スティーブ・ジョブス Steve Jobs

●「スティーブ・ジョブス Steve Jobs」
2015 アメリカ Universal Pictures,Legendary Entertainment and more.122min.
監督:ダニー・ボイル
出演:マイケル・ファスベンダー、ケイト・ウィンスレット、セス・ローゲン
   ジェフ・ダニエルズ、マイケル・スタールバーグ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆+α>
<感想>
アップルの製品は2003年にiPodを使い始めたのを、個人的には嚆矢とする。PCに
ついてはマック党ではないものの、iphoneとiPadのない生活は考えられなくなった。
アップルとその製品が近年急速にそのライフスタイルに入り込み、生活の形を
変えていることは十分理解し尊敬もしているが、個人的にジョブズという人については
表面的な、皆さんが知っている程度のことで十分かな、と思っていた。
ドキュメンタリーも見ていたので今更映画でみなくても、と2013年のアシュトン・
カッチャー版も観ていない。世の中にはビル・ゲイツやザッカーバーグ以上にカルト的で
すらある信者が多数存在することも知っている。

そんな個人的環境下でこの映画を観た。まずアーサー・C・クラークの1950年代なのかな、
実写フィルムで伝えるコンピュータ社会がどのように社会を変えるか、の下りが、
まさに現代を予告していて驚いた。つかみはOK。それを実現してきているのがジョブスら
であるわけだ。

ダニー・ボイル監督の構成の巧さなのだが、これに続けてまるで舞台劇のように、
ジョブスの人物像を3つの新製品の発表会場で繰り広げられる会話で成り立たせる。
この状況というか設定は面白い。まず1984年のマッキントッシュの発表会、
次いで1988年のNeXTcubeの、最後は1998年のiMacの発表会。舞台はこの3つ。ここに
関わる人と状況を通じてジョブスという人物をあぶり出す手法を取った。

テクニカルタームを連発する猛烈に早いセリフの応酬は、字幕を追うのが精一杯。
あとから吹き替えで見れば良かったと反省。3つの発表会ではトラブルばかりが描かれて
行き、ジョブス個人の家庭の状況も合わせて描かれる。

定まったジョブスのキャラクター以外はないわけで、「自己中心で嫌な奴」「すぐ怒る
完璧主義者」。やはり凡人には一連のアップル製品の発想は出来ないということが
よく分かった。それは一旦アップルを追い出されたジョブスが再び戻る、という事にも
象徴されていよう。時代を切り開く天才は、どこか人格が常人とは大きくズレて
いるものなんだなあ、とつくづく思う。奇人といったほうがいいのか。
そういう意味ではこの映画の狙いとしては成功していたといえる。しかし疲れた。

かくして私たちは毎日の生活でジョブスの発想下テクノロジーを享受しているわけだ。
この映画を観て、コンピュータの父だったチューリングや、もっと前のアインシュタインも
奇人であったなあと思いだした。
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<ストーリー>
アップル社の共同設立者でデジタルテクノロジーの常識を変えた男、スティーブ・
ジョブズ。彼とその家族、関係者への約3年にわたるインタビューなどを基に、ベスト
セラーとなった記録本を原案に、ジョブズの半生を描く人間ドラマ。
鬼才ダニー・ボイルが監督を務め、ジョブズをマイケル・ファスベンダーが演じる。

1984年。スティーブ・ジョブズ(マイケル・ファスベンダー)は激怒していた。Macintosh
発表会の40分前、本番で「ハロー」と挨拶するはずのマシンが黙ったままなのだ。
マーケティング担当のジョアンナ(ケイト・ウィンスレット)はカットしようと説得するが、
ジョブズは折れない。そこへジョブズの元恋人・クリスアン(キャサリン・ウォーターストン)が、5歳の娘リサを連れて現れる。認知しようとしないジョブズに抗議に来たのだ。
公私ないまぜに緊張感が高まる中、本番15分前に何かが閃いたジョブズは、胸ポケット
付きの白いシャツを用意しろとジョアンナに指示。さらに共同創業者で親友のウォズニ
アック(セス・ローゲン)から頼まれたApple2チームへの謝辞をジョブズははねつける。
やがて自らがCEOにヘッドハンティングしたジョン・スカリー(ジェフ・ダニエルズ)に
励まされ、ジョブズは舞台へ出て行く……。

1988年。Macintoshの売上不振から退社に追い込まれたジョブズが新たに立ち上げた
ネクストの発表会。にこやかに現れたウォズニアックに、ジョブズはマスコミに自分を
批判したのはスカリーに強制されたのかと確かめる。相変わらず傲慢なジョブズに、
ウォズニアックはマシンを創り出したのは自分なのに何もしていないジョブズがなぜ
天才と言われるのかと憤慨。さらに今日の主役のNeXT Cubeはパソコン史上最大の
失敗作だと通告する。

小学校をサボって会場で遊んでいるリサをクリスアンが迎えに来る。あの騒動の後、
ジョブズはクリスアンに家を買い与え、十分な養育費を送っていた。そして本番6分前。
こっそり潜入したスカリーがジョブズの前に現れる……。

1998年、iMac発表会。2年前、業績不振でスカリーを解雇したアップルがネクストを
買収したのを機に復帰したジョブズは、現在はCEOを務めていた。ジョアンナから
莫大な売上予測を聞き、勝利の歓喜に浸るジョブズ。だが一方で、クリスアンが家を
売ることを止めなかったリサに激怒したジョブズは、ハーバード大学の学費を払わないと
リサへ宣告。ジョアンナは、ジョブズとリサが仲直りしなければ会社を辞めると
涙ながらに訴える。
一人になったジョブズの瞼にいつも自分の愛を求めていたリサの姿が次々と去来する。
本番10分前、ジョブズにウォズニアックがApple2のチームに謝辞をという頼みを蒸し
返す。10億ドルの損失を出し、破産まで90日を切っていたチームだと再びはねつける
ジョブズ。そして開始直前、リサが父への怒りを爆発させる。発表会は9時スタートを
厳守してきたジョブズだったが、そんな遅れも気にせず彼はある真実をリサに語り始
めるのだった……。(Movie Walker)

<IMDb=★7.2>
<Rottentomatoes=Tomatometer:86% Audience Score:73% >




by jazzyoba0083 | 2018-01-30 22:50 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)