イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所 If I Stay

●「イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所 If I Stay」
2014 アメリカ DiNovi Pictures,Metro-Goldwyn-Mayer (MGM),New Line Cinema.107min.
監督:R・J・カトラー  原作: ゲイル・フォアマン 『ミアの選択』(小学館刊)
出演:クロエ・グレース・モレッツ、ミレイユ・イーノス、ジョシュア・レナード、ジェイミー・ブラックリー他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
★は6,5というところ。
冒頭、WBのロゴがブロックに分散し、それがニューラインシネマのロゴになる。そしてMGMの
ロゴ登場と、メジャー感たっぷりでのスタート。期待が高まった。

全体の構成はとてもいいと思う。クロエ・グレース・モレッツも大人になってきて良いと思う。
だけど、全体が、感動の押し売り状態に感じてしまい、いささか鼻白んだ。悪い映画では
ないのだけれど、なにせ出てくる人がみんないい人、極めつけのいい人ばかりで、また
感動の一編にするためには、悲劇が起きる前にいい人達によるいい出来事がバシバシ
起きるという状況を作り出すというのが王道だが、まさに本作がこれだ。

先述のように、主人公ミア(クロエ)と同級の恋人アダムの青春ど真ん中っぽい物語は、
ミアの家族が乗るクルマの事故により暗転。幽体離脱するミアにより振り返られる
ある時点からの時間の流れと出来事が綴られるという構成。事故に至る前の細かい
プロットが埋められていき、話に厚みをつけていく。このフォーマットは良い。
エピソードの散りばめ方も面白く出来ていたとは思う。
カットアウトのエンディングもいいが、あの後、ミアが家族を失って生きていくことは
並大抵ではなかろう。

ミアは、チェロがとても上手くジュリアード音楽院を目指していた。父親はロックバンドを
作ってかなりのところまで行ったが、ミアが産まれるということで音楽の道を断念、
学校の先生となり、これまたロッカーの母親とミアと弟を育てる日々を選んだ。家族は
幸せだった。

そんなミアとバンドをやっていて高校の女学生の憧れだったアダムとお互いに一目惚れ。
やっている音楽はクラッシックとロックと畑は違うが、それぞれの音楽に近寄りがたさも
覚えつつ、理解しようと努力、周囲の暖かい目にも支えられ、順調に愛を育んでいた。
ミアはアダムに内緒で東部のジュリアード音楽院を受けてみることにし演奏が入った
動画を送って、最終実技試験に進むことになった。舞台はサンフランシスコだ。
(物語のベースはオレゴン州ポートランド)

そんな折、4人の家族を載せたクルマが交通事故を起こし、意識不明のミアを残し
残りの3人は死んでしまった。ミアは一瞬にして孤児になってしまったのだ。
ミアは意識不明となり、幽体離脱し、自分や救急搬送された家族を見守っている。

そこから、ちょっと過去に遡り、主にミアとアダムの恋と仕事の行方を綴っていく。
アダムのバンドはメジャーデビューすることになり、ライブの仕事も忙しくなっていった。
一方、ミアはアダムに内緒でジュリアードを受け、一次試験はパスしたことを
打ち明けた。西と東で分かれてしまうこと、また何より自分に内緒で大事なことを
進めたミアに、アダムは大いに怒り、売り言葉に買い言葉で二人は分かれてしまう。

しかし、心では深く愛し合っていた二人だが、アダムがミアのジュリアード行きを認め
ミアはサンフランでの最終試験に望んだ。ミアの演奏は音楽の神が降臨したかのような
出色の出来だった。

ICUのミアの容体は一向に改善されず深い昏睡のまま。おじいちゃんは、目覚めてくれ、
でも目覚めても孤児だ。これからのことを思うと、逝ってもいいんだよ、とミアに
語りかける。いよいよミアも危ない、ということになり多くの親族や友人がミアのベッドに
来ていた。しかし、諦めないアダムは病院内のスピーカーからチェロの音楽を流し、
ヘッドフォンを装着させて、聞かせ、ミアのために作った曲をベッドサイドで歌ったのだ。
ジュリアードから来ていたレターには、合格の文字があった・・・・。
そんなアダムの願いが通じたのか、ついにミアの目が・・・・。
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そんなお話だ。アダムの唄う歌が良かった。彼も歌が上手い。暖かく理解のある家族、
親友、病院のスタッフ、そして最愛のアダム。そんな愛に囲まれて、ミアは再びみんなの
元に帰ってきたわけだ。

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2015-11-14 22:50 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)