シェイプ・オブ・ウォーター Shape of Water

⚫「シェイプ・オブ・ウォーター Shpe of Water」
2017 アメリカ Bull Productions,Double Dare You (DDY),Fox Searchlight Pictures.123min.
監督・原案・(共同)脚本・製作:ギレルモ・デル・トロ
出演:サリー・ホーキンス、マイケル・シャノン、リチャード・ジェンキンス、ダグ・ジョーンズ、オクタビア・
   スペンサー他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
明日のオスカー発表会で全ては明らかになのでしょうけど、確かにこれはよく出来た映画。ファンタジーと
いえる。半魚人といってもほとんど人間だし、作中様々なエピソードで進行される果てのエンディングが
ああいうことなのであるならば、本作は人知の及ばない世界観の映画なのであり、この映画の基本的な思想はあのエンディングに凝縮された。
たしかに面白かったが、個人的には、「スリ・ビリボード」を観たときの圧倒的な感激はなかった。

お話も単純だし、これまで、「E・T」や「美女と野獣」などなど、ヘテロなものとの遭遇は珍しいストーリー
ではない。だがこれにトロ監督独自の舞台設定がなされ世界観が構築された。
そしてサリー・ホーキンスや(個人的に大好きでこの人が出てくると話が締まると思っている)マイケル・
シャノンなどの演技にも裏付けされ、加えて水色を画面に特徴的かつ統一的に使ったこと、一方で緑や赤も
効果的に配されたことなどが登場人物の世界観を効果的に反映していて、映像作品としてのトータルな完成度を
上げていた。

そして誰にでも分かる、このトランプ政権下であるから余計に伝わる「ヘテロ(自分とは異質なもの)の排除」の
非人間的な側面を訴え、口の聞けない女性と半魚人がコミュニケート出来るのに、同じ研究をし、口の聞ける大人
どもが意思の疎通を欠くという、なんという皮肉、ここが肝なのだろう。

「あるがままを受け入れ愛する」ことの現代における必要性が作品の時代を乗り越えてひしひしと伝わる、
なるほどこの時代設定を1962年にしたというのは、後々今日的なメッセージを強調する演出だったんだな一見アメリカンドリームの世の中のようであるが、黒人問題を筆頭として抑圧的である、戒律的道徳的であったのは
今以上なのだった。

全編で使われる歌も良い。作品や時代にフィットしている。主人公が半魚人を通して夢を見るところはまるで
「美女と野獣」だが、本作は近代劇に根ざしたファンタジーだけに、観ている人への真実的な迫り方が違うのだ。

ほとんど口をきかないサリー・ホーキンス、(結構はだかも晒してます)セリフがなくてもあれだけの感情表現を
演じることが出来るのはたいしたもの。そしてマイケル・シャノン。彼の存在が、主人公二人のカウンターとして
光を当てる重要な役割をしていたのだからだ。

演出、キャメラ、美術、役者、編集、音楽、スキのない心温まる映画。それにしても素敵な映画だった。
でも、私はオスカーには「スリ・ビルボード」を推します!
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<ストーリー>
鬼才ギレルモ・デル・トロ監督が、人間と不思議な生物の種族を超えた愛を描く、ファンタジーテイストのラブストーリー。
60年代、冷戦下のアメリカを舞台に、マイノリティが虐げられていた当時の社会情勢を反映させた物語がつづられる。
サリー・ホーキンスが過去のトラウマで声を出すことができないヒロインを演じる。

1962年、ソビエトとの冷戦時代のアメリカ。清掃員として政府の極秘研究所に勤めるイライザ(サリー・ホーキンス)は、
同僚のゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)と一緒に極秘の実験を見てしまう。研究所に秘かに運び込まれた、アマゾンで
神のように崇められていたという不思議な生きものの魅惑的な姿に心を奪われたイライザは、周囲の目を盗んで会いに
行くようになる。イライザは子供の頃のトラウマで声が出せなかったが、“彼” とのコミュニケーションに言葉は必要
なかった。二人の心は通い始めるが、イライザは“彼”が間もなく実験の犠牲になることを知る……。(Movie Walker)

<IMDb=★7.7>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:92% Audiecne Score:77% >




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by jazzyoba0083 | 2018-03-04 11:40 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)