ヴィンセントが教えてくれたこと St.Vincent

●「ヴィンセントが教えてくれたこと St.Vinscent」
2014 アメリカ The Weinstein Company and more.102min.
監督・脚本:セオドア・メルフィ
出演:ビル・マーレイ、ジェイデン・リーバハー、メリッサ・マッカーシー、ナオミ・ワッツ、クリス・オダウド他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

★は7.5。ありそうなストーリーであるが、本作が長編デビューである監督が、姪から聞いた
身近な「聖人を探そう」という話にヒントを得て製作したという。キャスティングも含めて
なかなかやるな、の感がある。ちょっとお涙頂戴的なハイライトなのと、あっさり発表会場に
登壇してしまうところが今ひとつな感じで、それが何らかの形で解決していれば★8つ進呈しても
いいと思った。

片方の主人公である少年オリヴァーを演じたジェイデン・リーハーバーの自然体の演技が良かったし、
「タミー/Tammy」や「デンジャラス・バディ」が個人的にはお気に入りで、最近では「ゴースト
バスターズ」(2016)にも出演していた癒し系おデブのメリッサ・マッカーシーがオリヴァーの
母役で好演、加えて主人公ヴィンセントの妊娠した女のナオミ・ワッツという陣立てが上手かった。

ビル・マーレイという役者さん、個人的にはそう好みではないのだが、本作では、偏屈でひねくれ者で
自堕落な上に粗暴でもあるが、ボケてしまった妻の元に8年も通い詰めるという実は心優しい中年オヤジを、
本人の地ではないか?と思わせるいい演技であった。

オリヴァーとやがて親友になる友達との関係、離婚でごたごたしている母親、ヴィンセントの内縁の妻の
妊娠、ボケてしまった妻との関係などが1時間40分余にきちんと提示出来ている。タイトルでも分かる
ように、オリヴァー少年が、学校での発表会「君の周りの『聖人』」で、隣人ヴィンセントを取り上げ
彼の人生を調べて、ちょっと巧すぎる発表をするのだが、そこにハイライトが当てられる。
ちょっとうるうるしてしまった・・・。

ヴィンセントには脳溢血という危機が訪れるのだが、なんだかんだいいながらリハビリに励み、妻の死を
乗り越える。やがて赤ちゃんが生まれ、発表会ではオリヴァーから「聖人」と認定され、会場の親たちから
拍手を貰い、新しい生活が始まるのだが、偏屈ぶりはどうやら変わらないようだ、というニュアンスで
エンドとなる。ハッピーエンドで終わり、ではなかったところが大切だと思う。
みんなそれぞれの人生を見つめ、それなりに頑張って進んでいく。Life goes onなのだな。
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<ストーリー>

人生に空しさを感じている気難し屋のちょい悪オヤジが、12歳の少年との出会いを機に生きる力を取り戻して
いく様を描く、ビル・マーレイ主演のヒューマンドラマ。
マーレイが第72回ゴールデン・グローブ賞で主演男優賞候補になったほか、少年役の新鋭ジェイデン・リーベラーは
本作の演技で数々の子役賞に輝いた。

アルコールとギャンブルをこよなく愛するチョイ悪オヤジのヴィンセント(ビル・マーレイ)は、街で評判の
気難し屋。うっかり近づけば、毒舌の集中砲火を浴びることになる。唯一、心を許しているのは、飼い猫の
フィリックスだけ。
そんなある日、お隣にシングルマザーのマギー(メリッサ・マッカーシー)と12歳の息子オリバー(ジェイデン・
リーベラー)が引っ越してくる。仕事で遅くなるマギーから頼まれ、ヴィンセントは渋々、オリバーのシッターを
引き受けることに。オリバーの年齢を気にも留めず、行きつけのバーや競馬場を連れ歩き、バーでの注文の仕方や
オッズの計算方法、いじめっ子の鼻のへし折り方など、ロクでもないことばかり教え込んでゆく。

いい歳をして物わかりのいい大人になれないヴィンセントと、両親の離婚で早く大人になってしまったオリバー。
最初はお互い最悪の相手だと思っていたものの、嫌われ者としての顔の裏に、ヴィンセントの優しさや心の傷を
感じ取ったオリバーは、彼の想いを何とか周囲に伝えようとするが……。(Movie Walker)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=352927こちらまで。


by jazzyoba0083 | 2016-10-13 23:10 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)