T2 トレインスポッティング T2 Trainspotting

⚫「T2 トレインスポッティング T2 Trainspotting」
2017 イギリス TriStar Pictures ,Film4. 117min.
監督:ダニー・ボイル
出演:ユアン・マクレガー、ユエン・ブレムナー、ジョニー・リー・ミラー、リバート・カーライル
   ケリー・マクドナルド、シャリー・ヘンダーソン、アンジェラ・ネディヤルコーワ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆+α
<感想>
昨年、遅ればせながら鑑賞した前作に衝撃を受け、本作が見られるチャンスが来たら絶対に観ようと
思っていたところ、WOWOWで放送してくれたので録画して鑑賞。前作の感想は下にリンクを貼って
おきます。

さて、前作から20年が経過。最後に仲間でカッパラッた大金を一人でガメてトンズラこいたマーク・レントン
(ユアン・マクレガー)も中年のおっさんになった。開巻、ジムのランニングマシンで心臓発作を起こして
倒れるところからスタート。彼は逃亡先のオランダから、故郷のエディンバラに帰ってきた。20年前、ジャンキーで
どうしようもない仲間らも、いい年こいて全然変わってないなあ、というダメでクソな暮らしっぷり。
中年になっているから、若い時の無軌道という言い訳も立たず、むしろ痛々しい。ダニー・ボイル監督はそのあたりを本作で上手く突いている。

前作の感想で「意味のない素材に意味を与えた」と評価させてもらったが、それはそのまま残り、20年の時間の
経過が、社会の底辺で生きる(その生き方しか知らない、出来ない)男たちの生き様を晒してみせる。相変わらず、
自分で努力をせず、他人にタカり、女を働かせる、ジャンキーは直らない、人様にまとわり付いて寄生虫のように
無様に生きている。でも彼らなりに必死であることは必死であるのだ。

20年ぶりに分け前を返された仲間の一人が、「今更なんだよ、20年間をどうしてくれるんだよ」というセリフは
切実だったなあ。人生のハイライトたる時間を棒に振ってしまったのにいまさら金を貰ってもあの若い時代は
決して返らないという思い、分かるなあ。この金で何をしろというのか、ということ。その金でクスリを買うのか、
今更、ということなんだよなあ。そのことに今気がついてもね、というシニカルな見方をする人もいるだろう。

中小企業の起業に対する補助金詐欺なんかはそれだけの頭があるならちゃんとやればいいのに、と思ってしまう
のだが、彼らは絶対そうはならないのだ。とにかく自分で道を開こうとすれば暴力か詐欺などの犯罪か犯罪すれ
すれのこと。そうした事例が面白く提示されていく。キャッシュカード窃盗でキリスト教徒からカードを巻き上げる
シーンでは暗証番号が1690年のボイン川事件(カソリックとプロテスタントの戦い)にちなんでほとんど1690
だったりの仕掛けもニヤリとさせられるし、ブルガリア人(だっけ)ベロニカの語る何気ない会話も結構示唆に
富んでいたりして面白い。そういう設定は、画面(カットの方法とか)構成も含め、前作と変わらずボイル監督の
冴えが感じられる。

そしてベグビーがホテル経営を学びに大学に行く、と息子がいうのに対し、最初は大学なんて、と怒っていたが
最後には「俺達の若い頃には選択肢が無かった。無学だったから。大学を出たお前には希望がある。俺を超えて
いけ」と励ます。こんなセリフを言うなんて!そして「無学な俺らは素手で人生を掴まなくてはならないのだ」とも。嗚呼、過ぎた20年はあまりにも長過ぎた。

人生の後半に差し掛かった男たちならではの思いは、前作と全く違った側面で提示されていく。故に私ら年配の
ものには含蓄深く耳に響くセリフが多いと感じた。そしてラストは、前作からは想像出来ないような終わり方を
していく。それはそれで気持ちがいいものだけど。

クソな奴らなりの20年後を描いて痛快だったし、最後の最後、シック・ボーイのメモ書きがまさか小説になると
はねえ。
前作を観ていないと内容の把握が出来ないので、本作を単独で見た人はなんのことだか分からないのじゃないのか
なあ。というか本作の良さが分かってこないと思うのだが。
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<ストーリー>
疾走感あふれる映像とポップな音楽に乗せて、スコットランドに生きる青年たちの破天荒な日常を描き、
大ヒットを記録したダニー・ボイル監督による青春ドラマの続編。前作から20年が経ち、中年となった
主人公たちのその後がつづられる。ユアン・マクレガー、ユエン・ブレンナーら前作のキャストがそのまま
同じ役で出演する。

スコットランド・エディンバラ。大金を持ち逃げし20年ぶりにオランダからこの地に舞い戻ってきたマーク・
レントン(ユアン・マクレガー)。表向きはパブを経営しながら、売春、ゆすりを稼業とするシック・ボーイ
(ジョニー・リー・ミラー)。家族に愛想を尽かされ、孤独に絶望しているスパッド(ユエン・ブレムナー)。
刑務所に服役中のベグビー(ロバート・カーライル)。モノ分かりの良い大人になれずに荒んだ人生を疾走する
彼らは20年の時を経て再会する。そんな彼らが選ぶ未来とは……。(Movie Walker)

<IMDb=★7.3>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:79% Audience Score:78% >




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by jazzyoba0083 | 2018-03-17 23:10 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)