ロスト・ボディ El cuerpo

●「ロスト・ボディ El cuerpo」
2012 スペイン Canal+ España,Rodar y Rodar Cine y Televisión.112min.
監督・脚本:オリオル・パウロ
出演:ホセ・コロナド、ウーゴ・シルバ、ベレン・ルエダ、アウラ・ガリード、クリスティーナ・プラサス他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
劇場未公開作品を放送しているWOWOWでの放映で鑑賞。いやあ、これ面白いですよ!
ラストの3分間に、観ている人たちを驚愕の奈落に叩き込む!展開になるので、これから
ご覧になるかたは、ここから先は読まないでください。

劇場未公開だし、スペインだし、などと高を括って見始めたのだが、ぐいぐいと引き込まれ
一体真犯人は誰だろう、と一緒に悩んじゃうのだ。

リゾート地で知り合った大学の化学科教員アレックスと大企業をいくつも経営する女性マイカ。
二人は結婚するのだが、年下の(おそらく)で、身分も何も違いすぎる二人が上手くいかなさそう
な匂いがプンプンする。その夫婦と、捜査を担当する刑事一家の話が太い話の線で、これが
最後の3分で重なり合っていたことが明らかとなる、という展開。

森の中を恐怖に駆られて逃げる死体置き場の警備員が、道に出てきたところを車にはねられ
瀕死の重傷。一方その、モルグからはマイカの死体が消えていた。警備員は何を恐れて
逃げたのか、マイカの遺体は誰が盗んだのか・・・。

実はアレックスは医大生と浮気をしていて、その女性カルラから別れ話を切り出されていた。
そこでアレックスは今や妻の所有する化学企業の実験室から遅効性の毒を持ち出し、
これをワインに入れて妻に飲ませて殺害したのだった。彼は外から家に帰って来たら
妻が死んでいた、と説明。検視官は、ストレスなどからくる病死と見ていた。ところが
その遺体が消えたという知らせが飛びこむ。
警察に呼ばれていろいろと事情を聴かれるアレックス。担当するのはペーニャ刑事。
彼は数年前に交通事故で奥さんを亡くしていた。その犯人はその場から逃げて今でも
捕まっていない。

拘束されるアレックスの身の回りに次々と謎めいた出来事が起きる。まるでマイカが生きていて
自分を殺そうとしていることが事前にばれて、殺されたように見せかけ、(誰かの手引きもあり)
モルグから逃げ出し、彼に復讐をしかけているような感じであった。アレックスはモルグにいる時、
遺留品の中に
あった毒物をポケットに入れたことから逮捕され、本格的な取り調べが行われることになった。

さて、映画の中には細かい伏線がいろいろとちりばめられていて、いちいち書いていると映画の
プロットやシーンを全部書かなくてはならなくなるので、はしょるけど、結局、マイカは死んでいた。
そして、死体を盗んだのはペーニャ刑事。さらにアレックスに浮気を仕掛けてきたのは刑事の
娘。
妻が死んだ交通事故で娘がナンバーを思い出したこと、クルマの中にアレックスとマイカが出合った
リゾートのマスコットがあったことなどから、刑事はアレックスを割出し、娘を仕掛け人にして
接近させ、彼の妻マイカを毒殺させることを計画。これはまんまと成功。さらに刑事はモルグから遺体を
抜き取り、アレックスにその罪をなすりつけようとし、それも娘の手助けで成功するのであった。

アレックスが使った毒は飲んでから8時間で心臓を止める効果があり、実はアレックスはその毒が
入った酒を刑事の娘から8時間前に飲まされていた。
マイカの死体袋が発見されたところから逃げ出したアレックスは、ペーニャ刑事から今回の事件の
全貌を知らされるのであった。そして毒が回る8時間が迫っていた。「時間だ」。ペーニャはそう
アレックスに伝えたのだった・・・。

ざっとこんな感じの映画なのだが、まさかあの愛人が刑事の娘で、仕掛け人であったとは。
交通事故から10年以上たっていたのね。その割にはアレックスの顔が年取っていなかったけど。
まあ、いいや。全体として、短い時間にさまざまな伏線と驚きを配置し、最後の3分間で全部の
ネタ晴らしをする。いやあ、久しぶりにサスペンス映画を堪能させてもらいました。
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by jazzyoba0083 | 2014-07-21 22:10 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)