シークレット・ロード Boulevard

●「シークレット・ロード Boulevard」
2014 アメリカ Camellia Entertainment,Evil Media Empire.88min.
監督:ディート・モンティエル
出演:ロビン・ウィリアムズ、ボブ・オデンカーク、キャシー・ベイカー、ロベルト・アギーレ他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
ロビン・ウィリアムズの主演としては最後の作品となる。なんともやるせない作品が
遺作となったものだ。映画のための物語、という感じが強くしてしまい、シンパシーを
感じることが出来ない作品だった。日本では劇場未公開、ビデオスルー。

要するに、長い間ゲイであることを隠して(少年期での覚醒を忘れていたのか、隠して
いたのかは判然としないが)結婚生活や銀行員としての生活をしてきた
ノーラン・マック(ロビン)。彼は温厚な夫であり、そこそこ有能な銀行員であった。
しかし、夫婦は別々の部屋で生活している夫からすれば仮面夫婦である。

そんな彼が車での帰り道、ぼんやり運転していてぶつかりそうになるレオという青年と
出会う。何故か彼に強く惹かれ、支店長への昇進もほぼ決まっていた生活も、それなりに
穏やかな夫婦生活も放擲して、若い青年の思いにひた走ってしまう。まるで12歳で覚醒した
自分がゲイである、という秘密を60歳になって解き放ったように。

結局想いを寄せた青年はそこそこいいやつだったが、姿を消し、支店長への道は閉ざされ
銀行を辞め、夫婦は離婚、彼は自由になったのかなあ。まあそいういう事を言いたかった
映画であろうが、一番割りを食ったのが妻だろう。彼女は子供もいない生活を長年夫に
尽くして続け、その挙句ゲイを告白され、離婚。ラストは豪華客船クルーズに出かけるような
感じで終わるので彼女もまた自由になったということらしいけど、何だか吹っ切れない。

12歳で覚醒したゲイが60歳まで何も無しで来れるものだろうか、分別も極まる60歳で
人生の全てを捨てるような事が果たして彼の自由を獲得した、ということになるのだろうか。
まあ、彼にしてみれば銀行の支店長になるよりも、親友を失うことよりも、長年連れ添ってきた
妻と分かれることよりも、ゲイとして自由に生きる道を選んだということなのだけど、
私だったら絶対にそんなことは出来ない。我慢を続けるだろう。だって青年はどこかへ行っ
ちゃったのだから。60歳になって爆発したのなら、もっと前に爆発しそうなものだと思うの
だが・・。

妻を演じたキャシー・ベーカーが幸せ薄く、神経質そうな老妻を上手く演じていたと感じた。
良かったのは大判カメラで撮ったような深みがあり、かつ優しい色調の映像かな。
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<ストーリー>
2014年8月に亡くなった名優ロビン・ウィリアムズ最後の主演作。出会いにより人生を
再起させてゆく青年と初老の男を描くヒューマンドラマ。共演は「ネブラスカ ふたつの
心をつなぐ旅」のボブ・オデンカークと「マシンガン・プリーチャー」のキャシー・ベイカー。

 社会的にも成功し、長年連れ添う妻ジョイとも満足な関係を続けてきた男ノーラン。
彼は初老の域に達していたが、平凡な幸せに飽きたらず、変わらない日常に辟易し思い
悩んでいた。
ある日、ふとした事件がきっかけでミステリアスな青年レオと出会う。そしてこの青年との
出会いが、彼の潜在していた本能を目覚めさせてゆくのだが…。(allcinema)

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by jazzyoba0083 | 2016-04-07 22:50 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)