ハート・ロッカー The Hurt Locker (名画再見シリーズ)

●「ハート・ロッカー The Hurt Locker」(名画再見シリーズ)
2008 アメリカ Voltage Pictures,Broad Media Studio,131min.
監督:キャスリン・ビグロー  脚本:マーク・ボール
出演:ジェレミー・レナー、アンソニー・マッキー、ブライアン・ジェラティ、レイフ・ファインズ、
   ガイ・ピアース、デヴィッド・モース他。
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<評価:★★★★★★★★★☆>
<感想>
初見からもう8年も経ってしまったんだなあ。この映画に描かれた世界はなんら変わっていない。残念なことに。
WOWOWでオスカーの時期になると、過去の受賞作品をまとめて放映してくれるのだが、個人的にその年の
ナンバー・ワンに推したこともあり、もう一度観てみてみた。

流石に良く出来ていることを改めて実感した。「ハート・ロッカー」とは初見の時にはそのタイトルの意味も
深く考えなかったのだが、今回調べてみれば、米軍の言葉で「極限まで追い詰められた状態」あるいは「棺桶」を
意味するという。本作に当てはめてみれば、どちらでも嵌まるという感じだ。主人公が着る「防爆服」の
あだ名かもしれない。

初見の時の感想は下にリンクを貼っておくが、今回観た感じよりもう少し深い部分を覗けたのではないか、と
感じている。作品の冒頭に、「戦争は麻薬である」と表記されるが、主人公ジェームズ(ジェレミー・レナー)の
ありようは、まさに「戦争という麻薬」に心身ともにどっぷりと使ってしまい、それが麻痺し、日常化した
人間だ。そうした人間を作り出す戦争というものを、爆弾処理という極めて緊張した空気の中に「ありうるもの」
として描かれている点が優れているのだと思う。

また、部隊の活動や戦闘を見ていると、所詮戦争とは局地的には個人の生命のやりとりであり、その瞬間には
国家も主義主張や宗教もなにもない、個人が生きるか死ぬか、主義に沿うか沿わないか、だけのことなのだな、と
いうこと。最後の方で、体に爆弾を巻かれ時限装置を付けられた男をジェームズがなんとか救おうとするシーンが
ある。これも冷めた目でみれば、ジェームズが家族持ちのこの男を芯から救いたいと思っているのではなく、
爆弾に負けたくない、ただそれだけのことなのではないか。ただ時間切れで、助けることは出来なかったのだが。

ビグローの描く本作の世界には、戦争に置ける「個」のありようというものをつくづく考えさせられた。





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by jazzyoba0083 | 2018-03-28 23:15 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)