ザ・シークレットマン Mark Felt:The Man Who Brought Down The White House

●「ザ・シークレットマン Mark Felt:The Man Who Brought Down The White House」
2017 アメリカ Scott Free Productions and more. 103min.
監督・脚本:ピーター・ランデズマン 製作:トム・ハンクス、リドリー・スコット他
出演:リーアム・ニーソン、ダイアン・レイン、マートン・ソーカス、アイク・バリンホルツ他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
ホノルルからの帰国便内鑑賞第三弾。日本では来月末に劇場公開が予定されている。

アメリカ政治史の大きな汚点となった「ウォーターゲート事件」については、これまでも
スキャンダルを暴いた側の記者の目線の「大統領の陰謀」、辞職したニクソンを主人公にした
オリバー・ストーンの「ニクソン」、彼のインタビューを中心に描く「フロスト×ニクソン」など
優れた映像作品も多い事件であった。

本作はワシントン・ポストの情報源であった「ディープスロート」の正体、当時のFBI副長官
マーク・フェルト本人に焦点を当てたもの。フェルトは、事件から30年以上経過した2005年に
自分が「ディープスロート」であるとカミングアウトしている。

フェルトは30年間FBIに奉職し、エドガー・フーバー長官急死の跡目は彼と周囲も本人も思っていたが
実際はホワイトハウスから送り込まれたのは、グレイというニクソンの意のままに動く人物であった。
彼の妻(ダイアン・レイン)も、フェルトが長官になるものと信じていた。
そうした自分の身の上の不如意もあったのだろうし、映画では独立捜査機関であるはずのFBIが
政府やホワイトハウスからの捜査指示やもみ消しなどを甘んじて受け、本来の機能を発揮できず
アメリカ憲法が守られないという彼の強い義憤からの行動と描かれていく。が、彼自身、汚い仕事を
命じていた時期もあり、またそうした実情を知る立場にいたことから、ただ単に「義憤」が
突き動かした行動だけが「ディープスロート」を誕生させたとは言いにくいのではないか、と感じた。

映画全般は、広範な事件の中からフェルトの物語という側面に集約した部分は良しとしたいし、
トランプ時代においてこの映画を作った意義というものも評価したい。だが、映画としては単調に
なった恨みは残る。ダイアン・レインを配した妻や当時ブームだった自然回帰運動に没入していた
娘との関係も描かれるが中途半端な感じである。
リーアム・ニーソンは安定の演技だが、どうも実在のフェルトに似ているというのがキャスティングの
核心ではないか、と思えてしまうほど、よく似ている。これほど似ているとニクソン本人はどうするんだろうと
思っていたら、案の定、ニクソン役はキャスティングされず、テレビの映像に本人が映るだけという
処理の仕方だった。賢明であろう。

実話モノに興味がある方にはお勧めしたい作品ではある。
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<ストーリー>
1974年8月9日に、アメリカ合衆国史上初めて任期途中で辞任に追い込まれたリチャード・ニクソン大統領。
その引き金となった「ウォーターゲート事件」の全容を白日の下に晒し「ディープ・スロート」と呼ばれた
告発者がいた。
世界中で憶測と関心を呼び、30年以上に渡り正体は謎とされてきたこの内部告発者は2005年ヴァニティ・
フェア誌で自らディープ・スロートであったことを公表する。その人物とは、「FBI捜査官の鑑」とまで
称賛された当時のFBI副長官マーク・フェルトだった。正体を明らかにして10年以上の月日が流れているが、
このフェルトという人物の人生はFBI幹部というキャリアの面からも私生活の面からもほとんど知られていない。
なぜ彼は極秘の捜査情報をマスコミへリークするに至ったのか?ウォーターゲート事件とは何だったのか?
溌剌(はつらつ)たる才知と固い信念を持つフェルトは、事件の真相を明らかにし、ニクソン政権の腐敗を
暴くため、家族もキャリアもそして自由までをも危険にさらし、結果的にはすべてを犠牲にしたのだ。

2016年の大統領選前に企画・製作された本作は、アメリカ国内外で上映されるやいなや、トランプ大統領の
ロシア疑惑やFBI長官解任など、現政権に取沙汰される様々な疑惑が当時と驚くほどよく似ていると話題を
呼んだ。ウォーターゲート事件とは何だったのか?なぜ極秘の捜査情報をマスコミへリークするに至ったのか?
国を守る「捜査官」が疑惑を暴くに至った事件の全容と、アメリカ政治史上類を見ない政治スキャンダルの
実像を、最高権力者を敵に回し孤独な戦いを挑んだ一人の男、フェルト本人の視点から初めて描いた傑作
サスペンスが誕生した。

主演はハリウッドのトップスター、リーアム・ニーソン。近年アクションスターの印象が強い彼だが、
『シンドラーのリスト』『マイケル・コリンズ』など実在の人物を演じ、高い評価を獲得してきた演技派
俳優としての側面を遺憾なく発揮。フェルトの妻オードリーには、同じくアカデミー賞ノミネート女優、
ダイアン・レイン。監督は『パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間』『コンカッション』で実話を
映画化し高い評価を獲得してきた俊英ピーター・ランデズマン。(ホームページから転載)

<IMdb=★6.4>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:34% Audience Score:46% >




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by jazzyoba0083 | 2018-01-24 01:30 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)