ワンダー・ウーマンとマーストン教授の秘密 Dr.Marston and the Wonder Woman

●「ワンダー・ウーマンとマーストン教授の秘密 Dr.Marston and the Wonder Woman」
2017 アメリカ Boxspring Entertainment,Stage 6 Films,Topple Productions.108min.
監督・脚本:アンジェラ・ロビンソン
出演:ルーク・エヴァンス、レベッカ・ホール、ベラ・ヒースコート、JJ・フィールド他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
MARVEL映画好きとして不覚ながら本作を知らなかった。MARVEL作品じゃないけど。
欧州からの帰国便で観たのだが、タイトルからして、一連のワンダー・ウーマンものか、
と思っていたら、さにあらず。これは飛行機の中で観るのもいささか憚れるほど、過激な
性描写がある実話モノだった。日本では劇場未公開。

個人的にはワンダー・ウーマンが誕生する裏にこうした興味深い物語があったのか、と
面白く見ることが出来た。マーストン教授と妻のエリザベスは、ハーバード大学の心理学で
教鞭を取る学者であった。そして教授の教え子で助手を務めることになったオリーブとの
3者の不思議な恋愛関係がメインに描かれ、その結果として教授が創造したワンダー・
ウーマンの話へと展開していく。

夫妻は自由恋愛主義であったが、やはり嫉妬は生まれるわけで、妻エリザベスが疑った夫と
オリーブとの関係、実はオリーブは妻エリザベスに強く惹かれていて、同時に教授にも
恋愛感情を抱く。そのことが事態をややこしくしたが、結局3人は教授↔オリーブ↔エリザ
ベス、教授↔エリザベスという恋愛関係を維持した生活を始める。(ポリアモリーという)
オリーブは助手として教授の世界初の「嘘発見器」製作やDISC理論の成功に貢献したが
大学当局に三人の関係がばれて、夫妻は教授職をクビになってしまう。

やがて、オリーブは教授の子どもを産み、更に子どもを作らなかったエリザベスにも子どもが
出来る。父親は同じだが母親は違うという不思議な家庭が出来上がり、そうした関係を維持し
たまま時間が経過するのだが、やがて教授夫妻とオリーブの倒錯した性的指向(教授の理論を
実践する目的ではあったのだが1930年代なので、とんでもないことだった)が近隣にばれる
に及び、一家にヒビが入って行く。

教授はそもそも女権拡大の観点からワンダー・ウーマンというコミックの原作を書き苦労して
出版にこぎ着けた。女性ヒーローという当時としては大変珍しいコミックは大ヒット。
しかし、作品中にSMもどきの行為や性的に倒錯した表現が多数登場したため、母親連盟や
保守的な宗教団体などから指弾され、ついには焚書に晒される事態になってしまった・・。

映画はコミックのワンダー・ウーマンが子どもにとってよろしくない書物であるという
観点でコミック誌を監視する児童学習協会の女性会長から教授が諮問を受けるところから
スタートし、いかに教授がワンダー・ウーマンを創作するに至ったのか、がカットフォワード
されつつ説明されていく。

ワンダー・ウーマンという存在が、教授の女性研究と女性解放という研究の観点から
生まれ、これにオリーブやエリザベスと自分の関係性が主観的に加味されたものである、
単なるコミックではない点に理解が及ぶ。その背景にポリアモリーという常ならぬ状況が
あったのは、意外な発見だった。

教授は不治の病に冒されていくのだが、残されるオリーブとエリザベスにお互いを愛し
続けてくれと頼むのだった。実際彼女らは教授の死後38年間も共に生活を続けたのだ。
4人の子供らは自分らが置かれた状況を理解しつつ、きちんと育っていった。

1930年代における心理学とコミックという一見結びつきそうでないものが、特殊な
恋愛関係を通って結実するという物語、セリフも映像も良く出来ていたし、事実は
小説より奇なり、という言葉がそのまま使える佳作である。
今度、ガル・ガドットのワンダー・ウーマンを観るとこの映画のことが思い浮かぶのだろう。
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<ストーリー>
1928年、ハーバード大学で心理学の研究をしていたマーストン夫妻(ウィリアムとエリザ
ベス)は、オリーヴ・バーンを助手に採用した。オリーヴはフェミニストの活動家として
有名なエセル・バーンの娘であった。オリーヴは嘘発見器の開発やDISC理論の研究を大いに
助けた。一緒に仕事をしているうちに、3人はどんどん親密な関係になっていった。その関係
はやがてポリアモリーに至った。

3人の特殊な関係が大学内で噂になったため、マーストン夫妻は教授職をクビになってしま
った。その直後、オリーヴの妊娠が判明したため、彼女はマーストン夫妻と同居することに
なった。3人はポリアモリーの続行を決めたが、周囲にそれがバレないような振る舞いを
心がけた。
3人はニューヨーク郊外で幸せに暮らしていた。エリザベスとオリーヴが同時に妊娠する
というハプニングも起きたが、「オリーヴは未亡人なのです」と近所の人たちに釈明して
難を逃れた。
やがて、ウィリアムは作家としてのキャリアを歩み始めたが、一家の生計を支えたのは
秘書として働くエリザベスであった。オリーヴは子供たちの面倒を見る傍ら、小説を執筆
してそれを出版社に送付していた。3人は4人の子供を育てることになり、エリザベスは
娘の一人にオリーヴにちなんだ名前を付けた。

ウィリアムは偶然立ち寄った画廊に展示されていた作品に衝撃を受けた。店主のチャールズ・
ギエットが集めたフェティッシュ・アートがウィリアムのDISC理論を実証するようなもの
だったからである。当初、エリザベスはそうした作品を拒絶していたが、作品にインス
パイアされた衣装を身につけたオリーヴの美しさに心を打たれ、徐々に態度が軟化して
いった。この衣装は後にダイアナのコスチュームに反映されることになった。

作家としての仕事の依頼が来るようになったウィリアムは、アマゾーンをモデルにした
ヒロインを主人公にした漫画を執筆し始めた。漫画の執筆に当たっては、ウィリアムの
心理学者としての知見と3人のポリアモリー生活が大いに役立った。また、ウィリアムには
男女同権を目指すフェミニスト運動を支援したいという思いもあった。
彼はナショナル・ペリオディカル出版のマックス・ゲインズに企画を持ち込んだ。ゲインズは
漫画の出来映えに驚嘆し、同社から出版する決断を下した。その際、ゲインズはウィリアムに
「主人公の名前をもっと単純にしてはどうでしょう。例えば、ワンダーウーマンとか。」と
提案し、ウィリアムはそれに同意した。それが功を奏したのか、『ワンダーウーマン』は
大ベストセラーとなった。その印税収入でマーストン一家の家計は一気に潤った。
しかし、予期せぬ事態が発生したために、マーストン一家の人間関係は急激に悪化していく
こととなった。(wikipedia)

<IMDb=★7.1>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:87% Audience Score:78%>









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by jazzyoba0083 | 2018-05-18 13:30 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)