あの日の指輪を待つきみへ Closing the Ring

●「あの日の指輪を待つきみへ Closing the Ring」
2007 イギリス・カナダ・アメリカ  CTR,Closing The Ring Ltd.,and others,118min.
監督:リチャード・アッテンボロー 
出演:シャーリー・マクレーン、クリストファー・プラマー、ミーシャ・バートン、スティーヴン・アメルほか。
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一つの指輪が50年という時を越えて愛し合った二人の物語を浮かび上がらせるとともに、彼らを
取り巻く友達や肉親たちの心の動きを、名匠アッテンボローが描く。伏線やら秘密が色々あって
楽しく観ました。ただ、北アイルランド紛争を理解していないと、舞台となったベルファストでの爆弾騒動や
指輪を見つけた青年が何故IRAと警察双方から狙われるのかが判りづらいでしょうね。

1991年、アメリカ・ミシガン州ブラナガン。長年連れ添った夫の葬儀に望むエセル・アン(マクレーン)。
なにやら投げやりな様子だ。そんなエセル・アンを慰めるジャック。そしてエセル・アンの娘と中の良い
ジャックの息子であった。
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一方、北アイルランド・ベルファスト。町のはずれの丘で、今日も何やら掘っている男がいる。元消防士の
クィンランだ。彼は50年前にこの丘に墜落したB-17爆撃機の破片を掘り起こして収集しているという。
孫のジミ-も祖父のしていることに興味を持ち、一緒に地面を掘り返している。町にはIRAの爆弾テロを
警戒するイギリス軍や警察がパトロールを強化していた。
ある日、ジミ-は、土の中から一つの金の指輪を見つけた。指輪の内側には、テディ&エセル・アンと彫ら
れてあたった。ジミーは、墜落した機体が判っていた為、軍に照会、当時の乗務員とその家族の名前
からアメリカに住んでいるエセル・アンの電話番号を突き止め、電話を掛ける。
当然喜ぶだろうと思っていたジミーだが、指輪の発見にエセル・アンはそんなに喜ぶでもなく途中で電話
が切れる。
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溯ること50年前、テディ、ジャック、チャックの3人は親友で、同時にエセルに恋をしていた。やがて欧州
の戦争にアメリカも参戦することになり、エセルは、テディと結婚する。テディは自分の手で家を建て、暫く
暮らしたが、やがて出征していく。空軍に入隊した3人だったが、同時に同じ爆撃機に乗らないよう、誓い、
また、テディに何かあったときは、チャックがエセルの面倒を見ることを約束し、ジャックはそれを応援する
こともまた約束された。
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ジャックとテディが搭乗したB-17は、霧の濃いベルファスト上空を飛行中、高度を低く取りすぎたため、
丘に激突、炎上した。そのときに駆けつけたのが、まだ少年であったクィンランであった。彼が現場に
到着したとき、テディは生存していて、自分の指輪を外して彼に託し、これをエセルに渡し、「自由に
生きろ」と伝えて欲しいと頼み絶命する。実は、この飛行の前、テディとジャックは、エセルをチャックに
任せたことでケンカをし、転んだジャックは足首を骨折し、墜落した飛行のときは、若い新米に代わらざる
をえなくなり、彼のミスで機は墜落したのだった。そのことをジャックは終生悔いて生きてきたのだった。

クィンランは、ジミーにアメリカに行ってエセルに指輪を返してこい、と命じる。張り切ってブラナガンを
訪れたジミー。始めは彼の死を本当に受け入れていないエセルは、歓迎しないが、夫として心から愛した
テディの指輪を自分の指に嵌めてみるのであった。

結局、結婚してすぐに夫を無くしたエセルは約束どおりチャックと結婚。5年間は心を開かず、5年目に
娘が生まれたのだった。それから長い間、二人は夫婦であったが、娘が言うには「ママは一度だってパパ
に愛しているって言ってないわ」と責めるのであった。エセルにしてみれば、永遠の愛を誓った人は
テディしかいなかったのだ。
一方で、若い頃からエセルに心を寄せていたが、テディにエセルの後を任されなかったジャックは、また
ずっと心の奥でエセルを愛しつづけていたのだった。

ジャックは数日してベルファストに帰るが、エセルが付いて来た。やはり自分の最愛の人が亡くなった
場所を確認したかったのだろう。そして、クィンランがなぜ今まで丘を彫りつづけていたのか、瀕死の
テディとの約束を守っていたことが明かされる。次第に心が安らぎ、テディが居ないことを受け入れ始め
たエセルであった。そこへ、ジャックがエセルの後を追ってベルファストにやってきた。彼は、今こそ
エセルに愛を打ち明けなければならないと決心したのだった。テディも、もう許してくれるはずだと。

そのとき、クィンランとジミーの家の近くで爆弾テロが爆発、警備中の兵士が犠牲になった。住民に強制
非難が勧告されるが、エセルは、亡くなった兵士に近づき、彼の手を取り、いとおしむように撫でていた。
次の爆発がある、危険だ、と掛け声が飛ぶが、エセルは動かない。そこにジャックが到着、近づこうと
するが止められる。クィンランは元消防士ということで、制止線を突破しエセルの元へ近づき、避難誘導を
しようとしたとき、爆弾が爆発してしまった。

この爆弾は、IRAが、あの爆撃機が墜落した場所から町を見ながらスイッチを入れていたのだが、
ジミーは、彼らに脅されていたため、爆弾のコントロールがそこからされていると確信し走って丘を登り、
スイッチを押すな、と叫んだのだが・・・そのとき、近くで警戒していた警察により、IRA幹部は銃撃される。
瀕死の彼は、二度目のスイッチを押してしまったのだ・・・。

だが、バッドエンドにはなりません。シーンが変わり、エセルとジャックが丘の上に上ってくる。二人は
歩み寄り抱きしめあう。空には「のすり」2羽が旋回していた。まるでテディとチャックが見守っているかの
ように。

この他にも、テディの建てた家の思い出の写真や軍服がかかった壁を彼の死と共にエセルはジャックと
チャックに頼んで塞いでもらったが、それを娘に見せるために50年ぶりではがずところや、
ジミーやクィンランとIRAとの絡みなど、挿話もなかなか魅せる。しかし、いかに戦争のこととはいえ、
50年の長い間、一筋の恋に打ち込み死んだように生きてきたエセル、それで愛された男は幸せだったか?
エセルは幸せを感じていたのか?否であろう。そうでなければラストでジャックと抱き合うことは無かった
はずだ。エセルは愛に殉じつつも、息苦しさを何とかしようと生きてきたに違いない。

これまでのアッテンボローの大作に比較すると軟派な感じは拭えないが、3人の友情、指輪を巡る約束、
IRAのこと、など、どこか中途半端な感じもする。もう少しすっきりさせたほうが良かったかもしれない。
ジミーが指輪の持ち主をあっさりと割り出してしまうところも、もう少し謎解きが入っていたほうが面白く
なったんじゃなかな。
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by jazzyoba0083 | 2009-06-02 23:00 | 洋画=あ行 | Trackback(2) | Comments(0)