マーシャル 法廷を変えた男 Marshall

●「マーシャル 法廷を変えた男 Marshall」
2017 アメリカ Chestnut Ridge Productions and more. 118min.
監督:レジナルド・ハドリン
出演:チャドウィック・ボーズマン、ジョシュ・ギャッド、ケイト・ハドソン、スターリング・K・ブラウン、
   ダン・スティーヴンス、ジェームズ・クロムウェル、ソフィア・ブッシュ他

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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
1964年リンドン・ジョンソン大統領によりアメリカ史上初の黒人連邦最高裁判事に任命された
法律家(弁護士)サーグッド・マーシャルが扱った象徴的な事件を描く。公民権運動に絡む
黒人法律家や裁判の話、全米黒人地位向上協会(NAACP)が絡んだ裁判の映画はこれまでたくさん
作られたくさん観てきた。それでも私が知らない話はまだまだあるんだなあと、勉強させて貰った。

弁護士が白人だと「アラバマ物語」になっちゃうんだけど、1940年代だと、特に南部での黒人
差別が酷い州あたりでは無実でも逮捕されると、減刑を餌にやったことにしてしまう黒人がいて、
協会では頭を悩ませていたのだろう。まだまだ公民権運動が盛り上がる時代は遠い第二次大戦前の
アメリカにあっては黒人弁護士が黒人を弁護することは相当大変だったのだろうと想像は出来る。

そうした1941年コネティカット州。ある白人の夫人が黒人の使用人にレイプされ、川に投げ込まれ
たという事件の弁護がNAACPに飛び込み、エース格(当時すでに首席弁護人になってたかも)の
マーシャルが派遣された。彼の妻は妊娠していて、事件があれば全米どこへでも弁護に出かける
夫を理解はしていたが、やはり寂しさはあった。

事件の真実は夫から暴力を受け、不在がちでもあった中で、ハンサムな黒人の使用人スペルと合意の
関係を結ぶも、気がつけば黒い赤ちゃんが出てきてしまう、浮気が夫にバレたら、と気付き錯乱。
夫人は使用人を伴いクルマで家を出るが、途中の橋でクルマを止めさせ、欄干から川へと飛び込む。
が、元水泳部の夫人は溺れることが出来ず泳いで岸に這い上がり、再び道路で通りがかりのクルマを
つかまえて警察に飛び込み、スペルを訴えた、というもの。

金持ちの夫人は判事とも父親同士が友人の弁護士が担当。また白人判事はマーシャルに州外の弁護士
がコネティカットの裁判に関わることを許さないと、とんでもないことを言い出す。
そこで力になってくれたのは地元で民事専門で弁護士をしていた白人のサムだった。彼はユダヤ人で
ナチス台頭の欧州出身で同じ民族が迫害されているという事態に心を痛めていた。
刑事事件など扱ったことのないサムだったが、判事から同席だけは許されたマーシャルの言う
ままに伝言ゲームのように裁判が続けられたのだ。頼まれるといやと言えないサムだった。

民族迫害に合うユダヤ人サムの描き方がこの映画に厚みを与えていた。キャストも良かった
また差別主義者か、と思わせた判事が、こと法律に関しては黒白関係ない中立の立場にあるのが
映画を面白くさせている。

黒人使用人スペルも最初はやっていないの一点張りだったが、夫人との合意ではなかったか、と
マーシャルらに突っ込まれると真実を告白。その事実を持って法廷で夫人の作った偽のストーリーを
覆していく。全員白人の陪審員は全員一致でスペルに無罪を言い渡す。判決が出る最終弁論の
法廷にはマーシャルはもう居らず、すでに次に裁判に向かっていたのだった。

裁判そのものは割と単純なお話ではあるが、マーシャルと妻、同僚となる、また最終弁論では
マーシャルの書いた弁論を読み上げるサムの存在、気になる判事の態度などが彩りを与えて
映画を豊かなものにしている。この映画日本では未公開だったのだな。Netflixでの鑑賞。
チャドウィック・ボーズマンはもういない。(泣)


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<ストーリー>
人種差別が強く残る時代のアメリカで、黒人弁護士が差別と事件解決のため戦う、チャドウィック・
ボーズマン主演によるサスペンス。
黒人運転手・ジョセフが白人女性への強姦罪と殺人未遂で起訴される。彼の弁護をするマーシャルは
差別主義の判事から発言権を奪われ、マスコミからは批判を受けるのだが…。(キネマ旬報)

<IMDb=★7.3>
<Metascore=66>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:80% Audience Score:84%>
<KINENOTE=72.9点>
<映画com=3.3/5>





by jazzyoba0083 | 2024-05-19 22:40 | 洋画=ま行 | Trackback | Comments(0)