリカでもヒットを記録。
原作はイギリスでカルト的人気を誇るアーヴィング・ウェルシュの同名小説(邦訳・青山出版社刊)。
製作のアンドリュー・マクドナルド(「赤い靴」「黒水仙」の監督エメリック・プレスバーガーの孫)。
主演は「シャロウ・グレイヴ」に続き起用された新進ユアン・マクレガー。共演は「リフ・ラフ」「司祭」の
ロバート・カーライルほか。また原作者のアーヴィング・ウェルシュも小さな役で顔を出している。

マーク・レントン(ユアン・マクレガー)は平凡な生き方よりも、「誠実で真実あふれる麻薬の習慣」を
選んだ麻薬常習者の青年。彼は何度目かの麻薬断ちを決めた。仲間のシック・ボーイ(ジョニー・リー・
ミラー)も麻薬を止めるが、それはレントンに嫌がらせをするためだ。麻薬よりも健全な性欲を満たすべく、
レントンたちはディスコに行く。そこで彼はダイアン(ケリー・マクドナルド)という美女に魅かれて
彼女の家でセックスする。
翌朝、彼はダイアンが実は高校生だと知る。レントンたちは再び麻薬を始めた。それまで麻薬はやらなかった
トミー(ケヴィン・マクキッド)も、恋人に振られた腹いせに麻薬を打ってくれという。皆が麻薬に耽っている
間に、仲間のアリソン(スーザン・ヴィドラー)の赤ん坊が死んでいた。実はその赤ん坊の父親だったシック・
ボーイは泣く。皆は慰めにさらに麻薬を打つ。レントンとスパッド(イーウィン・ブレムナー)が万引きで
捕まり、スパッドは刑務所に。執行猶予になったレントンは本気で麻薬をやめようとして、禁断症状で地獄の
苦しみを味わう。トミーは注射針からエイズに感染していた。麻薬を止めたレントンはロンドンに出て不動産屋に
就職。だがそこに故郷の仲間たちが押しかける。まずは強盗で逃走中のベグビー(ロバート・カーライル)、
それにポン引きになったシック・ボーイ。やがて彼は二人のせいでクビになり、3人そろって故郷に帰ると、
トミーの葬式が行われていた。葬式のあとシック・ボーイが多量の麻薬取引の話を持ち出す。レントンは嫌々
ながら仲間に説得され貯金を提供する。

ベグビー、シック・ボーイ、スパッドの3人は2キロのヘロインを抱えてロンドンへ行き、1万6千ポンドで売る。
その晩、レントンは儲けの入った鞄を持ち逃げする。翌朝、ベグビーが激怒して暴れ出し、警察に逮捕される。
レントンはスパッドにだけは4000ドルの分け前が渡るように手配していた。彼はこれから、普通の生活をして
ゆくつもりだ。(Movie Walker)

<IMDb=★8.2>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:90% Audience Score:93%>







# by jazzyoba0083 | 2017-07-12 16:30 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)