男が女を愛する時 When A Man Loves A Woman

●「男が女を愛する時 When A Man Loves A Woman」
1994 アメリカ Touchstone Pictures 125min.
監督:ルイス・マンドーキ
出演:メグ・ライアン、アンディ・ガルシア、エレン・バーステン、フィリップ・シーモア・ホフマンほか
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<感想>
感動作品なんだろうし、事実allcinemaなどの評価は高いものがあるのだが、私としては今一つ釈然と
しなかったなあ。夫婦がお互いに理解しあうことは本当に難しい、ということなのだが、詰まる所、
アルコール依存症の気があり、娘が一人いる女性アリス(メグ)と結婚したマイケル(ガルシア)の
夫婦の愛情再生の話。でも、パイロットで不在がちは承知の上の結婚だったのだろうし、それが、
育った環境のせいとはいえ、寂しさを酒に逃れ、子供を殴り、ついには施設に入り、出てきたはいいが、
(病気上がりだから仕方がないこととはいえ)旦那にはあまりにも酷な我儘ぶり。実際、依存症が完全
に治っていない妻とどう接するかのデリカシーに旦那が欠けていたといえばそうなんだろうけど、旦那
だって、孤独で苦労している部分もあり、実際、妻と別居するようになってからの彼女の笑顔を見ている
と、自分の存在とはなんだろう、と考え悩んでいるのだ。そういう旦那の悩みに思いを馳せることが出来
無い妻の我儘さに、いくら病気だとはいえ、相当治って来ているのだから少しは気を使えよ、カウンセリ
ングも継続しているだろうに。と、見ていてむかむかしてきた。
夫婦でカウンセリングに行き、今までの自分たちが、如何に会話をしっかりしていなかったかということを
今さらながらに思い知るのだが、それが全部旦那のせいのように描かれるのは納得がいかないな。
それは私が男だからか?妻が依存症だから、それをカバーするのは全部旦那の責任で、それが
出来ないのは全部旦那が悪いのか?そうじゃないだろう。
ハッピーエンドなのだが、私としては、釈然としない、結局は旦那が折れに折れて妻を取り返した、という
ことじゃないかね。旦那がデンバーに移る、といって別居を言いだしたときも引きとめもせず、やり直せ
ないか、との問いにも、こういうことってまた必ず二度起こるのよ、私には出来ないと言っていたのにさ!!
都合がいいんじゃないのかねえ!

<ストーリー>
サンフランシスコ。パイロットのマイケルとバツイチでアルコール依存の気がある教師アリスはアリスの
前の夫との娘と、再婚してからの娘の4人家族。職業柄家を空けることが多いマイケル。一方やんちゃ
ざかりの子供二人を抱え教師としても悩みもあるアリスは、酒に逃げるようになり、1カ月で依存症に
なってしまう。
ある日、酔って帰り、お手伝いのエイミーを帰し、シャワーを浴びている時に裸のまま転倒、長女は
それを見てママが死んじゃったと思い、フライトの滞在先のマイケルに電話する。

そんなことがあったため、アリスは施設に入り依存症からの脱出治療を受ける。我慢が実って家に
帰ってきたが、アリスは不安でならない。それを夫が理解せずにいろんなことを自分にさせない状況など
にいらつき、次第に夫婦の間には亀裂が入るようになり、また病気のことを理解出来ない夫も
依存症患者の会などにいってはみるのだが、「自分を哀れむ奴の集団」としか見えないのだった。
そうしてお互いに理解し合えない状況の中で、ついに別居生活とるのだが・・・・

或る意味、依存症の我儘女をメグ・ライアンは好演していた、ともいえるだろう。これに振りまわされる
アンディ・ガルシアが可哀そうで良かった。フィリップ・シーモア・ホフマンが依存症患者の仲間として
でくる。ラブ・コメ女王のメグが、シリアスな作品に挑んだが、やはりこのころの彼女の笑顔はラブコメ
のほうが好きだな。マンドーキもエラいテーマで映画を撮っちゃったもんだなあ。
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by jazzyoba0083 | 2009-12-19 23:05 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)