なんちゃって家族 We're the Millers

●「なんちゃって家族 We're the Millers」
2013 アメリカ Warner Bros. New Line Cinema(presents).109min.
監督:ローソン・マーシャル・サーバー
出演:ジェニファー・アニストン、ジェイソン・サダイキス、エマ・ロバーツ、ウィル・ポールター他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
WOWOWで、先日アメリカのコメディを連続放送していたので、最近これを撮りだめた
ものを見る機会が多い。故にブログのアップも「それ系」が多いという次第。

本作はアメリカで大ヒットしたというが、アメリカのコメディが日本で受け入れられるのは
本当に難しく、日本でも公開はされたけれど、単館系ではなかったか。
しかし、アメリカのコメディなので、お下劣、お下品だが、コメディとしては出来のいいもので
あったと感じた。いわゆる楽屋落ちやパロデイというのがこの手の常套手段なのだが、
それもあるにはあるが、基本、だれでも分かる「コント」風のやりとり、気の利いた
「きわどいアメリカン・ジョーク」のやりとりなど、台本がよく出来てた証左であろう。
また日本語字幕も上手かった。これを工夫しないと、日本での笑いは取れないものなあ。

ジェニファー・アニストンの体当たり演技を始めとして、偽家族を形成する4人もまた宜しい。
ストーリーも単純だが、意外性もきちんと提示されていて、それが笑いに繋がっていく。
しがない大麻の売人であるデヴィッド(サダイキス)が、これまた街のチンピラの喧嘩を
止めたことから逆恨みを買い、売上やら自分の金を全部巻き上げられてしまった。
で、元締めのブラッドから、ちゃらにしてやるから、メキシコに行って、少量のブツを
運んできて来い、と指示される。少量と言っても用意されたのが大型バスほどもある
キャンピングカー。デヴィッドはこれに、家族旅行を装って行動することを思い浮かび
よく行くストリップクラブを「セックスもさせるぞ」といわれ辞めたローズ(アニストン)、近所の
天然系超真面目青年ケニー、それに、自分が喧嘩の仲裁に入った原因になった
街をふらつく不良少女ケイシーを金で誘い込み、メキシコに向かうのだった。

それからのロードムービーというとこになるのだが、入った先の要塞のようなところで
渡されたのは、2トンのマリファナ。大きなキャンピングカーのあちらこちらに詰め込んで
満タンに。これじゃ、国境を出るときの検査であっという間にバレて捕まってしまう。

そこから、オーバーヒートを救ってくれた同じキャンピングカーの麻薬捜査官一家。
(この一家がまたぶっんでいるんだけど) 実は父親役のデヴィッドは、取引先のボスに
騙されて、偽物になりすまして、麻薬をちょろまかしてしまったのだ。本物の登場で
事態は更にややこしくなる。長男役の少年が毒グモにさされたり、ほのかに芽生えた
麻薬取締官の娘との恋ものがたりとか、コントの元となるコネタがいろいろと埋め込まれ
それぞれを回収しながら、ものがたりが進んでいく。
ジェニファー・アニストンという女優さん、あまり好みではないが、本作ではなんか吹っ切って
しまい、良かった。ユニークな長男役、フーテンの少女なんだけど実はいい子の長女役の
女の子など、そのキャラクター付けも明確に出来ていて、コメディなんだけど骨格はしっかり
している。だから観ていて面白いんだろう。

最大の難関、アメリカへ入る国境検問所も、あわや!というところで助かるのだが、例の
取締官一家とのユニークな!からみ、毒蜘蛛事件、本物のギャングの登場、と事態は
くるくると変わり、面白さも募ってくる。さてさて、オチはどうなるものやら・・・、と。
鍵をにぎるのが例の麻薬取締官だったりする。最後は結局、自分のボスの逮捕に
協力したということで証人保護プログラムとやらで偽家族を続けることになる4人だったの
だが、4人には本物の家族のような絆が生まれつつあり・・・。
最後に出てくる隣人夫婦、あれは、偽一家を監視している官憲が化けている偽家族!に
違いない、と見た。
アメリカのコメディは、笑うポイントが分からないから敬遠している、という方に観ていただきたい
よく出来たコメディーだ。ただし、ものすごく下品ですよ。しかしこれがアメリカ人の笑いの本質でも
あるわけで・・・。
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<ストーリー>
「デヴィッド・クラーク(ジェイソン・サダイキス)は、細々と商売をしているマリファナの売人。
一応の良心を持つ彼は、シェフや教育ママには売っても、未成年者には売らないと決めて
いた。従って、問題など起こるはずもないと考えていたが、トラブルの種はどこに転がって
いるかわからない。いつもは目立たないように暮らしているのに、柄にもなく善いことを
すると目立つ結果になるという事実を、身をもって知ることになる。

町でティーンエイジャーをちょっと助けようとしたことから、路上でたむろするパンク野郎
3人組に襲われ、クスリと金を奪われてしまったのだ。デヴィッドに残されたのは、元締めの
ブラッド(エド・ヘルムズ)に対する莫大な借金だけ。その借金を帳消しにして、身の安全を
確保するため、ブラッドが捌く次の荷をメキシコから運び込むという“立派な”麻薬密輸人を
務める羽目になってしまう。

ストリッパーで皮肉屋のローズ(ジェニファー・アニストン)、イケナいことをしてみたくて
たまらないケニー(ウィル・ポールター)、そして妙に世慣れた少女ケイシー(エマ・ロバーツ)と
いうご近所3人を巻き込んだ彼は、絶対確実な計画をひねり出す。

こうして、夫婦と子供2人という即席の偽家族“ミラー家”となった彼らは、特大のキャンピング
カーに乗って7月4日、独立記念日の週末に、成功を信じて意気揚々と国境を越えるため南を
目指すが……。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-12-20 23:10 | 洋画=な行 | Trackback | Comments(0)