2015年 10月 12日
マイ・インターン The Intern
2015 アメリカ Waverly Films.Warner Bros.(Distribution) 121min.
監督・脚本:ナンシー・マイヤーズ
出演:ロバート・デ・ニーロ、アン・ハサウェイ、レネ・ルッソ、アンダース・ホルム、ジョジョ・クシュナー他
<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
「恋愛適齢期」「ホリディ」「恋するベーカリー」(全部観ている)など、大人のハートフルドラマを
作らせたらハズレがないナンシー・マイヤーズ、今回もいい映画を作った。
オスカーを獲るような映画ではないが、ハサウェイの年代もの女子も、デ・ニーロの年代の
大人もみんな楽しめ、笑え、ハッピーになれる気分の映画に仕上がっている。
悪い人が出てこず、馬鹿も出てこない。貧しさを排除し、銃声もカーチェイスもないハッピーさ、
映像の綺麗なこと、NYをこんなに美しく撮れるのか、と溜息がでる。ウディ・アレン、マイケル・
チミノの撮るNYとはまた別の世界だ。
陽光が木々の葉をきらめかせ、レンガ作りの家々が美しく並ぶ。ズームイン・ズームアウトの
スピードや、画角、色彩など画面作りも計算されていて、見ていて本当に気持ちが良かった。
凄い大作ではないのだがが、最近こんなに気持ちの良い映画は個人的に珍しかった。
もちろん、ワクワク、ドキドキの面白い映画はたくさんあったけれど。
映画を見に来る人には作品「夢を見る」というタイプも多いだろう。ナンシーはそういう観客に
対し、見事に応える作品を作る。若くしてアパレルのネット通販会社社長になったハサウェイ、
片や、妻を亡くしたものの、ブルックリンで素敵な生活を送るデ・ニーロ。お金に困った人も
出てこない。つまりいい意味で浮世離れしているわけだ。観た人の中には、実際はそうは上手く
事は運ばないぜ、とつぶやく人も居るだろう。しかし、ハッピーエンディングも含めて、ほんわか
幸せな気分になれるのなら、多少の浮世離れも目をつぶりたいと思って見に来る人は、
裏切られること無く映画館を後にできるであろう。
女子にはハサウェイのファンションも見逃せまい。またオフィスの中のPCやノートPC、色んな
小物、出てくるクルマもアウディQ7であり、通りに停まっているクルマもBMWやボルボであり
決してトヨタやヒュンデではない。デ・ニーロの着る服もおそらくブルックス・ブラザーズなので
あろう。そういうオシャレな雰囲気が醸し出す映像も観客を夢の世界に誘うのに十分で
ある。映画全体のテンポも非常に良く、二時間の上映時間を感じさせない。もともと脚本家で
ある監督の面目躍如というところだろう。
演技の方もオスカーを獲った二人なので間違いはない。このところちょっと困った映画に出て
いたデ・ニーロも本作では快演である。デ・ニーロの恋人になるレネ・ルッソもいい感じだ。
音楽がまたジャズやボサノバを上手く取り入れてオシャレだ。主役二人の英語がクリアで
ゆっくりなので、ちょっと英語が得意な人は字幕を見ずにご覧になると面白いかも知れない。
<ストーリー>
ニューヨークのファッション業界を舞台に、オンラインサイトのCEOとして働くキャリアウーマンが、
40歳年上のアシスタントとの出会いを機に成長していく姿を描くヒューマンドラマ。
アン・ハサウェイがスマートで美しいヒロインを熱演し、女性からの共感を呼ぶ。
名優ロバート・デ・ニーロとの初共演にも注目だ。
家庭を持ちながら何百人もの社員を束ね、ファッションサイトを運営する会社のCEOで
あるジュールズ(アン・ハサウェイ)は、女性なら誰しもがあこがれる華やかな世界に身を
置きながら、仕事と家庭を両立させ、まさに女性の理想像を絵にかいたような人生を
送っているかに見えた。
しかし、彼女に人生最大の試練が訪れる。そんな悩める彼女のアシスタントとして、
会社の福祉事業として雇用することになった40歳年上のシニア・インターンのベン
(ロバート・デ・ニーロ)がやってくる。人生経験豊富なベンは彼女に最高の助言を与え、
2人は次第に心を通わせていく。やがて彼の言葉に救われたジュールズは、予期せぬ
人生の変化を迎える……。」(Movie Walker)
この映画の詳細は