ストリート・オーケストラ Tudo Que Aprendemos Juntos

●「ストリート・オーケストラ Tudo Que Aprendemos Juntos」
2015  ブラジル Gullane 103min.
監督・(共同)脚本:セルジオ・マシャード
出演:ラザロ・ハーモス、サンロラコルベリーニ、ケイケ・ジェズース、エイジオ・ヴィレイラ
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
貧乏だったり、荒れていた子どもたちが、音楽やスポーツの活動を通して、心が
洗われ、やりとげるべきことをし、成長していく、という話は古今東西、映画やテレビで
何回作られただろうか。この手の映画はいいことをしているので文句は付けづらいし、
事実、教育者と生徒たちが力を併せ、苦労を乗り越えて成功していく様を観ていると
素直に胸が熱くなるのものだ。故にこの手の映画は、いちゃもんがつけづらい。

本作はブラジルはサンパウロのスラム街にある学校に臨時雇として勤めることになった
プロの演奏家(彼も一流になりたくてオーディションを受けているがこのところ落ちて
ばっかりで自信喪失がち。生活のために臨時教師となった)が、貧乏が故のそれぞれの
子どもたちの問題点を解決し、立派なコンサートを成功させるというもの。実話である。

縦軸にスラム街のどうしようもないクズばっかりの楽団の成長の話、横軸に教師の
オーディションに向けての話という構成になっている。

こういう成功譚を2時間そこそこの映画に閉じ込めるのは、そうとう話の折りたたみ方が
上手くないと難しいのだが、本作はやはり表層を舐めたに過ぎない点がちょっと残念。
概要は分かるけど深みに欠けるというか。そして子どもたちの上達の速度が早すぎるん
じゃないかなあとも。楽譜さえ読めなかったろくな教育も受けていない子供らがあんなに
早く上手くなるかな。スラム街の子どもたちゆえ、カード偽造グループにいたり、親の
理解がない、家族の構成の問題で、中学生が家族の面倒を観なくてはならない、などの
困難があり、街のチンピラとのやりあいもある。そこはブラジルのスラムならではの
ことで、興味は引くだろう。一番バイオリンの名手だった子が、盗難バイクを運転する
友人の後ろにのっていて、警察に追いかけられ、事故で死んでしまうと、スラム中が
抗議に出て、暴動となってしまった。子どもたちは追悼の演奏会を開くことになり、
練習を重ね、見事立派な演奏を聞かせることが出来たのだ。(舞台はスラムの屋外だった
けど)

一方で州立交響楽団の主席バイオリン部門のオーデションを受けた主人公は見事パスし
子どもたちの見守る中でオーケストラのメンバーとなり演奏したのだった。彼もまた
子どもたちからいろんなことを学んだのだった。
映画の完成度というよりも、教師とこどもらの絆の心温まる映画を期待したい人には
いいだろう。但し、子どもたちを描く上での底は浅いです。(一応ギャングに睨まれた
3人は描かれるけど)エンディングに流れるブラジリアンラップはカッコイイです。
映画全体に流れるヒップホップな音楽とクラッシクの対比が物語に上手く寄り添っていて
効果的だった。
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<ストーリー>
ブラジル、サンパウロのスラム街で生まれた子供たちによる交響楽団の実話を映画化した
人間ドラマ。
音楽教師としてスラム街の学校で子供たちに音楽を教える事になった元天才ヴァイオリ
ニストが、子供たちとのふれあいを通し、音楽への自信と情熱を取り戻し、子供たちも
音楽によって希望に満ちた日々を送るようになるさまが描かれる。

ヴァイオリニストのラエルチ(ラザロ・ハーモス)は、かつては“神童”と呼ばれていたが、
今はプレッシャーに負ける大人になってしまい、サンパウロ交響楽団の演奏者の最終審査
でも手が震えて演奏すらできなかった。このままでは両親への仕送りどころか、たまった
家賃さえ払えないと、やむなくNGOが支援するスラム街の子供たちのヴァイオリン教師に
応募する。学校は殺伐とした街並みを抜けて着いた先にあり、教室は空きスペースを金網
で囲っただけ。校長(サンドラ・コルベローニ)に促され、生徒たちが楽器を弾き始めるが、
演奏以前に座り方から教えなければならないレベルだった。

携帯電話が鳴れば出る、気に入らないと喧嘩が始まる……そんななか、サムエル(カイケ・
ジェズース)という意欲的で才能のある生徒がいたが、少年院帰りのVRが授業中にスナック
菓子を買いに行くのを見て、ラエルチは遂にキレる。
しかし、校長に給料を前払いするとなだめられ、渋々我慢する。帰宅途中、二人組の
ギャングにヴァイオリンを弾いてみせろと銃を突き付けられたラエルチは見事な演奏を
披露し、二人を黙らせる。

翌日、先生が脅されたという噂は生徒たちにあっという間に広まり、ギャングを黙らせた
音楽の力に驚く。生徒たちが楽譜も読めないという事実にラエルチは怒るが、五線譜と
ト音記号から教え始める。基礎から教えられた生徒たちはめきめきと上達する。VRにも
サムエルに負けないほどの才能があった。

ラエルチは彼らの姿を見て、純粋に演奏を愛していたころの自分を思い出す。そんな矢先、
次の演奏会で最高の演奏ができなければ学校の存続は難しいと宣告され、ラエルチは
土曜日も特訓すると子供たちに告げるが、サムエルは厳格な父の仕事の手伝いがあり、
VRはギャングに借りた金を返すため怪しげな仕事をしていた。ラエルチは彼らが音楽に
集中できるよう奔走するが、思わぬ事件が起こる……。(Move Walker)

<IMDb=★6.8>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:100% Audiecne Score:67%>



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by jazzyoba0083 | 2018-02-20 22:40 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)