キングコング:髑髏島の巨神  Kong:Skull Island

●「キングコング:髑髏島の巨神 Kong:Skull Island」
2017 アメリカ Legendary Entertainment,Tencent Pictures,Warner Bros.118min.
監督:ジョーダン=ヴォート・ロバーツ
出演:トム・ヒドルストン、サミュエル・L・ジャクソン、ジョン・グッドマン、ジョン・C・ライリー他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆+α>
<感想>
この手の映画は好きな方が多いので、悪評サクサクだろうなあ、と思って観始めたら、なんのなんの
「素直に面白い」活劇だった。よく出来た、とまでは言えないけど、この手の冒険アクションの常道を
キチンと踏まえた上に、太平洋戦争を始めとした歴史のありようを「伏線」に利用し、1970年代という
時代設定も上手い。結局脚本がいいわけで、誰だろうと見てみると、「ナイトクローラー」の監督や
いい映画の脚本を手がけているダン・ギルロイが入っているのだ。なるほど、凝った作りになるわけだ。

ラストでは日本版ゴジラに繋がるような表現もあり、原水爆実験や地球上における人間の不遜さ、尊大さ、
無反省をきつく指摘しているように私には思えた。「太平洋から出現する怪獣映画かくあるべし」的な
作りで安心感と共感、さらにその間をつく意表と上手いこと構成されている。だいたいトップシーンが
太平洋上空での日米戦闘機の一騎打ちで、それが両方共墜落、二人が切り結ぶところになんの衒いもなく
コング登場、という時代設定と流れもいいよね。

さらに恐怖のコングは実は島を守る神として崇められているという「モスラ」の伝説かくやという設定。
実に「あるある」であるが、全体を通してあるべきことがあるべく収まっていくというメリハリが良い。
「人間の不遜」代表のサミュエル・L・ジャクソンとコングの真の姿を知るヒドルストンらと戦争の生き残り
パイロット、ジョン・C・ライリーという分かりやすい対立構図と、それぞれに対応するコングの姿勢。

大戦時には敵同士だったグンペイ・イカリもコングを理解していて、その軍刀をライリーが大事に持っている。
そんな環境も日本人にはくすぐったい。VFXの出来も全体として良いといえる。突っ込みどころはありますよ。
地中から出てきたコングの天敵のオオトカゲの出来がいまいちなことを指摘する方もいらっしゃるが、確かに
そうだ。また、まあいいんだけど、グンペイの軍刀がまあよく切れること。とか20数年前のB29の機関砲が
バリバリに活躍するところとかは、おいおい、と思ってしまう。

あるべきコング映画として美しい女性を助けるというシークエンスもちゃんと用意されている。

とにかく、肩の力を抜いて、太平洋のコングと人間の一コマを「ワクワクしながら」観るには実に楽しい
映画だと思う。続編もありそうだ。
出演者にビッグネームがいるわけではない(ブリー・ラーソンとトム・ヒドルストンがちょい有名かな)
が、ジョン・C・ライリーが美味しいところを持っていく。
中国資本が入っているからか、何この人という中華系の女性がいたりするのが残念だった。

ちなみにこのロケが行われたハワイ、オアフ島のクアロアランチには撮影に使われた巨大なコングの
骸骨や骨が散乱したところが見学できますよ。
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<ストーリー>
それは、簡単な任務のはずだった。未知の生物の存在を確認しようと、学者やカメラマン、軍人で
構成された調査遠征隊が潜入した太平洋に浮かぶ謎の孤島・髑髏島。だがそこは、決して人間が足を
踏み入れてはならない場所だった。
島に着くとすぐに、そこがただの島ではないことが明らかになる。至るところに散らばる骸骨。
そして、岩壁には血塗られた巨大な手の跡が……。
やがて姿を現したのは、巨大な守護神キングコング。そして、脅威はこれだけに止まらなかった。
続いて現れる正体不明の凶暴な巨大生物たち。島を破壊した人間たちは、なすすべもなく逃げ惑うばかり。
髑髏島の秘密とは……?彼らは島から生きて脱出できるのか……?
果たして、コングは人類の敵なのか、それとも味方なのか……?(Movie Walker)

<IMDb=★6.7>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:75% Audience Score:70% >




by jazzyoba0083 | 2018-01-08 23:15 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)