ミッドナイト・ラン Midnight Run

●「ミッドナイト・ラン Midnight Run」
1988 アメリカ Universal Pictures (presents),City Light Films. 126min.
監督:マーティン・ブレスト
出演:ロバート・デ・ニーロ、チャールズ・グローディン、ヤフェット・コットー、ジョン・アシュトン、デニス・ファリナ他

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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
時代を感じるおおらかな作りではあるが、ラストのこれぞカタルシスの見本みたいなスッキリ具合も含め、
とても素直に面白い!と感じることが出来た。ストーリーを変に捏ね繰り回さず、キャラクターもはっきり
していて、緊張感もあり、ロードムービーとしても、バディものとしても一流だと感じた。

コメディの要素を含みつつ、スリリングなシーンやカーチェイスなどのアクションという点もしっかり押さえ、
人間模様も描かれ飽きさせない工夫もしっかりとしている。

元警官の賞金稼ぎ、主演の若きロバート・デニーロ、マフィアの金を横領して恵まれない人に寄付したという
変な会計士チャールズ・クローディンも良かったが、終始おちょくられるダメFBIのボス、ヤフェット・コットーも
役に徹したキャラクターを演じ、好感が持てた。更に賞金稼ぎのライバル、ジョン・アシュトンも欠かせない存在
だった。

構造としてはロスの保釈金保証業者が金を出して保釈した会計士デュークが逃亡、このままでは保釈金没収となって
しまうため、デニーロ演じるジャック・ウォルシュに身柄の確保を依頼する。一方、会計士がマフィアの実態を
知っているとみて会計士デュークとマフィアを追うFBI捜査官アロンゾ。更に、1200万ドルを盗み出した会計士を
ただでは置かないマフィアがデュークを亡き者にするため追ってくる。なぜジャックがシカゴ警察を辞めたのかが
マフィアの罠であったことなど、その背景にいた警官がジャックの女房と再婚したことなどもちゃんと描かれ
ストーリーも全体としてよく出来ている。

早々にデュークを見つけてNYからLAに護送しようとしたら、デュークは飛行機恐怖症だと、搭乗を拒否される。
そこでジャックとデュークは列車でLAに向かう。しかしまともに護送旅行が済むわけがない。
FBI、マフィア、ジャックと同業者のライバル、マーヴィンとの競争など、ドタバタが展開される。
コメディーが底にあるので決して憎めない展開で安心して観ていられるのが楽しい。

ジャックとデュークの護送旅行のうちに、二人が助けられたり助けたりする状況もあり、二人の間に友情が芽生えて
くる。ラストでデュークを連れて無事にLAに到着したジャックは、保釈金保証業者にデュークを渡さず逃がすことに
した。それに応えてデュークは体に巻き付けて隠していた30万ドルをジャックにプレゼントしたのだった。

アナログな味わいたっぷりなアクション・コメディ。ミッション・インポッシブルも007もいいけど、こういう
おおらかな活劇もいいなあ。

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<ストーリー>
シカゴ警察を退職しロスでバウンティ・ハンターをしているジャック・ウォルシュ(ロバート・デ・ニーロ)は、
保釈金融会社社長エディ(ジョー・パントリアーノ)の依頼でギャングのジミー・セラノ(デニス・ファリナ)の
金を横領した経理係のジョナサン・マデューカス(チャールズ・グローディン)の行方を追いかける。

そんな彼を、セラノを追う重要な証人であるマデューカスは渡せないとFBI捜査官モーズリ(ヤフェット・
コットー)は妨害するが、車の中で彼の身分証を盗んだウォルシュはそれを偽造しニューヨークヘ飛び、モーズリの
名をかたり何なくマデューカスを逮捕するが、それによりウォルシュは以後FBIとセラノ一味から追われることに
なる。

マデューカスの飛行機恐怖症のおかげで一路汽車でロスヘと予定を変更したことを知らないエディは、ウォルシュに
業を煮やし彼の同業者マーヴィン・ドフラー(ジョン・アシュトン)にマデューカス移送を依頼する。汽車の中で
2人を襲うドフラーを殴り倒したらウォルシュは、モーズリの名で彼を警察に引き渡しバスに乗り換えた。

バスターミナルで待ち構えるFBIとセラノ一味は、2人がバスから降りるや銃撃戦を展開、その隙にパトカーを
奪い2人は逃走する。思いがけず9年振りに別れた妻子のもとを訪ねるウォルシュは、突然の訪問に戸惑う前妻に
冷たくあしらわれるが、素直に喜びを表現する娘デニース(ダニエル・デュクロス)に心ほだされた彼女は、
ウォルシュに車と金を提供するのだった。

セラノ一味とFBlに追われるウォルシュとマデューカスの旅は続く。途中、ドフラーもからみ、セラノ一味の
ヘリコプターを撃ち墜としたり、激流の中を逃走したり、またFBIをかたり酒場から金を盗んで貨物列車に
飛び乗ったりしてゆくうちに、孤独なウォルシュと心優しいマデューカスとの間には奇妙な友情の絆が深まって
ゆくのだった。
しかしついに、ウォルシュはモーズリに、マデューカスはドフラーに捕まり、ドフラーからセラノの手に渡った
マデューカスを救い出すため、ウォルシュはモーズリを説得し、セラノ一味を陥し入れるある賭けを試みた。
そしてそれは思いがけない成功を収め、自由の身となったマデューカスーは友情の証し、と隠し持っていた金を
ウォルシュに差し出し、2人は、またそれぞれの道を歩むべく別れてゆくのだった。(Movie Walker)

<IMDb=★7.6>
<Metaciritic=78>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:96% Audience Score:87% >
<KINENOTE=77.1点>




by jazzyoba0083 | 2019-08-07 23:10 | 洋画=ま行 | Trackback | Comments(0)