ジャズマンズ・ブルース A Jazzman's Blues

●「ジャズマンズ・ブルース A Jazzman's Blues」
アメリカ Tyler Perry Studios. Dist.Netflix 128min.
監督・脚本・製作:タイラー・ペリー 音楽:テレンス・ブランチャード
出演:ジョシュア・ブーン、アミラ・ヴァン、ソレア・ファイファー、オースティン・スコット、
   ライアン・エッゴールド他

ジャズマンズ・ブルース A Jazzman\'s Blues_e0040938_15181257.jpg

<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想:ネタバレ注意>
話の骨格の部分は面白いのに、枠付と結論がトホホな感じで、残念な仕上がりと感じた。
第二次世界大戦前から戦争後のジョージア州が舞台。(人種差別が酷いエリア)
開巻は、1980年代の後半のジョージア州。ある法律事務所に老婦人がやってきて、
この事件の真犯人を挙げて欲しいと言い寄る。弁護士は忙しいし、そういうのは保安官
事務所へいくべきというが、老女は「あなたの知りたいことはここに全部ある」といって
一束の手紙を置いて去っていった。弁護士は手紙に書かれていたリアンという名前に驚き
読み始めたのだった・・・そして場面は40年前に戻る。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一見白人に見える女性と黒人の男性の悲恋の話で、結末は悲しく、やりきれない。
男バユの一家は田舎ミュージシャンの父(男の実の父ではない)と働き者で歌が上手い母、
そして父に似て傲慢で口ばかりの兄、そして妹という黒人一家だ。父は本当の自分の
息子である兄ばかりに優しく弟には辛く当たる。それをかばってくれるのは母だった。
(母は洗濯女で、夜は飲み屋で歌う)

バユは近所に祖父と暮らすリアンという女性に恋していた。リアンもバユが好きだった。
二人は逆境の中、夜中に家を抜け出て逢瀬を重ねていた。バユ19歳、リアン17歳だった。

ある日、父はシカゴに出てミュージシャンと成功するんだと、家の金を全部持って出ていく。
(その後、事件に巻き込まれて射殺されるのだが)トランペットを吹く兄ウィリーも
父の後を追って家を出ていく。更にリアンは離れて暮らす母親の策略で黒人とは伏せて
保安官の弟と結婚させるため家を出されてしまう。バユも必死で止めたのだが無駄だった。

ウィリーはドイツからやってきたユダヤ人のマネージャーを連れて帰ってきたが、どうも
上手くいっていないようだった。腕前が良いわけでも無いのに、自信家でワガママで自分
勝手なウィリーは麻薬に手を染めていた。

ある日、街に帰ってきたリアンを、バユは目撃し、衝撃を受け二人は牧場の空き地の車の
中で密会し体を交わす。それをリアンの母は後から付けてきた車の中から目撃していた。バユを
リアンから引き離すために、彼がリアンに口笛を吹いた、と嘘を言いふらし、白人たちの
怒りを焚きつける。リアンの嫁ぎ先で家政婦をしていた妹の知らせで、ちょうどマネージャー
とシカゴへ帰ろうとしていたウィリーの車に乗り込み、なんとか街を後にすることが出来た。

その後、憧れていた劇場で、たまたま歌った歌が支配人の目に止まり、兄よりも注目され
バユの歌で客が集まるようになり、やがて自分の名前を冠したバンドを持つようになり、兄は
そのバンドマンになっていた。兄はそれが悔しくてならず、一層麻薬にハマって行く。

リアンを一途に愛するバユはリアンに手紙を出すが、リアンの母の策略で届くことは無く、更に
成功してからお金を入れて母に送った手紙は、郵便局を兼ねる雑貨屋の白人に金を抜き取られ、
バユの想いはことごとく伝わることが無かった。母は飲み屋を経営を初めて成功していたのだが、
口笛事件以降人が全く来なくなって、庭の畑で野菜を作って自給自足の生活、どん底の暮らし
だった。

シカゴで成功したバユは自分の楽団を母の飲み屋に連れていき公演して客を呼びたいと
マネージャーに頼むがマネージャーはやめておけと止めるのだった。だがバユは一晩限りと
いう条件で公演をすることになった。

人気バンドと地元の有名歌手が故郷に錦を飾るというので母の店は大入りとなった。兄は
麻薬でヘロヘロだったが、バユを目の敵にするシェリフのところへ行き、バユが帰ってきている
と告げ口する。すると彼は多くの黒人差別主義の白人を集め、飲み屋に乗り込みにくる。

その頃、バユはバンドのバスの中でリアンと密会していた。リアンが産んだ子どもはバユの子だった。
幸い今は黒くない。これで黒い子が生まれたらリアンも生きてはいられなかっただろう。
そこへシェリフとその男たちが押し寄せ、バユを捕まえ、いつもバユとリアンが会っていた
イチイの木に吊るしてしまったのだった。

そして画面は冒頭の時代に戻る。老人ホームに入っている白髪のリアン。そばにいるのは彼女と
バユの息子ジョナサンだった。(彼の妻もいた)痴呆が入ってしまったリアンはバユのレコード
「紙ひこうき」を聞いて涙を流していた。事務所で読んだ大量の手紙は母親と殺された父バユの
愛の交換記録だったのだ。ラストカットはそのホームの屋根にはためく南部連合の旗だった。
冒頭、事務所に手紙を持ってきたのはバユの母だったのだな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ジャズマンズ・ブルース A Jazzman\'s Blues_e0040938_15182027.jpg

マネージャーがユダヤ人でナチスの迫害を受け妻とこどもは眼の前で射殺されたという過去を持つ。
同じ迫害を受けている(いた)黒人とユダヤ人が登場する物語だから、その辺りをもう少し膨らませ
て欲しかった。
更に、冒頭の真犯人を探してほしいというバユの母(であったことは後から想像を巡らせないと
分かりづらい)の望みが解決されないので、バユを殺した男どもへの懲らしめがないため、悲恋
だけで終わってしまいカタルシスが弱い。で、バユの息子ジョナサンは成功したのだが、母と
殺された黒人(恐らく自分の父が黒人であったと初めて知ったのではないか)の父の話を読んでどう
なったのか、そこらあたりを創作とはいえ字幕でもいいから幕引きに相応しい終わり方にして
ほしかったなあ。なんだか、もやもやと不満が残ってしまった。
冒頭に書いたように骨格のプロットは面白い作品だけに、残念だ。

ストーリーは上記に書いた通りなので略します。

<IMDb=★6.8>
<Metascore=62>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:65%  Audience Score:85%>
<映画com=2.0/5>
<Filmarks=3.5/5>






by jazzyoba0083 | 2024-03-25 22:30 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)