イースター・パレード Easter Parade (名画再見シリーズ)

●「イースター・パレード Easter Parade」
1948 アメリカ Metro-Goldwyn-Mayer (MGM) 103min.
監督:チャールズ・ウォーターズ  製作:アーサー・フリード 作曲:アーヴィング・バーリン他
出演:フレッド・アステア、ジュディ・ガーランド、ピーター・ローフォード、アン・ミラー、ジュールス・マンシン他
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<評価:★★★★★★★★★★>
<感想>
名画再見と称したが、もう何回観たかなという大好きなミュージカル映画。身近に有り過ぎで当ブログにも
アップしていなかった。市の開催する月イチの映画鑑賞会、今回の出し物がこれだった。DVDも持っている
けど、やはりテクニカラーを大画面で観てみたいと出かけてみた。果たして迫力が全然違うなあ。銀幕は。

上映前に講師の先生からこの映画についての解説がなされるのだが、本作は製作されたのが太平洋戦争が終
わって3年後。日本公開が1950年なので、まだ焼け跡が残っていた頃で、日本がまだまだ敗戦後の貧乏の
どん底で喘いでいた頃、日本にはアメリカからカラー映画を購入するような外貨はなく、占領軍のお目
こぼしを受けて本国から2年遅れでの公開となった。そこに映し出された夢のような「総天然色」の世界は、
当時の日本人にとっては誠に夢の世界そのものであり、異国の文化に圧倒されたひとときであった、という
ことだ。当時を知っている年齢の先生なので、間違いはなかろう。さらに本作はMGMミュージカルが日本で
公開された第一号なのだそうだ。

フレッド・アステアは数々の名作ミュージカルにジンジャー・ロジャースらと出演、1946年封切りの
「ブルースカイ」をもって引退を表明、全米に「フレッド・アステア ダンススクール」を開設し
後進の指導に当たっていた。しかし、本作に当初キャスティングされたジーン・ケリーが足首を痛め
出演不可となり、急遽MGMに乞われて出演した。しかしまさに怪我の功名、本作はアステアを代表する
一作となったのだった。

相手を務めるのが、当時26歳、その歌声も脂が乗りきっていた頃のジュディ・ガーランド、そして本作
からMGM専属となったダンスの名手アン・ミラーだ。
監督は後年「上流社会」などをモノする、みずからもブロードウェイのダンサーであったチャールズ・
ウォルターズ。MGM一作目である。さすがはダンサー出身だけあってツボを心得たダンスシーンの美し
さとダイナミックさ。そしてアステアのダンスでは当時珍しかったスローモーションを使うなど、斬新な
テクニックも使われている。さらにテクニカラーがまた美しい。

ところで、本ブログのタイトルをご覧になってもおわかりと思うが、私は1930年代から60年代頃の
ハリウッド製ミュージカル映画が大好きで、特にMGMの諸作品はVHS~DVD~Blue-rayに至るまで
コレクションを持っている。また20世紀フォックスのリチャード・ロジャーズ、オスカー・ハマー
スタイン二世のペンになる楽曲が使われる「南太平洋」「サウンド・オブ・ミュージック」なども
大好きだ。
この世界に没入したのは、そもそもジャズが好きで、そのスタンダードの多くがブロードウェイ・
ミュージカルが原典となっていると知り、それならば原典に接しなければ、と観始めたら虜に
なってしまったというわけだ。

