2016年 11月 24日
リチャード・ギア/人生の特効薬 The Benefactor
2015 アメリカ Celerity Pictures,TideRock Media and more.93min.
監督・脚本:アンドリュー・レンツィ
出演:リチャード・ギア、ダコタ・ファニング、テオ・ジェームズ、シェリル・ハインズ、ディラン・ベイカー他
<感想>
日本劇場未公開作品。(だろうねえ)WOWOWの「ジャパン・プレミア」で放映したものを鑑賞。
まあ、こういう男がいてもいいけど、映画にするまでのことか、って事ですよ。せっかくのキャスティングが
勿体無い。交通事故の不意打ち、というのは最近良くみるパターンだけど、確かにびっくりはするけど、
あざとい手法だと思う。出だしはまずまず。お、これは結構いい映画か?と思ったのも束の間、次第に
グダグダとなり、タダのわがまま金持ちオヤジの話になってしまった。事故から5年後、高級ホテルの一室で
執事を従えた暮らしであるものの、髭も髪も伸び放題で、モルヒネ中毒の自堕落生活。この間病院の経営は
大丈夫だったのか?ダコタの登場で一気にハイテンションになるあたりから怪しい映画となる。
ラストのヒゲを綺麗に剃るカットがエンドロールに重なるのだが、何かのメタファーにしたい(まあ、
この男の再生の象徴だろう)のだろうが、初老オヤジの髭剃りを延々見せられる方もたまらない。
要するに、こども病院を設立したいと熱意を持った男(医師ではない)が、親友夫婦と協力し、建設の
めどがたった所で、クルマの座席で自分がフザケたばかりに、交通事故に会い、親友夫婦を殺してしまった
のだが(もともと金持ちだったのか、病院が成功して金持ちになったのかは明かされないが、事故から
5年の暮らしっぷりが半端ない金持ちなので、もともと資産家だったんだろうな)、事故の後遺症に
なやまされつつ、モルヒネ依存症になり、その治療を嫌がって、当時も大好きだった親友の娘とその夫を
溺愛し、罪滅ぼしのつもりだろうが、迷惑を掛けまくり、自滅の一歩手前で、娘の赤ちゃんの誕生で
再生を果たす、というもの。
偏愛する親友の娘と、その夫で医師である青年を自分の経営する病院に雇入れ、なおかつ独断で法人の取締役に
してしまい、親友夫婦が住んでいた家を買い戻すわ、彼らが今住んでいる家のローンは返済しちゃうわで、
金持ちパワー全開。わがままやり放題で、次第に嫌なオヤジと化す。
モルヒネが欲しいばかりに自分の指を切って、病院に運び込まれ、モルヒネを要求するなんて、ありえんな。
どうせ医者に行くなら担当医に行けば済むことなのに、分からんやつだ。
親友夫婦の面影を、その娘夫婦に追い求めたのだが、ラストまでその傾向は治らない。迷惑なやつやん!
娘夫婦が不憫でならない。その赤ちゃんも偏愛されるんだろうなあ。原題はズバリ「恩人」。
ダコタ・ファニング、妊婦さんの役をやるようになったんだなあ、と感慨深い人も多かろう。ただ、私には
どうしても安達祐実が重なるんだなあ。
劇場未公開でDVDスルーな訳だけど、よほどのリチャード・ギアファンは別として、どうしても見なくちゃ
ならない映画では無いなあ。
フィラデルフィア。ある病院を経営する大富豪フラニーは5年前、親友夫妻と交通事故に遭って以来、
ひそかにモルヒネに依存するようになっていた。そんなフラニーだが、夫妻の娘オリビアが結婚して
妊娠していると知り、その夫である医師ルークを自分の病院で雇うことに。
フラニーはオリビアのためにと一軒家を彼女とルークにプレゼントするが、フラニーがモルヒネに
依存していると知ったルークはフラニーを責めるようになり……。 (WOWOW)
この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=358621こちらまで。