セラヴィ! Le sens de la fête (C'est la Vie)

●「セラヴィ!  Le sens de la fête (C'est la Vie)」
2017 フランス Canal+,Ciné+,TF1 and more. 117min.
監督・脚本:エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ
出演:ジャン=ピエール・バクリ、ジル・ルルーシュ、ジャン=ポール・ルーヴ、ヴァンサン・マケーニュ、アイ・アイダラ他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
「最強のふたり」のトレダノ&ナカシュの新作だ。結婚式を巡る群像劇。タイトルの「C'est la vie」とはフランス語
会話でよく出てくる「これが人生ってもんよ」というようなニュアンスだし、もう一つの「Le sens de la fête」は
「人生の意味」という"どストレート”なもの。まあ、そうストレートに言われてもなあ、という感じの映画であるが、
いかにもフランス映画らしいヒューモアとウィットに富んでいて、悲喜劇が多人数の中で上手く描かれていた。

上手く行くと思っていたことが、そうも行かなかったり、期待した人がそうでもなかったり、怪我の功名だったり、
裏切られたり、人の気持ちをさっぱり理解してくれなかったり、やる気があるのかないのか、分からなかったり、
何を誰を信じて良いのか、迷うばかりであったりと、まったく人生の縮図、「これが人生ってやつか!」と言いたくも
なる物語の一部始終だ。このコンビ監督のエンディングらしく、ほろりとしてピリッとするちょっとビターな
エンディングも良い感じだ。

いろいろと出てくる人物のうちでやはり魅力的であったのは主人公のマックス(ジャン=ピエール・バクリ)。
禿頭で、それでも60歳前後の設定なのかなあ、(役者の実際は66歳)とてもウエディングプランナーとは思えない
風貌の冴えない中年男。でも従業員の40がらみの女性と不倫関係にあったりする。

さて、そのマックスが17世紀のお城で開かれる大掛かりな結婚披露宴のコーディネイトを任され、彼の会社の
従業員ら(その都度集合をかける不定期雇いのスタッフのようだ)が準備を始めるのだが、パキスタンの登録
されていない労働者がいたり、バイトの憲兵がいたり、急遽入れ替わったバンドが好き勝手をしたり、最近の
結婚式のiPhone写真を目の敵にしているウェディングフォトグラファーがいたり、もうてんやわんやで、
リーダーのマックスの言うことなど聞きやしない。

それでも結婚式は始まる。フランスの結婚披露宴がどんなものか知らないけど、午後から明け方までやるみたいだね。
これを時系列的に起きる事件をある人物に焦点を当てながら描いていく。みなユニークな面々なので話題には
事欠かない。この脚本の上手いところは、披露宴を取り仕切る多くのスタッフの個性に、物語の大筋を動かす
伏線を与え、その回収過程において、さらなる大事件がドッカンボッカンと起きていく面白み。

マックスに取って、勝手ばかりいって言うことを聞かないスタッフも困りものだが、更に無理難題をふっかけてくる
クライアント(新郎だったり参加者だったり)も頭に来ることばかり言ってくる。

最大の事件のうちの一つが、あるスタッフにヒゲを剃れと言ったのだが、そいつが電気シェーバーを使うため
保冷車のプラグを抜いたため、ラムが腐り、多くのスタッフが下痢で倒れ、さらにメインとして客に出せなくなった事。
そこはパイと炭酸をたくさん客に供して腹持ちを良くし、その間に街に出て、新しい食材を親しい友人の助けを借りて
仕入れてくるという荒業で切り抜ける。
さらに、披露宴のハイライト、新郎が大きな月の画が描かれたバルーンに乗って上昇し、上空から新婦に愛を告げる
という仕掛け。下でロープをひく役の黒人女性のチーフと臨時バンドのボーカルジェームズが手伝ったのだが、
コイツラが急に恋に目覚め、見つめ合ってキスしている間に、バルーンははるか上空に去っていってしまった・・・。

さらにどうやら不法就労を査察しに係官が来ているらしい、という事件も勃発。さて、マックスはどうして事を収める
のか。

冒頭から、ウディ・アレンの映画もぶっ飛びそうな、怒涛のセリフ。その中にユーモアや人を食ったセリフがちりばめ
られていて、アクションもセリフと共に動くので、セリフ劇、という感じはない。むしろ、機関銃のように連発される
会話を楽しんでいる自分に気がつくという塩梅だ。

この一夜の披露宴を通して、主人公マックスも、自分の人生にある区切りをつける決心をする。だからこの披露宴は
マックスの人生に変化を与えるある種のエンジンのような役割を担ったことになるのだな。人生、いろいろあるけれど
上手く行かない人生も、どこかで決着を付けて次に進まないとラチは開かないんだよね、と言っているようだ。

なかなか楽しい映画を見せてもらった。ハリウッドの群像劇とはまた違う、欧州テイストに溢れた笑いと感動の一編。
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<ストーリー>
ウェディングプランナーとして30年間、数えきれない結婚式をプロデュースしてきたマックス(ジャン=ピエール・バクリ)。
近頃“引退”の二文字が頭をよぎる彼は、ピエールとヘレナというカップルからの依頼で、17世紀の城を舞台にした豪華絢爛な
結婚式を控えていた。
舞台は、かつてルイ13世が所有していたパリ郊外にあるフォンテーヌブローの近くのクランス城。ウェイターやキッチン
スタッフを雇い、カメラマンやオーケストラもきちんとブッキング。会場を彩る花やスタッフの衣裳、出席者の席順など、
細かな演出も完璧にセッティングし、マックスはいつも通り式を成功させるための準備を整えていた。

だが、マックスのそんな努力も虚しく、迎えた結婚式当日、全てがことごとく大失敗。シワシワなシャツにおかしなヒゲのウェイター、
新婦を口説き始めるスタッフ、ワンマンショー気取りのオーケストラ……。その上、カメラマンはお喋りとつまみ食いを繰り返し、
感動的になるはずだった式は、マックスの完璧なプランとは正反対の大惨事と化してしまう……。
様々な思惑と人生が交差する結婚式。果たしてマックスたちは、無事に式を終えることはできるのか……?(Movie Walker)

<IMDb=★6.9>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:76% Audience Score:63%>








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by jazzyoba0083 | 2018-07-15 17:50 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)