僕と世界の方程式 X+Y

●「僕と世界の方程式 X+Y」
2014 イギリス BBC Films. 111min.
監督:モーガン・マシューズ
出演:エイサ・バターフィールド、レイフ・スポール、サリー・ホーキンス、エディ・
  マーサン、ジョー・ヤン他。
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
★は6.5。最近、この手の「他人とは違うこと」をどう受け入れるのかを感がせさせる
作品が目につく。それは冒険ものから恋愛もの、実話ものまで、幅広い。ということは
この世の中が、いかに不寛容になっているかの証左であろう。確かに「同調圧力」は
強く、マイノリティを阻害することで自分の存在を確認することしか出来ない幼稚な
思想しか持ちえない人間が多くなっていることは確かだ。
この春のオスカー主要作品を見ても、この度のカンヌ映画祭パルム・ドールに輝いた
是枝裕和監督作品「万引き家族」にせよ、底辺に流れているのは、多様性を認めていく
ことの肝要さを訴えている。

そうした流れの中で、本作は極めて分かりやすいストーリーを通して、主役本人が
「他人とは違うこと」を認めて、それを乗り越えていく姿を観ることが出来る。
主人公ネイサン・エリスは自閉症の男子高校生であり、人と接することが苦手。
親ですら。そのかわりに数学に秀でている。数学と対話しているほうが気が楽なのだ。
父親は「お前は他と違っている。だがそれは悪いことではない。数学が強い。
むしろ人とは違って優れているともいえる。人を愛することだけは忘れるな」と
彼を理解し、励ます。だがその父を交通事故で失い、更に自らの殻に閉じこもる。

彼を理解するALS患者の先生、そして世界数学オリンピックの選手に選ばれ、台湾で
合宿中に中国チームのチャン・メイという少女と出会う。彼女と接しているうちに
数学の世界に生きる自分と違う自分がいることに気がついていくネイサンであった。

彼の心を自然と開いて行かせたのは、彼を理解し赦し、愛する人々であった。それは
母でありチャン・メイであり、教師であり、亡き父の教えであった。つまり彼を
あるがまま受け入れて、理解し愛する人。特にチャン・メイの存在。
一見易しそうでいて実は難しい自分とは違うことを受け入れる心。でも誰でも
「人とは違って当たり前」という普遍的なことなのだけれど。
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<ストーリー>
「ヒューゴの不思議な発明」のエイサ・バターフィールド主演による実話を基にした
ドラマ。数学の理解力に突出した才能を持ちながらも、心を閉ざし続ける少年ネイサン。
だがある数学教師の尽力により、彼は国際数学オリンピックのイギリス代表の一人に
選ばれる。

イングランド中部シェフィールド。大好きだった父マイケル(マーティン・マッキャン)を
事故で亡くし、母ジュリー(サリー・ホーキンス)や周囲に心を閉ざしてしまった少年
ネイサンは、他人とのコミュニケーションが苦手な反面、数学の理解力に関しては
飛びぬけた才能を持っていた。

ジュリーは、普通の学校に適応できない息子の才能を伸ばそうと、数学教師マーティン
(レイフ・スポール)に個人指導を依頼。数年後、マーティンの献身的な教育の成果もあり、
ネイサン(エイサ・バターフィールド)は国際数学オリンピックのイギリス代表チームの
選抜候補に選ばれる。代表チーム監督リチャード(エディ・マーサン)の指導のもと、
台北でのトレーニング合宿に参加することになったネイサン。

その合宿は、イギリス最大のライバルである中国チームと合同で行われ、ネイサンは
そこで中国チームの美しく聡明な少女チャン・メイ(ジョー・ヤン)とパートナーを組む
ことになる。彼女と共に学ぶ日々は、数学一色だったネイサンの人生をカラフルに変え、
彼を大きく成長させていく。そしてネイサンの心にはこれまで経験したことのない感情が
芽生え始めていた。
やがて台北合宿は終了、イギリスチーム、中国チームともに国際数学オリンピック本番の
ためにイギリスのケンブリッジ大学トリニティ・カレッジへと向かう。
だがオリンピック当日、ネイサンは人生最大の選択を迫られることになるのだった……。
(Movie Walker)

<IMDb=★7.2>
<Rotten Tomatoes=No Data>






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by jazzyoba0083 | 2018-05-21 23:10 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)