ラブ・アクチュアリー Love Actually (名画再見シリーズ)

●「ラブ・アクチュアリー Love Actually (名画再見シリーズ)」
2003 イギリス・アメリカ Universal Pictures (presents),StudioCanal (presents) ,Working Title Films. 135min.
監督・脚本:リチャード・カーチス
出演:ヒュー・グラント、リーアム・ニーソン、エマ・トンプソン、アラン・リックマン、コリン・ファース、ローラ・リニー
   キーラ・ナイトレイ、ローワン・アトキンソン、ビル・ナイ、キウェテル・イジョフォー、ジョアンナ・ペイジ他
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<評価:★★★★★★★★★☆>
<感想>
本作について原稿を書く必要があり、Blue-rayを買って再見。
初見の時の感想は以下のリンクにて。2006年に観ているのだな。今回まるで新作を観るような新鮮さで味わうことが
出来た。あれから13年も経っているのだから。

脚本も書いてメガフォンを取ったリチャード・カーチスには「アバウト・タイム~愛おしい時間について」という
贔屓にしている作品もある。もともと「Mr.ビーン」のTVシリーズっで名前を上げ、映画でも彼とまた、
ヒュー・グラントの作品を手がける事が多い。直近では「マンマ・ミーア/ヒア・ウィ・ゴー」の原案、製作総指揮を
務めるなど、フィルモグラフィーを観ても、コメディタッチのヒューマン・ドラマの作劇に上手さがある人だ。

本作はクリスマスの時期を上手く物語に取り入れ、その中で繰り広げられる19人9組の「愛」について描いていく。
ばらばらに語られていたそれぞれの「愛情」の物語は、やがて一つの場所に収斂していく。アルトマンの群像劇の
ような手法だ。しかしこれだけの登場人物をよくつなぎ合わせて物語を紡いだものだ。その辺りの労苦が映画の
面白さに報われている。クリスマスの5週間前から1週間づつ区切ったのが分かり易さに繋がった感じだ。

しかし、この映画を観て、悪く言う人がいるだろうか。いや、「生ぬるい」という批評もあろう。が、「性善説」に
基づくリチャード・カーチスの作劇は、「愛情にまつわる人の悩み、そして優しさ、勇気、理解、赦し」それぞれに
優しい目線と(画作りも含め)イギリスらしいユーモアを加え、暖かく、暖かく描いていていく

ラスト近くには、観ている人の多くは涙せずにはいられないだろう。基本的には「成就する」愛を描くので、先程も
書いたように「生ぬるい」と感じる方もいるだろう。それはそれでいいと思う。が、私は過去の評価より今回観た
ことで、この映画の評価を上げたのだった。製作された時すら、白人と黒人、人種、ゲイ、いじめ、働く女性など
今に通じるテーマを、硬い言葉で言ってしまえば「平等な自由と人権」を平易な物語にしたリチャード・カーチスの
脚本を買いたい。9.11の直後だったから公開当時は余計にそう感じた人が多かっただろう。
(ヒュー・グラントの首相のチャラさは如何なものか、という感じもするが、権力者とて、愛は必要だ。それは
畢竟、政治の世界にも繋がっていくのだから)

製作された2003年は、アメリカの同時多発テロから2年というまだ生々しい時期。アメリカはイラクに侵攻を
始めていた。そういう時期に、空港が多くの出会い、愛の世界が繰り広げられる場所としてファーストシーンに
持ってくるのは勇気が必要だったろう。それは逆に憎しみ合いより「愛」こそは全て、という主張に違いないのだ。

出演陣はオールスターがずらりと並び、それぞれの演技についてはまったく問題はない。加えてポップな音楽の
使われ方がとても上手い。ジョニ・ミッチェルやベイ・シティー・ローラーズ、マライア・キャリー、ビートルズ
などの歌が効果的に使われる。

浮気、片思い、身分の違い、両想いの結婚、男同士の友情、最愛の人の喪失、そして子供ごころの「恋心」=この辺、
泣かせどころなんだろうなあ。こどもが出てくるとみんな持っていってしまうからずるいんだけど、個人的には
コリン・ファースがお手伝いさんをポルトガルまで追いかけて(ポルトガル語を勉強して)求婚するカップルが
ご贔屓だったかな。あ、キーラ・ナイトレイに片思いの男がイブにドアの前で紙を読み上げ告白し去るところの
シーンも良かったなあ。
「クリスマスくらい自分の正直な気持ちをブツケてみよう」。こういう気分って西欧にはあるんだね。それがまた
たくさんの映画の題材を提供しているんだけど。このあと書く「ダイ・ハード」(初作)もそうだった。

とにかくあまたあるラブコメ系のドラマでも、多くの人が「好き」と挙げる、観て損をしないではなく、誠に心が
暖かくなる観て得をする映画の最右翼ではないか。批評家は「詰め込みすぎ、表層的、甘すぎ」と辛口だが、
多くの大衆にはしっかり支持されている作品だ。原題はLove actually is all around.(愛はいたるところにある)
から取られた。
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<ストーリー>
 「ノッティングヒルの恋人」「ブリジット・ジョーンズの日記」の製作スタッフが、クリスマスを目前にした
ロンドンを舞台に、男女19人が織りなすさまざまな恋愛模様を同時進行で描く心暖まる群像ラブ・コメディ。
「ノッティング~」「ブリジット~」などの脚本を手掛けたリチャード・カーティスが本作では脚本のみならず
監督デビューも果たす。
ヒュー・グラント、リーアム・ニーソン、エマ・トンプソンをはじめ、新旧の人気英国人スターを中心に豪華共演。
 12月のロンドン。クリスマスを目前に控え、誰もが愛を求め、愛をカタチにしようと浮き足立つ季節。
新たに英国の首相となったデヴィッドは、国民の熱い期待とは裏腹に、ひと目惚れした秘書のナタリーのことで
頭がいっぱい。一方街では、最愛の妻を亡くした男が、初恋が原因とも知らず元気をなくした義理の息子に気を揉み、
恋人に裏切られ傷心の作家は言葉の通じないポルトガル人家政婦に恋をしてしまい、夫の不審な行動に妻の疑惑が
芽生え、内気なOLの2年7ヵ月の片想いは新たな展開を迎えようとしていた…。(allcinema)

<IMDb=★7.6>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:63% Audience Score: 72%>
<KINENOTE=79.7点>



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by jazzyoba0083 | 2018-09-22 22:50 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)