LOGAN/ローガン Logan

⚫「LOGAN/ローガン  Logan」
2017 アメリカ 20th Century Fox. 138min.
監督・原案・(共同)製作・脚本:ジェームズ・マンゴールド
出演:ヒュー・ジャックマン、パトリック・スチュワート、リチャード・E・グラント、ボイド・ホルブルック他
e0040938_19402561.jpg
<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
アメコミの快活なヒーロー感とは趣を異にした、影の部分を描くもの。しばらくは、日本の戦隊モノに
影響を受けたアヴェンジャーズのような全員集合、役者だけでみせちゃいます、的な時代が続いていたが、
このところ、それはそれとして、アメコミの分かりやすい原点回帰のような作品が続いているのでファンとしては
嬉しい。本作も私としてはヒース・レジャーが一躍その名を売った「ダークナイト」以来の、アメコミの別の
側面を切り開くものとして興味深く観ることが出来た。

「X-MEN」ウルヴァリンのスピンアウトであるが、ウルヴァリンとエクゼビアの最後の戦いとなる。ヒーローは
死なないという少年的アメコミのアプローチではなく、極めて人間的な(ミュータントだけど)、内省的とは
ちょっと違うが、うん、やはり人間的な物語として観ることが出来、その面でいわゆるアメコミ・ヒーローモノと
は一線を画した作品ということが出来よう。こうした作品を待っていたファンも多いと見えて本国の評価は極めて
高い。こんなんだったらシネコンで観れば良かったと反省した次第。

物語としても分かりやすく、ローガンとエクゼビアの「老い」と、ローガンのDNAからクローンとして誕生した
娘と息子らとの世代交代も描いていく。
時代は2029年。ミュータントはほぼ絶滅し、ローガンとエグゼビアも歳をとり、今やローガンは車椅子の
エグゼビアを匿いつつ、リムジンの運転手をして口に糊している。そこにローガンに助けを求める女性が
現れるのが物語の始まり。彼女はある組織がミュータントのDNAからクローンの子供を兵器として「製造」
していて、母体となったメキシコ人は殺されているという事実を知る。彼女が連れてきた少女はローガンの
DNAからクローン化されたミュータントで、ローガンと同じくアダマンチウムの爪を武器としていた。

逃亡した彼女らを追いかけて来た追っ手は、エグゼビアの抹殺も目論む。助けを求めに来た女性は追っ手に
惨殺されてしまう。ノースダコタに「エデン」と名付けられた、組織から逃亡した子供らがいるところがある
からそこへ行き、子供らを更に逃してほしいと頼まれていたのだった。

追っ手との壮絶な戦いを経て、自らもアダマンチウムの毒と老いでかつての力も回復力もなくなったローガンは
「エデン」へと向かう。追っ手の追跡も苛烈を極める。若い頃のウルヴァリンそっくりなクローンも襲いかかって
来る。
超能力を持った子供らの力もあり、追っ手を排除できるのだが、ローガンは回復機能がほぼなくなってしまって
いる中で深手を負い、「娘」ローラの腕の中で息絶える。子供らは国境を目指して進んでいった。

ローガンの老いたなりの戦い、そして「娘」ローラの足からも出る爪も武器にした戦い、さらに「息子」と
思しきミュータントとの戦い、そこから見えてくるのは「情」の世界。全然口をきかなかったローラがローガンの
死に際しては涙を流して悲しむ。そこにはクローンとはいえ、「親子」の「情」が通っている。それに対応
するように、同じDNAから作られたローガンそっくりな男性版の「非情さ」を際立たせている。そうした若い
チカラの誕生を見届けるように、ローガンとエグゼビアは舞台を降りるのだ。ウルヴァリンの痛快なアクションの
時代は終わり、ローラたち若い世代が、新しいX-MENを形成するようになるのだろう。
追ってから逃げる途中である家族に助けられる場面がある。なんで巻き込むのか?と怪訝に感じたが、結局家族は
殺されてしまうのだが、彼らとの交流もミュータントとしての「情」の表現に他ならない。

アラン・ラッド「シェーン」のラストシークエスをテレビでローラが観るシーンが有り、ラストもそのオマージュと
して終わっていくあたり、こりゃ、大人の映画だな、と思った次第。アダマンチウム弾の最後の活躍ぶりも
お見事である。

アメコミ映画だが、なかなか見ごたえがある。
e0040938_19405596.jpg
<ストーリー>
 「X-MEN」シリーズの中でヒュー・ジャックマンが17年にわたって演じてきた人気キャラクター
“ウルヴァリン”の最後の戦いを描くヒーロー・アクション。治癒能力を失い、老いから逃れられなくなった
ウルヴァリンことローガンが、絶滅寸前のミュータント唯一の希望となる少女を守るために繰り広げる壮絶な
死闘の行方を、迫力のアクションとエモーショナルな人間ドラマで描き出していく。
共演はパトリック・スチュワート、ダフネ・キーン。監督は「ウルヴァリン:SAMURAI」に引き続き、
「ニューヨークの恋人」「3時10分、決断のとき」のジェームズ・マンゴールド。

 すでにミュータントの大半が死滅した2029年。超人的な治癒能力を失いつつあったローガンももはや不死身の
存在ではなく、長年酷使してきた肉体の衰えは火を見るよりも明らかだった。彼はリムジンの運転手で日銭を稼ぎ、
メキシコ国境近くの寂れた荒野で年老いたチャールズ・エグゼビアの面倒を見ながらひっそりと暮らしていた。

ある日、ガブリエラという女性が現われ、謎の少女ローラをノースダコタまで送り届けてほしいと依頼する。
そんなローラを追って冷酷非情な男ピアースが武装集団を率いて迫り来る。ローガンは渋々ながらもローラ、
チャールズとともに、過酷なアメリカ大陸縦断の旅に出るのだったが…。(allcinema)

<IMDb=★8.1>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:93% Audience Score:90% >





トラックバックURL : https://jazzyoba.exblog.jp/tb/27168716
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
by jazzyoba0083 | 2018-03-27 23:20 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)