左様に、この手の映画には甘い評価となるが、本作は映画史に残る傑作といっていいと客観的に思う。

復活したとはいえアステアはまだこの時49歳。そのダンスの切れはまだまだ輝いていて、アン・ミラーを
相手にしても若いジュディ・ガーランドを相手にしても、またソロを取らせても超一流の至芸を
鑑賞できる。
まさに「That's Entertainment!」である。映画の愉しさに満ち満ちた作品といえよう。今の時代には
そぐわないかも知れないが、物語も後年「ゲームの達人」で一世を風靡するシドニー・シェルダンらが
加わって作られていて、ちゃんとしている。エヴァーグリーンの一作である。
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<ストーリー:結末まで書かれています>
「ブルー・スカイ(1946)」をお名残に引退を声明していたフレッド・アステアを花々しくカムバックさせ、
ミュージカル物の大スターにのし上っていたジュディ・ガーランドと組んで主演させた音楽映画で、
「スイング・ホテル」と同じくアーヴィング・バーリンが作詞作曲している。
ストーリーはフランセス・グッドリッチとアルバート・ハケットの夫婦脚本チームが書きおろし、チームが
更にシドニー・シェルダンと協力して脚色し、「グッド・ニュース」に次いでチャールズ・ウォルターズが
監督に当たり、「愛の調べ」のハリー・ストラドリングが撮影してテクニカラー色彩映画で、ミュージカル
場面はロバート・アルトンが演出している。
主役2人を助けて、「下町天国」のピーター・ローフォード、「恋のブラジル」のアン・ミラー、映画初出演の
舞台喜劇俳優ジュールス・マンシュイン、クリントン・サンドバーグ、ジェニー・ルゴン等が出演する。
アーサー・フリード製作の1948年作品。

1912年。イースター・サンディを明日に控えた日に、ダンサーのドン・ヒューズはパートナーのナダイン・
ヘイルが彼とのパートナーを破って、好条件の契約をしたことを知ると、折柄来合わせた親友ジョナサン・
ハーロウの止めるのも聞かず町にとび出してしまった。
ドンの後を追ったジョナサンは酒場で苦い酒をのんでいる彼を発見した。ドンは口惜しまぎれに、かつて
ナダインをコーラス・ガールの中から見つけて自分のパートナーにしてやったように、酒場のどんな踊り子
でもナダインくらいのパートナーに、直ぐ仕立ててみせると云って、折柄酒場の舞台に立った踊り手ハンナに
彼の名刺を渡した。

翌朝、ドンは昨夜のでたらめに後悔したが、ハンナが来たので仕方なく練習を開始した。然しハンナは踊りの
基本も知らず、憂欝になってしまったドンが外に出て見ると、町はイースター・パレードで賑っている。
カメラマンたちに取りかこまれている女性はナダインだった。それを見たドンは失いかけた闘志を再び揮い
起こし、来年のイースターはハンナを必ずプリマドナにして見せると心に誓った。

チームを破ってジーグフェルドと契約したナダインは大成功だった。苦労しつつハンナを訓練して、ドンと
ハンナのチームは遂にうまく行くようになり、2人が踊り歌った「ラグタイム・バンド」は大成功で、
ジーグフェルドから契約交渉が来たが、ナダインと一緒に舞台に立つことをいさぎよしとしない彼は断然けった。

興行者デリンガムと契約した2人は、ボストン、フィラデルフィヤ等でロード・ショーを行ない、イースター・
サンディの前日に、ブロードウェイに進出することになった。ロード・ショーは大成功だった。気づかわれた
ブロードウェイでもドン・ハンナのチームはうけた。その夜2人がジーグフェルドの宴に臨むと来客は2人に
祝福をおくったが、これを見て心動かされたナダインは巧みにドンをハンナから引き離すと彼を独占して
しまった。

ドンを心から愛するようになったハンナは、かねてからドンがやはりナダインを愛しているのではないかと
心を苦しめていたが、此の様を見ると1人アパートへ帰ってしまった。一方やっとナダインから解放された
ドンは、愛するハンナを探し廻りアパートに訪ねたが、彼女は鍵をかけて入れなかった。
彼は外から誤解を訴えた。初めはナダインを取り返すために君とのチームを始めたんだが、君が一番
すばらしい女性であることが判ったんだ。
一夜明ればイースターの日曜日、誤解のとけた2人は「イースター・パレード」の歌を合唱して、満都の
拍手と喝采をうけた。(Movie Walker)

<IMDb=★7.5>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:90%  Audience Score:86%>




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by jazzyoba0083 | 2018-06-16 12:00 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)