ジャッキー・ブラウン Jackie Brown

●「ジャッキー・ブラウン Jackie Brown」
1997 アメリカ Miramax presents. 155min.
監督・脚本:クエンティン・タランティーノ
出演:パム・グリア、サミュエル・L・ジャクソン、ロバート・フォスター、ブリジット・フォンダ、
   マイケル・キートン、ロバート・デ・ニーロ、マイケル・ボーウェン、クリス・タッカー他

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<評価:★★★★★★★★☆☆+α>
<感想>
最近のタランティーノ作品は殆ど観ているが、昔の作品に鑑賞漏れがある。本作もそれで、
WOWOWで放映していたものを録画して鑑賞。長い映画だが、味わい深い面白い映画だった。
製作されたのは'97年で、時代設定も同時代なのだが、味付けは70年代の匂いがプンプンする
ように作られている。なので画面を観ていて携帯電話とかででくるとドキッとすることもあった。

パム・グリアという女優さんは初めて観るのかも知れないが、調べてみると70年代のブラックス
プロイテーション映画に何本か出ていて、その筋ではかなり有名な存在だったのだな。初めて
知った。タランティーノは長編3本目。どこがタランティーノ節なのか詳細に語れるほどのファンで
はないのだが、音楽のテイストや重層的なストーリーテリングとかは彼の持ち味なんだろう。

社会性とか告発とかのコミットは無く、一人の無名な黒人女性の人生を掛けた勝負をさまざまな
エピソードを並べて描いていく。あたかも絵の具を何層にも重ねた油絵のキャンバスのような
感覚を覚えた。そこにオフビート感覚も感じつつ、引き込まれる魅力を持っている。

その多層の絵の具を構成しているのが武器密売をしつつ麻薬の売人もしている黒人サミュエル・L・
ジャクソンであり、彼のムショ仲間のロバート・デ・ニーロであり。保釈金保証屋のロバート・
フォスターであり、ジャクソンの彼女のブリジット・フォンダであり、連邦アルコール・タバコ・
銃器・爆薬局のマイケル・キートンである。このキャスティングが凄くはまっていて良かった。
デ・ニーロのワケのわからない狂気ぶりなんかも味があった。もちろん主役のパム・グリアの
おばさんCAの哀愁ただよう活躍ぶりも存在感バリバリ。

物語のコアなところは、メキシコの三流エアラインのCA、ジャッキー・ブラウン(グリア)が彼女を
現金と麻薬の運び屋をさせていたオデール(ジャクソン)のメキシコにある50万ドルを我が物に
するまでの様々な彼女なりの知恵を出して実行するところだ。ここに先に挙げたような絵の具の
色彩に匹敵する面々が加わりエピソードを形成していく。ジャッキーが作った作戦がいささか分かり
づらいとこもあったが、70年代の匂いとポップな音楽が心地よく、観終えることが出来た。
作られた時にすでに20年前の匂いをまとっていただけに、ほぼ30年経過した今でも時間経過を感じ
させない魅力があった。当然ジャクソンやデ・ニーロ他のキャストが若いのも何ら違和感を
感じないのであった。このあたり、タランティーノの作家としての能力の高さを感じた。

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<ストーリー:結末まで書かれています>
ロサンゼルス。ジャッキー・ブラウン(パム・グリアー)はメキシコの航空会社に勤める
スチュワーデス。安月給で苦しい生活のため、裏で武器密売人オデール・ロビー(サミュエル・L・
ジャクソン)の隠し金の運び屋をつとめていた。

オデールは刑務所を出たばかりで少しボケ気味の相棒ルイス・ガーラ(ロバート・デ・ニーロ)を
連れて、保釈金融業者のマックス・チェリー(ロバート・フォースター)の元へ赴く。
逮捕された配下のボーマンの保釈のためだったが、オデールは保釈されたボーマン(クリス・
タッカー)の口を自ら封じ、ルイスに服従を誓わせた。その一方でオデールは愛人でトウが立った
サーファーガールのメラニー(ブリジット・フォンダ)をルイスにあてがい、篭絡しようとする。

さて、ジャッキーは空港で連邦保安官レイ・ニコレット(マイケル・キートン)とマーク・
ダーガスに逮捕される。彼らの狙いはオデールの逮捕。レイは協力すれば違法金持ち込みは見逃す
とジャッキーに取引を持ちかける。ジャッキーの逮捕を知ったオデールは、再びマックスをたずね、
ボーマンのために用意した1万ドルでジャッキーの保釈を依頼。ジャッキーを迎えに行ったマックスは、
彼女をひと目見るなり年甲斐もなく恋してしまう。

一方、ジャッキーを脅して黙秘を通させるため彼女のアパートをオデールが訪問。ところが
ジャッキーは、マックスから勝手に拝借してきた銃をつきつけて逆に取引を迫る。ジャッキーは思案の
あげく、オデールを逮捕させるだけでなく、彼の金を手中に収めようと決意したのだ。

ジャッキーはオデールに捜査官を出し抜いて隠し金を運ぶ算段を立てさせ、捜査官のレイともうまく
交渉を運ぶ。翌朝、銃を取り返しに来たマックスをジャッキーは迎え入れ、ふたりはレコードを
かけてくつろいだ時をすごす。

さて、オデールの隠し金全額の55万ドルをうまく持ち込んだジャッキーは、金の引渡し場所に
決めたショッピング・モールの婦人服売り場の試着室へ向かう。
オデールは金の受け取りをメラニーとルイスに命じて彼女を見張らせた。試着室でジャッキーは
あらかじめ用意しておいた5万ドルだけが入った外身だけ同じ袋をメラニーに渡し、50万ドルが
入った袋を置いて立ち去る。彼女が立ち去るのを見計らい、全てを含めておいたマックスが妻の
忘れ物を取りに来たと言って、試着室の袋を持ちだした。

張り込んでいたレイはジャッキーからメラニーが50万ドルを奪って逃げたと報告を受けて仰天。
一方、50万ドルを手に入れたいメラニーはルイスに裏切りをそそのかしていたが、煮え切らない
彼に悪態をつき続ける。広い駐車場で車をどこに駐めたか分からなくなり、苛立つルイスは正気を
失っていきなり銃でメラニーを撃った。ルイスと落ち合ったオデールは、金が5万ドルしかないのに
怒り狂い、ルイスを詰問。メラニーを殺すまでの事情を聞かされたオデールはかぶりをふって
ルイスを射殺し、身を隠した。

ジャッキーの計画も最終段階。金を返したいとオデールに知らせて、マックスの事務所へ彼を
おびきだす。やってきたオデールは、ジャッキーの「銃をもってるわ!」という叫びを合図に
ひそんでいたレイに撃たれて惨死した。
オデールの死で50万ドルは行方知れずとなり、ジャッキーとマックスは静かに勝利の喜びをわかち
あう。だが、ふたりは結局結ばれることなく、別れを告げるのだった。(キネマ旬報)

<IMDb=★7.5>
<Metascore=62>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:88% Audience Score:85%>
<KINENOTE=72.0点>
<映画com=3.6/5=Alltime Best>



by jazzyoba0083 | 2024-05-29 23:10 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)