2011年 09月 15日
やさしい嘘と贈り物 Lovely,Still
2008 アメリカ North Sea Films,Parts and Labor,Sterling Productions,92min.
監督・脚本:ニコラス・ファクラー
出演:マーティン・ランドー、エレン・バースティン、アダム・スコット、エリザベス・バンクス
<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
決して明るい映画ではないが、考えさせられる点も多く、よく出来たストーリーだと
感じた。最後のネタ明かしのところで、ちょっと理解がグジャグジャになりかけるが、
立て直してエンディングへ。
要は、ボケてしまった夫、父親に対し、それを受け入れて質の高い生活を送ってもらおう
という家族の愛情を描く。しかし、何も知らないと、ネタ明かしまで、老いらくの恋の
話か?という感想を抱くだろう。そこを1時間半そこそこの掌編に纏め上げることで
まどろっこさを排除して、感動を高めることが出来た。
登場人物も少なく、超有名な俳優が出ているわけではないのだが、しみじみしてしまう
好ましい作品になった。「スパイ大作戦」で変装の名人で売ったマーテン・ランドー、
夫のボケを受け入れて第二の恋愛の演技をする妻役にエレン・バースティン。
この二人の空気感というか、間合いというか、良かったなあ。
<ストーリー>
「「エド・ウッド」のマーティン・ランドーと「アリスの恋」(主演女優賞)のエレン・
バースティン、2人のオスカー俳優が共演。
「独り暮らしの孤独な老人が、美しい女性と出会って生活に潤いを取り戻すが、彼女は実は…。
大人の恋愛と家族愛をやさしいタッチで描いた物語。
監督は、本作がデビュー作となる24歳の新鋭ニコラス・ファクラー。」
孤独な生活を送る老人ロバート・マローン(マーティン・ランドー)のもとに、ある日、
夢のような出来事が訪れる。スーパーでの仕事を終えて帰宅すると、そこに一人の
美しい女性がいたのだ。メアリー(エレン・バースティン)という名のその女性は、
通りがかったロバートの家の扉が開いており、住人のことを心配したのだと語る。
立ち去る間際、彼女はロバートを食事に誘う。久しぶりとなる女性とのデートに心躍らせ
ながら、若いスーパーのオーナー、マイク(アダム・スコット)に、その出来事を相談。
当日、慣れない場に苦戦しつつも、小洒落たレストランで楽しいひと時を過ごすロバート。
そして2人は“絶対に物事をあきらめない”という約束を交わす。
こうしてロバートとメアリーの交際が始まる。メアリーの娘アレックス(エリザベス・
バンクス)からは、メアリーがロバートに好意を寄せていると知らされ、まるで10代の
ような恋にときめいてゆくロバート。
そして2人で訪れたクリスマスパーティー。そこでロバートは、メアリーと会話する男を
彼女の別れた夫と勘違いして罵倒してしまう。だが、それはロバートの弟、バック
(ジェームズ・デヴニー)だった。弟の顔をすっかり忘れてしまったロバート。
さらに、彼の中で彼女を失うことに対する恐れから、嫉妬心が膨れ上がってゆく。
そして、彼女の電話番号も彼女の苗字も忘れてしまっていることに気付いたとき、
パニックに陥る。
混乱してメアリーに八つ当たりするが、昔の自分の写真を目にして、すべてを思い
出してゆく。
ロバートは、あらゆることを忘れていた。スーパーのオーナー、マイクは自分の
息子であり、メアリーの娘だと思っていたアレックスは自分の娘でもあり、恋に落ちた
相手は自分の妻だったのだ…。倒れて病院に運ばれるロバート。助からないという医者の
言葉にも、“あきらめない”という約束を胸に、メアリーは最愛のロバートのもとを
訪れる……。」(goo映画)
24歳の初監督作品がこれとは、老成した監督。着想が素晴らしいだけに、今後もこういう
掌編を作って行ってほしい。
この映画の詳細はこちらまで。
オスカー俳優マーティン・ランドーよエレン・バースティンという2人の名優が贈るヒューマンドラマ。認知症で家族の記憶を失った老人とその妻がその出会いから恋愛全てをやり直す。妻の愛、家族の愛、暖かい優しさに満ち溢れた作品だ。監督・脚本は本作が長編デビューとなる24歳の新鋭ニコラス・ファクラー、共演にアダム・スコットとエリザベス・バンクス。... more