アリスのレストラン Alice's Restaurant

●「アリスのレストラン Alice's Restaurant」
1969 アメリカ MGM,United Artists,111min.
監督:アーサー・ペン  原作:アーロ・ガスリー
出演:アーロ・ガスリー、パット・クィン、ジェームズ・ブロデリック、マイケル・マックラネイサン他
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WOWOWで「いちご白書」を観て、間を置かずNHK-BSで本作を観た。「いちご白書」の舞台に
なっているのが1968年。本作が1969年。この1969年という年は、東大安田講堂事件があり、
アポロ11号が月面に着陸し、ベトナムに南ベトナム革命臨時政府が出来、前年にロバート・ケネディが
暗殺されている。そしてこの年のアカデミー作品賞は「真夜中のカーボーイ」であり、脚本賞が
「明日に向かって撃て」であった。そんな雰囲気の年で、私は高校2年生であった。
だから、ほぼ同世代のシンパシーを持ってこれらの映画を観ることができる。

ジャズ好きな私は、アーロとウッディのガスリー親子を残念ながら多くを知らないし、ピート・シーガーは
名前は聞いたことはあるが、曲を知っているわけではない。
そんな前提で、この映画を観はじめた。ウーロ・ガスリーは実名で出演し、ベトナムに送られる徴兵検査
を前にして大学をドロップアウトし、吟遊詩人のように放浪してくらしている。アリスが経営するレストラン
に集まる仲間、彼らが作る教会に集まる仲間。何か、アリスを中心としたコンミューン(死語)のような
雰囲気だ。あんな雑魚寝の雰囲気って、当時はあったようなあ。
フラワームーブメント盛んなころで、ヒッピーという人種が大人から眉をひそめられる存在として、しかし
サブカルチャーの主人公として活躍していた。もちろんその頃にもメインカルチャーはあったわけで。
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"Pete Seeger and Arlo Guthrie in Alice's Restaurant "

ストーリーがあってないような映画で、(「いちご白書」もそんな感じだったが)、ウーロとその仲間、
やがて死に別れる父親のウッディとの対峙。「自分は何者でどこへ行くのか」という、若者ならば誰でも
くぐる疑問を、仲間と探す流浪の旅。本質とは関係のないところでの警官(体制)との対立や、ヤクに
走り孤独な死を遂げる仲間。そして雪の中の葬儀。やり場のない若さを持て余し、理由のない怒りに
身もだえしながら、どこかふざけている部分もある、そんな大学生は、アメリカだけじゃなく、日本にも
たくさんいたし、私もそうだった。「8月の濡れた砂」(’71製作)に出てくる若者たちにも共通する心情の
ような気がする。

アリスの存在は、若さから体制へと移り行くブリッジのような、過渡期のような存在として意識した。
だから、ウーロらにも理解を示しつつ、最後には旦那ともう一度結婚式を挙げる。そして大挙して祝福に
きた仲間が去っていったあと、教会の入口に一人たたずむウエディングドレス姿のアリスが、風に
吹かれて・・・映画が終わる。「いちご白書」の主人公が警官に担ぎ出されて排除されるシーンがストップ
して終わる感性に通じるものを感じた。

さらに、森田公一がかつて「青春時代が夢なんて、あとからほのぼの思うもの」「青春時代の真ん中は、
道に迷っているばかり」「青春時代の真ん中は 胸に刺射すことばかり」('76)と歌っていた「青春時代」
を思い出してしまった。そんな映画だった。共感を持ちながらみられたものの、ときどき引っ張り出して
きて観たいか、というと10年に1度でいいかな、そんな感じだった。

アリスの旦那を演じているジェームズ・ブロデリックは、マシューの親父さん、ということはサラ・ジェシカ・
パーカーの義理の親父さんということになるな。
この映画の詳しい情報はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2009-06-11 23:10 | 洋画=あ行 | Trackback(1) | Comments(0)