ザ・ハント ナチスに狙われた男 The 12th Man

●「ザ・ハント ナチスに狙われた男 The 12th Man」
2018 ノルウェー Nordisk Film Production AS,Zwart Arbeid.135min.
監督:ハラルド・ズワルト
出演:トマス・グルスタット、ジョナサン・リス・マイヤーズ、マッツ・ショーゴード・ペテルセン他

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<評価:★★★★★★★☆☆☆+α>
<感想>
なぜかノルウェーの映画をたて続けに観ることになった。本作は実話に基づいていて、私たち
日本人が知らない(であろう)北欧の国々とナチスとの戦いの過酷な一面を描く。
ノルウェーはナチスに侵攻されるのだが、海軍を中心としてイギリス軍に入り教育を受けた将校、
兵士も多かったと知った。彼らは英国仕込みの技術でナチに対抗しようとしたのだ。

そうだ、忘れてはいけないのは「ヒトラーに屈しなかった国王」として映画になった反骨の
ノルウェー国王ホーコン7世の存在だ。「私には4000万の味方がいる」と国民を深く信じて
ナチスの降伏要請を蹴った王様だ。こうしてみるとノルウェーという国のファシズムに対する
強烈な反対姿勢が読み取れる構図といえる。

ノルウェーはナチスの侵攻に国を上げて対抗したのだが、その人々の考え方がこの映画の根幹を
支えていた様子がよく分かる。
英国で訓練された12人の海軍兵士がナチスに占拠された灯台爆破の任を受けて、現場に向かうも、
途中でナチスの砲艦に発見され全員囚われてしまう。12人の兵士らは捕らえられたり、海岸で
SSに射殺されたりした。その際、一人の兵士が逃亡に成功する。
ゲシュタポはヒムラーへの報告が全員殺害ということでなくてはならないため、立場上、必死で
捜索する。寒い海の中では生きてはいけないという意見に自分から凍てつく海に入ってみる
将校もいたり。彼らも必死だ。保身のために。

12番目の兵士ヤン・ボールスルドのスウェーデン国境を目指した極寒の地での決死の逃走と、
それを支えたノルウェー国民の団結を描いていく。
故に、ヤン自身が何かをやることに力点が置かれると言うより、彼を助ける普通の人々の勇気と
決意が表現される。ヤン自身、ものすごい体力で何日も岩陰にビバークしても生き抜くという
精神性と肉体の強さを持っていた。ただ足の凍傷はいかんともしがたく、壊疽を放置すると
危ないとは途中の仲間からもいわれていたため、彼は自分で足の指をナイフで切り落とす。

そのため片足を引きずることになるのだが、全てが終わった後、味を引きずり遠くを見ている
一人の将校の姿から映画が始まるが、彼こそヤンであり、映画は過去へと遡っていくのだ。

ゲシュタポとの駆け引き、彼らからヤンや囚われた兵士を守ろうと頑張るノルウェー国民、
そしてヤン自身の孤独と極寒との戦い。これらが良き塩梅で描かれ、緊張感、愛国心、
反ナチズムといった感情を観客に強く訴えてくる。ただちょっと長いかな。

実話とはいえ、自国の歴史の隠された一面を明らかにし、ナチズムと戦った歴史を再認識させた
功績は大きいのではないか。はるか東洋の国民も、この際、こうした歴史を知っておくことは
決して無駄なことではないと感じたのだ。

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<ストーリー>
1943年、ナチスドイツ占領下のノルウェーで果敢にレジスタンス活動を行ない、ナチスに
追われることになった男の決死の逃避行を、実話をもとに映画化したサバイバル劇。

第2次世界大戦中、ナチスドイツの占領下となった北欧の国ノルウェーにおいて、12人の男
たちがレジスタンスの破壊工作活動を行なうも、11人は捕らえられて処刑される運命に。
そんな中、たったひとり、辛うじて難を逃れた主人公が、ナチスの追跡をかわしながら、
極寒の雪原で決死の逃避行とサバイバルを繰り広げるさまを、歴史的実話をもとに息詰まる
タッチで描く。
出演は、「マッチポイント」のJ・R=メイヤーズほか。監督は、「ベスト・キッド(2010)」
など、ハリウッドでも活躍するH・ズワルト。(WOWOW)

<IMDb=★7.4>
<Metacritic=70>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:86% Audience Score:78%>
<KINENOTE=75.2 点>



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by jazzyoba0083 | 2019-11-22 23:10 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)