おいしい生活 Small Time Crooks

●「おいしい生活 Small Time Crooks」
2000 DreamWorks SKG,Sweetland Films.95min.
監督・脚本:ウディ・アレン
出演:ウディ・アレン、トレイシー・ウルマン、ヒュー・グラント、エレイン・メイ、トニー・ダロウ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
何を以てウディ・アレンらしい、というのかしっかり分かっているわけではないのだが、
本作はウディの1つの顔を表しているのだろう。ドタバタ風お笑いの中に人生と
そこはかとなく感じ取れる、とでも言ったら褒めすぎか。
ステレオタイプの進行ではあるが、ウディの手にかかると、ウディ風になるんだな。

吃音風早口のウディの喋り方は好悪が分かれるだろう。できることなら字幕なしで
味わってみたいものだ。しかし、作品の持つ雰囲気は、ベニー・グッドマンの
サボイでストンプ"Stompin' at the Savoy"に彩られ、相変わらのNYの風が
心地よく吹き渡る。 ヒュー・グラントの登場にはびっくりしたが、浮いている感じが
またよく合っていた。クッキー帝国を築き上げる妻フレンチーのトレイシー・ウルマン、
その従姉妹メイのエレイン・メイが良かったなあ。ぶっ飛びぶりが!
レオとそのバカ仲間やメイの暴走ぶりとか「ありえねえ」と笑いながら見るのが
正しい。

全員頭のねじが数本外れてしまったようなキャストが、ゆる~い感じでいいなあ。
昔の「三バカ大将」みたいだ。いかにもアメリカン、NYな味わい満喫だ。

お金が全てでない、付け焼刃の教養は役に立つのか?身の丈の幸せとは
何か、という問いかけがある。
が、それは基本笑い飛ばすべき筋合いとして描かれているのだから、深刻に
考えなくても良いのだ。見終わった時に、心に残っている人がいればそれで
いいんじゃないか、とウディは、肩をすくめて説明してくれるのだろう。
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<プロダクションノート&ストーリー>
「ウディ・アレン監督31作品目となる本作は、なんとスピルバーグのドリーム
ワークスが配給し、大ヒットを記録。「アメリカで一番笑わせる女」と言われる
トレーシー・ウルマンがウディの愛妻に扮し、絶妙なボケとツッコミで笑いを
生み出しているのも見もの。さらにウルマンの浮気相手となる悪徳アート
ディーラーにイギリス映画界が誇るヤサ男、ヒュー・グラントが扮し、見事な
までの女ったらしブリを披露。
それぞれの思いが交差する中から沸き起こる滑稽なヒューマンドラマは、
自然に頬を緩ませてくれる。

熟年夫婦が夢の生活を手に入れるべく奮闘する様を描いたコメディ。
監督・脚本・主演は「地球は女で回ってる」や「ギター弾きの恋」(出演はなし)の
ウディ・アレン。撮影は「始皇帝暗殺」「ギター弾きの恋」のチャオ・フェイ。
共演は「ブロードウェイと銃弾」のトレーシー・ウルマン、「恋するための3つの
ルール」のヒュー・グラント、「パーフェクト・カップル」などの脚本家として知られる
エレイン・メイ、「ギター弾きの恋」のトニー・ダロウ、「リトル・ニッキー」の
ジョン・ロヴィッツ、「ザ・ダイバー」のマイケル・ラパポート、「オータム・イン
・ニューヨーク」のエレイン・ストリッチほか。
2001年全米批評家協会賞最優秀助演女優賞受賞。

NY。冴えない元ギャングのレイ(ウディ・アレン)と仲間たちは、完全無欠の銀行
強盗を計画する。愛妻フレンチー(トレーシー・ウルマン)はカムフラージュで
銀行近くにクッキー屋を開くが、それが予想外の大繁盛。
ついには彼女の従姉妹メイ(エレイン・メイ)を店員に雇い、すっかり話題の店に。
やがてレイも失敗ばかりの強盗をあきらめ、店をフランチャイズ化する計画に手を
貸す。かくして一躍、社長になったレイとフレンチーは大金持ちに。
するとフレンチーは、急に本格的な社交界入りを志すようになり、画商のデイヴィッド
(ヒュー・グラント)に色々教示を受ける。
レイはそれが面白くない。しかし横領事件が起こり、突然、会社は倒産。デイヴィッドも
去っていった。レイとフレンチーは元の貧乏生活に戻ることになったが、それはそれで
幸せな二人なのだった。 」(goo映画)

この映画の詳細はこちらまで。
Tracked from のほほん便り at 2016-03-01 16:29
タイトル : おいしい生活
まるで、ホームズの「赤毛同盟」よろしく、地下トンネルを掘って銀行強盗をもくろむも、なぜかカモフラージュのため始めた、クッキー屋さんが大繁盛して富豪になってしまい、 お金が出来るとパーティ生活。ハイソな人々が集まったことをきっかけに、急に、妻が知性と教養が欲しくなって、急遽、家庭教師に雇われたのが、なぜか、ヒュー・グラント。この彼がクセモノだったオチも可笑しかったです。 王子でない、ヒュー・グラントだけでも、観る価値ある… かも。 結果は、身内に持ち逃げされて全てを失い、まさに、ジェ...... more
by jazzyoba0083 | 2013-02-08 22:40 | 洋画=あ行 | Trackback(1) | Comments(0)