ダイ・ハード Die Hard (名画再見シリーズ)

●「ダイ・ハード Die Hard」(名画再見シリーズ)
1988 アメリカ Twentieth Century Fox.131min.
監督:ジョン・マクティアナン 撮影:ヤン・デ・ボン 原作:ロデリック・ソープ「Nothing Lasts Forever」
出演:ブルース・ウィリス、アラン・リックマン、ボニー・ベデリア、アレクサンダー・ゴドノフ、レジナルド・ヴェルジョンソン他
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<評価:★★★★★★★★☆☆+α>
<感想>
1970年台中頃から、「ロッキー」、「ジョーズ」「スター・ウォーズ」などの登場により、それまでのサブカル的
文化に裏打ちされた「アメリカン・ニューシネマ」の時代が終わり、「努力は報いられる」「正義は勝つ」「恋愛は
成就する」という以前のハリウッドの映画語法に先祖返りした作品が作られ、家族で見られる、娯楽の王道としての
映画が復活してきた。そうした中の一つの傾向として「ロッキー」のスタローンに見られるように肉体の優位さを
「正義のありようの一形態」として見せつける、「筋肉は裏切らない系」の作品も次々と作られた。それらに出演
していたのがシュワルツネッガーであり、スタローンであった。その系譜に本作も位置すると言っていいのではないか。

「ランボー」シリーズや、「ターミネーター」シリーズも1980年代前半にシリーズがスタートしている。
本作がそれらと異なるのは、特殊なマッチョではない、ということだ。自らの筋肉で隘路を打開していくのは同じだが、
人物的には「世界で一番ついていない男」と云われる、ニューヨーク市警の殺人課の刑事であるにすぎないが、その
スーパーマンぶりは、はやり普通ではない。(物語の設定や進行内容もそうとう荒唐無稽ではあるが)
同時期に登場する「リーサル・ウェポン」シリーズ、本作の4年前に封切られた「ビバリーヒルズ・コップ」などと
比較するとやはり「筋肉系」というところで一つ線が引かれる。

そう考えると本作は、独自の立ち位置を主張した、近年の刑事映画の中でも出色な作品ということが出来るであろう。
その後続編も作られたが、やはり初作の印象が一番強い。(ついてないのはいつも一緒だが)

それは「普通の刑事が、自らの手ひとつでなんとか状況を打開していく一方、見守る仲間の黒人警官とのやりとりが
加点となり、さらに、アラン・リックマンやアレクサンダー・ゴドノフ演じる悪役のしぶとさが魅力」となっている。
加えて、状況をわきまえないテレビクルー、上から目線の市警本部、さらにその上から目線のFBIといった権力側には
ラストに向かって、観客の溜飲を下げさせる役割(道化)を演じさせる。

この映画で有名なのは割れたガラスの上を裸足で走って足が血だらけになるにもかかわらず、奮闘するマクレーン刑事の
姿なのだが、なぜ裸足だったのかの伏線は開巻のシーンに埋め込まれている、という念の入れよう。

正義は苦労するけど、最後には勝ち、愛は復活し、友情は守られ、悪は徹底的に悪いのだが最後には滅び、警察上層部や
マスコミは嘲笑される、サスペンスのアイデアも満載で、という刑事ものストーリーの王道を行く物語ではあるが、その
相互の駆け引きが良く出来ている。131分が全く長く思えない。
映画史にしっかり足跡を残した作品といえる。娯楽作品として一級である。
そしてクリスマスイブの一晩の出来事なのが作劇の見事さである。エンディングテーマの「レット・イット・スノウ」も
味わい深い。また後年「スピード!」の監督を務めるヤン・デ・ボンのカメラにも注目したいところだ。また「ジャパン
アズナンバーワン」の頃のアメリカにおける日本の立ち位置も分かりやすい。
アラン・リックマンのビルからの墜落シーンでのびっくり顔が印象的だが、あれは本物らしい。予定より早く落下が
始まったため、ほんとにビックリしたのだそうだ。
wikiによれば「2010年には「エンパイア・マガジン」によって「最高のクリスマス映画」に選ばれた」のだそうだ。

しかし、悪役の双頭、アラン・リックマンとアレクサンダー・ゴドノフはもうこの世にいないのだなあ。
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<ストーリー:結末まで書かれています>
ニューヨークの刑事ジョン・マックレーン(ブルース・ウィリス)は、クリスマス休暇を妻ホリー(ボニー・
ベデリア)と2人の子供たちと過ごすためロサンゼルスへやってきた。ホリーは日本商社ナカトミ株式会社に
勤務し、夫と離れこの地に住んでいるのだった。

ジョンは、クリスマス・イヴの今日、ナカトミの社長タカギ(ジェームズ・シゲタ)の開いている慰労パーティに
出席している妻を訪ね、現代ハイテク技術の粋を極めた34階建ての超高層ナカトミビルに向かうのだった。
ホリーは単身赴任によって、結婚と仕事の両立に苦しんでいたが、再会したジョンを目にすると改めて彼への愛を
確認するのだった。

ところがパーティも盛りあがりをみせた頃、13人のテロリストがビルを襲い、事態は混乱を極める。リーダーの
ハンス・グルーバー(アラン・リックマン)は金庫に眠る6億4000万ドルの無記名の債券を要求するが、タカギが
それに応じないのを見てとると、彼を射殺してしまう。そしてその現場をジョンが目撃したことにより、彼と
テロリストたちの息詰まる戦いの火ぶたが切って落とされるのだった。

ジョンは機転をきかせ、パトロール中のパウエル巡査部長(レジナルド・ヴェルジョンソン)に事件の重大さを
知らせ、援軍を求める。その頃テロリストの一味であるテオ(クラレンス・ギルヤード・ジュニア)が金庫の暗号の
解読に成功し、債券はハンスたちの手に握られた。また彼は、ホリーがジョンの妻であることをTV放送によって
知り、彼女を人質にビルからの脱出を企てる。愛する妻を捕えられたジョンは、2発しか残されていない銃を
片手に決死の覚悟でハンスと対決し、一瞬のアイデアの巧みさで彼を撃ち倒す。しかし安堵するジョンとホリーを、
1度は彼が叩きのめしたはずのテロリストの1人、カール(アレクサンダー・ゴドノフ)が執念に狙い撃つ。1発の
銃声が響き、地面に倒れたのは、しかしカールであった。彼を撃ったのは、かつてある事件で誤射して以来、
拳銃を放つことができなかったパウエルだった…。事件は終結し、ジョンは今、彼との友情に、そして何より
妻との愛に包まれ、クリスマスの朝を迎える喜びを噛みしめるのだった。(Movie Walker)

<IMDb=★8.2>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:93% Audience Score:94%>
<KINENOTE=82.2点>


   

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by jazzyoba0083 | 2018-09-23 23:10 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)