ドライビング Miss デイジー Driving Miss Daisy

●「ドライビング Miss デイジー Driving Miss Daisy」
1989 アメリカ Zanuck Company, The, Majestic Films International,99min.
監督:ブルース・ベレスフォード  原作・脚本:アルフレッド・ウーリー
出演:モーガン・フリーマン、ジェシカ・テンディ、ダン・エイクロイド、パティ・ルポーン他
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<1989年度アカデミー賞作品賞、主演女優賞、脚本賞、メイクアップ賞 受賞作品>


<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
前回観た、「マルホランド・ドライブ」と同じく、作られてから時間が経ってしまったが、
これも、ずっと観たかった映画だ。その評判を聞いていたから。
掌編ではあるが、モーガンとジェシカの逞しいともいえるユーモアを交えた会話は、
そのまま人柄を投影し、「人種差別」がテーマではあるけれど、実に清清しい
映画だった。判りやすいストーリーと、優しい人々。人生のラストステージにいる老人
だからこその、苦楽を超越した二人の味わい深い会話(脚本の勝利)。
そして、私の大好きなアメ車の数々。そして南部の自然。ラストが今ひとつ締まらないかな?
というウラミを私は感じたが、それが作品全体を毀損するものではない。

ジェシカ・タンディも確かにオスカーに相応しい名演技だと思うが、モーガン・フリーマン
(おそらく南部訛りの黒人英語を喋っていたと思う)の演技も、同等に光っていた。
当然、オスカーに主演男優賞にノミネートされていたが、惜しくも「マイ・レフトフット」の
ダニエル・デル=ルイスに受賞を譲った。

退職した学校の先生であるジェシカが歳も歳になり、クルマの運転が覚束なくなって
長男が運転手として雇ったのが、自分の工場に職探しに来ていたモーガンだった。
最初は、運転手なんか、と市電を使ったり、歩いたり、意地を張っていたジェシカ
だったが、やがてモーガンと会話をしていくうちに、頑なな心も次第に解けていき、
ついにはマーチン・ルーサー・キングを支持していくようになる。
しかし、そのジェシカにもボケが訪れ・・・
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最初の事故を起こすクルマが47年製クライスラー・ウィンザー、次に来るのが48年型の
ハドソン・コモドア、次が55年型の有名なキャディラック・フリートウッド60スペシャル、
(トヨタ博物館にもあったと思う)そして65年型のキャディラック・カレとクルマが変わる
テンポと映画のなかの時代の変遷がリンクしていて、そのスピード感も心地よい。
短い映画だが、1948年から1970年代まで、時代を映しながら長男の会社の変遷も見せつつ、
(テレビの登場も描かれる)二人の共演は味わいを深めながら進んでいくのである。
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教育者であるから人種差別は悪いこと、と判っているジェシカ。家には昔からいる黒人の
メイドがいる。彼女には心を許しているが、運転手としてやってきたモーガンには
一応の警戒を見せる。(自分の給料を駆け引きで値上げさせるようなシタタか者でも
あるのだが、決して憎めない。)だが、モーガンの時に辛らつで時に人をとろけさせるような
会話に接するうちに、ジェシカの心も時代共に変わっていく。ジョージア州には珍しい
根っからの民主党支持者である長男の狂言回しも楽しい。頭の毛が時代の変遷を
物語っている。(笑)

<ストーリー>
「48年、夏。長年勤めた教職を退いた未亡人のデイジー(ジェシカ・タンディ)は、ある日運転中に
危うく事故を起こしかけ、母の身を案じた息子のブーリー(ダン・エイクロイド)は、彼女の専用の
運転手としてホーク(モーガン・フリーマン)という初老の黒人を雇う。
しかし典型的なユダヤ人で、元教師のデイジーには、運転手なんて金持ちぶっているようで
気性が許さなかった。
どうしても乗車拒否を続けるデイジーは、黙々と職務に励む飄々としたホークの姿に根負けし、
悪態をつきながらも車に乗ることになる。

こうして始まったデイジーとホークの奇妙で不思議な関係は、1台の車の中で、やがて何物にも
代えがたい友情の絆を生み出してゆく。そして25年の歳月の流れの中で、初めてホークは
ニュージャージー州外を旅し、またデイジーはキング牧師の晩餐会に出席したりした。
いつしか頭がボケ始めたデイジーは施設で暮らすようになり、長年住み馴れた家も売ることになった。
しかしデイジーとホークの友情は、変わることなく続くのだった。」(goo映画)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2011-01-10 22:50 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)