マリリン 7日間の恋 My week with Marilyn

●「マリリン 7日間の恋 My week with Marilyn」
2011 イギリス・アメリカ The weinstein Company,BBC Films. 100min.
監督:サイモン・カーティス  原作:コリン・クラーク「マリリン・モンロー 7日間の恋」
出演:ミシェル・ウィリアムズ、ケネス・ブラナー、エディ・レッドメイン、ドミニク・クーパー他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>

ミシェル・ウィリアムズのソックリ加減と、その熱演でオスカー主演女優賞ノミニーと
なり話題になった作品。「王子と踊り子」のサードADを務めたコリン・クラークの
実話に基づく作品で、サー・ローレンス・オリビエやその妻ヴィヴィアン・リーなどが
実名で出てくるのも興味深い。実話ということを差し引いても、モンローの実像が
ミシェルの熱演も手伝ってきちんと描かれていて、面白く観終えた。

ミシェルのソックリぶりはむしろどうでもいいことであり、モンローという家族愛に
恵まれない、孤独な女性が、絶えず愛情に飢え人肌恋しい人格のまま女優に
なってしまった「悲しさ」がにじみ出ていた。弱い性格が薬依存を生み出していたのだ。
ミシェルの演技に厚みを加えていたのが恋人?コリンと、サー・ローレンス・オリビエの
存在であった。特にオリビエはマリリンの我儘とも取れる振る舞いに怒りつつも、
実は彼女の性格と凄さを見破っていたのだった。マリリンは演技をしていない、
素のままに振舞っているのだと。またコリンは叶わぬ恋と分かっていながら、短い恋に
落ちてしまうが、当然、お城に生まれたボンボンには適わない存在(高嶺の花ということ
ではなく)だったのだ。またマリリン自身もそれが分かっていた。
コリンがマリリンに指摘する「女優になりたい映画スターと映画スターになりたい
舞台俳優」というセリフが興味深かった。その対比は作品でうまく表現されていたと思う。

イギリスのロケ地で繰り広げられる撮影の合間の7日間を綴ったもの。100分という
時間に過不足なくエピソードを展開できたのは脚本と監督の勝利であろう。
ミシェルの肩に力の入らないマリリンらしさの熱演も然ることながら、コリン役の
エディ・レッドメイン、サー・ローレンス役のケネス・ブラナー、女優ジュディ・デンチなど
英国の重厚な俳優陣も作品を締まったものにしていた。
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<プロダクションノート&ストーリー>
「1956年、ハリウッドのスーパースター、マリリン・モンローは、単なるセックス・シンボル
から演技派への脱皮を図るべくイギリスへと渡り、名優ローレンス・オリヴィエが監督・
主演する映画「王子と踊り子」に出演した。
本作は、当時駆け出しの助監督だった青年コリン・クラークが、これまで秘密にしてきた
撮影の舞台裏を綴った2冊の回顧録を基に、ナーバスなモンローの世話役となった
コリンが目の当たりにするモンローの実像と、次第に距離を縮めていく2人の儚い
ロマンスの行方を描き出す。
主演は、本作の演技で数々の映画賞に輝いた「ブロークバック・マウンテン」「ブルー
バレンタイン」のミシェル・ウィリアムズ、共演にケネス・ブラナー、エディ・レッドメイン、
エマ・ワトソン、ジュディ・デンチ。監督はTV、舞台を中心に活躍し、本作で長編映画
デビューを飾ったサイモン・カーティス。
 
1956年、マリリン・モンローは、ローレンス・オリヴィエ監督・主演作「王子と踊り子」の
撮影のためロンドンに降り立つ。演技派への飛躍を胸に、本作に並々ならぬ意欲を
見せていたマリリンだったが、彼女の学んでいた演技法はオリヴィエによって否定され
てしまい、様々なプレッシャーから遅刻も常習化していく。
おまけに、結婚したばかりの夫アーサー・ミラーは、情緒不安定なマリリンを持て余し、
さっさと帰国してしまう。そんな中、撮影がはかどらず苛立つオリヴィエからマリリンの
見張り役を命じられる第3助監督のコリン・クラークだったが…。」(allcinema)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2013-03-20 21:45 | 洋画=ま行 | Trackback | Comments(0)