インターンシップ The Internship

●「インターンシップ The Internship」
2013 アメリカ 20th Century Fox,Regency Enterprise,and more.120min.
監督:ショーン・レヴィ (共同)製作・原案・(共同)脚本:ヴィンス・ヴォーン
出演:ヴィンス・ヴォーン、オーウェン・ウィルソン、ローズ・バーン、マックス・ミンゲラ、 ジョン・グッドマン他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
日本では劇場未公開、DVDスルーになってしまったが、結構面白い映画ですよ、これ。
まあ、Google広報的なところがあったり、設定が予定調和的ではあるのだけれど、
オチが分かってながら、そう来るか、という点もあり、全体として、おバカ映画であるような
仕掛けながら(コメディなんだけど)、成功譚であり、青春映画であり、IT社会への風刺で
あったりする。ストーリーも簡単で、思い入れし易いし。

ヴィンス・ヴォーンが原案から製作から脚本から主演までやっているところを見ると彼の
映画にかける思いが伝わってくる。
オチはGoogleの社是に繋がっていくのだけど、「妄想より現実」(バーチャルよりリアリテイ)、
会社ではチームワークこそ大事、情報化、ネット化する社会だけど、「スマホから少し目線を
上げて見ろよ、楽しい世界が広がっているぜ」ということを言いたいのだろう。
(Googleの仕掛ける世界の皮肉にもなっていると思うのだけれど)

PC好きやGoogle好きをくすぐるようなガジェット(さすがはGoogle全面協力)や会話も
ふんだんにあり、ニックとダナの恋の行方、IT音痴のビリーの奮闘の行方、二人を含むチームの
メンバーのキャラクターも面白く、またビリーが大の映画ファンらしく随所に映画の話が出てきて、
特に「フラッシュダンス」の主人公の人生が気にっていて、彼らはこれに励まされていく。
二人が若いやつらに騙されスタンフォード大学に「Xメン」のドクター・エグゼビアを実在の人物と
思って訪ねにいくとことか、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のビフ・タネンの名前が出てきたり、
映画好きならニヤリとする。
そうこうして、カラにこもったITスレした大学生がインターンを終わる頃はおっさんらのいい影響も
あり堂々とした大人になっていく眩しさ、王道のハッピーエンドな映画だが、観終わった気分は
いい。
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さて、ビリー=ヴィンス・ヴォーンとニック=オーウェン・ウィルソンのおっさんコンビ、
高級腕時計の営業ではそこそこの腕前を発揮していたのだが、会社が倒産、社長
(ジョン・グッドマン=uncredit)はマイアミあたりで隠居と決め込んだ。
さあ、まだまだ人生これからの二人だが、営業以外に能がなく、ベッドの販売とか(ボスは
ウィル・フェレル=uncredit)やっていたのだが、ビリーがGoogleで求職を検索していた
ところ、Googleでインターンを募集していることを知り、イチかバチかでネット面談を
受けてみる。一応大学生に限定されていたりするのだが、Googleの採用委員の一人が
「Googleはダイバーシティが命だろ?」と言い始め、とんとんとインターンに採用される。

当然、若者の中で浮きまくっている二人。何十人もいるインターンはチームを組んで
様々な課題を解決していくことになる。それでチーム戦を戦い、最後の残ったメンバーが
正社員として採用されるのだ。
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さてビリーとニックチームのメンバーになったのは、他のインターンたちから声がかから
なかった奴ら。Googleの採用委員でおっさん二人を推薦した社員ライルが、まとめ役に
なり、黒人の女性、いつもスマホばかりいじっているヤツ、神経症の東洋系、が組むこと
になった。一方敵対する優秀なチームはグラハムのリーダーワンマンチーム。

最初のうちはまとまりも無く協調性も欠け、おっさん二人もIT用語などチンプンカンプン。
それでもチーム対抗球技大会(こういうGoogle独自の球技を作ったのかな)で、チーム
ワークの大切さに目覚め、3番めにアプリ作りが課題となった時、煮詰まってしまうと
おっさん二人が夜のサンフランシスコにみなを連れだして酒を飲みかわし、ディスコで踊り狂い、
女の子を口説き、というPC上では出来ない生身の体験を通して、内向的だった性格が
少しずつ変わっていく。そしてその夜のことがキッカケで、いいアプリが出来、それで彼らの
チームは勝利を収めた。それもこれも人生経験豊かなおっさん二人の功績だった。

ニックの方は若いので、ITの勉強も進み、一方で来たばかりの時に出くわし一目惚れ
してしまったダナとの間も次第に熱くなっていった。
最後から2番めのテストはヘルプセンターの一員となり、ユーザーからの質問やクレームに
対応するという競技。チーム戦で行われ、評価をするためにログを残すこと、と言われて
いたのに、一生懸命勉強したビリーはログインを忘れてしまう。せっかく調子のいい対応が
できていたのに、ログインしていなければ「参加しなかったのと同じ。評価はゼロだ」と
言われてしまう。ショックを受けたビリーは、自分のせいで皆に迷惑を掛けたことを気にし
かつてのボスから誘いを受けていた電動車椅子のセールスに転向しようとする。

最終課題は、なんと「営業」。二人が最も得意とする分野の時に肝心のビリーがいない。
仲間は老人ホームにいたビリーを見つけ出し、チームに戻す。ビリーが戻ったチームは
おいしくて有名なピザ店に営業を掛け、ネットをもっと活用した方がいいと、ビリーとニックの
得意な話術とGoogleに来てから培った知恵で、店主を納得させたのだった。

さて、ついにすべての競技は終わり、最後に残るチームの発表の時が来た。しかし、
ビリーとニックのチームはまだ営業を続けていて遅刻。また失格となってしまいそうになる。
とこがその時、舞台の大型スクリーンに二人組のチームの動画が現れ、チーム全員が
ピザを抱えて入場、皆にピザを配って歩いた。そう、ピザ屋のオヤジはネット利用を承諾
したのだった。しかもフランチャイズが増える見込みもある。

こうして、凸凹チームは優勝を宣言されるが、敵対するグラハムは、納得できず、今回の
インターンシップを仕切ったインド系のマネージャー、チェティに、もっと上司に判断をして
貰いたいと抗議する。ところがそこで出てきたのは、これまで画面にもちょくちょく出てきて
いたヘッドフォンのヒゲ男だったのだ。彼こそGoogleの偉い人であり、二人組は彼から
アドバイスをもらっていたりしたのだった。そんなことを知るこのヒゲ男は、グラハムの主張を
しりぞけ、二人組を社員として採用すると宣言したのだった。
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そんなお話。悪い人が出てこず、逆にみんないい人だったりするので、心落ち着けてコメディ
を楽しむことが出来る。機会があればご覧になることをお勧めしたい映画だ。

この映画の詳細はこちらの映画.comまで。
by jazzyoba0083 | 2015-11-04 22:30 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)