小説家を見つけたら Finding Forrester (再見)

●「小説家を見つけたら Finding Forrester」(再見)
2000 アメリカ Laurence Mark Productions and more. 136min.
監督:ガス・ヴァン・サント
出演:ショーン・コネリー、F・マーレイ・エイブラハム、アンナ・パキン、ロブ・ブラウン、
   バスタ・ライムズ、マット・デイモン他

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<評価:★★★★★★★★☆☆+α>
<感想>
初見は2007年。このブログにも感想を書いている。「いい映画なんだけど、いまいちだ」と
してある。あれから15年。ずいぶん年を重ねて見方が変わったのかもしれないけど、
「いまいち」だとは思わない。そりゃ、同じガス・ヴァン・サントでの「グッドウィル~」の
方が脚本が良く出来ていることは不変だが、出来すぎな感じはあるものの、いい映画だ。
時々観てみたくなるような。15年も断つとほとんどストーリーを忘れていた。

今回は音楽の使い方がとても良いことに気づいた。テレンス・ブランチャードが音楽を担当し
Jazzyな雰囲気が作品に良くあっていた。また「Over the Rainbow」が作中と、エンドロールの
バックにはIZのウクレレバージョンが使われていたりで、趣味の良さを感じた。

ショーン・コネリーは年齢を重ねていい役者になっていたよなあ。亡くなってしまったことが
惜しまれる。ニューヨーク、ブロンクス、文武両道に優れた天才黒人青年(少年か)、殆ど
世捨て人の小説家、彼ら二人の友情と成長そして小説家にしてみれば「終活」だった一連の動き
などスムーズな話の展開は分かりやすく感動も呼びやすい。が、一本調子であることは確かで、
そうなるんだろうな、というふうに話は進む。(アル中で失踪した親父と駐車場勤務の兄、そして
しっかりものの母親なんだけど、瓢箪から駒のような天才が生まれたものだなあという都合の
良さもないではない)

しかし、そうであってもこの物語は二人の普遍的な友情を描き出している映画は、胸が熱くなる。
フォレスターがかっこよすぎだな。ジャマール青年はこの後どうなったんだろうかと気になる。
文学者になったのか、バスケの道に進んだのか。どうなんだろう。バスケを出来るところまで
やってそれから文学の道に進んでも十分間に合うか。そんな想いも引きずる鑑賞後の楽しみもある。
この系譜は「セント・オブ・ウーマン」にも通底するものを感じ取った。
時間が経ったら観たくなるタイプの佳作。ラストシークエンスにおっとびっくりのマット・デイモンが
カメオ登場するのも楽しい。

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<ストーリー>
NYのブロンクス。黒人の高校生ジャマール・ウォレス(ロブ・ブラウン)は、プロのバスケット
ボール選手を夢見つつも、実は大変な文学少年。そんな彼が、アパートの部屋に引きこもっている
謎の老人と知り合う。
彼は40年前にピュリツァー賞に輝いた処女作一冊だけを残して文壇から消えた幻の小説家、
ウィリアム・フォレスター(ショーン・コネリー)だった。二人の間にはやがて師弟関係のような
友情が生まれ、ジャマールは文学の才能を開花し、フォレスターは長年閉ざされていた心を開いて
いく。

そんな時、ジャマールの才能に気づき嫉みはじめていたロバート・クローフォード教授(F・マーリー・
エイブラハム)が、ジャマールの提出した作品のタイトルがフォレスターの昔発表したエッセイと
同じ副題を持っていることを糾弾するという事件が起こった。
ジャマールは退学の危機にさらされるが、作文シンポジウムの時、それまで決して一人では外出しよ
うとしなかったフォレスターが現われ、ジャマールを助ける。

そしてフォレスターは、故郷スコットランドへ旅立った。やがて彼は亡くなり、ジャマールは弁護士
からフォレスターの遺品を受け取るのだった。

<IMDb=★7.3>
<Metascore=62>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:74% Audience Score:79%>
<KINENOTE=76.2点>
<映画com=3.8/5>






by jazzyoba0083 | 2023-04-06 23:10 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)