ショーシャンクの空に The Shawshank Redemption

●「ショーシャンクの空に The Shawshank Redemption」
1994 アメリカ Castle Rock Entertainment (presents) 143min.
監督・脚本:フランク・ダラボン  原作:スティーヴン・キング
出演:ティム・ロビンス、モーガン・フリーマン、ウィリアム・サドラー、ボブ・ガントン他
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<評価:★★★★★★★★★☆>
<感想>
本作は観ているのだが、ブログを開設する前だったので、記載されていなかった。
仕事の都合で観る必要が出来たため、再見したので感想をアップした。

映画好きに、お気に入りの映画を挙げよ、というと多くの人が本作を挙げるし、
アメリカのオールタイムベストでも、上位に顔を出す常連の、いわば評価の定まった
名作である。だが、allcinemaのコメント欄を見ても分かるように、「たいくつな
脱走劇」と低評価を下す人も少なくない。しかしながら、アメリカの評価サイトで
めったに出ない9点台を出していることを考えれば、客観的に見て「よく出来た映画」
「映画史に残る傑作」という言い方でいいだろう。

アメリカ小説界の巨人、スティーヴン・キングの原作を、上手くアダプトした出来の
いい脚本(伏線の回収も含め)、モーガン・フリーマンの語りで物語を進行させたこと、
配役にはいろいろと名だたる名優が上げられたらしいが、結局ティム・ロビンスの
キャスティングが、原作では白人だったレッド役をモーガン・フリーマンにしたのも
大成功だっただろう。

「たいくつだった」という人はおそらく、良く出来すぎで、流れがとカタルシスの到来が
簡単に訪れてしまうという点を指す場合が多いのではないか。私にしてみればそれは
贅沢というものだと思う。

本作を観て受ける感想の一番大きなものは、「希望を持って諦めないこと」。と指摘する
人が多かろう。私もその1人である。その一点に収斂させるために、あの手この手の
小さなプロットをこしらえて、潰れそうになるたびに「ナニクソ」という気持ちをふるい
立たせる。ティム・ロビンスの感情を抑えた演技も本作の大きなキーになっていた。
有能な銀行員であることを最大限に利用しつつ、周囲の尊敬を集め、それは刑務官にまで
及び、所長にたいしては、その力を利用されているように見せて利用してみせる。

映画を観ているほとんどの人は、思い通りにならない生活を余儀なくされているのだろう。
それでも、与えられた状況の中から最大限の幸せを見つけているのだ。そうした観客の
心情からすれば、主人公アンディの、頭のいい、不屈な根性は、日々のストレスの
カタルシスとして絶好なはずである。だからこそ観終わって気分がすっきりするのだ。

人は困難を乗り越えて何かを成し遂げたことに快哉を叫ぶものだ。囚人に対するビールも
そうだし、図書館の整備もそうだし、ラストに訪れる20年間のトンネル掘りと脱走、
(気の遠くなる話だ)、新しい所長によるレッドの仮釈放、そしてラストでの二人の邂逅。
いちいち気持ちいいではないか。 
一方だたそれだけではなく、長年の収監の末に仮釈放になったブルックスが社会に馴染
めず自死すること、アンディになつき、高卒資格をとるまでになったトニーが所長に射殺
されるくだり。(彼は別の刑務所で、アンディが逮捕された事件の真犯人から事件の話を
聞いていて、それをアンディに話し、アンディは所長に再審請求を起こそうとしていた
ところだった。自分の不正蓄財を知るアンディを塀の外に出すわけには行かないのだ)
などという逆境やアンディが置かれた過酷な一部もキチンと提示されている。

この物語はアンディが妻と情夫のプロゴルファーを射殺して逮捕される1947年に始まり
アンディが脱獄、次いでレッドが彼を訪ねてメキシコの海岸にたどり着く1967年までの
20年間を描いている。アンディは白髪になるし、老眼にもなる。おそらくシャバに
出てきてから19年間の社会の激変ぶりには最初戸惑ったことだろうことは想像に固くない。
アンディの牢屋に張ってあったポスターは、リタ・ヘイワースからマリリン・モンローに
なり、ラクエル・ウェルチに変遷する。アンディはマリリン・モンローが誰だか分からな
かったかもしれない。ましてやウェルチは。その時間の変遷の見せ方も上手いし、その
ポスターが実はいい役を演じていたのだから余計に印象深かった。

細かいところを観ていくと突っ込みどころがないわけではないが、この映画はそういう
あら捜しをしてどうなるものでもない。

「希望はいいものだよ、たぶん最高のものだ。いいものは決して滅びない。」(アンディ)
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<ストーリー>
「エルム街の悪夢3/惨劇の館」「ブロブ/宇宙からの不明物体」の脚本家F・ダラボンが、S・キングの短編小説『刑務所のリタ・ヘイワース』に惚れ抜いて作り上げた渾身の劇場
監督デビュー作。
妻とその愛人を射殺したかどでショーシャンク刑務所送りとなった銀行家アンディ。
初めは戸惑っていたが、やがて彼は自ら持つ不思議な魅力ですさんだ受刑者達の心を
掴んでゆく。
そして20年の歳月が流れた時、彼は冤罪を晴らす重要な証拠をつかむのだが……。
卓越した構成、隙の無い脚本、緩急自在の演出によって誕生した“刑務所”映画の新たなる
傑作。奇妙な友情を育んでいくT・ロビンスとM・フリーマンの二人の芝居も素晴らしく、
観終わった後の清々しさは忘れ難い。(allcinema)

<IMDb=★9.3>
<Rottentomatoes=Tomatometer:91% Audience Score:98% >




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by jazzyoba0083 | 2018-01-27 16:30 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)