パシフィック・ウォー USS Indianapolis:Men of Courage

●「パシフィック・ウォー USS Indianapolis:Men of Courage」
2016 アメリカ Hannibal Pictures 129min.
監督:マリオ・ヴァン・ピープルズ
出演:ニコラス・ケイジ、トム・サイズモア、トーマス・ジェーン、マット・ランター、ユタカ・タケウチ他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
国内外的に圧倒的に低評価の作品だ。確かに二時間以上の時間に値しない冗漫な表現や稚拙なCGなど
買えない点は多い。残念なのは、アメリカの重巡洋艦インディアナポリスの持っていた数奇な運命を
想う時(それは艦長のマクベイの数奇な運命に重なるので余計に面白いのだが)、これじゃもったいないなあ、と
感じるのだ。スピルバーグとかイーストウッドに監督させたら、もっといい仕上がりになったんじゃないかなあ。
この船は、太平洋戦争において日本軍とのいろんな戦いに登場してくる因縁の深い船なので、日本人にしてみれば
余計にもったいない。

アメリカの重巡洋艦インディアナポリスは、テニアン島に急遽秘密物資を届ける任務を支持され、スピードを
上げるためと日本軍に知られないようにというために普通は付ける駆逐艦の護衛もなく目的地に急ぐ。
秘密物資とは、当然広島、長崎に投下する原爆の部品であったわけだ。任務を無事に終えてレイテ島に向かう
途中、日本海軍の潜水艦イ58号(特攻兵器回天装備)の6本の魚雷攻撃を浴びて沈没。ここでも駆逐艦の
護衛は無かったので、対潜兵器が無く、やられるままだった。
乗組員1199名は300人が攻撃で死亡し、後の900名あまりは海に投げ出され、漂流することになった。
この海はサメが多く、また無線封鎖もあったらしく救援が来るまでに5日を要したため、サメの犠牲に
なったり、精神的におかしくなったり体力が持たなかったり、食料や水が払底したり、乗員同士の争いが
あったりで、結局救助されたのは316名であった。救助が遅れた一因に、マッカーサー(陸軍)とニミッツ
(海軍)の、太平洋上に置ける主導権争いもあったようだ。

戦後艦長のマクベイ大佐はジグザグ航法をしなかった、という罪で有罪となった。第2次大戦中、被害に
あった米海軍の700艘のうち艦長が軍法会議にかけられたのはマクベイだけであった。彼は決して艦長として
劣っていたわけではないが、被害者やその関係者から責め立てられ続け、1968年に自宅で拳銃自殺して
しまった。軍事裁判ではイ58号の橋本艦長も召喚され、ジグザグ航法していても至近距離だったから
被弾はさけられなかっただろう、と証言してくれたのだが。裁判後、二人は裁判所の庭で会い、当時は任務
だったから実行したが、今は人として間違っていたと思う、と語った。マクベイとて同じ気持ちだった。
マクベイ大佐の名誉は(裁判が誤審であったことが判明し)その後クリントン大統領によって回復された。

そんないい話てんこ盛りのこのエピソード、出港前、出港後の潜水艦との対峙、沈没と漂流、そして軍事
法廷と、コアになるシークエンスで無駄だなあと思うシーンがありこれをまずカットし、ゆるい演出を改め
れば、締まった映画になったのではないかと極めて残念だ。ニコラス・ケイジ、ほんとに最近いい作品に恵ま
れないなあ。CGをちゃんとするために制作費も必要だな。
噂によればロバート・ダウニーJrが映画化をするいう。期待したい。
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<ストーリー>
太平洋戦争末期の1945年。アメリカ軍の巡洋艦インディアナポリスを率いるマクベイ艦長(ニコラス・
ケイジ)は、ある極秘任務を受ける。それは、長きに渡る大戦に終止符を打つ最終兵器・原子爆弾の輸送
だった。危険極まりない戦地へ向かったマクベイと兵士たちは、日本軍との激しい戦闘を掻い潜りながら、
なんとか目的地テニアン島にたどり着く。
任務を終え、安堵に包まれながら次の目的地へ出発するインディアナポリス。しかしその時、艦内に爆音が
鳴り響く。橋本少佐(竹内豊)率いる日本軍の潜水艦から発射された魚雷が直撃したのだ。

激しい戦闘の末、沈没するインディアナポリス。何とか脱出したものの、太平洋を漂流する羽目になった
マクベイと兵士たちに、今度は飢えと喉の渇き、そして獰猛な鮫たちが襲い掛かる。極限状態に陥り、
次々と命を落としていく兵士たち。マクベイは、彼らを1人でも多く生きて家族の元へ帰そうと奮闘する。
しかしこれは、マクベイに訪れる非情な運命の始まりに過ぎなかった……。(Movie Walker)

<IMDb=★5.2>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:9% Audience Score:31%>



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by jazzyoba0083 | 2017-12-18 22:20 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)