夏をゆく人々 Le meraviglie

●「夏をゆく人々 Le meraviglie 」
2014 イタリア・スイス・ドイツ Tempesta,Amka Films Productions,Rai Cinema.111min.
監督・脚本:アリーチェ・ロルヴァケル
出演:マリア・アレクサンドラ・ルング、サム・ルーウィック、アルバ・ロルヴァケル、ザビーネ・テモティオ他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
2014年カンヌ国際映画祭グランプリ作品である。いかにもカンヌ好み、いかにも欧州的な作風。
女流監督目線で描かれる、イタリアの養蜂家一家のあるひと夏の出来事を淡々と綴る。
ラストシーンの演出など見ているとファンタジーでもある。しかし映画の良さをどこに求めるのか
というとなかなか難解な映画ではある。

トスカーナに暮らす養蜂一家。4姉妹と何をしているのかよくわからない母、どういう経緯で
いるのかよくわからない居候の女ココ。原題の英語版が示すように、養蜂家はハチと花を
追いかけて各地を転々とするわけだが、日本で言えば小学校6年生ほどの、しっかりものの
ジェルソミーナは学校へ行っているフシはない。家族構成からしてファンタジックなところへ、
父がプレゼントといってラクダを買ってきたり、いくら夏とはいえ、道だか広場だか庭だか
わかんないような地面にマットを敷いて眠るところとか、先にも書いたようにエンディングで
家族が忽然と消えてしまうとか、非現実的イメージを持つテレビ番組の存在も相まって
誠に幻想的(ファンタジック)な、叙情詩的な映画であった。

養蜂一家のひと夏の物語。テレビ番組と少年更生プログラムで預かることになる少年の
存在。そして長女ジェルソミーナを中心として描かれる少女の感性。ハリウッドスタイルの
映画を好む私としては、この手の映画は不得意のジャンルである。
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<ストーリー>
2014年のカンヌ国際映画祭でグランプリに輝いたドラマ。イタリアの人里離れた土地で
養蜂業を営む一家の昔ながらの暮らしぶりと、徐々に訪れる変化の中で12歳になる
4姉妹の長女の大人への成長を丁寧な筆致で描く。監督は、これが長編2作目のイタリアの
新鋭アリーチェ・ロルヴァケル。
 
 イタリア中部、トスカーナ地方。人里離れた自然豊かなこの土地で、昔ながらの方法で
養蜂を営む一家があった。ドイツ人の父ヴォルフガングと母アンジェリカ、4人の娘たちに、
居候の女性ココという家族構成。長女のジェルソミーナはまだ12歳ながら養蜂の技術に
優れ、いまや頑固一徹な父の助手として欠かせない存在となっていた。

ある日、一家はテレビ番組のロケ現場に遭遇し、ジェルソミーナは女性司会者の華やかな
美しさにたちまち心奪われる。そんな中、一家は14歳のドイツ人少年を預かることに。
それは、少年更生プログラムによるもので、ヴォルフガングが勝手に決めてしまったこと
だった。戸惑う女性陣をよそに、まるで息子ができたようでご機嫌のヴォルフガングだったが…。
(allcinema)

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by jazzyoba0083 | 2016-06-13 23:30 | 洋画=な行 | Trackback | Comments(0)