ミッション:インポッシブル/フォールアウト Mission:Impossible-Fallout

●「ミッション:インポッシブル/フォールアウト Mission:Impossible-Fallout」
2018 アメリカ Paramount Pictures,Skydance Media,TC Productions,Bad Robot. 147min.
監督・脚本:クリストファー・マッカリー
出演:トム・クルーズ、ヘンリー・カヴィル、ヴィング・レイムズ、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン
   ショーン・ハリス、アンジェラ・バセット、ミッシェル・モナハン、アレック・ボールドウィン他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
いやあ、56歳のトム・クルーズ、頑張ってますねえ。吹き替えなしのスタント、ヘリの操縦、7000メートル
からのHALOジャンプ(High Altitude Low Opening)、実際に骨を折っちゃった高さ70メートルのビルの
屋上からのジャンプ、パリの中の全力疾走、カーチェイス、バイクチェイスと、いつのまにやら「M:I」
シリーズは、トムの生身のアクションを愉しむ映画になっていたのだなあ。

上映を終えて、それなりの満足感の中、一緒に行ったトムファンの奥さんに「スジ、分かった?」と尋ねた
ところ、「全然」と。私も、どうも話の内容が頭に入ってこなかった。で、家に帰りネットのまとめサイトで
あらすじの全貌を再度読んでみたけど、それでもよく分からないのだ。

で、こういう時は敬愛する町山智浩氏が何を語っているか、チェックしてみようとTBSラジオ「たまむすび」の
町山さんの映画コーナーで本作を取り上げている回の聞き起こしを読んでみて、「なるほど!」と膝を叩いた
次第だ。

以下、町山さんの私見も入っているだろうが、カリフォルニアに住み、関係者へのインタビューもある彼の
話は説得性があるので、それを私の感想に重ねて考えてみたい。
本作の分かりづらい点の第一は、「トムがやりたいアクションをまず先行させ、それを撮影してからシナリオを
書いていく」という映画の作り方がある。トムが7000メートルから飛び降りたい、ヘリを操縦して追跡シーンを
撮りたい、ビルの間をジャンプしたい、そういうアクションのパーツを取っておいて(もちろん主要な
キャスティングと大きな流れは決まっているのだろうけど)、細かい話は後から「こじつけていく」という
スタイルだ。昔ジャッキー・チェンがやっていたやつ。

そうするとどういうことが起きるかと言うと、話の展開に無理と分かりづらさが出てくる。実際、出演者の中には
「自分がやっている役はいい人なのか悪い人なのか、分からなくなった」と語る人も出るくらい。それと、いくら
大金と危険を投入して撮影した大掛かりなアクションシーンも、ストーリーにどうしても入らなくなるものは
カットしなくてはならい事態となる、ということ。(実際、予告編で出来て来たシーンがいくつか消えていた)
だから、この映画はBlue-ray版が出た時の特典映像こそ面白いのではないか、と町山氏は指摘している。
私も誰が誰が味方で誰が敵なのか分からなかった。
加えて2つ目の分かりづらい点は、この映画が前作「ローグネーション」の続編のような展開だから、
前作を見ていない人、または観ても内容を忘れていた人(←私みたいな)には、話が見えづらい。

結局、つじつま合わせのストーリー(監督が脚本を書く、というのはその辺りの自由度がないと映画にならない
からだろう)が「雑」で分かりづらくなる。見どころはなんと言ってもトムの危険を顧みない生身のアクションだ。
この映画を見に来る人はそれを楽しみに来るんだろうと思うから、それはそれでいいし、トムの命がけのアクションや
この際、ヘリの操縦免許さえ取得し、山岳エリアで錐揉み操縦をしてしまうというような努力と勇気は大いに
買いたいし、ウソがないからそれらのシーンはやはり「迫真」であり、面白く、息を飲む。
(ちなみにトムじゃないけど、プルトニウムを素手でつかんじゃダメだよww)
そうしてみると、この映画はIMAX 3Dで観たほうが絶対にいいということだろう。そういう手の映画だから。

結局、この映画は面白かったのか?と聞かれれば面白かったと答えたい。それはトムのアクションの評価に尽きる。

本国でもヒットし、専門家の評価も高い。それもこれも、56歳になったトムの役者魂というのか、迫真のアクションの
評価に尽きるのだろう。これは次作があるとすれば、アクションはますます激しいものになり、スジはますますわかり
辛くなるだろうなあ。

役者的には変装の名人サイモン・ペッグと、天才ハッカーにして電子のエキスパート、ヴィング・レイムズが良かった。

さて、これから本作を見に行かれる方も多いだろう。是非トムのアクションに刮目されたい。筋はまあ、分からなくても
あなたのせいではないですから。
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<ストーリー>
スゴ腕エージェント、イーサン・ハントの活躍を描く、トム・クルーズ主演の大人気スパイ・アクションシリーズ第6弾。
何者かに盗まれたプルトニウムによる同時核爆発を未然に防ぐというミッションに、イーサンとIMFのチームが挑む。
前作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』に引き続き、クリストファー・マッカリーが監督を務める。

何者かが複数のプルトニウムを強奪する事件が発生。その標的になったのは、世界各地の三都市。イーサン・ハント
(トム・クルーズ)とIMFのチームは、“同時核爆発を未然に阻止せよ”とのミッションを命じられる。猶予は72時間。
だが、手がかりは少なく、名前しか分からない正体不明の敵を追うミッションは困難を極める。刻一刻とタイムリ
ミットが迫る中、IMFの前に立ちはだかるCIAの敏腕エージェント、ウォーカー。ウォーカーとの対決を余儀なく
されたイーサンに迫る危機の数々。果たして彼らは、絶体絶命の危機を乗り越え、核爆発を阻止することができる
のか……?(Movie Walker)

<IMDb=★8.4 >
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:97% Audience Score:92% >




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Tracked from ここなつ映画レビュー at 2018-09-12 13:17
タイトル : 「ミッション:インポッシブル フォールアウト」
これを面白くないと言う人がいるのだろうか?それ位面白かった。近年の「ミッション:インポッシブル」は何となく「007」的な方向に向いているような気がしていたのだけれど、これは原点に帰ったというか、単純にミッションを遂行するという点で優れていたように思う。まあ、ストーリーが単純化したのが良かったんじゃないかな。とはいえ、ただただシンプルな勧善懲悪モノのお話なはずがない。そして旧作へのオマージュに溢れている。「ミッション:インポッシブル」ファンこそ観るべき作品であり、だが一方で「ミッション:インポッシブル...... more
by jazzyoba0083 | 2018-08-03 17:05 | 洋画=ま行 | Trackback(1) | Comments(0)