42~世界を変えた男~  42

●「42~世界を変えた男~ 42 」
2013 アメリカ Warner Bros.Pictures,Regendary Productions.128min.
監督・脚本:ブライアン・ヘルゲランド
出演:チャドウィック・ボーズマン、ハリソン・フォード、ニコール・ベハーリー、クリストファー・メローニ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
大リーグ初の黒人メジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンの物語。大リーグでは
毎年4月15日の試合は全選手が42の背番号を付け、その42は全球団の永久欠番となって
いるという話は結構有名だ。
★は7,5。もっとあげたいような感動的作品ではあるけど、ちょっと単調かなあ。ジャッキーも
偉いけどそれよりもっと偉大だったのは、ブルックリン・ドジャーズのGMのリッキー(H・フォード)
であることは見ているとよく分かるだろう。「我々はファシズムに打ち勝った。次は人種差別を無く
すことだ」と、キリストと聖書を野球と同じくらい心から愛していた男が、「不平等」に立ち向かったのは、
終戦直後のアメリカにおいてどのくらい驚天動地で、困難なことだったか、むしろ、リッキーを
主人公にして映画を作って欲しかったくらいだ。 
「善人はどこにでもいる」というように、心の底まではわからないが、女優との不倫でクビになって
しまったレオ監督も、野球を勝つにの肌の色なんか関係ない、黄色でも黒でもシマウマ模様でもな、
とジャッキーが入ってくることにビビるドジャーズの選手たちを叱り飛ばすところは溜飲が下がる。
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そうやって入ってきたジャッキーに対し、選手たちは「一緒に野球はしない」という嘆願書を
出したりして、リッキーに、「ならお前をトレードにだしてやる」と一喝されるのだが、次第に
物凄い嫌がらせやヤジに耐え、野球に専念しているジャッキーを見て、次第に自分たちも
変わっていくドジャーズのチームメイトも上手く描かれていた。
当時、相手の監督は、あんなに侮辱的なヤジが許されていたり、マイナーリーグの試合中に
立会の警察官が黒人が試合に出ることはまかりならん、とグランドに出てきたり、遠征先の
ホテルが宿泊を拒否したり、当時の差別がいかに苛烈だったかが描かれる。
ジャッキーの妻も遠征が多い夫を必死に支える。
普通の人なら、あれだけの侮辱を受けたら絶対に切れる、というシーンでもジャッキーは
耐え、それを野球の成果に昇華させていく。その姿は確かに感動的だ。

彼の活躍でドジャーズ(当時はジャイアンツもニューヨークにあったのね)はワールドシリーズを
制しチャンピオンになるのだ。

アメリカ人が好きそうなテーマと描き方で、さすがにアメリカでの興行収入は良かったみたい。
だが、映画としての出来は、という点からすると、賞にノミネートされる深みはやや欠けていた
かな。(ジャッキーとリッキーという主人公が二人いるような映画になってしまっていたからだ)
だが、大人から子供まで楽しめて、教育的なよく出来た映画であることは確かだ。敵地の
球場で父親がジャッキーを口汚く罵るのを、純真な子供が真似をするシーンがあるが、
ヘイト感というのはこうして根付いてしまうのだな、ということを一発で分からせている。
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<ストーリー>
1947年、アフリカ系アメリカ人のジャッキー・ロビンソン(チャドウィック・ボーズマン)は
メジャーリーグの球団のひとつ、ブルックリン・ドジャースと契約する。当時アメリカでは、
トイレやレストラン、交通機関などあらゆる公共のものの使用が白人と有色人種とで分けられ
人種差別が横行していた。野球界も例外ではなく、有色人種の採用はジャッキーが初めて
だった。
ジャッキーと同球団のゼネラル・マネージャーを務めるブランチ・リッキー(ハリソン・フォード)は、
敵球団や一般大衆、マスコミはもとより、チームメイトからすら非難を浴びる。
しかしどんなに理不尽な差別にあっても自制心を働かせ、己の力を発揮することに集中する
ジャッキー。そんな彼の姿にチームメイトやファンは心を動かされ、ジャッキーはやがて
野球界を、そして世界を変えていく。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-11-05 22:40 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)